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lolopapa 81歳のブログ フィリピン移住で健康余生の願い

終の棲家選びが健康寿命に係わっています。太陽と共に生きる環境が、病気にならない健康余生に繋がります。

 

 



生姜は漢方としても製剤化されており、胃腸を活発にする、下痢に効く、食欲増進、吐き気しゃっくり止め、神経痛、関節痛、のぼせ止め、感冒改善、血清脂質の改善・・・といった効能があります。効果を及ぼす物質については、生姜に含有するジンゲロールやショウガオールといった化学物質が働くという。
     今回の健康塾は、「生姜の健康効果・効能」の謎解きです。

人間には本来、昼間動いて夜休むという習慣があります。これは単なる習慣ではなく体内リズムと一体になっています。このリズムが、実は健康、とくに胃腸のためにはとても大切。規則正しい生活が理想とはいえ、なかなか難しいもの。体内リズムを整えるための第一歩は、朝日浴にはじまり、一日三食、決まった時間に食事を食べること。また、朝食をおいしく食べるために寝る三時間前からは何も食べない、そして間食はやめることを守ります。こうすることで体内リズムが整い、リズムが整えば快便にもつながります。

ところが高齢になって「加齢による胃の働きの低下」が衰えると、食べ物の消化に時間がかかり長く胃に留まることになり、胃もたれが起こりやすくなります。 加齢にともない胃の粘膜を守る血流が弱くなることも、胃の不調を招く原因になります。
胃には、ぜん動運動によって、一定の時間をかけて食べ物を消化しやすい状態に変え、小腸に送り出す働きがあります。加齢によって胃の働きが低下すると、食べ物の消化に時間がかかるようになり、胃に長くとどまることになるため、胃もたれが起こりやすくなります。また、高齢になると胃の粘膜を守る血流が低下し、そのせいで胃に不調が起こることもあります。胃の働きは、自律神経によってコントロールされています。ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、「食べ物を消化する準備をして小腸に送り出す」という胃の働きが低下し、胃もたれが起こりやすくなります。
加齢やストレス、食べ過ぎ、飲み過ぎなど、胃や自律神経の働きを妨げるような要因があると、ぜん動運動が弱くなったり、空腹時に胃の粘膜が荒れたりして、胃もたれが起こりやすくなるのです。

胃腸は免疫力と深い関係があり、身体全体の調子を司る大事な器官なのです。そこで今回の元気通信では、東洋医学の先生に、胃腸に関するお話を伺いました。気をつけたい胃腸トラブルは?

胃の生理からいえば、問題となるのは食事の回数よりその間隔です。空腹が長時間続くと胃液が胃の粘膜を刺激してびらんや潰瘍ができやすくなるのです。ですから朝食抜きで会社に行く、また、朝食を抜いたままたばこやコーヒーに手を出すことは、胃への拷問のようなものといえます。
朝食はきちんととり、その後は5~6時間あけて食事を取るのが体にはやさしいようです。
 「腹八分目に病なし」といわれます。では、食べすぎはなぜいけないかというと、たくさんの食物で胃壁が極端に拡張し、胃の筋力が低下してしまいます。すると胃のぜん動運動がうまく行われず、食物が胃液とよく混ざらないで十二指腸に送られてしまいます。そのためより多くの胆汁や膵液(すいえき)が動員され、消化器全体に負担をかけることになってしまうのです。つまり、胃の中に空間を持たせたほうが食物と胃液がよく混ざり、胃の運動もリズミカルになるということです。
空腹の状態を気持ちいいと思えることも、胃腸の健康のバロメーターといえるでしょう。
 「よく噛んでゆっくり休む」忙しいとつい早食いになりますが、噛むことで唾液と食物が混じり合い、消化吸収されやすくなるので、噛まないと胃は余分に働くことになります。噛むことが消化の第一歩というわけです。
噛むことの効能には胃腸の保護のほか、肥満の防止、脳の発達、ガンの予防などがあります。その裏づけとして、よく噛むとパロチンという老化防止ホルモンが分泌されることがあげられます。ひと口三十回噛むことが目安。
また、消化活動には十分な血液が必要なため、食後すぐ動いたり入浴してしまうと、胃に十分な血液が回らなくなって、消化がスムーズにできなくなります。食後30~60分はゆっくり休むように心がけたいものです。


「食べて整える」食べて胃を整えるには、胃酸の分泌量を適量に調整し、胃や腸の消化吸収をスムーズにしてくれるものを食べるのが最適。たとえば大根には、デンプンを分解するジアスターゼという酵素が豊富です。また、荒れた胃の粘膜の修復にはほうれん草が活躍します。粘膜の免疫を高めるカロチンやビタミンCが豊富だからです。
その他にも次のような効果的な食物をバランスよくとるように心がけたいものです。
 

●消化不良⇒消化を促進する
消化酵素にはデンプンを分解するもの、タンパク質を分解するもの、脂肪を分解するものがありますが、この3つを兼ね備えているのが納豆。納豆は栄養豊富な滋養強壮食であるばかりか、類を見ない優れた消化剤です。
また、消化によいといわれる大根の2倍のジアスターゼを含むのがヤマイモ。消化の悪い麦飯にとろろ汁をかけて食べるのもその理由からです。
タンパク質をよく消化するのはパパイヤ、イチジク、パイナップルなど。酢豚にパイナップルは理にかなっているわけです。
 

●胸やけ、空腹時の胃痛⇒胃酸を抑える
胃酸はpH2の強酸で金属も溶かしてしまいます。これを中和するにはアルカリ性のカルシウムを多く取るのがよいでしょう。牡蠣やワカメ、コンブなどに多く含まれます。また、胃酸過多はストレスやたばこの吸い過ぎなどでも憎悪するので、胃酸過多の煙草のみの人は気をつけてください。精神安定作用のある蓮の実、ユリ根、ナツメがおすすめです。
 

●お年寄り、胃弱者⇒胃酸の分泌を促進
胃痛は胃酸過多のせいだと思っている人の50%以上は、逆に胃酸が足りないというデータもあります。特に胃弱の人やシルバー世代はほとんどの場合胃酸が少ないようです。胃酸の分泌を促し、食欲を亢進させるのがアロエやニンニク、ペパーミント、生姜、シソ、梅干、ラッキョウ、ビール酵母など。香辛料にはおおむね胃酸を分泌させる作用があります。
 

●炎症、潰瘍を抑える
ロヘイヤ、オオバコなど、粘質多糖類を含む食品はただれを抑える働きがあります。モロヘイヤは栄養の宝庫ともいうべき野菜で、ビタミンやミネラルの含有量は野菜の中でも群を抜いています。炎症を抑えるだけでなく、免疫力を高めて炎症を予防するはたらきもあります。
ビタミンUというキャベツ特有の成分は、消化作用と胃粘液の分泌を高め、潰瘍を予防します。また、プロポリスには胃炎や潰瘍の症状を和らげる作用があります。
 

●胃粘膜を保護する
胃粘膜に皮膜を張り、保護してくれるのがアロエの皮を取ったゼリー質やハトムギ。また、モズクやワカメ、コンブなどに含まれるヌルヌル成分フコイダンは、胃粘液の代わりをしたり胃壁を補修する作用があります。

さて、胃腸に効く健康法を紹介してきましたが、大事なのはやはり、自分で自分の体を可愛がってあげることです。胃腸は「喋る臓器」と言われるほど色々なサイン(胸やけや胃痛)でSOSを知らせてくれます。その声に耳を傾けて、デリケートに接してあげることがたいせつです。おいしい食事を楽しみ、また元気に活動できるのも、健康な体があってこそ。かけがえのない自分の体、大切に扱ってあげましょう。

■しょうがの驚くべき8つの効能とは?
 粉末になったものを料理に加えたり、刻んだりスライスしたりして漬けたり、沸騰したお湯にいれてハーブティーにしたり、効能が広範囲にわたるショウガは何世紀も世界中のキッチンで定番の食材になっている。インドの伝統的なアーユルヴェーダ医療では中心的役割を果たしていて、吐き気や喉の痛み、胃痛の効果のある家庭薬として人気です。
そこで、アーユルヴェーダの医師に、腸の健康を高めることから変形性関節症の症状を緩和することまで、ショウガの効能をシェアを紹介します。

ショウガは健康的な成分の宝庫で、実際に400種の天然の化学成分が確認されているが、主要な天然活性成分はジンゲロールです。「これらの配合成分は産地や養生方法、乾燥法、貯蔵法などによって異なります。従って、信頼できるオーガニックな生産元から購入することがとても重要です」また、化学組成も、乾燥させたものか、粉末状か生かによって異なる。「生のものはジンゲロールを多く含んでいるので常にベストです。サプリを探しているなら、天然のものを選ぶことが重要です」

1:ビタミン類とミネラル類が豊富
ショウガは、ビタミンCやビタミンBのチアミン、リボフラビン、ナイアシンなどさまざまなビタミンだけでなく鉄分やカルシウム、リンなどのミネラル類も含み、栄養素の宝庫だとホープは言う。

また、フェノールという植物成分も含み、中でもっとも優れているのはジンゲロールとショウガオール、ジンジャジオールだ。3つのうち、もっとも豊富に含まれているのがジンゲロールで、この油性の液体がショウガの辛味の元になっている。

2:抗炎症性がある
ジンゲロールは抗炎症化合物であることが、「変形性関節症や関節リウマチの人が規則的にショウガを摂取すると、痛みが緩和されたり動きが改善したりする」という理由ではないかと考えられるとウィーナーは言う。ジンゲロールが免疫機能の化学伝達物質に作用するからだ。

「ジンゲロールは、慢性的な炎症に関わる生化学的経路を調整することから、強力な抗炎症と抗酸化作用があることがわかっています」と、ホープ。また、体から放出される炎症性化学物質ロイコトリエンの形成を抑える効果もある。

3:吐き気を緩和する
ショウガには多様な消化促進効果があり、特に吐き気や胃のもたれ、嘔吐を引き起こす消化管に作用すると、ウィーナーは言う。マーシー医師も「ショウガは吐き気を著しく低減します。強力な制吐剤であり、乗り物酔いを防ぎます」と、同意する。

ショウガは昔から船酔いの薬として用いられており、特に妊娠による吐き気の対処に効果的だ。しかし、妊娠している場合はショウガを多量に摂取する前にまずは医師に相談しよう。特に大量に摂取すると流産のリスクを高めるのを心配する専門家もいる。

4:消化を促進する
胃を落ち着かせるためにショウガを食べる人がいるのには理由がある。ショウガは消化液の働きを刺激することで食べ物が胃から小腸に動くよう促し、膨満感や腸内にガスがたまるのを緩和することがわかっている。特に消化不良に効果的かもしれない。

「ショウガの活性成分が消化吸収を刺激し、消化管の筋肉活動を高め、便秘やガスが溜まるのを緩和します」と、マーシー医師。「ショウガの根に含まれるジンゲロールとジンジャースルホン酸(gingersulfonic)が胃内容排出を速め、ガスの膨張を和らげるのです」。

5:抗酸化物質が豊富
ショウガは広範な抗酸化物質で、細胞のダメージを減らすのを助けるとマーシー医師は言う。ショウガには、ザクロと特定の種類のベリーに次ぐ高レベルの抗酸化物質が含まれている。「抗酸化物質であるジンゲロールについては広範な研究がなされています。フリーラジカルの活動を低下させるのに役立つので、細胞のダメージを減らし、健康的なエイジングを促進します」と、マーシー医師。

6:抗菌性がある
ショウガのエッセンスは、大腸菌やプロテウス、ブドウ球菌、サルモネラ菌など多くの異なるタイプの細菌の成長を抑制すると、マーシー医師は言う。そのため健康的な腸内フローラを促進する。

抗菌性があることで、ショウガは、歯肉炎や歯周炎など歯茎の炎症の原因となる口内細菌に対処する効果があることも、研究室での実験からわかっている。しかし、人体に対する研究が必要だ。

7:腸の健康にいい
ショウガには腸の健康に役立つ繊維質が豊富なため、プレバイオティクスとして機能すると、マーシー医師は言う。「腸内細菌は繊維質を利用するのです。悪玉菌の数を減らし、善玉菌を増やします」。

8:心臓病のリスクを低減
ショウガに含まれる抗炎症物質は、心臓病などの慢性疾患のリスクを減らすことができるとウィーナーは言う。「ショウガは血圧低下を助け、血中脂質の値を減らすことができるからで、どちらも心臓病を防ぐことに役立ちます」。

また、ショウガはコレステロール値を下げることにも役立つ。イランのバボル医科大学が高血圧の人85人を対象に行った小さな研究で、1日3gのショウガの粉末を摂取したところ、ほとんどの人のコレステロール値が著しく低下したことがわかっている。

9:ガン予防に役立つかも
ショウガに含まれる細胞を保護する成分は、特定のタイプのガンの長期的に見たリスクを減らすことができるとウィーナーは言う。「DNAの変化や細胞の死、がん細胞の増殖を引き起こす細胞の活動を減らすかもしれないからです。化学療法や放射線治療に対し腫瘍を敏感にするのを助けるとも考えられています」

人体に対するさらなる対照研究が必要だが、こうした潜在的効果があるため、ショウガは「リンパ腫やヘパトーマ、大腸ガン、乳ガン、皮膚ガン、肝臓ガン、膀胱ガンなどのガンの成長を防いだり抑制したりする強力な物質なのです」と、マーシー医師。

10:生理痛を緩和する
ショウガには抗けいれん作用と抗炎症作用があるため、生理痛の緩和にも役立つとマーシー医師は言う。イランのシャヒドベヘシュティ医科大学による研究で、150人の女性が1日1gのショウガの粉を生理が始まってから3日間摂取したところ、イブプロフェン(解熱、鎮痛、抗炎症薬)と同じくらい痛みの緩和に効果があった。

11:偏頭痛を緩和する
ショウガは偏頭痛による吐き気や痛み、あるいはその両方を緩和に役立つこともわかっていると、マーシー医師は言う。500〜600mgのショウガの粉を偏頭痛が始まってから4時間おきに3〜4日間にわたって投与したところ、偏頭痛の発作が緩和されたと報告されているという。

12:インスリン耐性を向上させ、代謝を促進する
「ショウガはインスリンと代謝の改善にも関係しています」と、ウィーナーは言い、定期的に摂取すると血糖値が下がるとも付け加える。これは、イランのテヘラン医科大学が行った小規模研究で確認されている。2型糖尿病を持つ41人の研究参加者に毎日2gのショウガの粉末を処方したところ、空腹時血糖値が12%低下したのだ。期待できる結果だが、さらなる人体への研究が必要だ。

  健康効果が高く、スパイシーな風味を与えてくれる食材として、古くから親しまれているしょうが。体にいいのは間違いないけれど、どんな病気も治せる万能薬かといったら、しょうがに荷を負わせすぎ!? そこで、トレンドスパイスとなりつつあるシしょうがにまつわる神話と事実を探ってみよう。

1.糖尿病のリスクを下げることができる
科学者たちは研究の結果、しょうがに含まれるいくつかの活性化合物が、インシュリン値と代謝の改善につながると結論つけている。でも糖尿病のリスクを抱えている人が、砂糖がたっぷり入ったジンジャーブレッドクッキーを食べるのはNG! 乾燥させたしょうがと新鮮なしょうがを両方常備しておき、スムージーにプラスしたり、野菜中心の炒め物に加えたりすると良いそう。しょうがに含まれる化合物は、時間が経つと減少する可能性があるけれど、乾燥させることで健康的なメリットのある化合物を強化させることができるとか。

2.生理痛を和らげる
しょうがの鎮痛効果について調べた研究によると、もっとも効果が高かったのが生理痛の緩和だったそう。また、生理中にしょうが茶を飲むと、吐き気を軽減させることもできることがわかった。ただし、普段から鎮痛剤としてアセトアミノフェンやイブプロフェンを服用している場合、その効果が得られないという残念な話も。逆に、しょうがが薬の効果に影響を与える可能性もあるため、病気などで投薬治療中の人は、しょうがエキスや錠剤を摂取し始める前に、必ず医師に相談しよう。

3.抗炎症作用がある
ナッツ、シード類、豆類、全粒粉などの農産物と同様、しょうがには植物栄養素(フィトケミカル)と呼ばれる抗酸化物質に似た化合物が含まれている。植物栄養素は、細胞の損傷を減少させるとされる物質なのだ。また、しょうがは細胞のシグナル伝達活動を押さえるので、炎症自体が発生するのを抑制することもできるとか。つまり、栄養たっぷりの食事にしょうがを加えれば、炎症を抑えるメリットが期待できそう。

4.胃の調子を整えることができる
しょうがが軽度のおなかの不調を和らげるということは、ご存じの方もいるかもしれない。過去の研究でも、しょうがが消化器官に複数のメリットをもたらすことが明らかになっている。とりわけ、吐き気、胃の不調、嘔吐などの原因となる胃腸管の一部に作用しているらしい。また、胃の中の食べ物が消化・吸収されるように、小腸に送り出す働きをすることも指摘されている。ただし、しょうがが食中毒を予防したり、有毒物質の摂取を相殺したりするわけではないので、強い腹痛など緊急の治療が必要な場合は、直ちに医師に相談すること。

5.つわりを和らげる
胃腸の不快感に関連して、妊娠中の女性が抱える悩みにも役立ってくれるようだ。ある研究によると、しょうががつわりの症状を緩和する可能性があることが判明。なお、しょうがは妊娠中に食べても安全で、偽薬と比較したときに多少ではあるもののつわりの症状に改善が見られたとか。

