92


ずっと、勿体ない、なんて思って、
ニュースはネットかTVで見ることにしていた。
去年はあるきっかけで新聞を取ることになった。
これまた勿体ないので、毎日読むことにした。

新聞は、沢山の情報が載っている。
だけど情報だけじゃない、何かがもっと載っていた。
ときどき、グッと苦しくなる。
ときどき、フッと涙が出る。
そして私の知らなかった事実が、言葉が溢れている。
誰かが紙面で云う。
その意味や、気持ちや、考えを繰り返し繰り返し思う。

ただの印刷された文字の羅列の中に、世界がある。
なんて、大きく思ってみたけれど、
新聞の中には沢山の人達が住んでいてね、
その中で、事件や事故や、それから特集や、
エライ人達が何を考えているか、
一般の人達が何を思っているか、
それに触れることが出来るんだなぁと思った。

『行ってはいけない場所を、避けて生きる。
 それが正論だけれども、人生は正論では収まりきれない。』

ただの書評の言葉なんだけど、なんだかグッとくる。


新聞を読んでいると辛くなったり、イヤになったりする。
それから感動したり、嬉しくなったり、頷いたりする。
ペラペラの紙の小さな世界は、今を映すそのもので、
私もこの紙の中の世界で生きていて、
現実と同じように辛くなったり、失望してみたり、
でも、感動して涙がポロポロ落ちたりするのだ。
ネットやTVでは感じられない何かが、ある。
そして、それを知りたい。
辛くて、本当に新聞を読むのを止めてしまおうか、
本気で悩むのだけれど、やっぱり知りたい。
恐くて、イヤになって、腹が立ったりするけれど、
それでも、すごーく気になってしまうのだ。


なので、新聞を再度契約した。
私は、私に投資した、と思うことにしている。