そんな人間は、いたるところに存在する。
私が通勤に使う電車はいつも満員で、家族でもあんなにスキンシップしない。
そして必ず、新聞や雑誌を読むオジサマがいる。
モッサイ人ほど、ワイドーショー的なものを読む。
自分の鞄が誰にぶつかろうとも気にも止めない。
そんな電車内に、ベビーカーを押したお母さんが乗り込んだ。
こんな時間に乗り込むなよ、と思う人はいるだろう。
だけどこんな時間に乗らなければいけない理由があるから、乗ったのだ。
しかも、こんな満員電車に抱っこして乗る方がよっぽど危ない。
モッサイオジサンは、ベビーカーにいる小さな子供に鞄が顔にぶつかりそうな事も気づいてない。
オッサン、あんた生まれた時から大人だったのかい?
私は、オッサンの鞄を押した。
そんな私とオッサンの静かな攻防戦が、いつしか熱くなった。
おい、オッサン。あんた電車の状況が把握できないようじゃ、社会情勢なんて話になんないよ!!
と、睨んでいても気づいてくれず、電車は大きな駅に停車した。
それはもう皆様が下車駅に選んだだけあって、我先にとドアから出ようとした。
モッサイオジサンも、子供に鞄をぶつけようが、お母さんを押しのけようが脱出しようとする。
あら、大変!!お子に顔面直撃を喰らわせる気かしら?オッサンの鞄!!
すかさず、鞄から子供をガード。
そしていつの間にか、ダンディなオジサマがお母さんを助け、母子を安全に降ろした。
いいぞ、ダンディ!! やれるよ、ダンディ!!
いや~、オヤジでも違うね!!ダンディズムが匂ってたね!!
お母さんは、私たちにお礼を言って去りました。