なんでだか分からないのに、哀しい、という感情は
渦を巻いているような、見えないものさえ見えるような
何処の域に入れば哀しくなるのか分からない曖昧な、
それでいて、もっとも人を優しくも強くもさせる。

もし近くにいて欲しい、と願ってもいいのなら
楽しい気持ちや笑っている時間を共有するのではなく、
悲しみや怒りを共有していたい。
1人で抱え込むことほど辛い事はないのだから、
お互いに同じぐらいの悲しみや怒りを分かち合いたい。
それは、相手に最も近づくということ。
相手を自分の鏡としている、ということ。
知らない誰かと距離を縮めるのは、楽しくて笑えるとき。
知っている誰かとの関係を深めるのは、悲しみや怒りを知るとき。

出来る事なら、真っ直ぐ見据えていたいものだけど
大きな悲しみは、ときに人を歪ませることもある。
そして、それを知らなければならないときがある。
抱きしめる腕が、強ければ強いほどいいときがある。