
「askがさ、憶えてないかもしれないけど、
『悪いって、思ってるんでしょう?
だったら、あたしが責める必要はないよね』
って、言ってくれたんだ。
私は、その言葉に助けられたんだ。」
って、キミはきのう言ってくれたけどさ。
本当は、自分が昔に云ってほしかった言葉なんだ。
云ってほしい言葉なら、きっと、みんなあるんだよ。
言葉には、力があるけれど。
重松清さんの『青い鳥』に出てくる村内先生は、
話す事がうまくない。
しかも、たくさんの言葉を云うわけじゃない。
言葉って、もちろん大切なんだけれど、
私は、知ったんだ。
心に寄り添う、ってことを。
村内先生は、心に寄り添っていたから、
たくさんの言葉を、必要としなかったんだ。
言葉じゃ、すくえないものがある。
言葉だけじゃ、触れちゃいけないときがある。
そんなときには、誰かの心に寄り添って、
その人になるんだ。
自分を捨てて、その人になって、
その人の心になってみるんだ。
村内先生が云った言葉に、素敵な言葉なんてない。
だけど、言葉にできないほど苦しいときに、
言葉よりも、自分の心に重なってくれる心がほしいときがある。
解ろうとしてくれる優しさに触れたときに、
人は初めて、言葉を紡ごうとするのではないだろうか。
あなたが、もし、
言葉を紡げない誰かを前にしたのなら、
あなたは、どうするのでしょうか。