大阪の国際見本市 | 明日通信

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あすへ...

 ちょっと大阪のみなさん、関西のみなさん、気付いておられますか。

 大阪で本格的な国際見本市が久しく開かれていないことを⁉

 ウォーターフロントに「インテックス大阪」という国際見本市会場があり国際の名の付く組織もあるのにね。なぜでしょう。

 確かにインテックス大阪で開かれる見本市、展示会、フェアの中に「国際」と名の付く展示会がいくつかあり、来年度も二、三計画されている。

 が、一般に国際見本市(フェア)といえば出展が国内企業数千社、世界から国や地域を代表して少なくとも数百社、多くは千数百社が揃う。

 機械や工場設備機器などの生産財見本市。機械をつくる機械、船をつくる機械、飛行機やロケット、大きな声で言えないが兵器をつくる機械、道路やビルや住宅など整備したり建設する機械、自動車や家庭電化製品、ITなど生産・加工する機械、、医療機器をつくったり医薬品をつくる機械、繊維を織ったり衣服をつくったり編んだりする機械、食品をつくる機械とモノづくりは際限がない。それらをつくる機械や設備は世界に数えきれないくらいあり、使ってもらうためにPR、デモンストレーションを行う。そうした中で効果的なのが展示会・見本市だ。

 こうした展示会・見本市は機械や設備に限らない。設計やソフト、ノウハウの展示会あり、今はゲーム・ゲームソフトの展示会もある。

 大阪のインテックスでも企業などのプライベート展示会を含めると今も三桁はある。ところが大阪を舞台の本格的国際見本市年数個。東京・首都圏では国際(インターナショナル)とつく見本市が数十個、大きく差をつけられている。

 50年ほど前、大阪国際(産業)見本市が初開催されてから90年代初めまで結構、開催された。出展数も国内1000社余、海外数十カ国・地域から三桁の出展も珍しくなかった。来場者も10数万から多いときは40万人近く。出展関係の外人さん、バイヤーとしてやって来る外人さんも多かった。自動車ショーもあった(現在、復活開催されているが・・・)。開催前の記者発表会、プレビューも派手に開かれていた。

 ところがすべて中止、廃止。2002年の国際見本市を最後に大規模の国際見本市を見学した記憶がない。大阪で開いても引き合い、成約高が伸びず、割が合わなくなり、東京集中となったわけだ。

 インテックスの規模はアメリカやドイツ、イタリア、いや中国のフェア施設規模と比べてずい分小さい。今の国際展のスケールには合わなくなっている。が、現在、そのインテックス大阪の施設ですらいっぱいになる展示会がない。つまりそれが「衰退」した大阪の産業の現状だ。

 商都大阪、中小企業が集中しモノづくりの大阪、結構レベルが高く、世界に向けて誇れるものがたくさんあるのに、フェアも開けなくなっている。

 何か、大きな目標と仕掛けがなければ大阪は浮き上がることも、新たなリーダーシップをもって輝くこともできない。だから「政治」ではない。本来の国を支える台所、カネを稼ぐ基地、産業や技術、「知、情報」の発信基地として個性をはっきりさせ、世界と結びつけば政治(中央)の方から寄って来る。政治で敵対、不毛の争い、そんな人間ばかりでは大阪は10年もしないうちに日本の二流、三流都市になりさがってしまうことになりかねない。まず、モノづくり、産業都市、商都として復活ありきと思うね。一日も早く、再び国際見本市を開けるようにならなければね。