6.心臓病予防に効果的な可能性がある
しょうがに含まれる抗炎症化合物は、慢性疾患のリスクを軽減できるのだとか。2016年に実施された再調査の結果、しょうがを定期的に摂取することにより、偽薬と比較してコレステロール値と血糖値が下がったことがわかった。ただし、糖尿病と同様、しょうがを食べたからといって、飽和脂肪と糖分たっぷりの不健康な食生活を帳消しにできるわけではないので要注意。病気のリスクを下げるためには、多くの野菜、100%の全粒粉、タンパク質たっぷりの赤身肉、魚、豆類を消費しなければならないことを覚えておいて。

7.がんのリスクを下げる可能性がある
しょうがが持つ細胞保護作用は、特定のがんに対する長期的なリスクを軽減できるかもしれないそう。なぜなら、しょうがやその他のスパイス類が、DNAの変化、細胞死、がん細胞の増殖などを引き起こす細胞活動を低下させるから。また、腫瘍を化学療法や放射線療法などで治療する際には、感受性を高める助けとなるかもしれないとも。しょうがは慢性疾患の万能薬ではないけれど、その他のスパイスや野菜などの食材と一緒に定期的に摂取することにより、健康全般にメリットをもたらしてくれる可能性があるとのこと。

8.減量の助けになる
小規模で行われた複数の研究によると、ほかの植物エキスと一緒にしょうがを摂取することによって、ある程度の減量効果がみられたそう。また、動物による実験では、しょうがと体重管理の確実な因果関係が確認されたとか。とはいえ、ダイエット効果についても、しょうがはやっぱり魔法の薬とはいえない。減量や体重維持を考えるならば、バランスの取れた健康的な食事が極めて重要なのだ。

生姜を食べ過ぎると副作用がある?!適量と効果的な食べ方を解説!
生姜は、和食の薬味として欠かせません。そのほかにも、ジンジャークッキー、しょうがせんべいなど、おやつでも人気ですね。さわやかでピリッとした辛みが料理の味を引き立ててくれますし、昔から薬にも取り入れられてきたぐらい健康効果もある食材です。でも、健康効果を求めるがために、食べ過ぎてしまっても大丈夫なのでしょうか。おいしく健康に生姜を取り入れる食べ方を見ていきましょう。

・生姜の栄養と効能
生姜の健康効果として期待できるのは、生姜3大成分と言われる、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンに加え、食物繊維、ミネラルからによるものが多いと言えます。

●ジンゲロール
生の生姜の辛さのもと、口に入れるとすぐにピリッと感じる辛み成分です。ジンゲロールには抗酸化作用がありアンチエイジング効果が期待できますし、免疫力を高める作用や殺菌作用から胃腸の調子の改善や風邪予防にも期待がもてます。
また、血管を拡張させる作用がみられることもあるので、血流が良くなり手足を温め、肩こりや頭痛の改善につながると考えられています。この作用がはたらけば、吐き気の改善にも効果的になりますよ。

●ショウガオール
ショウガオールは、ジンゲロールと同様に生姜の辛み成分です。乾燥や加熱によってジンゲロールの一部が変化したもので、「熱」から作り出される成分です。ジンゲロールがピリッとした辛み成分だとしたら、ショウガオールはじわっと辛みがくる成分といえますね。
ショウガオールが効果を出してくれると、血行を良くし、身体の芯からあたたまるような実感が持てます。この内側からのあたためによって、冷え性予防や生理痛などへの鎮痛効果が期待できますよ。
そして、ジンゲロールよりも強力な殺菌、抗酸化作用を持つ可能性があり、ダイエットや美肌効果なども期待できると言われるゆえんとなっています。

●ジンゲロン
ショウガオールと同様に、ジンゲロンも加熱や乾燥によりジンゲロールの一部が変化したものです。胃液の分泌を高めて消化促進したり、血行を良くしたりと、冷え性改善に期待ができる成分。からだがあたたまることで代謝も高まり、脂肪燃焼しやすいからだづくりが望めそうですね。
また、腸のぜん動運動の活性化が見込めれば、便秘解消への期待も高まります。

●食物繊維
食物繊維が水分を吸収することで、便を柔らかくしたり、不要なものを便として排出してくれる整腸作用が期待されているのはみなさんご存知でしょう。具体的には、便秘の解消、デトックス効果につながる作用ということですね。
また、食物繊維は、急激な血糖値の上昇や、コレステロールの吸収を抑えたりするはたらきを持つこともあるそうです。食べ過ぎの予防や肥満防止が望めるかもしれません。

●ミネラル
生姜には、人が必要な栄養素の一つミネラルである<マンガン>と<モリブデン>が含まれています。
<マンガン>は、さまざまな酵素の構成成分になったり、酵素のはたらきを助けたりなど、体内活動の助役をになってくれる存在であると期待されています。そして、老化防止やガン予防にも一役買ってくれる可能性を秘めているのです。
<モリブデン>は、体内に不必要なものを尿酸に変えて老廃物を体外に出すように促してくれると期待されています。また、貧血を予防する効果が見込める成分。生姜には貧血予防のイメージがない方も多いのではないでしょうか。ただ、生姜のモリブデン含有量は少ないので、多くを含む大豆製品を一緒にとるとさらに良いそうです。冷や奴や湯豆腐に生姜を添えるのは、ベストな組み合わせだったのですね。

・皮にも効能がある
生姜の皮は栄養豊富です!ポリフェノールとジンゲロールが特に多く含まれています。
ポリフェノールは抗酸化作用に優れ、生活習慣病の予防に定評がある成分ですし、ジンゲロールは上述のとおり抗酸化作用を発揮することがあります。また、皮を加熱するとショウガオールのはたらきがいっそう高まる可能性を持っていますよ。
このように、生姜の皮には栄養があるので、皮をむかずに調理することをおすすめします。ただ、生姜は機械洗浄してパック詰めされていますが、すきまなどに土が残っていたりするので、さっと水洗いしてくださいね。

■生姜の食べ過ぎによる副作用
美容や健康にうれしい生姜ですが、過剰摂取はかえってからだによくありません。食べ過ぎには要注意です。
・腹痛・下痢
生姜を食べ過ぎると消化器官に影響がでることがあります。特に、胃腸が弱い人は腹痛や下痢、ガスがたまるといった症状がでる可能性があります。
・胸やけ
消化器官に負担をかけるほど食べすぎると、胸やけや胃もたれの心配もあります。これはどんな食材にも共通して言えることですね。
・動悸・アレルギー
可能性はそれほど多くはありませんし軽度ですが、生姜が体質に合わず動悸などの不調を感じる方もいます。生姜のアレルギーは、食後数時間~数日後に症状があらわれるようです。しかし、からだ全体にあらわれるだるさだったり、肩こりや動悸だったりで、生姜と結びつかなく自覚しないことがほとんど。生姜に限りませんが、毎日摂取していて不調がある場合はそれをやめてみる、医師に相談するようにしてくださいね。
・加熱した生姜が効果的
消化を促進してくれて、食べ過ぎの予防を望めるジンゲロン。また、抗酸化作用など美容効果の期待ができるショウガオール。どちらも、熱を加えることで増加し、摂取しやすくなります。
・生姜を加熱するときの注意点
ショウガオールは加熱によって作られますが、一気に高温になると風味がとびますし、できもよくありません。80~100度くらいでじっくりゆっくり火をとおすことで成分が壊れないのでおすすめです。
・乾燥生姜で冷え対策
加熱・乾燥した生姜は、ジンゲロールが変化したショウガオールが豊富です。そのショウガオールは胃腸を刺激して血流を良くし、からだを芯から温めてくれることがあるでしょう。つまり、根本的な冷え対策には、乾燥生姜・加熱生姜がおすすめなのです。

知っておいて損はない科学的に証明された12のショウガの効能は以下の通り。
  1:ビタミン類とミネラル類が豊富 ...
  2:抗炎症性がある ...
  3:吐き気を緩和する ...
  4:消化を促進する ...
  5:抗酸化物質が豊富 ...
  6:抗菌性がある ...
  7:腸の健康にいい ...
  8:心臓病のリスクを低減


しょうがの健康効果
  ◎冷え症を改善する効果
  ◎殺菌効果
  ◎吐き気を抑える効果
  ◎胃を健康に保つ効果
  ◎炎症を抑える効果
  ◎せき、のどの痛みを緩和する効果
  ◎コレステロール値、血圧を低下させる効果
  ◎アンチエイジング効果

しょうがの効果
しょうがには、香り成分ガラノラクトン、辛味成分ジンゲロール・ショウガオール・ジンゲロンなど優れた薬効をもつ成分が豊富に含まれており、以下のような働きが期待できます。

●冷え症を改善する効果
しょうがに含まれる香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは血管に届き、冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きがあります。その結果、血液の流れが良くなり、血行不良による冷え性や体のこわばり、肩こりなども改善できます。
血流が良くなると血液がきれいになり、発汗や排尿、排便が促され余分なものが排出されやすくなる効果もあります。
また、しょうがを加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールという熱をつくり出す働きをもつ成分に変化します。
そのため、ジンゲロールとショウガオールの2つの成分をもつひねしょうがには、新しょうがよりも全身を温める働きがあるといえます。
特に金時しょうがには、ジンゲロールがひねしょうがの4倍と多く含まれているため、最も体を温める働きがあります。
また、体を温めることで関節の痛みを和らげることができます。膝や腰などの関節の痛みは、体の冷えが原因で起こる場合が多いため、しょうがの体を温める働きがつらい関節の痛みの緩和が期待できます。
しょうがを食べることで3~4時間の保温効果が継続するといわれています。
体温を1℃上げることにより、免疫力が30%上昇するといわれており、風邪などの病気の予防にも適した食材ともいわれています。

●殺菌効果
しょうがに含まれるジンゲロン・ショウガオールには、殺菌効果があることが明らかになっています。
食中毒の予防のみならず、風邪や気管支炎、肺炎などの原因である細菌類や水虫などの真菌、フィラリアや回虫などの寄生虫も駆逐するといわれています。
寿司や刺身に添えられているガリ[※2]は、一緒に食べることで魚の臭みを消すだけでなく、食中毒を予防できます。

●吐き気を抑える効果
しょうがに含まれるジンキベレンという成分には、胃腸の運動が活発になりすぎることによって起こる二日酔いやつわり、胃の不調による吐き気を抑える効果があります。

●胃を健康に保つ効果
しょうがは胃腸の内壁の血行を良くし、胃腸の働きを活発にして食べ物の消化吸収を高めます。
また、しょうがにはジンジベインというたんぱく質を分解する酵素も含まれており胃腸の負担を軽減してくれる働きもあります。
しょうがの辛味成分ジンゲロン・ショウガオールには、胃酸の分泌を促進して消化吸収をととのえ、内臓の働きを活発にし、食欲を増進させる効果があります。
さらに、しょうがには潰瘍を抑え、胃潰瘍の原因であるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する効果があります。【6】

●炎症を抑える効果
プロスタグランジン[※3]という物質が血中でつくられることにより、炎症や痛みといった症状が現れます。しょうがにはそれらの合成を抑える働きがあるため、抗炎症作用や鎮痛作用があるといえます。関節痛やリウマチに効果があったという研究結果も出ています。
また、摂取するだけでなくしょうが湿布やしょうが風呂などとして外用薬としても用いられます。【3】

●せきやのどの痛みを緩和する効果
香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールはせきやのどの痛みを暖和する効果があります。

●コレステロール値、血圧を低下させる効果
しょうがに含まれる辛み成分ジンゲロンには、脂肪の燃焼を促進する効果があります。
しょうがを摂取した後に30分程度のウォーキングなどの有酸素運動をすると、血行が促進される効果とジンゲロンによる脂肪の燃焼を促進する効果が合わさり、脂肪の燃焼が加速されます。
​冷えの改善やメタボリックシンドロームの予防や改善にも役立ちます。
また、しょうがには血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが増えすぎたり、善玉(HDL)コレステロールが少なくなりすぎることを予防、改善する効果もあります。【2】【7】

●アンチエイジング効果
ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用[※4]があり、活性酸素[※5]を除去する効果があるといわれています。
​体内で必要以上に活性酸素がつくられると、細胞が正常に再生できなくなり、老化や病気の原因になってしまいます。
しょうがの抗酸化作用によって、老化防止効果が期待できます。

[ガリとは、しょうがの甘酢漬けのことです。食感がガリガリする、あるいはしょうがを刃物で薄く削る際にガリガリと音がすることからこの名前が付けられました。]
[プロスタグランジンとは、体内に細菌が侵入した時に、体内でつくられるホルモン様物質のことです。炎症、発熱を引き起こす原因と言われています。]
[抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]
[活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。]


生姜で免疫力アップ ――  免疫に関連する生姜の栄養素と4つの嬉しい効能
①生姜に含まれる免疫力を上げる主な栄養素
生姜には免疫力をアップさせる効果が期待できる栄養素が多く含まれています。その中でも、生姜に代表される栄養素2つとビタミンについて紹介していきます。

ジンゲロール
ジンゲロールとは、生の生姜に多く含まれている辛味成分のひとつです。
ジンゲロールは免疫細胞の一つである白血球を増やし、免疫機能を活性化させることが出来ます。
ジンゲロールは免疫機能を活性化させる以外に殺菌作用や頭痛を抑える作用などさまざまなはたらきを持っています。
しかし、ジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているので、酸素に触れた状態で熱が加わると酸化し、本来のはたらきをすることができなくなります。
ですので、ジンゲロールを摂取したい場合は、食べる直前にすりおろすなど空気に触れる時間を少なくすることと、加熱処理を避けることがおすすめです。

ショウガオール
ショウガオールは、ジンゲロールが加熱や乾燥によって変化して出来る成分です。
ショウガオールは血行を良くしたり、痛みの原因となる成分を抑制するはたらきがあります。
そのため、ショウガオールを摂取すると痛みや冷えの改善につながります。
ジンゲロール、ショウガオールともに免疫力を上げる効果が期待できます。
そのうえで、殺菌などを目的とする場合は生姜をすりおろして、冷えを改善したい場合は加熱して食べることがおすすめです。
ビタミン
ビタミンは、身体の機能を正常に保つはたらきを持ち、それによって免疫力を上げると言われています。
そんなビタミンですが、体内でほとんど合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
そして、生姜には少量ではありますが、免疫力に関連するビタミンが2つ含まれています。
それがビタミンB1とビタミンB2です。
ビタミンB1
免疫力を上げる以外にも糖質の代謝にはたらきかけ、スタミナや集中力の向上などの効果が期待できます。

ビタミンB2
皮膚や粘膜を正常に保つはたらきがあり、それらが正常に保たれると外敵の侵入を防ぐので、免疫力が上がります。
免疫力を上げる他の食べ物に関しては以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

吐き気、二日酔い防止
生姜の辛味成分であるジンゲロールやショウガオールは胃腸の消化不良を改善したり、嘔吐中枢を刺激して吐き気を抑えるはたらきがあります。
二日酔いは、過剰に分泌された胃液が排出されずにいることが原因とされています。
つまり、生姜を摂取することで吐き気や二日酔い防止の効果が見込めるのです。

胃を健康に保つ
生姜は胃腸の血行を良くすることではたらきを活発にして、食べ物の消化吸収を高めます。
さらに、生姜に含まれているジンジベインという酵素がたんぱく質を分解してくれるので、胃腸の負担を軽減してくれる効果も見込めます。
それだけでなく、生姜の辛味成分のジンゲロン、ショウガオールは内臓のはたらきを活発にし、食欲を増進させるともいわれています。

免疫力アップの頼れる味方!生姜の豆知識
生姜を摂取することで、免疫力を上げる以外にもさまざまな効能があるとおわかりいただけたでしょうか。
次に、意外と知られていない生姜の選び方や保存方法を紹介します。

加熱すると効能が変化する…?生姜について
生姜の効能と言えば「体が温まる!」と答える方が多いのではないでしょうか。生姜のいいところは、それだけではありません。この記事では管理栄養士が、生姜の栄養やその効能、栄養を活かす食べ方などをご紹介いたします。ダイエット中の上手な摂り入れ方も必見です。ぜひ参考にしてくださいね。

生姜の栄養と効果効能について
コレステロール低下作用
生姜の辛み成分であるジンゲロンには、脂肪の燃焼を促す作用があります。

生姜を摂取後30分ほどの有酸素運動をすると、血行促進とジンゲロンによる脂肪燃焼作用で、脂肪がより燃焼されやすくなります。また生姜には、血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールの増加を抑制したり、善玉(HDL)コレステロールの減少を抑えたりする作用があります。(※3)
アンチエイジング作用
ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用があり、余分な活性酸素を取り除いてくれます。

活性酸素が体内で過剰に生成されると、老化の原因となるおそれがあります。抗酸化作用がある食品を上手に取り入れて、必要以上に活性酸素を増やさないようにしましょう。

生姜のカロリーや糖質量

生姜100gのカロリーと糖質量
エネルギー量(カロリー)……30kcal
糖質量……4.5g(※6)
生姜ひとかたまり(可食部44g)のカロリーと糖質量
エネルギー量(カロリー)……13kcal
糖質量……2.0g(※6,7)

生姜ひとかけ(可食部16g)のカロリーと糖質
エネルギー量(カロリー)……5kcal
糖質量……0.7g(※6,7)

生姜の効能は加熱すると変化する
生姜の効能は加熱することにより変化します。

生の生姜に多く含まれているのが、ジンゲロールです。血流を促進して手足の隅々まで温かくする作用のほか、殺菌や解熱、免疫維持や胃腸の調子を整えるはたらきがあります。

生姜を加熱すると、ジンゲロールがショウガオールに変化します。ショウガオールには熱を作り出して、体の芯から温める作用があります。またプロスタグランジンの生成を抑えて、痛みの緩和に役立つ作用も。目的に合わせて、使い分けましょう。
生姜チューブは生の生姜に比べて保存が効き、すぐに使えて便利ですよね。しかし、生の生姜とまったく同じ作用は期待できないと考えられます。

