川上弘美さんの本、『先生の鞄』で主人公の月子さんが

先生の優しさをこう解説していた。


『先生の優しさは対等であろうとするところからのものであり、

 それはお互いが平等の位置にいることを示してくれる。』


ふむふむ。なるほど。

確かに、無用に優しくされると心許ない気持ちにさせられる。

無用の優しさは人によっては傷ついたり、上から物を言われた気分になるかもしれない。

だけども対等だから触れる優しさというのは、

人にとって一番心地のいいもので、一番尊厳を保つものなんだと思う。

マザーテレサやダイアナ妃があんなに人々に愛されていたのは、

この対等な優しさを分け隔てなく、奉仕するという気持ちでなく。

『誰もが人間として平等で、普遍的に変わらない』ということを、

貧しい人たちにも病気の人たちにも、ただ伝えたかっただけなんだろうな。


私だって、優しくされるのは好き。

だけども、対等に扱ってくれるときほど自信がつくことはない。

私にも誰に対しても、優しさが対等であろうとするところから生まれるといい、

いつもと変わらない毎日を過ごす中で思った。