海じゃない


去年着なかった服は、捨てる。

でも時々、去年すごくお気に入りの服が今年は着なかったりする。

着なくなるのは、多分、もう好きな服ではなくなっていることだと思う。

そうすると、自分が少し変わってしまったことを感じずにはいられない。

好きではなくなったものが、いつの間にか無くなっている。

捨てたとは意識せず、私の中では紛失、永遠に見つからないもの。


夏服を捨てるのに、寂しさや思い出はよぎらない。

なのに冬服を捨てるのは、なんとも言えない切なさがこみ上げる。

私は冬を過ごすことが好きで、生きている感じがするからだ。

冬の白い息は、世界と私が繋がっていることを確かめさせてくれる。

冬にする息継ぎは、乾いているせいか少し胸が苦しくなる。

まるで泣いているかのように。

冬は、私の何もかもを思い出させてくれる。

私が大事にして守っていたこと、私が傷つけてしまったこと、

私が出会った悲しい出来事、私が出会うことの出来た人たち。

白い息は大体のことをオブラートに包み、懐かしくもさせる。

大好きな冬に、寝ることが好きな私のために沢山の思い出が夢に出てきたらいいなー