ジンゲロールは酸化しやすく、生姜チューブは加工して時間が経っているため減少しているおそれがあります。また、加熱処理をしているので酵素が作用しないことも。

「チューブは風味付けに」「冷え対策にはすりおろした生姜を」と使い分けましょう。

生姜の効能を活かす食べ方とは
刺身やたたきなどの生魚は、生の生姜と一緒に食べることが多いですね。生姜にはジンギベレン、シトラールといった爽やかな香りの成分が含まれていて、魚の生臭さを緩和してくれます。また生の生姜に含まれるジンゲロールに殺菌作用があるため、理にかなった組み合わせ。

そのほかにも、生の生姜には肉をやわらかくする酵素が含まれています。下ごしらえに利用すれば、臭み取りにもなりますよ。寒い時期には、生姜をたくさん入れた生姜鍋で温まりましょう。加熱された生姜に多く含まれるショウガオールの作用で、体の芯から温まりますよ。

「酢しょうが」が持つ驚きのパワー
“ジンゲロール”と“ショウガオール”
しょうがに含まれる辛み成分のひとつ“ジンゲロール”には、血流を促進し、体の免疫機能を活性化させる働きがあります。また、加熱・乾燥することで“ショウガオール”という成分に変化。ジンゲロールに備わっていた効果が、さらに強力になります。しょうがをレンジで加熱するのはこのためです。


しょうがにはうれしい効能がたくさん
また、しょうがには優れた抗酸化作用があります。老化の原因となる活性酸素を除去して、細胞のダメージを軽減。肌を若々しく保ちます。さらに、血小板の粘りを抑え、血栓を防いで血液サラサラ。免疫細胞を刺激して、体に本来備わっている免疫機能を活性化させ、病気になりにくい体を作ってくれます。

しょうがは、生のものを乾燥させたものは生姜(しょうきょう)、加熱して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)として、数多くの漢方の薬効成分として利用されています。しょうがの持つ効果は、それほど高いということなのです。

また、しょうがは「気剤」と呼ばれ、漢方では古くから気の薬として使われてきました。なんとなくだるい、朝起きられない、寝付けないなど、“心の不調”とされてきたさまざまな症状も、しょうがを摂ることによって改善される場合が多くあります。そして「酢」には、優れた殺菌効果があり、それは腸の中でも発揮されます。腸内の悪玉菌を倒して、腸の動きを活発にしてくれます。免疫細胞のほとんどは腸の中にあるので、腸がキレイになるということは、免疫のアップにもつながります。

すべての健康のカギは「血流」にあり
私たちの身体は、血液が巡ることですみずみまで栄養が届けられる仕組みになっています。身体が冷えていると、血液の流れが悪くなり、脳や臓器など重要な部分に必要な栄養が行き届かず、それがさまざまな不調となって現れます。

人間の理想的な体温は36.5~37.1度。これ、思ったよりも高いと思いませんか? 実は最近は、エアコンなどで温度が管理された空間にいることが長いため、自分で体温をコントロールする機能が衰え、慢性的な低体温になってしまっているといわれています。また、デスクワークによる慢性的な運動不足で筋肉が衰えているのも低体温の原因です。

体温が1度上がると、免疫力は約5倍、基礎代謝量も12%ほどアップします。体温が上がるほど、病気になりにくく、痩せやすい体になっていきます。

食後によく胸焼けがする、またはゲップがよく出たり、しばしば喉に酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる感じがする……という症状を経験したことのある人は要注意です。
食後に胸や、のどのあたりに焼けるような不快感を抱いたことはありませんか?
もし、そんな経験があるのなら、それは最近若者にも増えている「逆流性食道炎」かもしれません。逆流性食道炎とは、何らかの原因で胃酸を含んだ胃液が食道まで上がってくる病気で、気づかないうちに症状が悪化してしまうケースもあるそうです。 
  違和感や不快感を覚える、胸やけがする、食べ物が飲みこみにくいといった症状を伴う場合が多いのですが、なかには症状がないという人も…これは厄介です。 
  そこで体調管理に万全を期すためにも、ここで「逆流性食道炎」となる原因の一部を知っておきましょう。ここでは、逆流性食道炎の改善方法とおすすめの飲み物、さらに、胃酸の逆流を招くと可能性のある代表的な“避けるべき”食べ物をご紹介しましょう。

◇「逆流性食道炎」とは? ― 筋肉の衰えで胃液逆流
 口から入った食べ物は、食道を通って胃に到達します。胃に入ったものが逆流しないように、食道の下側には「括約筋(かつやくきん)」という筋肉があり、入り口を締めています。

 括約筋が衰えるとその入り口が開き、胃液(強い酸性)が逆流してしまいます。胃液は強い酸性であるため、胃より粘膜の薄い食道に逆流すると粘膜の薄い食道は“炎症”をおこしてしまいます。これが「逆流性食道炎」です。

  《主な症状》
   ▶胸やけ
   ▶咳(せき)
   ▶ゲップ
   ▶酸っぱいものがこみ上げてくる

改善方法 その1】食前に白湯(さゆ)を飲む
 逆流性食道炎の予防法と対処法として、おすすめなのが、食前に白湯をを飲むことです。60℃の白湯、コップ1杯(200cc)が良いでしょう。
 白湯を飲むことで、胃が温まり血行が良くなります。その結果、胃の活動が活性化し、消化がスムーズになります。
《注意点》
一気に飲まずに、少しずつ飲みましょう。

改善方法 その2】食後に牛乳を飲む
 食後に牛乳をを飲むことも改善方法としておすすめです。
 牛乳は胃液の酸を中和して、さらに食道の粘膜を保護してくれる役割があります。つまり、逆流しても食道の粘膜が傷つきにくくなるため、逆流性食道炎を予防できるというわけです。
《注意点》
 飲むタイミングは食後の1時間程度がおすすめです。コップ1杯(200cc)が良いでしょう。

◇「逆流性食道炎」の原因は?
《いくつかの原因》
▶肥満
▶喫煙
▶薬の服用

 食べものを飲みこむと食道、下部食道括約筋“lower oesophageal(esophageal) sphincter =LOS(LESとも言われます)”を通り、胃の中へと入っていきます。食道と胃のつなぎ目にあるLOSは、胃から胃酸やそのほかの内容物が食道に逆流しないように調整する働きを担っているのですが、LOSも筋肉。一時的にゆるんでしまうこともあるそうなのです。
  そこで、「LOSのゆるみを起こす主たる原因とは何か?」を研究はこれまでさまざま行われ、現在では、それが肥満・喫煙・または薬の服用もその原因のひとつであるとされています。
 また、「吐き気や胸やけを引き起こす特定の食べものや飲みものもある」と言われています。ですが、これも個人差があるため、医学界ではまだまだ研究と議論の余地があるとされている段階です。 
  ですが、その可能性があるのであれば、事前に知っておくことも良策でしょう。

高脂肪食 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
 脂肪は胃の消化を遅らせるため、胃に対して膨張感を招く機会が増えるいったカタチで大きな負担をもたらします。よって脂肪は、「逆流性食道炎」へのリスクが高める可能性を秘めた栄養素と言えるのです。
  とくにフィッシュ&チップスなどの揚げ物や肉の脂身(特にポークとラム)は、脂肪分が多いので気をつけてください。

スパイシーフード ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
 「香辛料など、刺激の強いもの(塩っ辛いものも含む)を摂りすぎると胸やけする」、という人も少なくないようです。ですが当然、これも個人差があるものです。 
  また、この件に関する研究からも、未だ統一された結果は出ていないようです。つまり、まだまだ科学的には不毛の領域。ですが、心当たりがある人はスパイスの過度な摂取は避けるべきですね。

柑橘類 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
「オレンジジュースや、料理の仕上げに搾るレモン汁が『逆流性食道炎』の原因となる」、ということは考えにくいことかもしれません。
  ですが実際に、一部の人が診断の際に「柑橘類によって胸やけを感じる」「柑橘類を摂ったため、他の症状が悪化した」と訴えた人もいるのは事実のようです。
オレンジジュースのグラスや、レモン汁がたくさん食べ物に押しつぶされたようなものなど。 柑橘類のジュースはおそらく酸逆流を起こさないが、一部の人は胸やけなどの症状を一時的に悪化させることがあることを知っている。

玉ねぎとにんにく ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
 胃酸の逆流で苦しむ人にとって、玉ねぎはまさに大敵です。「それはなぜか?」って、知りたい人も多いでしょう。でも、ちょっと想像できますね。
 
 玉ねぎを切ったことのある人ならご存じかと思いますが…涙、出ますよね!? その原因となっている成分は「アリシン」と言われるもので、これはネギ類(ニンニクも含む)特有のにおいのもとにもなっている成分。「硫化アリル」とも呼ばれています。「『アリシン』は、『アリイン』という細胞が傷つけられ、そこに『アリイナーゼ』という酵素が働いて生成される」ということになります。 
  そして「アリシン」は強力な殺菌作用とともに、疲労回復に欠かせないと言われているビタミンB1の吸収を助ける作用が知られていることから、たんぱく質の消化を促したり胃液の分泌を促す…といった代謝作用を高めるといった、健康を促進する働きも期待できるのです。ですが、涙が出るぐらいのもの。刺激物であることは否定できないことは確かではないでしょうか。
  なので、この刺激によって胃痛を引き起こし、胃酸の逆流を促進する可能性もあるわけです。これまでの記事を読んでいくと、脂肪の多い牛肉と玉ねぎを組み合わせた料理は、胃にとって難しい存在であることが予想できますね。また、これにニンニク、そして辛み成分の含まれたタレで調理したら(したくなる人も多いかと思います)…さらなる追い打ちが待っているかもしれません。
  ですが、これも個人差があるものです。また、玉ねぎは水に長時間さらしたり、塩で揉んでもんだり、水で何度も洗ったりした上で、さらに加熱したとしても、その刺激は抜けきれないとも言われています。なので、結局言えることは、胃が弱っている人は、玉ねぎやニンニクは避けたほうがいいという結論になります。※この機会に、「アリシン」が多く含まれる野菜を挙げますと…玉ねぎ、ニンニク、エシャロット、あさつき、ニラ、らっきょう、長ネギなどになります。

ペパーミント ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
 食後のペパーミントティーは、消化促進に効果的です。
  しかしその一方で、逆流性食道炎を悪化させる可能性もあるのです。それはなぜなら、ペパーミントには胃の筋肉およびLO(下部食道括約筋)をゆるめる働きが期待できるからなのです。消化促進を行うことと表裏一体であるとも言えるのですが…ペパーミントには鎮静効果があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせてくれる働きが期待できる…つまりは、胃の神経の末端を麻痺させる効果もあるわけです。
ですので、胃とLOSがゆるめばフタが開いたも同然なわけで、胃酸を食道へと逆流することは容易に想像できるかと思います。

チョコレート ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
 実は、チョコレートが胃酸の逆流を促すという証拠はいくつかあります。そのひとつに、National Center for Biotechnology Information(NCBI=アメリカ国立生物工学情報センター)が発表した研究結果があります。そこでは、「チョコレートはLOB(下部食道括約筋)の圧力を低下させる」(REFERENCES01、REFERENCES02)という結果が出たということなのです。
  とはいえ、これは一度の摂取する量にもよるとのことです。また、その量も個人差があるものです。なので、ご自身の判断にはなりますが、食べ過ぎには注意してください。

アルコール類 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
 アルコール類には利尿作用がありますので、おしっことして水分を外に出してしまいます。そして胃酸の分泌が促進され、LOSがゆるむことによって症状は悪化するとのこと。
    「逆流性食道炎」の可能性を感じている人ならなおさら、できるだけ避けたほうが望ましいでしょう。単なる胸やけとして感じている人も少なくないので、ぜひご注意を。心配なときは、すぐ医師に相談するといいでしょう。

コーヒー ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
 コーヒーは一時的にLOS(下部食道括約筋)をゆるめ、胸やけと胃酸の逆流を悪化させると示唆する研究が発表されているそう。これはコーヒーに含まれているカフェインが胃を刺激して、胃酸の分泌を促進するためだということ。食後に、コーヒーを1杯飲むのがルーティンになっている人も多いでしょう。実際、落ち着く人も…これは消化する胃の機能を、コーヒーが助けるのでとても効果的と言えます。ですが、もし空腹時にコーヒーを飲んでしまうと逆効果になることも…。
  空腹時にコーヒーを飲むと、消化するものは何も胃に入っていないのに胃酸の分泌だけが促進されます。いわゆる胃酸過多になってしまうのです。胃酸過多とLOSのゆるみとの併せ技で、胃酸の逆流という結果に導かれる可能性が高くなるのです。

コーヒー ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
 コーヒーは一時的にLOS(下部食道括約筋)をゆるめ、胸やけと胃酸の逆流を悪化させると示唆する研究が発表されているそう。これはコーヒーに含まれているカフェインが胃を刺激して、胃酸の分泌を促進するためだということ。食後に、コーヒーを1杯飲むのがルーティンになっている人も多いでしょう。実際、落ち着く人も…これは消化する胃の機能を、コーヒーが助けるのでとても効果的と言えます。ですが、もし空腹時にコーヒーを飲んでしまうと逆効果になることも…。
  空腹時にコーヒーを飲むと、消化するものは何も胃に入っていないのに胃酸の分泌だけが促進されます。いわゆる胃酸過多になってしまうのです。胃酸過多とLOSのゆるみとの併せ技で、胃酸の逆流という結果に導かれる可能性が高くなるのです。

◇食べ物だけでなく、食べ方にもご注意を
▶早食いはNG
…しっかり噛まずに食べると、消化に時間がかかります。そして、早食いは空気を一緒に飲み込んでしまうので、その結果ゲップが多く出てしまいます。ゲップが原因で食道の炎症が起こりやすくなるのです。
*****
 
 オーストラリア・シドニーで栄養士&食事療法士として活躍するキャロライン・トリッキーさん曰く、「彼女のクリニックを訪れる逆流性食道炎の患者たちからある共通点を発見した」とのこと。

 「リラックスした方が消化活動も活発になるのですが、ほとんどの患者に“早食い”の癖がありました。よく噛まずに食べたり、ながら食いをしたりするため、リラックスした状態で食べていなかったのです。また、食べすぎも逆流性食道炎の原因だと言われています。とくに外食は要注意です。外食をすると1食分の量が多いので、つい食べすぎてしまう傾向に。私たちの胃は、拳ひとつ分くらいの大きさしかないのに、そのキャパシティ以上の食べものを詰めこもうとしてしまうことが、体に負担となってしまうのです」 
 
 それゆえ、彼女は食べものを制限する前に、“食べ方の見直し”をすすめています。 

  「『食事をするときは席に座り、深呼吸してから、リラックスした状態で食べるように』とアドバイスしています。とにかくゆっくり食べて、しっかり噛むことが大事です。そうすることで満腹感を感じることができるし、食べすぎを防止することもできます。まずは、そこからスタートすることが大切。逆流性食道炎の原因と言われる食べものをカットする際にも、これが役立つと思います」とのことです。

◇食べ物だけでなく、食べ方にもご注意を
▶早食いはNG
…しっかり噛まずに食べると、消化に時間がかかります。そして、早食いは空気を一緒に飲み込んでしまうので、その結果ゲップが多く出てしまいます。ゲップが原因で食道の炎症が起こりやすくなるのです。
*****
 
 オーストラリア・シドニーで栄養士&食事療法士として活躍するキャロライン・トリッキーさん曰く、「彼女のクリニックを訪れる逆流性食道炎の患者たちからある共通点を発見した」とのこと。

 「リラックスした方が消化活動も活発になるのですが、ほとんどの患者に“早食い”の癖がありました。よく噛まずに食べたり、ながら食いをしたりするため、リラックスした状態で食べていなかったのです。また、食べすぎも逆流性食道炎の原因だと言われています。とくに外食は要注意です。外食をすると1食分の量が多いので、つい食べすぎてしまう傾向に。私たちの胃は、拳ひとつ分くらいの大きさしかないのに、そのキャパシティ以上の食べものを詰めこもうとしてしまうことが、体に負担となってしまうのです」 
 
 それゆえ、彼女は食べものを制限する前に、“食べ方の見直し”をすすめています。 

  「『食事をするときは席に座り、深呼吸してから、リラックスした状態で食べるように』とアドバイスしています。とにかくゆっくり食べて、しっかり噛むことが大事です。そうすることで満腹感を感じることができるし、食べすぎを防止することもできます。まずは、そこからスタートすることが大切。逆流性食道炎の原因と言われる食べものをカットする際にも、これが役立つと思います」とのことです。

◇寝ているとき・睡眠時に要注意!
 寝ているとき、睡眠時は逆流しやすいので特に注意が必要です。寝る前の3時間の飲食は控えましょう。消化しきれなかった食べ物などが残っているため、逆流を起こしやすくなってしまいます。

 睡眠時に逆流してしまうと、異物を取り除こうと咳込み、目が覚めてしまいます。その結果、睡眠の質が低下してしまうのです。

◇【改善方法】就寝時は「左を下」にして眠りましょう!
 左側を下にして眠った場合は、胃と食道の高さに差ができ、平行になりにくい状態をつくれます。結果、「逆流しにくい」ということになるのです。

