この作品が放映されて

もうすぐ10年経ちますか…

 

10年前は

嵐さんもおーのさんの存在も

知らなかったんだなぁ…

 

確か

「魔王」の始まる前のクールで、

とーまさんの出演していた

ドラマがあったと記憶しています。

そのドラマにもハマってはなくて、

テレビがついてた程度で、

毎週観ていたわけではなく、

よく寝落ちしてました。

でも、

とーまさんのことはこの時知って、

かっこいいのに面白い役者さんだなあ

って思って気になって、

次に「魔王」というドラマに

出演なさるということも、

新聞か何かで知ったんだよなぁ。

で、観ようと思っていたのに、

なぜか「魔王」はリアルタイムでは

観れてませんでした。

きっと、寝落ちしてたんでしょう。

 

もし、この時、

とーまさんきっかけでもいいから

「魔王」を少しでも観ていたら…?

せめて録画して、

2008年のうちにでも観ていたら…?

 

この時から

おーのさんのファンに

なっていただろうか?

今のようなハマり方をして、

人生初のファンクラブ入会して、

人生初で国立なんか行っちゃって、

嵐さんの10周年記念を

祝ってたりしたんだろうか?

 

今からすると、

嵐さんやおーのさんを

知らないでいたなんて、

信じられない。

あのころだって、

嵐さんは人気があったはずで、

すごい認知度があったはずで。

 

なんとなく

そのころに戻りたいような、

戻りたくないような。

今、

国民的認知度を誇っている

嵐さんを知らないって、

結構稀有な存在だと思う。

そんな人になりたい気もする。

 

 

おーのさんのファンになってから、

おーのさんの出演されたドラマを

少しずつそろえて、

観ていって…

この作品は、

私の中の

最も「おーのさん好き好き大好き」

の時期に一度観たきりで、

自分の中で封印していました。

 

当時のおーのさんが

「魔王」について語っていることを

先にネットや雑誌などで知り、

おーのさんが成瀬さんになってた時、

辛かったのかなぁと感じたからです。

 

役になりきるおーのさんにとって、

成瀬さんの生き様は

すごく重かったのでしょうね。

この時、釣りがあってくれてよかった。

おーのさんにとって

気分転換になることがあってよかった。

 

初めて「魔王」を観た時の私は、

成瀬さんではなく、やはり

中の人を観ていたんでしょうね。

「しおりさん役の方、うらやましー!」

っていう目線のみで観てましたもん。

 

今回は

だいぶ冷静になって観れました。

そして、この役柄の重さ、

もし本当に

この役柄の人生を生きるとしたら…

殺人とか、復讐とか、

本来は優しい、

菩薩様のおーのさんとは

全く真逆の事柄で、

でもお仕事だから

「成瀬さん」になりきる必要があって…

てなことを考えて、

当時のおーのさんの、

役者としての切なさを

推察してしまいます。

 

細かい演技がうまいなーと、

見入ってしまう。

 

ひそかに笑う時の酷薄な表情、

おーのさんには珍しい表情だ。

 

成瀬さんとお姉さんのシーンで、

話題になった(らしい)泣きの演技。

アイドルの

美しいかっこいい泣きではなく、

リアリティを追求した泣きには、

やはり心打たれました。

このころはまだ実家住みだったのかな。

実のお姉さんのことを考えて、

涙が止まらなかったのかもしれないな。

 

しおりさんをいとしく思いながらも、

復讐をやり遂げなければならない

苦悩と決意の演技。

迷いを捨てた迫力のある表情への

変化がすごい。

 

芹沢刑事や

熊田弁護士の息子との対峙。

役になってない時(演技してない時)に

とーまさんやにのちゃんと

仲良くしてたら、

すごくやりにくいことが想像できる。

芹沢刑事やお友達の役者の方々とは

わざと距離を置いてたのも、

わかる気がする。

でも、

熊田弁護士の息子役のにのちゃんとは

そうもいかなかっただろうから、
お二人ともやっぱりプロだよなーっ

と思いました。

 

 

ラストまで観て、

 

成瀬さんは芹沢刑事を憎み続けることで

ひでおさんを思い出せていて、

辛い思い出だけど、

忘れることなく居ることができて、

いつの間にか、

憎んでいる芹沢刑事との間に

ひでおさんを介した絆のようなものを

感じていたのかもしれないなあ

と思いました。

 

こう考えると、

美しいけど切ないお話ですね。

そして、成瀬さん期のおーのさんも

美しいけど儚い。

 

 

この2008年の

成瀬さん期のおーのさんは、

コンサートやバラエティーでの

お姿でも、

なぜか切なく見えてしまいます。

実は初国立のコンDVDも、

あまり観れないでいます。

大好物のドキュメンタリーも

あるのにね。

 

ともかく「魔王」は、切ない。

作品全体も、

成瀬さんの美しくはかない見た目も

この時演じてたおーのさんの気持ちも

すべてひっくるめて、切ない。

今回観て、

またしばらく封印するでしょう。