



夏の海旅行をきっかけに
確実に私とディーンさんとの
距離は近づいていた。
年が明けて、
1年生後期のテスト期間も無事終了し、
1年目が終わろうとしているタイミングで
私はディーンさんについて衝撃的な
事実を知ることになりました。
(私の友人)マリコ、大変‼️
さっき、医学部のサブローくん(3浪)
から聞いたんだけど、ディーンさんのこと。
※ディーンと同じ医学部で3浪して入学
智子、そんな慌ててどうしたの❓
マリコ、落ち着いて聞いて。
実は次の4月の新入生の中に、
ディーンさんの婚約者がいるんだって。
えっ⁉️ 婚約者・・・。
なにそれ今どき❓
私も最初はそう思ったよ。
でもサブローくんはAくんから
聞いたらしいから、全てが嘘ではないと思う。
※Aくんとは他大学に通う、
ディーンさんの同郷の幼馴染の方
じゃ、、本当の事なの、、、。
全部が本当とは限らないけど、、、。
ディーンさんに聞いてみたら?
・・・・・・・
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ディーンさん、今日少し話せますか?
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いいよ!授業5限まであるから
19:30とかになるけど、それで良ければ。
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ありがとうございます。
駅前のカフェで待ってますね。
・・・・・・・
遅くなってごめんね。話って?
うん。。噂でね。聞いたの。
4月にうちの大学にディーンさんの婚約者が
入学してくるって。
そっか。Aから聞いたの?
うん。サブローくん経由で。
うん。大学は別だけど、一部は事実。
でもちゃんと説明させて欲しい。
少し長くなるし、うちの家のことだから
嫌な気持ちにさせるかも知れないけど。
マリコちゃんにはちゃんと話したい。
うん。私も聞きたい。
・・・・・・・・
僕は○県出身で
地元では大きな総合病院の創業家なんだ。
ただ僕の家は本家ではなく、分家で。
しかも、恥ずかしい話しなんだけど
僕は、、いわゆる、妾の子なんだ。
そうなんだ。
でも生まれなんて関係ないと思う。
ありがとう。
僕は本家筋の人間ではないけど、
幼い頃から、家に貢献できる子になれと
母に言われ続けてたから、
医師になるのは必然に思ってた。
事情が変わったのは高2くらいかな。
本家には僕の1つ年上の息子と
2つ下の娘がいたんだけど、
残念ながら、長男は医学部受験に失敗し
挙げ句の果てに、ある問題を起こしたんだ。
それを機に本家では彼には病院は継がせない。
と判断したんだけど。。。
後継者として、あなたが選ばれたのね。
そう。
ただ、僕は分家のしかも、妾の子。
養子として本家に入るか、
婿養子となるか、その2択で。
気づいたら婿養子になる事が
僕の知らない所で勝手に決まってた。。
でも僕たち母子を苦しめてきた
本家に入って、しかも病院を継げるなら
それもいいと思って、了承した。
乗っ取ってやる!って気持ちでね。
というか僕には選択肢なんてなかったんけど。
そこから猛勉強して、
1浪しちゃったけど、○大医学部に入ったんだ。
自分で選んで、自分で決めたはずな道のに、
大学に入ってから、はじめて後悔したよ。
マリコちゃんに出会って、
僕には君と向き合う資格がないと、
自分の選択をはじめて後悔してるよ。
・・・・・・・・
ディーンさんの背負うものが
あまりにも大きくて、
私はなんて言ったらいいか
どうすればいいか分からなくなっていた。