◇「仰向け」で寝たいという方へ
 頭を高くして、10°程度の傾斜をつけると、胃と食道の高さに差ができるので「逆流しにくい」状態になります。

◇食事療法としての「低FODMAPダイエット」
 “低FODMAPダイエット”とは、おなかが弱い人たちにある特定の食べ物を一時的に制限するようすすめる食事療法になります。避けるもの、減らすべきものの中には、乳製品、果物(りんごや洋梨)、野菜(ねぎ、玉ねぎ、にんにく)、豆類など、さまざまな食べ物が含まれています。これらの食べ物は腸内で異常発酵し、ガスを産出するため、胃酸の逆流を引き起こす可能性があるのだそうです。
 「患者にすすめた食事療法のなかで、これが一番効果的でした。とくに重度の逆流性食道炎に苦しむ人には、効果絶大です」とトリッキーさん、さらに、ある事例の紹介がありま。

 「ある23歳の男性患者は赤ちゃんのときに、ガスだまりが原因と言われる黄昏泣き(コリック)を経験し、大人になってからも逆流性食道炎に悩まされていました。その結果、1日の食事量が少なく、体重も平均以下で仕事も長続きしませんでした。そんな彼が低FODMAPダイエットをはじめると、ほとんどの症状は改善されたのです。症状を引き起こす高FODMAP食を調べたところ、もっとも体調を悪化させた食べ物は玉ねぎで、他にも軽度の症状を引き起こす食べ物もいくつか発見されました。高FODMAP食を避けることにより、彼の人生は劇的に変わりました」とのことです。

【改善方法】普段の生活スタイルも改善しましょう!
 胃酸の逆流を防ぐ方法はこちらになります。

 ・良く噛んで食事をする
 ・姿勢を良くする
 ・寝る前の食事はNG。食後すぐ横にならない
 ・薬やサプリメントを服用して、体調に異変を感じたら医者に相談を
 ・おなかを圧迫するようなタイトな服よりも、ゆったりしたシルエットを選ぼう
 ・太り気味もしくは肥満であれば、減量にトライ
 ・毎日ほどほどに運動する
 ・禁煙 
 
 低FODMAPダイエットは、そのダイエット法に精通している栄養士や食事療法士、そのほかの専門家の指導によって正しく行うのがベストです。そして、定期的に胃酸の逆流に苦しんでいるのであれば、胸やけを引き起こす可能性のある食べものを、手帳や日記に書き留めておくのも役立つかもしれません。 
 
気になる人は、まずは医師へ相談を。そしてその相談のもと、食べ方の見直しや生活スタイルの改善からトライしてみてはいかがでしょうか。

【食事中の水分補給】水を飲まないほうがいいは嘘だった?
食事をする30分前までに水分補給しておけば、胃酸が薄まる心配はありません。 また、同時に空腹感を抑えて食べすぎを防止する効果も期待できます。 食事中どうしても水分を摂りたいという人は、コップ1杯程度までにしておきましょう。 冷たいお水は控え、温かい白湯やお茶にするのがポイントです。
食事中に水を飲まないほうがいいのかどうか、悩んだことはありませんか?食事中の水分補給については様々な場所で議論が繰り広げられています。よく耳にする内容といえば、「食事中に水を飲むと胃液が薄まるから良くない」というものです。 食事中の水分補給には、肯定的な意見と否定的な意見の両方が見られるため、「実際どうなの?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、水分補給による胃酸への影響を示した実験を根拠にして、食事と水の関係を詳しく解説していきます。

「食事中に水を飲まないほうがいい」は嘘?根拠となる実験結果を紹介
「食事中に水やお茶、汁ものを飲まないほうがいい」といわれる代表的な理由に、「胃液が薄まって消化の働きが鈍る」という通説があります。
しかし、多くの飲食店では食前に水が提供されますし、食事と一緒に水を飲んだことによる健康被害などはほとんど聞いたことがありません。よって「食事中に水を飲まないほうがいい」という主張は、そこまで信憑性があるものではないかもしれません。その根拠に、水分補給後の胃液がどのように変化するかをまとめた、いくつかの実験をご紹介します。

◇ 根拠となる実験その1
2008年に行われた胃のpHに関する研究によると、健康な男性6人がコップ1杯の水(200ml)を摂取したところ、水を飲んでから1分後に胃酸のpHが4上昇した(胃酸が薄まった)という結果が出ています。
しかし、水を飲んでから胃のpHが4上昇していた継続時間は3分間でした。この実験の記録は、「水を飲んでも3分後には胃のpHがもとに戻る」ことを証明するものといえます。以下、実験結果の一部引用です。
◇ 根拠となる実験その2
手術前の水分補給による胃の変化を調べた研究(2008年)によると、手術の2時間前に300mlの水やリンゴジュース、ブラックコーヒーや炭酸飲料などを飲んでも、胃液の量やpHに影響がないことが明らかになりました。
◇ 【結論】ごく常識的な量を飲むなら問題はない
上記の2実験については、NCBI(国立生物工学情報センター)作成のデータベースに登録されている情報のため、高い信頼性があります。また、エール大学医学部の医師が執筆するブログの記事でも、食事中の水が消化を阻害するという主張に科学的根拠はないと断じています。

少なくとも、食事中のお茶やコーヒー、味噌汁などの摂取まで控える必要はないでしょう。

食事中に飲む水の量【目安はコップ1杯】
食事中に水を飲んでも消化に重大な影響がないとわかれば、安心して食卓を囲めますね。水分補給を目的として食事中に水分を摂る場合、目安となる量はコップ1杯程度です。これは、身体が一度に摂取できる水分量が250ml程度だといわれているためです。
一度にコップ1杯以上の水分を飲んでも体外に排出されて無駄になってしまうため、その日の献立に合わせ、食事から摂れる水分と飲み物の組み合わせを上手に考えてみましょう。
ちなみに、一度に大量の水やジュースを飲むなど、常識的な範囲を超えた水分補給は消化機能に影響する可能性があります。身体に負担をかけずに健康的な食生活を送るためにも、食事中の水分摂取量はコップ1杯程度という目安を意識していきましょう。
逆流性食道炎の予防法 <まとめ>
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで起こる病気で、逆流した胃酸が食道の粘膜を傷つけ、粘膜がただれ、炎症(食道炎)を起こします。
食道の粘膜は、胃の粘膜に比べてとても弱く敏感です。健康な状態でも食後などに胃酸が食道に逆流することはあるのですが、ごく短時間のため症状が気になることはほとんどありません。しかし、逆流性食道炎の場合は逆流している時間が長く、食道の粘膜が強い胃酸に長時間さらされてしまいます。そのため食道の粘膜がただれ、炎症を起こしてしまうのです。
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで起きる疾患です。そのため、予防するには胃酸を多く分泌するような食べ物を避けたり、生活習慣・食習慣に注意したりすることが有効であると考えられています。

注意したい生活習慣/食べ物・飲み物
  ●食べ過ぎ  
  ●早食い 
  ●寝る直前の食事 
  ●不規則な食事時間 
  ●動物性脂肪の多い食事 
  ●アルコール 
  ●喫煙 
  ●チョコレート 
  ●炭酸飲料 
  ●柑橘類 
  ●香辛料

これらによって、胃酸が多く分泌されるようになることに加え、通常は閉じている胃と食道の境目の括約筋がゆるんで胃酸の逆流を起こしやすくなります。また、喫煙はたくさんの病気リスクを伴い、逆流性食道炎についても喫煙で胃と食道の境目の括約筋の働きが低下するので、予防には禁煙も有効です。
加えて、胃に圧力のかかる(腹圧がかかる)ような生活習慣にも注意が必要です。

腹圧がかかる生活習慣
  ●ベルトや下着などによる腹部の強い締め付け 
  ●肥満 
  ●前かがみの姿勢 
  ●重いものを持つ
 
寝るときに上半身を少し高くすると、逆流が起こりにくくなります。

逆流性食道炎時のおすすめ食事(調理)
逆流性食道炎のときは、どんなものを食べるのがよいのでしょうか。予防法に書いた要注意の食品を避けるのはもちろんですが、ここではおすすめの食べ物・料理法を紹介します。
消化がよく、おなかにやさしいものが基本です。

  ●主食:おかゆ、うどん、白いパン
  ●肉/魚:鶏のささみ、白身魚など、脂の少ない淡白なもの
  ●牛乳、ヨーグルト
  ●豆腐

理方法は、煮る・蒸す・ゆでるといった、油を使わない方法がおすすめです。

逆流性食道炎の症状チェック
まずは自覚症状がないか、逆流性食道炎の症状をチェックしてみましょう。

症状チェック
  ●ジリジリと熱く焼けるような胸やけ
  ●酸っぱい液体が上がってくる感じがする<呑酸(どんさん)>
  ●ゲップとともに苦い液体(胃酸)が上がってくる
  ●胸が詰まる、締め付けられるような感じがする
  ●のどの違和感・のどの痛み・口内炎
  ●食べ物が飲み込みにくい・つかえる
  ●声がれ・咳・喘息

逆流性食道炎の代表的な症状は「胸やけ」と「呑酸(どんさん)」です。
みぞおちの上の辺りがジリジリと熱く焼けるような不快感や、酸っぱい液体や苦い液体がのどまで上がってくるなどの自覚症状があります。

他にも、のどの痛みや違和感、食べ物がつかえる・飲み込みにくい、ゲップとともに胃酸が上がってくる、咳や喘息、胸のあたりが詰まったり締め付けられるような感じがするなどの症状や、ひどいときには狭心症にも似たような耐え難い強い痛みを感じることもあります。
胃酸の出やすい食後に症状が出やすく、特に食後すぐに横になる、前かがみになるなど胃酸の逆流しやすい体勢になると症状が悪化しやすいと言われています。

では、なぜ逆流性食道炎になるのでしょうか。
逆流性食道炎は、以前は日本人には少ない病気だと言われていましたが、最近は患者数が大幅に増えています。その要因のひとつが食事の欧米化だと言われています。
日本食に比べて、肉類や脂肪分が多い欧米の食事は胃酸の分泌が多くなりがち。そのため胃酸が多くなり、胃酸の逆流を起こしやすく、逆流性食道炎を誘発しやすいと言われているのです。他にも、飲酒やピロリ菌の除菌も逆流性食道炎を誘発する原因と言われています。

また、逆流性食道炎の患者さんに食道裂孔ヘルニアを併発しているケースが多いことも知られています。
食道裂孔ヘルニアとは、横隔膜にある食道が通る穴(食道裂孔)から、本来なら横隔膜の下にあるべき胃の一部が飛び出し、胃と食道のつなぎ目がせり上がってしまう病気です。
食道裂孔ヘルニアになると、胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を発症しやすいと言われています。

さらに、下部食道括約筋のゆるみも逆流性食道炎を誘発する原因になると言われています。下部食道括約筋は食道と胃のつなぎ目にある筋肉。この筋肉の働きで、食道と胃のつなぎ目は、食事が通るとき以外には適切に閉じられ、胃酸の逆流を防ぎます。しかし、この筋肉がゆるむと、つなぎ目を閉める力が弱まり、胃酸が逆流しやすくなるのです。

最後に、肥満も逆流性食道炎を誘発する原因のひとつだと言われています。
お腹に圧力がかかると胃の内圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなることが分かっているのですが、肥満の人は腹圧が上がりやすいことが知られています。そのため肥満を解消することで腹圧が下がり、逆流性食道炎の症状が効果的に改善したという例も多数報告されています。

逆流性食道炎で注意したい生活の10のポイント
 1:食べすぎないよう腹八分目
 2:消化のよい食事を心がける
3:就寝前の食事はさける(就寝前2~3時間)
 4:食後すぐに横にならない(逆流を防ぐ)
 5:逆流を起こしやすい食品を控える
アルコール、コーヒー、チョコレート、炭酸飲料、香辛料などの刺激物、高脂肪食、油もの、甘いもの、酸味の強い食べもの(柑橘類、梅干しなど)
6:腹圧がかからないように気をつける
 前かがみ、腹部の締め付け(ベルト、ガードル、帯など)、重いものを持つ、咳
7:肥満に気をつける
8:喫煙を控える
9:右を下にして寝ないようにする(右側臥位)
10:上半身を少し起き上がらせた体勢で寝る(頭側挙上)
   この体勢就寝は胃酸の食流を抑制し、この中でも特にとても効果が高い方法です。

 

 

 

 


私たちが高齢になると、食べ物の味を感じにくくなります。味覚の種類や仕組みについて学び、高齢になると味覚にどのような変化があらわれるか、また味覚が衰える原因や味覚を感じにくくなった場合の対策改善で体を気づかいながらも、食事を楽しんで健康余生で人生を閉じたいです。
今回の健康塾は、「高齢者の味覚の変化、対策改善」の謎解きです。

健康余生にと健康に必要な文献や論文を ”まとめ“ 知識を広げてきました。「健康余生=終の棲家」を考慮したとき、どこに終の棲家を求めるのが良いのでしょうか?
確かに家族と共に暮らす方法もあります。老人ホームに健康余生を託す選択肢もあります。しかしこららで本当に健康余生が可能なのでしょうか。確かに自然体で生きるのは老人ホームもよいのかも知れません。ここで考えなくてはならないの健康余生必要な ”習慣“ 性とは、「運動」「食事」「睡眠」と言われ、老後の生活において、健康寿命を重視した健康維持の方法を多くの具体例で学んできました。
病気にかかるリスクを抑え、介護を必要としない未病で過ごすことです。しかし現実派加齢とはカラダの異常が起こる確率が増える現実がなります。また、介護を期間をできる限り短くしていこうという考え方も必要です。
人生100年時代ともよばれる昨今、老後を楽しみながら、できる限り家族や施設での介護負担を軽減し、長く健康で痛いと考える方も多いのではないでしょうか。 そもそも健康寿命とはなにを指すのか、平均寿命との違いや健康寿命を延ばすために重視すべきことについてのかな日が必要です。
「心身ともに自立しており健康的に生活が送れる状態で、病気や体の衰えによる介護が必要ない期間を指します。」
平均寿命よりも健康寿命を意識すべき理由として、本人意思で老後を楽しめる期間が長くなることです。
健康寿命を延ばすためには、本人の生活習慣がとても重要になります。
健康寿命が延びることは、老後の生活や趣味などを楽しめる期間にも影響するため、生活習慣を見直す努力が必要になるでしょう。
つまり、健康寿命を延ばすために必要な「食事」「運動」「睡眠」「禁煙」と言うことです。
確かに私たちは、睡眠を人生の三分の一、8時間を費やしています。そして活動時間を8時間、食事タイムも含め急速時間を8時間です。このように考えるといかに睡眠時間が大切であるかが理解できます。

私たちの人生には、学びの期間、仕事の期間など、長年にわたる悪い生活習慣によって引き起こされてしまうのが生活習慣病です。遺伝的要素はごくわずかで、食事や運動不足、ストレス、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣の積み重ねによって起きることが明らかになっています。自分では当たり前と思っていた習慣を改善しないでいると、将来取り返しのつかない事態を招きかねません。ではいったいどうすればいいのでしょうか。
食事は自分の好みが反映されるため、長期間続けてしまう傾向があります。しかし、体によくない食習慣を続けることで、生活習慣病につながってしまう可能性があるのです。

下記の項目で思い当たる点はないでしょうか。
  ・濃いめの味付けが好き
  ・野菜をあまり食べない
  ・ファストフードやコンビニ弁当をよく食べる
  ・朝食を抜いてしまうことが多い
  ・お腹がすいて眠れないと、つい夜食を食べてしまう
  ・お腹いっぱい食べないと気がすまない
  ・早食い

つまり健康余生に必須なのは、定年前に通利上げ他ホメオスタシスの働きを全てに一時解除して改善しなくてはなりません。血圧、血糖値、脂質。この3項目の数値は、生活習慣病と大きくかかわりがあります。腹囲が増えている場合も注意が必要です。血圧は高血圧、血糖値は糖尿病、脂質は脂質異常症から動脈硬化に直結してしまいます。また、腹囲はメタボリックシンドロームの判断材料になります。内臓脂肪はお腹周辺につきやすいためです。これらの生活習慣病は自覚症状がほとんどないか、かなり進行してから症状が現れるため、数年単位で比較して悪化していないかどうかを把握しておくことが重要なのです。塩分の摂り過ぎは高血圧に結びつきます。

II型糖尿病は、遺伝的要素に「食べ過ぎ」「運動不足」「肥満」「精神的ストレス」「加齢」などが加わると発症するといわれています。もちろん遺伝的要素がある場合でも、しっかり運動をしていれば発症しない人もいます。体を動かすことによってエネルギーを消費すれば、血糖値が上がりにくいからです。
動脈硬化は血管にコレステロールや脂肪などがたまって硬くなったり、血管壁が厚くなったりするものですが、主な原因として指摘されているのが高血圧や脂質異常症、糖尿病などです。また、動脈硬化によって、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や心筋梗塞などが引き起こされてしまいます。
糖尿病では血糖値が増えていますが、同時に血中のナトリウムが増加するなどの原因で、高血圧につながってしまう可能性があります。また、糖尿病患者では中性脂肪が増える傾向があります。そのため肥満につながったり、内臓に余分な脂肪がついたりして脂質異常症になることがあります。

また、脂質異常症や肥満の人はインスリンの働きが低下してしまうため、血糖値が上昇して糖尿病になってしまうケースがあります。ほかにも肥満の人は体内を循環する血液の量が増えて血圧が上昇することで、高血圧症になる危険性を秘めています。また、肥満から内臓脂肪が増え、それが肝臓についてしまうと脂質異常症につながることも考えられます。
つまり、血管を健康に保つことは、生活習慣病を防ぐ基礎ともいえます。また血圧や血糖値、内臓脂肪などは、どれか一つが急激に悪化すると、近い将来ほかの部分にも悪影響が考えられるのです。

