僕と川端ちゃんは長年、進路指導部で生徒の面倒をみてきた。2人の性格は正反対だった。


    彼は几帳面でしっかりしてた。僕はいい加減で大ざっぱだ。正反対だったから逆にフォローしながら上手くいってた。


    夏休みも休みはお盆の3日間だけかな。彼は国語で僕は日本史の夏期講習が2週間あったし進路指導の仕事もあった。


     彼は時々子供を連れて学校に来た。驚いたのは食堂で子供に勉強させてたんだ。嘘だ〜だ。

僕も連れて来たけどグラウンドでサッカーの練習やってた。


     僕は60歳の定年で学校を去ったが、彼は講師として62歳まで学校に残った。ところが或る日電話が掛かってきた。会いたいと言う。


    電話の声が震えてたのが気に掛かったが、新大久保の彼の家に向った。喫茶店で話をした。


    彼は自分が不安神経症に掛かってると言った。学校を去ったのは不安神経症の症状が出て授業が出来無くなったと言った。


     表情はやつれて声も震えてコーヒーカップを持つ手が震えてる。明確な理由が無いのに過度な不安や恐怖に襲われると言う。


    近々、病院に入院するという。退院出来るかも分から無いと悔しそうだった


     此の症状は恐いよ。理由が無いのだからさ。

喫茶店では昔話をしたんだ。楽しい時間だったよ。1時間半位経って彼が疲れたみたいで帰る事にした。


     2人で新大久保駅に向った。僕が切符を買って振り返ると横断歩道の向こう側で彼が大声で

(ありがとう)_と叫んでた。僕は手を振りながら涙ぐんでた。

     川端ちゃんはどうしてるかな〜?

ありがとうございました。感謝、感謝