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今日会社で、ある女の子を連れ出した。
特に用も無く、ただ彼女に視線を向けた時から気になってしまって、
一度は会社から出たのに、なぜか引き戻って彼女に話しかけ外へ連れ出した。

私は正直、かなり慌てた。
彼女は私が声を掛けたときから、泣き出しそうな顔をしていたから。
そして案の定、外で泣き出してしまったから。

彼女の心はいつもいつも満杯で、それは楽しいことでも嬉しいことでもなくて、辛くて、悔しくて、哀しくて、傷ついた感情でいっぱいで、だから少しのことでも耐え切れないほど、心は涙を呑んでいるように思えた。
たった細い一本の糸だけが彼女が泣かないでいられる頼りの綱なんだな、と。

私は彼女に、会社を辞めてもいいと思う、そう告げた。
辞めることすら認めない上司なんだから、無断欠勤をしたっていい。
これからがあろう彼女に、私はもっと自分を守っていいと思う。


社会では、様々なことを様々な形で受け止め、それを乗り越えていく。
色んなことを経験し、色んな人に出会うことは、
いつかは自分の財産ともなるだろう。
だけども、自分の心を壊してまで会社にしがみつくことはない。
心は見えないからこそ、簡単には治らない。


私の会社は、たった60人規模だ。
彼女は笑うことすら許されない上司の下で働いている。

経営者に人の見る目が養われていないと、末端の社員は本当に辛い。
人を育てることより、潰すことに熱心なバカな上司の下で働かなければならない。
怒鳴られないように縮み上がりながら仕事をしたって、良い成果は出ない。
人の上に立つというのは、仕事ができる、だけではなく
人格者としても尊敬されるような人間でなくてはダメだと思う。



私は頭の中でグルグルと考えながら、彼女が泣いているのを黙って見ていた。
落ち着いてきた彼女が、ぽろぽろとこぼす言葉を拾いながら
一体これから私に何が出来るだろう?と思った。

フッともう1人女の子が入ってきて、彼女とランチに行く予定だと言ってた。
私は彼女を引き渡して、会社へ戻っていった。

会社は何のためにあるのか?
会社は誰のためにあるのか?
それは、それぞれがそれぞれの幸せを成す要素の一つに過ぎない。
だとすれば会社のために笑顔を失うのは本末転倒だ、と思う。