ちなみに酢に含まれている酢酸は、血圧やコレステロール、中性脂肪を下げ、内臓脂肪を減らす効果があることが明らかになっています。さらに、酢を摂ることでカルシウムの吸収力もアップします。だから毎日の食生活に賢く活用したいものです。
カリウムにはナトリウムを排出する働きがあります。カリウムは新鮮な野菜や果物などに多く含まれていますので、積極的に摂るようにしましょう。
食後には血糖値が上がりますが、急激な上昇を防ぐためには野菜から食べることが一番です。基礎代謝を向上させるために、たんぱく質を最初に食べるといいという意見も最近よく耳にしますが、いずれにせよお米や麺類などの炭水化物より先に、野菜や肉・魚類を食べる方が健康的といえそうです。
ガン予防に、杭酸化作用の食品を食べることも必要です。その成分を効率的に体内に取り込むためには、食品の煮汁をオートファジーの働きの活性化させなければなりません。つまり16時間の空腹タイム後に食べなければその効果が半減するすることが、時間栄養学で分かっています。
そこで和気藹々効果も含め、 “鍋料理” がおススメです。ご家庭ではたばられますが、老人ホームではどうなのでしょうか。手元で日を使う鍋料理の提供はされているのでしょうか。私は常夏の国で過ごしていますが、鍋料理の石狩鍋、すき焼きなどを食べています。おそろく気化熱の作用が働くのでしょうか 、常夏で食べる鍋料理、暑くて熱く食べられないイメージがありますが、それが思いと裏腹に美味しく頂けるのです。もとろん煮汁は、翌朝の雑炊やうどんで頂ます。これで何十種類のファイトケミカル成分が体内に吸収され、未病に繋がると確信しています。

そして忘れてならないのが、朝型のリズムで朝日の日光浴を実行することです。


高齢者は加齢に伴い、身体の各器官を構成している細胞数の減少や細胞そのものの働きが低下することで生理的老化が進行します。生理的老化の進行によって臓器機能の低下や恒常性維持機能の低下、病気の併存などの身体的特徴がみられます。
長年の使用によって、各臓器の機能低下が起こります。
平常時の状態からストレスが加わったときに対応できる潜在能力(予備力)が低下し、少しのストレスをきっかけに、機能低下や病気を生じやすい状態になります。弱った状態から元の状態まで戻る回復力も低下するため、病気にかかりやすく治りにくくなります2,3)。この状態を、後で説明する「フレイル」と呼んでいます。
「外気の温度に合わせた体温調節能力の低下」、「発熱・下痢・嘔吐などで脱水症状が起こりやすくなる」、「血糖値のコントロール能力の低下」、「血圧が上がりやすくなる」など、恒常性維持機能が低下し、外部環境の変化に適応する能力が低下します。
病気やケガで安静・臥床期間が長くなることによって、関節拘縮・筋力低下などの運動器機能の低下や褥瘡の発症、深部静脈血栓症、尿路感染などを起こし、ADL能力(日常生活動作能力)が低下します。
日常生活動作能力(ADL)とは、狭義のADLは、家庭における、歩行や移動、食事、更衣、入浴、排泄、整容などの身のまわりの基本的な身体動作を指し、基本的日常生活動作能力(Basic Activity of Daily Living;BADL)と呼ばれます。
日常生活動作(ADL)とはActivities of Daily Livingのことで、ADLのAはアクティビティー(動作)、DLはデイリーリビング(日常生活)を指します)。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。

手段的日常生活動作(IADL)は、基本的日常生活動作(BADL)の次の段階を指します。
「掃除・料理・洗濯・買い物などの家事や交通機関の利用、電話対応などのコミュニケーション、スケジュール調整、服薬管理、金銭管理、趣味」などの複雑な日常生活動作のことを指します。
ADL低下による日常生活の影響、日常生活動作(ADL)が低下すると、活動性が低下して、社会参加の機会も少なくなります。生きがいや役割を見いだせなくなると家に閉じこもりがちとなり、身体的、精神的にも機能が低下していきます。心身の機能が低下すると日常生活動作(ADL)がさらに低下し、自立度も下がり、介護が必要となって、やがては寝たきりとなってしまいます。

  

身体機能、精神機能の回復や維持を促すばかりではなく、現状の能力を最大限活かすことのできる手段の提供や生活環境の調整をリハビリテーション専門職の支援によって行い、生活している地域で生きがいや役割を見出せるような居場所や参加の機会をつくることなど、個人への取り組みだけではなく、個人をとりまく地域の環境をも同時につくっていくことが必要です。

高齢者の体では、コラーゲン(皮膚を強くする丈夫な繊維状の組織)とエラスチン(皮膚に弾力性を与える)の生成が減少することが一因となって、皮膚が変化します。 その結果、皮膚が裂けやすくなります。 また、皮下脂肪の層が薄くなります。 この層は皮膚のクッションとして働き、皮膚を保護し、支える助けになります。

普段あまり意識することのない年齢による変化ですが、疲労がたまったり、大きなイベント(出来事)があると「私も年かなあ」などと実感することがあります。意識できるもの、あまり意識しないもの、いろいろありますが、実際にはどのように変化していくのでしょうか。
代表的な体の変化としては、体の機能の変化と感覚機能の変化があります。
腎臓の血流は70歳で若い頃の半分近くまで減りますが、腎臓から排出するべき老廃物の出所となる筋肉の量や働きも低下するために全体のバランスとしては保たれるわけです。
心臓や肺、腎臓といった機能はバランスが崩れると、年齢と共に調和を取り戻すのに時間がかかることがあります。また、何らかの病気がある場合は、バランスが崩れやすく注意が必要になります。また、加齢と共に歯の欠損や消化液の分泌が低下しますので、便秘に傾きやすくなります。
その他、骨粗鬆症の原因である生理的骨減少は以外と早く起こり始めるもので、特に女性では20歳を過ぎる頃から直線的に減少し更年期に急加速されるといわれています。
さらに、感覚機能には次のような変化があります。
・味覚の変化
味は大きく分けて塩味(しょっぱさ)、酸味(すっぱさ)、甘味、苦み、うま味などがありますが、このうち特に塩味(しょっぱさ)が鈍くなることが知られています。
・聴覚の変化
60歳を過ぎた頃から、聴覚の変化は特に高音が聞き取りにくいという形で現れるようです。高い大声より、低いひそひそ話の方がよく聞こえたりすることがあります。
・視覚の変化
水晶体の調節機能障害、つまり老眼が代表的な変化でしょう。
・触覚や痛覚の変化
触覚や痛み感覚は年齢によって大きく変化することはありませんが、足の甲など末端部では鈍くなることがあります。また、内臓の痛みは弱くなることがあり、心筋梗塞や腹膜炎などの発見が遅れる場合もあります。

では、次に認知的な側面(知能)と人柄や性格といったパーソナリティ的側面から、加齢による心の変化をみてみましょう。・認知的な側面(知能)の変化図2に、知能と年齢の関係を調査した結果を示しました。能力の種類によっては、年齢と共に伸び続けるものがあります。様々な調査結果から、現在では知能はかつて考えられていたほどに加齢の変化を受けないことが明らかになってきました。・パーソナリティ的側面の変化パーソナリティはその人の価値観や生活態度、行動の特性を示すものです。これは個人の生き方や人生観と関係が深いといわれています。年をとると頑固になる、わがままになるなどといわれていますが、個人の特性やによるものが多く、加齢現象とは言えません。つまり、加齢によるパーソナリティの変化はないと言えます。心を支えているのは肉体です。心の健康のためにも身体的な健康が大切であると言えます。

「年齢とともに太りやすくなる」は本当
加齢とともに減少する「基礎代謝量」。基礎代謝とは心臓を動かしたり呼吸したり体温を保つなど「生きていることを維持するため」に必要なエネルギーで、「ゴロ寝していても絶えず使い続けているエネルギー」のことです。この基礎代謝は24時間絶え間無く使われ続け、1日の総消費エネルギーのうち、なんと「7割以上」も占めているのです。
このため、「痩せやすく太りにくいからだ(エネルギーをたくさん使うからだ)」であるためには「基礎代謝が高いこと」が絶対条件なのですが、この基礎代謝は、男性で18歳くらい、女性では15歳くらいをピークにその後は年齢とともにどんどん低下します。
からだが成長する時期を過ぎてある程度からだが完成してしまった後は、「維持」のエネルギー以外は必要なくなり、徐々に老化も進んで細胞の生まれ変わりのサイクルが遅くなり、エネルギーをたくさん使う筋肉も減ってしまうからです。

脂肪は年齢と共にお腹に集まる?
男女とも加齢とともに体幹部への脂肪の分布(内臓脂肪も含む)がどんどん増えているのがわかります。
体幹部というとほとんどが腹部です。50歳以上になると男性では全身の脂肪のうち6割以上が主に腹部についていることになります。女性でも30代を超えると5割以上の脂肪が腹部に分布しています。ある程度年齢を重ねた人は、全身の体脂肪率があまり高くなくても、腹部の脂肪分布が増えている可能性が高く、その中でも特に内臓脂肪が増える傾向があります。

  

  

しかも、腹部の脂肪や内臓脂肪が多くなると血中脂質や血圧が高くなりやすくなり、メタボの危険性が高まります。その上、肝機能への影響も出てくることが統計的にもわかっています。30代以上の方は全身の体脂肪率が高くなくても油断は禁物です。お腹の脂肪が気になり出したら見た目 だけでなく健康的にも注意が必要です。
加齢と共にお腹周りに脂肪がつき、メタボの危険性が高まるというのは男女共通の変化です。しかし元々男女の体型や体組成・脂肪分布は異なり、加齢による変化にも男女差があります。ここでは男女別の変化の特徴を見てみましょう。
男性で加齢により増えてしまいがちなのは「お腹の脂肪」で、これは確かなことなのですが、男性にとって脂肪よりも変化が目立つのは実は「筋肉」なのです。

男性は 元々女性よりも筋肉量が多く、体重が重くても脂肪率は低い傾向があるのですが、その筋肉量は加齢による減少変化がとても大きいのです。特に腕と脚は顕著にその傾向が表れています。加齢による腕と脚の筋肉量減少は統計的にも明らかです。
このように男性は加齢による筋肉量の減少が大きいので、たとえ体重はそんなに増えて無くても、脂肪の割合(体脂肪率)が増えてしまっていることも多いのです。
女性は筋肉量よりも脂肪の付き方に特徴があり、男性よりも顕著な変化傾向があります。

【図↓】をご覧下さい。30歳未満の若い年代の女性は腕や体幹部の脂肪率が低くて脚(臀部も含む)の脂肪率だけが高くなっています。若い世代の女性 は太腿や臀部などの下半身は脂肪が多いのですが、腕やお腹など上半身は脂肪が少ない傾向にあります。ところが30代以降はだんだん腕や体幹部の脂肪率が高くなり、50代以上になると、全身が均一な脂肪率に近付きます。つまり、若いうちは細かった腕やお腹などの上半身にも年齢とともに脂肪が つきはじめ、50代ごろには全身に脂肪がついて全体のかたちが丸くなるという傾向にあります。

  

では、「若く見える体形は?」というと、加齢変化とは逆に若い世代の平均的な体形特徴を参考にすると答えが見えてきます。
●男性:全身の脂肪率は低いが筋肉量が多いので細くはなく、特に腕や脚はガッチリしており、お腹はまだ脂肪が少なく締まっている。
●女性:ウエスト周りや腕、肩は細く華奢ですが、腰周りや太腿には脂肪が付いていて健康的。

それでは、年齢による基礎代謝量の低下に負けず、できるだけ若い頃の体重・体脂肪率・筋肉量を維持するためにはどうすればよいのでしょうか。年々低下する基礎代謝量を意識して摂取エネルギー(カロリー)を減らせばエネルギーが余ることを防げますが、これには注意が必要です。

バランスを考えず「食べる量全体」を減らしてしまうと、筋肉を作る「たんぱく質」や「代謝を促進するビタミンやミネラル」まで減ってしまい、このような状態が続くと加齢変化以上に基礎代謝量が減ってしまうからです。そしてリバウンドしてはまた食事量を減らして更にいっそう太りやすくなる、という悪循環に陥りやすくなってしまいます。

こうならないためには「低カロリーでもたんぱく質やミネラルが豊富な食事をし、基礎代謝量を増やすために筋肉を意識して使う」ということが必要です。
具体的には以下のポイントが挙げられます。 また、変化する基礎代謝を把握するには体組成計での計測がおすすめです。「基礎代謝判定」で「脂肪が消費しやすいからだになってきた」「 “脂肪の消費しやすさ” が維持できている」ということがわかります。
ただ、ここで注意が必要なのは体重が減ると、今までその重さを維持していた分の基礎代謝量も減ってしまいますので基礎代謝の数値そのもので変化を見るのではなく、「体重1kgあたりの基礎代謝(基礎代謝基準値)」で判定している「基礎代謝判定」の変化を見ることです。しっかり筋肉を維持して脂肪が減った場合は基礎代謝量そのものは減っていても体重1kgあたりの基礎代謝量は必ずアップしますから、「基礎代謝判定」には努力がしっかりと反映されますので、これを目安に運動・食事の管理を行ってみてください。

●老化現象の原則
・普遍性   ――→  生命あるものすべてに起こる現象であり、一部の者に起こる障害や疾病は含まない。
・固有性(内在性)  ――→  出産、成長、死といった現象と同じく個体に内在するものであり、必然的に生じる現象である。・進行性   ――→  突発的なものではなく、個体を構成する細胞や細胞間物質の変化が経年的に蓄積されて徐々に個体に現れてくる過程。不可逆性である。
・有害性 ――→  老化現象で最も特徴的なものとして機能低下がある。機能は直線的に低下し、死の確立は加齢とともに増える。普遍性、固有性、進行性は発育期や成熟期に当てはめることができるが、この有害性によって老化は明確に区別される。

●老化の分類
○生理的老化 ――→  生活環境や生活様式が良好に維持され、かつ疾病や事故が起きなくても進むもの。記憶力の低下、軽度の動脈硬化、生理機能の低下などである。
○病的老化 ――→  老年期に多い疾病によって進むもの。高血圧症、糖尿病、強い動脈硬化などによって引き起こされる脳血管障害や心臓病、血管性認知症などがある。

老化と加齢の違い 
老化とは、成長がピークに達した後の( 退行期 )の変化をさす。一方、加齢とは、生まれてから死ぬまでの( 全生涯 )の変化をいい、衰退のみを意味するものではない。
また、成人期以降の精神機能は必ずしも衰退するとは限らない。知的能力は、加齢とともに低下していくといわれているが、維持される能力や成長する能力もある。従って、人は最後まで発達を続けるというとらえ方が大切である。

  ・老化・・成長がピークに達した後の退行期の変化
  ・加齢・・生まれてから死ぬまでの全生涯の変化

人間は、からだを守るための恒常性機能を持っている。
恒常性とは・・生物が内部・外部環境の変化に合わせて自己調節し、常にからだの安定を保とうとする状態を維持するためにはたらく力、防衛力、 予備力、 適応力、 回復力 機能を持っています。
防衛力は、健康を脅かす力ストレッサーとたたかったり回避したりすることによって、からだの恒常性を保つ力である。防衛力が低下すると、危険に直面した場合に、自分の心身を機敏に反応させることが難しくなる。そのため、ストレス に弱く病気になったり、事故にあいやすくなったりする。老化に伴って免疫機能が低下するため、細菌やウイルスなどの病原体に対する抵抗力が弱くなる。免疫機能 の低下の原因として、加齢とともに、免疫細胞であるT細胞の生産を担当する胸腺と、リンパ球を多く含んだ脾臓の萎縮が、多臓器に比べて早くなることが考えられる。

  *ストレッサーと戦い恒常性を保つ力
   老化・・免疫機能の衰えによる抵抗力の低下。ストレスに弱く病気や事故に遭いやすい

予備力とは、からだの中に蓄えられているゆとりの力のことである。この力が十分あれば、ストレッサーが加わっても対処できる。予備力は体力・生理機能の最大の能力と、通常使用時の能力の差であり、老化に伴って低下する。予備力が低下すると、無理や頑張りがきかない、坂道を上ると息切れがして立ち止まるなどに症状が見られる。

  *からだの中に蓄えられている、ゆとりの力
   体力・生理機能の最大の能力と、通常使用時の能力の差のこと
   老化・・予備力が衰え、無理や頑張りがきかない、息切れなど

適応力とは、ストレッサーが、からだにとってストレスにならないように順応していく力のことであり、老化に伴い弱くなる。高齢者では、病気に対する反応の仕方が若者と異なり、症状や経過が非定型的である。たとえば肺炎では、高熱・咳・呼吸困難などの肺炎特有の症状が明瞭ではない場合が多い。気がつかないうちに病状が進行していることもある。これは、病気への適応力の低下が原因であると考えることができる。また転院や転居、在宅から施設入居など、生活の場が変化することによって心理的ストレスや不安感が強まって、それまで見られなかった症状や病気を引き起こすこともある。

  *ストレッサーが、ストレスにならないように順応していく力
   老化・・低下する
   疾患の症状や経過が非定形的(肺炎、心筋梗塞など)。環境の変化で病気を引き起こしやすい。

回復力とは、ストレスを受けたときに修復して元に戻そうとする力のことである。高齢者では、病気にかかると治りにくい 、運動による疲労回復に時間がかかるなど、回復力の低下が見られる。回復するためには、その機能が残っている必要があるが、本人の意欲や意思、物理的な環境が整備されていることも重要である。回復力は個人差が大きいといえる。

  *ストレスを受けた時に修復して元に戻そうとする力
   老化・・回復力の低下。
   病気が治りにくく、運動後の疲労回復に時間がかかる。個人差が大きい

●日常生活への影響
 認知機能の低下 もの忘れが多くなる
 記銘力の低下 記銘力(新しいことを覚える力)が低下しやすい
 神経反射の弱まり 神経反射が弱まる→とっさの行動ができない
 知覚反射の遅れ 熱い・冷たいなどの感覚による反射が遅れる

