どうでもいいじゃんって言ってばかりのパールくんは、
ちょっと排他的な感じで、私が好きになれたのは見た目だけだった。

パールくんは、私の理想のタイプそのもので、
彼が呼吸している姿すら私をドキドキさせてうっとりさせて、
溜め息が漏れるような男前だった。

パールくんは何でも、どうでもいいじゃんって言っちゃうくせに、
音楽だけは、どうにかしなくちゃカテゴリーに入れていた。
なんだそれ、何もかもが繋がっているんだから、
どうでもいい音楽作れよ、いやならちゃんと向き合ってみろよ、
なんて死んでも言えなかった。

パールくんに悪態すらつけなかった自分が、今ではちょっと可愛いなとも思ったりする。
どうでもいいじゃんって呟く度に、記憶の何処かに埋もれていたパールくんがこんにちは、をして、
それから、甘いような苦いような私とパールくんが蘇ったりする。

いまでも『どうでもいいじゃん』って思っても、本当にどうでもいいのかは分からない。
ただ単に、私は記憶の何処かのパールくんとこんにちはをしたいが為に、
どうでもいいじゃんと呟くのかもしれない。

そんな彼も、もう三十路に片足を突っ込む年頃になっているはずなわけで、
いまだに『どうでもいいじゃん』って、放り投げていたら、
私の記憶の中に住む小さなパールくん共々、抹殺してやろうとも思っている。