~朝~
眠い目をこすりながら起きる妻。
ふと気づくと、横に寝ていたはずの夫が居ない。
妻の脳裏にはすぐさまスイッチの場所が思い浮かんだ。
「もう・・・」
まだ目覚めきっていない体を起こし、押入れへと向かう。
ガラガラと音をたてながら引き戸を開けるが、
そこに夫の姿はなかった。
「どこいったのよ・・・・」
夫の行方を模索していると、妻の携帯から着信音が聞こえて
きた。
「もしもし」
「あ、おはようございます。高橋ですが」
「おはようございます、こんな朝早くどうしたんですか?」
「いえ、以前住んでた方の事がわかりましたんでご連絡をと思いまして」
「主人が聞いてたやつですよね?今主人居なくて・・・・」
「そうですか・・・・」
「なにかあったんですか?」
「ええ、以前住んでたカップルの方達なんですが、行方不明なんです」
「はい?」
「私がまだ入社する前なんで私も知らなかったんですけど、
どうも夜逃げをされたみたいで・・・・家賃滞納が問題になりまして
会社の者が部屋に入ったんです。部屋の中は生活用品や食事がそのまま
だったみたいで・・・」
「あのスイッチのせいですか・・・?」
「いえ、関係ないとは思いますが・・・」
「・・・・今日中に撤去してください」
「え?あの・・・」
電話を切る。
ゆっくりと振り返り、スイッチのある物置へと目をやる。
まさかそんな事が・・・・。そう思いながら再び、
物置へと足を運ぶ妻。
恐る恐る引き戸を開けるが、やはり夫の姿はない。
名前を呼びかけてみたが、反応もない。
きっとコンビニに朝食を買いに行っただけだ。
そう思い、引き戸を閉めようとした時、妻は異変に気づいた。
スイッチが・・・無い・・・・・
続く