認知機能の低下
 物忘れが多くなり、物をどこに置いたかわからなくなったり、予定や約束を忘れてしまうことがある。
記銘力の障害
 新しく出会った人、物や場所の名前を記憶することが難しくなる。何度も名前を聞くなど。
神経反射の弱まり
 からだのバランスを崩した時に、とっさに手が出ずに転倒してしまうなど。
知覚反射の遅れ
 熱いものを触った時、反射的に手を離すことができず、やけどをするなど。


味を感じる “しくみ” とは、私たちは食べ物を口に入れると、舌の表面の部分にある味蕾で味を感知します。大脳の味覚中枢へ信号として伝わることで、味を感じています。
味蕾からだけしか味を感じられないわけではありません。食べ物の香り、食べ物が舌に乗ったときの触覚、食べ物が熱いか冷たいかという温度によっても味を感じます。また、その食べ物を食べたことがあるか、好き嫌いの記憶によっても味の感じ方が変わります。
しかし、高齢者になると味覚を感じにくくなり食欲も低下します。高齢者になると、どうして味覚を感じにくくなってしまうのでしょうか。その症状について詳しく学びましょう。

どの味を感じにくくなる? 個人差もありますが、加齢により、「塩味」「甘味」の味覚が低下します。はっきり表れやすいのは塩味です。ずっと飲んできた味噌汁の味が物足りないと感じたり、味が薄いと感じると、自分で調味料を足すようになったりします。
味覚がおとろえると、濃い味付けを好むようになります。それが原因で、塩分やカロリーの過剰摂取が起きます。そうした食事を続けていると、高血圧や肥満につながります。
また、味覚がおとろえると、食欲自体が減退する場合もあります。この場合は必要なカロリーが摂取できず、体力が低下してしまいます。

味覚を感じにくくなる症状には、以下のような種類があります ―― 具体的な症状
  ・味覚減退  ――→  味が薄く感じられる
  ・味覚消失(無味症)  ――→  味が全くわからなくなる
  ・自発性異常味覚  ――→  何も食べなくても苦く感じる
               何も食べていないのに、特定の味がする
  ・解離性味覚障害  ――→  ある味のみが感じられなくなる 
  ・異味症  ――→  元の味と違って感じられる
  ・悪味症  ――→  いやな味・まずい味に感じられる
  ・部分的味覚障害  ――→  咥内の特定の場所だけ味を感じなくなる

味覚にはどんな種類がある? 美味しさの要素
味覚は、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨み」の5種類あります。
これらは基本五味と呼ばれます。
以下で、基本五味を一つ一つ説明します。
・甘味
甘味は、甘い味。糖分やエネルギーになるものです。
主な成分は、ショ糖・果糖・ブドウ糖です。
・塩味
塩味は、しょっぱい味。ミネラルになり、体液や血圧の調整をします。
主な成分は、食塩・塩化カリウムです。
・酸味
酸味は、すっぱい味。酸味を感じることで、食べ物が腐敗していないか判断します。食欲を増進させる効果もあります。主な成分は酢酸、リンゴ酸・クエン酸・乳酸です。
・苦味
苦味は、苦い味。食べ物に毒がないか判断します。子供は苦味を感じると吐き出してしまいますが、大人になって食材が毒でないことがわかると苦味も楽しめるようになります。
主な成分は、カフェイン、リモネイドです。
・旨み
旨みとは、おいしさのことです。主にたんぱく質で、体のもとになります。
主な成分は、グルタミン酸・イノシン酸です。

味以外の要素
  外 観・形・色彩
  香 り・風 味
  食 感
  温 度

ある味が「美味しくない」「感じない」等の症状であればその他の味・要素を取り入れてみましょう。

味覚変化の種類
●本来の味と異なって感じる
 『水が苦い』 『泥を食べているよう』
 『肉が金属っぽい』 『何だか味が違う、まずい』
●味を強く感じる
  甘味『何でも甘ったるい』
  塩味『野菜ジュースがしょっぱい』
●味を感じにくい
 『全く味がしない』 『紙で包まれているよう』
●食感が変わった
 『砂を食べているよう』 『紙のようで味気無い』

本来の味と異なって感じる
  • 違和感のある味を避け、色々な味付けを試してみましょう
  • 塩味や醤油を苦く感じる場合は控え、甘味や酸味等を利用しましょう
  • 旨味・香りを加えてみましょう
  • 肉・魚等はアク抜き・臭み抜き等を行いましょう

味を強く感じる場合
  • 強く感じる味の調味料、素材の利用を避け、他の味付けをメインに使いましょう
  • 食べる時に味付け出来るようにしてみましょう
  • “美味しさの要素”をプラスしましょう

味を感じにくい場合
  • 味付けをハッキリさせてみましょう濃いめに付ける、香辛料・香味野菜を使う 等々
  • 香り・旨味を利用し、風味・深みを加えましょう
  • 料理の温度を人肌程度にしてみましょう

その他の工夫
• 苦味を強く感じる場合は・・・
  スプーン等、金属製の食具は苦味を感じることがあります。
  プラスチック製、木製、陶器等を試してみましょう。
• 唾液が出にくい場合・・・
  特に、旨味の刺激は、唾液の分泌を促すと言われています。出汁、薄目の昆布茶等をこまめに摂取する等して試すと良いでしょう。
• 口腔ケアを適切に行いましょう
  口腔内を清潔に保ち、保湿することで、口腔内トラブルの発症・悪化を予防します。


高齢者に多い味覚障害
高齢化に伴って今後患者数も増えていくと考えられています。味がわかりにくいことは「たいしたことない」と考えてしまうことも多いですが、食べる楽しみや喜びを奪われることは食欲不振につながり、特に高齢者にとっては深刻な影響を及ぼす可能性もあります。
味覚障害の原因で多いのは、「亜鉛の不足」と言われます。味を感じにくくなる状態をいう。症状で多いのは、何を食べても味が薄く感じる味覚減退と味を感じない味覚消失で、二つで全体の8割以上を占めます。
治療の対象になるのは、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の五つの基本味が感じにくくなったり、感じなくなったりする場合です。
原因で多いのは亜鉛の量が足りない、亜鉛欠乏性による味覚障害です。他の病気でのんでいる薬の影響が原因の薬剤性や、糖尿病や透析の必要な腎臓病など全身性の病気によるもの、うつや不安などによる心因性、原因のわからない特発性などがあります。

味覚は五味のうちのどれかがわからなくなるというよりも、全体的に味が分からなくなることが多いです。かぜをひいた後に味がわからなくなり、その状態が1週間以上続いて受診するという人も多いです。
発症から時間がたつと治りにくくなるというデータがあります。気づいたら半年以内に受診して早めに治療を始めた方が治りがいいといわれています。高齢者の場合、味がわからないからと、濃い味の物を好むようになったり、食べる楽しみがなくなって食欲が減退して体力が低下したりします。生活の質が落ちるだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。「味覚がおかしいな」と気づいたら、軽く考えずに早めに医療機関に相談してください。

 亜鉛欠乏性や薬剤性、特発性の場合は、足りないもしくは吸収されずに排出されている亜鉛を薬で補う亜鉛補充療法がします。亜鉛補充療法で7割の患者に改善が見られます。味覚障害の原因となる口の乾燥やビタミンB群の欠乏なども考えられる場合には、その治療も合わせて行います。回復を実感するのには3カ月から半年ほどかかります。長くかかると途中であきらめてしまう人もいますが、根気よく治療する必要があります。

 食事から亜鉛をとることも重要です。食品添加物が亜鉛と結びついてしまう作用があり亜鉛の吸収を妨げてしまうことがあります。なるべく添加物の少ない食事を心がけると共に、亜鉛が有効に働くようビタミンやミネラルもバランスよくとることが必要です。

――味覚障害を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。

 亜鉛不足の原因の多くは食事です。食事に気をつけることで味覚障害の予防にもつながります。本来食事から取るべき亜鉛の量は成人の場合1日に7~30ミリグラムとされています。日本人の一般的な献立の1日亜鉛摂取量は平均8~9ミリグラムと少なく、2~4割の人が亜鉛不足ではないかと考えられています。

 亜鉛を多く含む食材は、魚介類のカキ、赤身の肉やレバーなどです。患者さんには、1回に食べる分量で比較した亜鉛の含有量が多い食品のグラフを渡しています。例えばカキ5個で亜鉛は10・1ミリグラム、豚レバー60グラムでは亜鉛が4・1ミリグラムなどです。また、亜鉛の吸収を助けるたんぱく質もしっかりとることが重要です。健康的な食生活が予防につながります。

<亜鉛を多く含む食品>
  ・牡蠣
  ・豚レバー
  ・牛赤身肉
  ・小麦胚芽
  ・油揚げ
  ・カシューナッツ
  ・卵

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 食材(100gあたり)    亜鉛
  ぶた 肝臓(レバー) 生    6.9mg
  アーモンド 乾    3.6mg
  加工品 かつお節    2.8mg
  カットわかめ    2.8mg
  油揚げ 生    2.5mg
  切り干し大根 乾    2.1mg


不足しやすい栄養素としてミネラルがよく取り上げられますが、その一つが「亜鉛」です。
亜鉛は、体内の300種類以上の酵素に含まれ、細胞の成長と分化に中心的役割を果たす必須微量元素です。
摂取不足により、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などが起こり、生殖機能全般にも影響することが分かっています。
貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下といったさまざまな症状が出てしまう可能性があります。
そのため、亜鉛は意識して摂取するようにしましょう。

亜鉛で免疫力アップ
亜鉛は人が健康を維持するために大切な栄養素の一つです。
亜鉛は全身のさまざまな細胞に存在していて、細胞の代謝に関係しています。
亜鉛が細胞の代謝を促すことによって、免疫細胞が活性化され、免疫力が上がる効果が期待できます。
にも関わらず、身体には特別な亜鉛の貯蔵システムがありません。
したがって免疫力を保つためには亜鉛を毎日摂取することが必要です。


高齢者の味覚が低下する原因
それでは、なぜ高齢者になると味覚がおとろえるのでしょうか。原因を解説します。

味蕾の減少
高齢者になると、舌や口腔内にある、味を感じる部分「味蕾」が減少します。個人差はありますが、高齢者は新生児と比べると3割から5割ほど味蕾が少ないといわれています。歳をとると、どんなに健康な人でも味覚が低下します。

唾液の減少・口腔内の乾燥
唾液が減少し、口の中が乾燥してしまうことも味覚が低下する原因の1つです。歳をとるにつれて、かむ力の低下や薬の影響などで唾液が減少します。唾液が減ると食べ物の味が感じにくくなり、味蕾の働きが低下します。口の中の乾燥がひどくなると「ドライマウス」と呼ばれ、歯周病や口臭などさまざまなトラブルの原因になります。

糖尿病・腎臓病などの病気
味覚の低下は、糖尿病や腎臓病などのさまざまな病気の合併症の可能性があります。糖尿病や腎臓病などにより、腎機能が低下すると、味を感じるのに必要な亜鉛が排出されるため、味覚障害になりがちです。味覚障害が起きたときは、「高齢だから」と自己判断せず、医師の診察を受けるようにしてください。

薬の副作用
高齢者の味覚の低下の原因で、近年注目されているのが薬の副作用です。高齢になると、さまざまな病気の治療のために薬を服用しますが、その中に味を感じるために必要な亜鉛の働きを弱めるものがあります。長期的な薬の服用による亜鉛不足で、味覚障害が起きる場合があります。薬を飲み始めてから味覚の変化に気づいた場合は、医師や薬剤師に相談してください。

亜鉛や鉄の不足
味を感じるためには、亜鉛や鉄といった成分が必要です。特に亜鉛は味蕾を作るために必要な成分なので、亜鉛が不足すると味覚障害になりやすくなります。
また、血圧を下げる薬や利尿剤など約250種類の薬に、味覚障害が起きる可能性があるといわれています。

味覚を感じにくくなった場合の対策
それでは、実際に味覚を感じにくくなった場合はどのような対策をすればよいのでしょうか。
具体的な対策を4つ紹介します。
うがいをこまめにする
口の中の乾燥を防ぐ対策として、うがいをこまめにしましょう。口の中の乾燥を防ぐことができれば、味の成分がスムーズに味蕾に運ばれ、味を感じやすくなります。
また、食べ物をよく噛むことでだ液の分泌を促しましょう。誤嚥を防ぐためにも、食事をとるときはゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。

歯ブラシで舌苔(ぜったい)を取る
口の中を見ると、舌の表面が白い舌苔で覆われていることがあります。舌苔があると、味を感じにくくなる事があります。舌苔は口の中の細胞や、食べ物のかすなどからでき、口臭の原因にもなります。歯磨きの際に、歯ブラシや舌ブラシなどで舌苔をとったり、マウスウォッシュなどで口腔内をきれいにするようにしてください。

亜鉛をしっかり摂る
亜鉛をしっかり摂る 亜鉛には味蕾をつくる働きがあり、味覚の低下防止に効果的です。 カキ、レバーなどに多く含まれていますが、苦手な方は牛肉やたまご、チーズ、納豆、ナッツ類などを積極的にとるようにしましょう。 食事量が少なく摂取するのが難しい方や、病気を患っている方には、亜鉛製剤を投与する治療方法もあります。

味覚の衰えによって注意したいこと
高齢者は味覚が低下すると濃い味を好み、塩分・糖分摂取過多になりやすい傾向があります。こうした食事が続けば、高血圧や糖尿病などの病気につながりかねません。
味付けを濃くしなくても、料理をおいしく感じられるようにする方法はあります。料理にうまみ成分をプラスしたり、酢やレモンなどの酸味を入れたりと工夫することで、塩分や糖分量を変えずに味を変えられます。
また、料理に香辛料や香味野菜を取り入れたり、味を感じにくい食材を別の食材に変えたりすることで、味覚が低下してもおいしく食べられるようになります。

味の感じ方
  ① 味物質の運搬
   味の物質(塩味・甘味・酸味・旨味等)は
   味覚センサーの“味蕾”に運ばれる
  ② 味蕾で味物質を受け取る
   “味蕾”は脳へ信号を出す
  ③ 脳へ伝える
   味の信号は、中枢神経を通り
   脳へ伝わり味を感じる

味覚変化の様々な要因
口腔内乾燥 唾液腺障害 ――→ 唾液量の低下 味物質を運びにくい粘膜を荒れやすくする
味蕾細胞の障害 ――→ 味蕾細胞が生まれ変わりにくい
亜鉛欠乏 ・慢性的な食欲不振・亜鉛吸収阻害の薬剤 ――→ 味蕾細胞が生まれ変わりにくい
口腔内の荒れ・炎症――→ 舌・口腔内の味蕾の働きの低下、食事摂取量の低下
神経障害――→ 信号が上手に伝わらない
心理的な緊張・不安


「塩分を強く感じる」について
休むことなく、体の中の水分量を調節して脱水を防ぎ、老廃物を排出し、塩分(ナトリウム)やカリウム、リン、カルシウムなどの電解質バランスを調節してくれているのが、腎臓です。腎臓はさらに、体液のpHバランスを調節し、赤血球をつくるホルモンや血圧をコントロールするホルモンを分泌する役割や、骨の維持に不可欠なビタミンDを活性化する役割も担っています。腎臓の中の「糸球体」と呼ばれる毛細血管が1日にろ過する血液の量は、144リットル。実に2リットルのペットボトルの72本分にも相当します。
そんな働き者の腎臓ですが、普段は存在を主張することもなく、とても地味な存在。メタボ(メタボリックシンドローム)やお酒の飲みすぎが気になり、「普段から血圧や血糖値、コレステロール、肝機能などには気を使っている」という人でも、自分の腎機能の数値を把握している人は少ないかもしれません。
腎機能が低下すると、まず、本来なら尿中に捨てられるはずの老廃物が、血液中に残って体内にたまり、食欲低下や吐き気、だるさ、頭痛などが起きてきます。電解質のバランスが崩れ、ナトリウムが体内に過剰になると、体液量が増加してむくみが生じたり、血圧が上がったりしますし、カリウムの濃度が上がれば脱力や不整脈などを引き起こします。赤血球が十分に作り出せなくなると、貧血に陥ります。ビタミンDが活性化されなくなると、骨がもろくなります。最終的には、末期腎不全となり、人工血液透析や腎移植を受けなければ生命を維持できない状態にまで陥ります。

腎臓が傷ついたり、働きが低下したりする「慢性腎臓病(CKD)」の患者数は約1300万人にも上るといわれています。透析患者も32万人を超え、この40年間でなんと25倍に増加しています。
慢性腎臓病は「毛細血管の病気」なので、高血圧や肥満、脂質代謝異常(高コレステロールや高中性脂肪)、糖尿病など、血管をもろくしたり硬くしたりする生活習慣病を併せ持つ人が多く、これらの合併症として、心血管疾患(脳卒中、狭心症、心筋梗塞など)で亡くなる人も多いのも特徴です。
さらに怖いのは、上記のような自覚症状が現れるのは、腎臓の異常が深刻になってからだということです。

腎臓のはたらきと塩との関係について、
腎臓は、大きく分けて4つの働きを有しています。

(1)体の水分量を調整する(2)体液中の成分(ミネラル、酸塩基)を調整する (3)身体で作られた老廃物をろ過して、尿として排泄する (4)ホルモンを作る(エリスロポエチン→赤血球をつくる、レニン→血圧を上げる、ビタミンD→骨代謝の調節)

ミネラルのなかの一つがナトリウム、「塩」です。体のなかの塩は、細胞の浸透圧を一定に保つ、神経や筋肉の働きの調整、たんぱく質を溶解するなど食物の消化(胃酸)にも関与する大変重要なミネラルです。例えば、体内のナトリウムが不足すると、筋肉のけいれん(「つる」状態)、大きな血圧低下、ひどいときには意識障害を起こします。体内はおよそ体重の約0.2%の塩を保持しています(60kgの人なら120g)。

その塩分量を調節しているのが「腎臓」なのです。この調節には、レニンというホルモンが大きく関わっています。我々の祖先は大昔、4億年前まで海で生活していました。その後、陸に上がり二足歩行を始めたときに、体に塩を溜めて血圧を保とうとするホルモンを作りました。これをレニンといい、腎臓で作られることが分かっています。つまり腎臓は、塩調節ホルモンのレニンを通じて塩の出し入れを決めて、体内の塩分量を一定に保とうとしているのです。
■腎臓病になると塩が出にくい
―――――――――――――――――
腎臓病や加齢により、腎臓の機能は低下します。腎臓の機能が低下すると塩を出しにくくなり、体にたまりやすくなります。たまった塩分は血管の外から水分を引き寄せ、血管内に塩分を含んだ水が増えるので、血圧が上がるわけです。これが塩分のとりすぎで高血圧になる理由です。

皆さん、腎臓病を悪化させる2大因子をご存知ですか?それは高血圧とタンパク尿です。高血圧になると、腎臓からタンパク尿が出やすくなります。このことに大きく関係しているのが塩分なのです。だから腎臓病を進行させないためには、塩分を控える必要があるのです。
■減塩の極意
――――――――――――――
 減塩の極意、それは“塩を減らさない”です。えっ?なにそれ?と思われるでしょう。2015年7月29日にNHKの”ためしてガッテン”で、近江八幡市立総合医療センターの塩分メリハリ作戦が紹介されました。すべての食事を減塩して薄味にしてしまうと、美味しくないので減塩が続かないという経験はないでしょうか?番組で紹介した塩分メリハリ作戦は、近江八幡市立総合医療センターの栄養士が、長年築き上げてきた指導の中で、得た手法です。

主になるおかず、あるいは好きな一品は、しっかりと味をつけて、その周りを囲む副菜は塩分をできるだけひかえて他の調味料で味をつけます。これによりトータルの塩分をぐっと減らすことができます。塩分にメリハリをつけることで美味しい食事をしながら減塩できる、これが塩分メリハリ作戦です。番組では、ゼロ塩レシピなども紹介され、塩を含まなくてもパンチのある美味しい食事が作れることも併せて紹介されました。また、減塩という言葉を極力使わないこと。減塩というとマイナスイメージで、味がない、美味しくない!につながる。塩を控えていても、“だしを効かせた”“スパイスを効かせた”“お酢を効かせた”などと紹介すると、減塩食でも美味しく食べられるようです。皆さんもどうぞお試しあれ!また我々の病院では、「○○はだめ」という指導は一切せず、むしろ禁句と考えています。何でも食べてよろしい、その代わり、トータルの塩分量を守ればよろしいと、指導しています。

今回は、塩分と腎臓病をテーマにした滋賀県近江八幡市の公開講座の内容の一部を紹介していただきました。皆様の腎臓病療養生活にお役立て頂ければ幸いです。この公開講座は毎年秋に実施しており、当協会も後援していますので、ご興味のある方は、どうぞご参加ください。

また、自分が摂取した塩分を知るためには、早朝の尿から前日の塩分摂取量をグラム(g)表示する「減塩モニタ」や、みそ汁やスープに直接入れて塩分を計る「塩分測定器」など、いろいろなグッズがあります。「塩分測定器」はそらまめ通信の「読者サロン」の景品にしていますので、すでにお使いの方もいらっしゃるでしょう。使った方々からは、「感覚でやっていた塩分調整がいかに主観的かがよく分かった」との意見が寄せられています。ご自分の塩分摂取量、一度、きちんと測定してみるのも良いかもしれません。

腎臓の働きを守るためには「減塩」が大切
食生活ではまず、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。

腎臓は食事として摂取した塩分を尿として排泄するという働きをしています。そのため、塩分を摂り過ぎると、過剰排泄となり、腎臓に大きな負担がかかります。

腎臓の働きを守るにあたって、「減塩」はとても大切です。

現在、日本人の塩分摂取量は1日平均9.9g(※1)といわれていますが、厚生労働省は生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底を図るため、平成27年から1日の食塩摂取の目安を男性は8g未満、女性は7g未満と定めました。ちなみに血圧の高い人の目標は6g未満です。

最近では、食品のパッケージに栄養成分表示が義務付けられていますが、「塩分」とは「食塩相当量」のことを指します。「食塩相当量」が表示されていない場合でも、「ナトリウム量」から右記の計算式で簡単に算出することができます。


「たんぱく質」の摂取量をコントロールする
腎臓は食事として摂取した「たんぱく質」を代謝し、尿素(※2)やクレアチニン(※3)などの老廃物を尿として排泄しています。
たんぱく質を多く摂り過ぎると、腎臓からしか排泄することができない尿素やクレアチニンなどが体内で増加し、腎臓への大きな負担になります。
そのため、腎臓の働きが低下している人は、たんぱく質の摂り過ぎに注意しましょう。
しかし、たんぱく質は3大栄養素の1つであるため、良質のたんぱく質については適度に摂取する必要があります。
腎臓の働きに合った量を、主治医と相談しながら摂取するようにしましょう。

*尿素:たんぱく質が分解されるときにできる老廃物
*クレアチニン:クレアチンという有機酸が代謝された後に出てくる老廃物
「水分」を積極的に摂取する
腎臓には体の水分量を調節する働きがあります。
適度な水分補給を行わないと脱水症状を引き起こし、腎臓に負担をかけてしまいます。
腎臓に負担をかけないためにも水分補給をこまめに行うことが大切です。
ただし、腎機能が低下している方は、医師と相談の上で水分摂取量を決める必要があります。
腎機能の低下を防ぐためには、普段から腎臓にやさしい食生活を心がけることが大変重要になります。

生活習慣病・メタボリックシンドロームと腎臓病
高血圧や糖尿病等の「生活習慣病」や、患者数の増大が社会問題となっている「メタボリックシンドローム」は、腎臓病を引き起こすリスクが高いことが知られています。
メタボリックシンドロームとは、高血圧、糖尿病、脂質異常症を2つ以上合併している状態のことをいい、複数の異常が重なるメタボリックシンドロームは、腎臓への負担をさらにかけることになります。
腎臓病と悪循環の関係にある生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防・改善することで、腎臓病をはじめとするさまざまな病気の予防につながります。
生活習慣病やメタボリックシンドロームの改善には、適度な運動習慣を生活に取り入れることが大切です。
国内の腎臓病医療の中枢的役割を担う日本腎臓学会は「腎疾患の生活指導ガイドライン」を作成し、腎臓病の程度に応じた日常生活における運動、働き方などの活動の目安を示しています。


日常に適度な運動を
腎臓病の発症や進行の予防には、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善が重要であり、適度な運動が欠かせません。病状にもよりますが、可能な範囲で、毎日の生活の中に積極的に運動を取り入れることが望ましいでしょう。
ただし、腎臓病が進行している患者さんでは、運動が制限される場合もあるので、主治医と相談して運動内容を決めてください。

体調不良時の対策
腎臓の働きが低下していくと、血液中の老廃物や不要物のろ過・排泄が十分にできなくなってしまい、様々な症状を引き起こします。
また、体の中に老廃物が蓄積した状態では、免疫機能が低下し、体を守る防御力の低下が起こります。そのため、健康な人と比べて風邪などの病気にかかるリスクが高まります。
風邪をひくと、下痢や嘔吐の症状が出現する場合も珍しくありません。腎臓の働きが低下していると、下痢・嘔吐による脱水が原因で急速に腎機能を悪化させる危険があります。
下痢や嘔吐などの症状がある時は、十分な水分補給と栄養摂取を心がけるとともに、早めに医療機関を受診してください。
このように、風邪などの感染症は、腎臓を悪くさせる原因となりますので、うがい、手洗いを欠かさず風邪の予防に取り組みましょう。
また、風邪の症状緩和に用いられる解熱薬の中には、腎臓の働きを悪化させる恐れのあるお薬があります。腎臓の働きが低下している方は、かかりつけ医に飲んでもよい市販のお薬などについて尋ねておくとよいと思います。
そして、風邪をひいてしまったときには、自分の体を過信して、無理をし過ぎないようにしてください。

腎臓の働きが低下した状態での日常生活の基本は、規則正しい生活を送ることです。
睡眠不足や不規則な生活は、腎臓に負担がかかります。十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。
また、腎臓をしっかり休めることができないと、腎臓が疲れてしまいます。疲れを感じたときは無理をせず、体を休めることが大切です。
それから、繰り返しになりますが、慢性腎臓病(CKD)は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と密接に関連しています。

コーヒーのカフェイン利尿作用が腎臓によくない
腎臓を健康に維持するためには体内の水分を一定レベル以上に保つ必要があるのですが、カフェインの利尿作用が働くと水分が体外に排出されてしまいます。 そのために、コーヒーを飲むと体内の水分レベルが低下して腎臓にとってよくない状態が続き、結果として腎臓に負担をかけることがあります。
コーヒーと腎臓について、ガイドラインにも記載がなくコンセンサスもありません。
このような場合は過去の研究を一つ一つ解釈して、医師個人が結論を出していくしかないので今までの論点やエビデンス(科学的根拠)をレビューしていこうと思います。
コーヒーは体に良い可能性があり、1杯より2杯、2杯より3杯、3杯より4杯以上の方が心筋梗塞・脳卒中や糖尿病や腎疾患などによる死亡率が低い。
4杯以上については、よく分かっていません。
また、欧米人のような体の大きい人にとっての適正な量と日本人にとっての適正な量は異なるので解釈に注意が必要です。
まだ、コーヒーが腎臓に良いかは分かっていません。
数ある報告の中で、以下の2つの研究結果が参考にできると思います。
コーヒーの摂取量が多いと腎臓病になるリスクが下がるという報告(*2)
腎臓病ではカフェインを飲んでいる人の方が、死亡率が低いという報告(*3)
コーヒー自体に効果があるのか、コーヒーを飲むような社会的地位の高い方の暮らしが良いのかについては議論の余地がまだあるようです。
ただ現段階で「コーヒーは腎臓に悪い」という報告はあまり無く、コーヒーを飲むと腎臓が悪くなる訳ではなさそうです。

このことから、生活習慣病の発症や重症化を予防するために、ご自身の生活や運動習慣の見直しを行うことが必要といえるでしょう。
腎機能低下の進行を抑えるには、普段から腎臓に無理がかかる生活を送っていないかどうかを考えることが大事です。腎臓への思いやりを持って、身体に負担をかけない生活を送ることが大切です。

塩をとらなくても、塩味を感じる 美味しく減塩する新技術
食塩をとらなくても、塩味を感じられる独自技術『ソルトチップ』。料理の美味しさを犠牲にすることなく、塩分摂取量を抑えることができる。減塩食を継続するためのツールとして期待され、本格的な市場開拓が始まっている。
心臓病や腎臓病、高血圧を抱え、減塩に悩む人は世界中に多く存在する。慶応義塾大学発のベンチャー、LTaste(エルテイスト)が開発した『ソルトチップ』は、そんな食と健康の問題を解決する画期的なプロダクトだ。一例として、おにぎり2個を食べる場合、食塩摂取量は20分の1程度に抑えることができる。

食塩をとらなくても、塩の美味しさを感じられる。これまでになかった発想で、減塩に苦しむ人々の悩みを解決しようとしている。

ソルトチップを開発したのは、慶応義塾大学大学院理工学研究科博士課程に在籍し、三木則尚教授の研究室に所属する東和彦氏だ。2017年3月に開催された、「かわさき起業家オーディション」と慶応大学医学部主催「健康医療ベンチャー大賞」を立て続けに受賞。同年5月にLTasteを設立した。

塩味を感じるメカニズムに着目
減塩技術に注目したきっかけは、三木研究室で人工腎臓を開発していたことがあり、その過程で腎臓病の患者に接したことだ。東社長は、腎臓病患者用の減塩食をとる機会があった。感想は「美味しくない」。身をもって、減塩の課題を感じた瞬間だった。
「薄味で味気ない減塩食は、一時的には取り組めても、それが毎日のことになると本当に大変で、継続するのが難しくなっています。新しい減塩技術の必要性を感じました」
東社長は、人が塩味を感じる仕組みに着目。人は舌にある味蕾を通し、脳で塩味を感知する。
「塩味の強さは、舌の表面における局所的な食塩濃度で決まります。しかし、例えばおにぎり1個には約1gの食塩が含まれますが、そのほとんどは塩味を感知する舌に触れず、体内に取り込まれます。つまり、わずかな食塩があれば塩味を感じられるのに、必要以上に塩分を摂取していることになります」
ソルトチップは、歯の裏に貼り付けて使用する厚さ1~2mm程のチップだ。装着時には、まず舌にのせ、舌で下歯の裏に貼り付けて使用する。


味覚が変わった!?味が薄くもしくは濃く感じ始めた時の対策
1. 味覚変化の原因はさまざま
味覚は様々な要因で変化するが、特に誰しもが訪れる可能性がある原因は加齢といわれている。年齢を重ねると、味覚を感じる味蕾(みらい)という細胞が減少し、味が感じにくくなることがわかっている。
人間は、大きく4種類の味覚を感じるといわれており、甘味、酸味、苦味、塩味に分けられます。これらを舌にある味蕾で感じているのだが、特に塩味は感度の低下を自覚しやすい。
塩味の感度が低下することで、今までと同じ味付けの調味料の量や種類であっても、料理の味が薄いと感じて、調味料を足してしまう傾向があります。これまで使用していた分量より、調味料が増えたなどの変化を感じたら、塩味だけでなく、味覚の減退がおこっている可能性もあるのです。
また、味の感じにくさは、薄く感じる場合もあれば、逆に濃く感じてしまう場合もあります。
一般的には、若いころに比べて味の好みが変わったという中高年の多くは、濃い味から薄い味、あっさり味へと味覚の変化を感じる場合が多いといわれます。

2.味覚が変化した時の対策
味覚の変化は加齢だけではないため、変わったかもしれないと感じたタイミングで、加齢以外の味覚変化の原因を解消していくことが大切になってきます。

2-1.口の中の乾燥を防ぐ
口腔内の唾液量が減少し乾燥しがちになると、食べ物の味を感じにくくなってしまう。唾液は食べ物を分解し、味を感じやすくする役割を持っているため、口呼吸ではなく鼻呼吸を心がけることや、こまめな水分補給をおこなうことが大切だ。ガムや飴を利用して、だ液量を増やすことも一つの方法になる。
口の中がねばつくようになる、食べ物が飲み込みにくくなる、などの症状が見られたときは、特に注意したい。

*鼻呼吸は、吸い込む空気に適当な湿度・温度を与え、空気中の微細なゴミや細菌・ウィルスを鼻腔内の毛や粘膜に吸着して、気管や肺を保護しています。 さらに、鼻の奥は脳の底部と接しているので、車のエンジンのラジエーターのように脳の過熱を防ぐ役割もします。 そもそも口呼吸を使うのは哺乳動物ではヒトだけです。人間が生きていく上で呼吸が必要な事は言うまでもありません。しかし意外に見過ごされて
いるのが呼吸法です。気づいたら口がポカンと開いた状態で呼吸をしている・・・という人は意外と多いのではないのでしょうか。日本人の多くは無意識に口呼吸しています。
鼻呼吸をすると、鼻から入った細菌やウイルス、アレルゲン(アレルギーの原因物質)は、鼻毛や鼻の粘液で除去されます。さらに鼻の奥にあるリンパ組織が、アレルゲンなどが肺に入らないように守ってくれます。鼻を通るときに空気が温められ湿度も加えられて、喉や肺への刺激を少なくします。つまり鼻は優秀な空気清浄器と加温加湿器の役割を果たしています。

鼻呼吸と口呼吸の違い
鼻で息を吸うと 「ろ過」「加湿」「異物の防御」などメリットがたくさんあります。
実は、口呼吸はあくまで鼻呼吸の補助です。鼻から吸うと ウィルスやほこりを鼻毛や粘液(膜)がろ過します。そして、のどの奥の組織(扁桃リンパ)がさらに異物を防御し、温められた空気が肺に運ばれます。(加湿や空気清浄機の働きをします)
口呼吸では、細菌やウィルスの侵入、粘膜の炎症が起きやすくなり、乾いた冷たい空気が肺に入り、肺の免疫力が低下するリスクにつながり、肺にかかる負担が大きくなってしまいます。まずは、「深呼吸」で息を吸うとき、鼻から吸って、ゆっくり口から吐くを行いましょう。

2-2.口の中を清潔にする
舌苔とよばれる、舌につく白いこけのようなものが多く付着してしまうと、味が感じにくくなることがわかっている。また、舌苔は味覚を感じにくくするだけでなく、口臭の原因ともなるため、口腔内を常に清潔にしたい。
この舌苔は、歯磨きやマウスウォッシュをしていても、胃の調子が悪いと付着することがあるので注意しておきたい。
口腔ケア行なうことで、新型コロナウイルスの感染・重症化のリスクを低下させられる。
ウイルス感染を重症化させないためには、免疫力を高めておくことが大切です。そのためには、咀嚼(噛む)機能を良好な状態に維持しておく必要があります。なぜなら、食べ物をしっかりと噛めないと、栄養バランスが糖分過剰に偏り、糖尿病の悪化や著しい免疫力低下を招いてしまうことがあるからです。しっかり噛めれば唾液の分泌量が増え、免疫力の助けになります。
新型コロナウイルスよる肺炎が重症化している方の多くは、ウイルス性肺炎と口内細菌に由来する細菌性肺炎を二重に引き起こしているといわれています。日ごろからきちんと口腔ケアをしておくことで、このような事態を回避できます。


2-3.亜鉛を摂る
亜鉛は味覚を感じる上で欠かすことができない成分であるが、生活習慣の変化などで食事が乱れると不足しやすい。
亜鉛不足は、ストレスや不眠の原因にもなるため、牡蠣や牛肉、大豆など亜鉛が豊富に含まれているものを意識的に摂るようにしたい。加工食品に頼った食生活になっていると、亜鉛不足になりがちだ。まずは3食バランスよく食べるように心掛けたい。

3.味が薄く感じた時の注意点
味が薄く感じると、味付けがこれまでよりも濃くなり、醤油やソース、マヨネーズなどを食事に使用する量も増えてしまいがちである。そのため、食べる量が同じであっても、塩分過多になりやすく注意が必要である。
ただ、味覚の変化に気づくのはなかなか難しいため、普段使用する調味料の量を意識しておきたい。味が薄く感じるようになったと自分自身で気づくことができれば、味覚減退を早期に発見できる。

4.味が濃く感じた時は専門医に相談
味を濃く感じる症状は味覚過敏と呼ばれ、特定の味や食感を強く感じるようになる。味覚過敏は、自身で対策をすることが難しいため、症状を感じたら専門医に相談するようにしたい。
自身でできる対策には、マスクの着用、好きな香りのアロマオイルなどの香りを嗅ぐようにする、苦手な食べ物は無理に食べない、レシピ通りの味付けで料理を作る、などが挙げられる。

5.まとめ
味覚は、加齢とともに変化していく。今までと同じような食事をとっていても、味付けが薄く感じる、濃く感じるなどの症状がでる可能性がある。
味覚の変化は、調味料の使用量を増やし、高血圧や肥満の原因になる可能性がある。
そのため、味覚が変わったと感じたら、口の中の乾燥を防ぐ・清潔にする、など加齢以外の味覚変化の原因を解消するよう心がけたい。
また、味が濃く感じた時は、味覚過敏の恐れがあるため専門医を受診するようにしたい。

 

 

 



ヴィーガンやベジタリアンになることを考えたことがある人は、「どうやってタンパク質を摂るの?」 確かに、動物性食品にはタンパク質が豊富に含まれていますが、野菜にタンパク質が足りないというわけではない。特に高齢者にとっては、タンパク質は非常に重要な栄養素。筋肉の増強と維持、食事中の満腹感を保つ、全身の細胞を正常に働かせる、などさまざまなことに必要です。 今回の健康塾は、高齢者に必要な「高タンパクな野菜」の謎解きです。

ベジタリアンとは様々なタイプの菜食主義者の総称ですが、ヴィーガンは卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしない「完全菜食主義者」のことです。 さらに、食だけに限定するのではなく、身の回りのものからできるだけ動物由来のものを避けることで動物の命を尊重する「エシカル・ヴィーガン」の人たちもいます。
動物性食品の少ない食事に切り替えることは非常に健康的だが、大切なものが不足していないかを確認しなくてはいけない。今回は摂取すべき高タンパクな食材をご紹介。

Nourish Family Nutritionの創設者であるダイアナ・スギウチ氏は、「もちろん、植物性食品や菜食主義の食事から必要なタンパク質をすべて摂取することは可能です。しかし、必須アミノ酸やビタミン、ミネラル(特にビタミンB群と鉄分)を確実に摂取するには、ある程度考えることも必要です」という。
植物性の食事をうまくいかせるには「毎日さまざまな穀物、豆類、種子類、ナッツ、野菜を食べることです」とThe Lifestyle Dietitianのオーナーであるジャーリン・ジョーンズ氏は説明する。「精製されていない素材そのままの食品、例えば豆腐などを選ぶことで、タンパク質の摂取量を増やすことができます」

「高タンパク質な野菜の正確な定義はないが、ある種の野菜は群を抜いています」という。
現在の米国食品医薬品局(FDA)のガイドラインでは、成人の場合、2,000カロリーの食事で1日50グラム以上、1食あたり15〜20グラムのタンパク質を摂取することが望ましいとされている。また、空腹感を抑えるためには、1食あたり30g、特に朝食での摂取を推奨する研究結果もある。
それでもまだ野菜でタンパク質が十分に摂れるのかと、疑問に思っている人もいるかもしれないが、野菜で体の成長に必要なタンパク質は十分に摂ることはできる。ここでは、プラントベースの食生活をしているかに限らず、食べておきたい高タンパクな野菜を20種類ご紹介。

1.枝豆
タンパク質 ――  1/2カップ(加熱)で9グラム
最もヘルシーな前菜といえば枝豆。カップ1杯分の枝豆には大量のタンパク質が含まれている。ジョーンズ氏は枝豆を「おやつとして食べても、スープや野菜炒めに入れてもおいしいです」と絶賛。ピューレ状にしてディップにするなど、工夫を凝らせば味に飽きることもない。

2.レンズ豆
タンパク質 ――  調理済み1/2カップあたり8グラム
低カロリーで高繊維質のレンズ豆は、正真正銘のスーパーフード。ジョーンズ氏は「レンズ豆は水に浸す必要がないので、すぐにスープやカレーを作ることができます」という。さらに、葉酸、カリウム、銅が豊富に含まれているので、穀類よりも健康的だそう。

3.ブラックビーンズ
タンパク質 ――  1/2カップ(調理済み)で8グラム

豊富なタンパク質に加え、黒豆には心臓に良い食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンB6、そしてさまざまな植物性栄養素が含まれている。スープや炒め物など、どんな料理にも簡単に入れることができます」とジョーンズ氏は説明。

4.ひよこ豆
タンパク質 ――  1/2カップ(加熱)で7グラム
ひよこ豆にはタンパク質と食物繊維が含まれているので健康的。もちろん、ひよこ豆といえばフムスが有名だが、コクのあるファラフェルやカリカリに焼いたスナックなど、どんな料理にも変身する。特に、スープやサラダ、クレープなどに入れると最高。

5.リフライドビーンズ
タンパク質:1/2カップあたり6.5グラム(調理済み)
スギウチ氏は「タコスやエンチラーダの中に、黒豆やピント豆のこのリフライドビーンズ(調理済み豆の缶詰)を入れて、それだけで食べることもあります。植物性タンパク質の摂取量を増やしたい場合は、牛や鶏のひき肉と混ぜてみてください。肉の量が減っていても、味にはあまり変化がありません」という。

6.リマ豆
タンパク質 ――  1/2カップあたり5グラム(調理済み)
リマ豆は、タンパク質に加え高齢者の健康的な筋肉の合成に大きな役割を果たす可能性のある、ロイシンというアミノ酸が含まれている。そのまま食べてもおいしい。

7.グリーンピース
タンパク質 ――  1/2カップ(加熱)で4グラム
「一般的な野菜として見過ごされがちですが、グリーンピースは冷凍野菜のコーナーに必ず置いてあります」と説明。グリーンピースを気に入っているのは、そのまま食べても、米などの穀物に混ぜても、ブロッコリーと一緒にピューレ状にしても、スープに混ぜてもいいという汎用性の高さだという。また、グリーンピースにはビタミンA、K、Cが多く含まれている。

8.大豆スプラウト
タンパク質 ――  1/2カップ(加熱)で4グラム
韓国料理のビビンバの上に乗せたり、炒め物に入れたりしてもおいしく、もやしは植物性の料理に歯ごたえと豊富なタンパク質を加えてくれる。食物繊維も含まれているので、食間や食後の空腹感もない。また豆に飽きたらもやしを使えば、タンパク質を損なうことなく料理に変化を加えられる。

9.ピーナッツ
タンパク質 ――  1.8グラムあたり8グラム
ピーナッツはマメ科の植物で、厳密には野菜の一種。約1.8gで約8gのタンパク質が含まれているので、ジムの前後のおやつとして最適。プロテイン入りのパンケーキやタコスなど、ほとんどのものに混ぜて使うことができる。

10.紅じゃが芋
タンパク質 ――  ジャガイモ大1個(調理済み)あたり7グラム
「紅じゃが芋(白芋も)にはタンパク質がたっぷり含まれていますが、最大の特徴は食物繊維とタンパク質の代謝を促進するビタミンB6が豊富に含まれていることです」とジョーンズ氏はいう。焼いたり、マッシュしたり、野菜と一緒にローストしたりと、便利な野菜。

11.ワイルドライス
タンパク質 ――  1/2カップあたり3.25グラム(炊飯時)
米は厳密には野菜ではないが、ワイルドライスは草を原料としているため、野菜と言ってもいいだろう。栄養豊富なワイルドライスは、実際の米と同じように調理できるので、ワイルドライスを使ったレシピはもちろん、米を使ったレシピにも使うことができる。お米がメインの食卓がいつもよりヘルシーに。

12.ほうれん草
タンパク質 ――  1カップあたり6グラム(調理済み)
「体にいいだけでなく、ほうれん草の栄養価は非常に高く、健康面でのメリットは数多くあります」と絶賛。カルシウム、葉酸、鉄分、食物繊維、ビタミンK、ビタミンCなどが含まれ、さらに、サラダやスムージー、ボウルに簡単に入れることができる。

13.芽キャベツ
タンパク質 ――  1カップあたり5.5グラム(調理済み)
この小さな緑の野菜は、いつも不当に悪い評価を受けているが、少なくとも調理法を知っていれば、おいしくて栄養価の高いスーパースターになる。芽キャベツは、タンパク質に加えて、カリウムとビタミンKを豊富に含む。

14.サツマイモ
タンパク質 ――  加熱したもの(大)1個あたり5g
サツマイモにもタンパク質が多く含まれている。サツマイモは、朝食のスムージーから腸内環境を整える夕食まで、どんな食事にも合う。また、サツマイモには、視力や皮膚、免疫系の健康を促進するベータカロテンが豊富に含まれる。

15.アーティチョーク
タンパク質:1カップあたり5グラム(加熱した場合)
アーティチョークは、ディップでももちろんおいしいが、単にディップするだけの野菜ではない。低カロリーで栄養豊富なこの野菜には、大量の葉酸やビタミンC、ビタミンKが含まれており、ローストしたおかず、さらにはピザの上に乗せてもおいしくいただける。

16.サヤインゲン
タンパク質 ――  1カップあたり5グラム(調理済み)
サヤインゲンは、生でも調理してもタンパク質が豊富に含まれている。このカリカリしたスナックは、ペースト状のトルテリーニやリコッタトーストなど、もう少し緑が必要な食事にぴったり。また、食物繊維とビタミンCもたっぷり摂れる。

17.ブロッコリー
タンパク質 ――  調理済み1カップあたり5グラム
ブロッコリーは食物繊維の宝庫であるだけでなく、1日に必要なタンパク質を摂取するのにも最適な野菜。また、がん予防にも効果があると言われているので、間違いのない野菜。炒め物に使われるが、蒸したり焼いたり、ピューレにしたりして、何にでも合う野菜。

18.アスパラガス
タンパク質 ――  1カップあたり4.25グラム(調理済み)
アスパラガスはすでに愛されている野菜だが、タンパク質もたっぷり。卵と一緒に焼いたり、スナップエンドウと一緒に炒めたり、カキ氷やパスタと一緒に調理したりと、植物性食品を使った食事には欠かせない食材。さらに、葉酸やビタミンK、A、Cも豊富に含まれている。

19.とうもろこし
タンパク質:1カップあたり4グラム(加熱した場合)

とうもろこしは、じゃがいもと同じように「何の取りえもない植物」に分類されることが多いが、食物繊維、葉酸、ビタミンC、マグネシウムが豊富に含まれているので、タンパク質の多い植物性の料理をうまく仕上げることができる。生でも冷凍でもヘルシーなので、サルサやサラダに工夫を凝らしてみてはいかが。

20.ホワイトマッシュルーム
タンパク質:1カップあたり4グラム(調理済み)
しいたけやかきなど、すべてのきのこには良質のタンパク質が含まれている。しかし、ホワイトマッシュルームには最も多くタンパク質が含まれており、手に入りやすい。ルッコラピザ、ベーコンパスタ、モーレタコスなど、どんな夕食にも入れて、うま味とタンパク質を補給しよう。

●栄養士がすすめる! もっと食生活に取り入れるべき高タンパク食材5選
高タンパク質の食品を聞かれて真っ先に思い浮かぶものといえば、やっぱりお肉。ベジタリアンであれば、豆腐やテンペなど、お肉の代替品が頭に浮かぶかもしれない。「タンパク質に関しては、私たちはコンフォートゾーンを持つ傾向にあります」と話すのは、 ワシントンDC在住の管理栄養士、アシュリー・コフです。


「いつも同じ食品を選ぶことで、選択肢に迷ったり、結果として誤った選択をすることが避けられます。ですが、食事に多様性を加えることはとても重要です」。「私のクライアントの多くは、主に卵や鶏肉、グリークヨーグルトからタンパク質を摂取していますが、もっと健康的なタンパク質源を追加し、さまざまな食品を食生活へ取り入れるように提案しています」

タンパク質はどのくらい摂るべき? 管理栄養士のミッツィ・デュランが言うには、体重によって異なる。デュランいわく、基本的に健康な成人は、体重1kgに対し0.75gのタンパク質を摂る必要がある。例えば体重が63kgある人は、1日あたり105gのタンパク質が必要になる。最近人気の高タンパク質ダイエットの影響により、タンパク質を摂り過ぎている人もいるけれど、十分に摂取できていないクライアントも多く、それがさまざまな健康問題の引き金となっているという。

「タンパク質の不足がもたらすデメリットの一つに、タンパク質の重要な役割である満腹感を得られないことが挙げられます」と、デュラン。「私のクライアントの多くは、炭水化物や砂糖が多く含まれている食品を摂り過ぎてしまっています。これは、過食を招く悪循環となり、減量の妨げにつながるのは言うまでもありません」。タンパク質が豊富な食品を食べれば食べるほど、満腹感が持続するため、食べたい欲求を健康的に管理することができる。

管理栄養士のコフが、自身のクライアントに毎週取り入れるように勧めている高タンパク質源はこちら。

1.イワシ
体にとても良いイワシは、嫌いだと決めつけずに、一度は試してみる価値のある食材。「オメガ3脂肪酸も豊富です」と、コフ。オメガ3脂肪酸は、体内の炎症を減少させることが科学的に証明されている。デュランも同じく、高タンパク質源の一つとしてイワシを取り入れているそう。イワシは、他のタンパク質源とは異なり、栄養がたっぷりでカロリーが低い。

2.ヘンプシード
ヘンプシードは、食事から摂取することが必要とされる9種類の必須アミノ酸を全て含む完全タンパク質。「ヘンプシードは食物繊維の優秀な供給源であり、心臓の健康や脳機能を向上させるオメガ3脂肪酸が豊富です」

3.ひよこ豆
フムスの主原料や、サラダのトッピングとして幅広く使えるひよこ豆は、タンパク質と食物繊維の優秀な供給源であり、コフ自身も必ず家に常備していると話している。タンパク質と食物繊維に加え、ひよこ豆には、多くのアメリカ人が不足しがちなマグネシウムや葉酸、銅、鉄、亜鉛、ビタミン、ミネラルもたっぷり。

4.カッテージチーズ
「私イチオシの大好きなタンパク質源の一つです」と、デュラン。味が苦手という人は、カッテージチーズに新鮮なフルーツとシナモンを振りかけてデザート感覚で試してみて。

5.キヌア
キヌアは、完全タンパク質である穀物の一つ。メイン料理の付け合わせや、朝食のシリアル、あるいはサラダやスープにタンパク質を追加する目的で使用することもできる。


植物性タンパク質のことを紹介する前に、タンパク質とはどんな栄養素なのかを見ていきましょう。
タンパク質は、筋肉や骨、臓器や血液などを構成している人のカラダに欠かせない栄養素です。約20種類のアミノ酸が結合してできているタンパク質は、生命の維持や体内代謝、抵抗力のアップなどに影響を及ぼし、不足してしまうと、脳の働きが鈍ったり、体力が落ちたりする原因を引き起こすといわれています。タンパク質不足は、肌荒れや抜け毛など…表面的な部分にも影響がでてきてしまうのだそう。
体内で合成できないタンパク質は、食べ物を通して摂取するしかありません。そこで登場するのが、肉や魚に含まれる動物性タンパク質と野菜や豆類に含まれる植物性タンパク質なのです。

植物性タンパク質は「小麦タンパク」と「大豆タンパク」の2種類に分類されます。それぞれ、名前の通り小麦に含まれるタンパク質と大豆に含まれるタンパク質のことです。
畑の肉ともよばれるほど栄養価の高い大豆タンパクは、食物繊維やカルシウムなどタンパク質以外の栄養素が豊富なことでも有名です。

脂質をほとんど含まない植物性タンパク質は、エネルギー量を抑えることができるため、ダイエット中でもしっかり食べられて満足感を得られるのが魅力と考えられています。
ただ、植物性タンパク質だけで健康なカラダをキープすることは困難だといわれています。必須アミノ酸とよばれる、体内では合成されないアミノ酸を摂取するためには、植物性タンパク質と動物性タンパク質をバランスよく摂ることが大切なようです。

■植物性タンパク質が摂れる食品
・アスパラ
100gのアスパラには、だいたい2gから3gのタンパク質が含まれています。太さや大きさにもよりますが、q100gは本数にすると4本から6本ほど。茹でても焼いても含有量はほとんど変化しません。アスパラは、ビタミンやカリウムなども豊富に含んでいます。

 ・ブロッコリー
冬に旬を迎えるブロッコリーには、100gあたり約4gのタンパク質が含まれています。ブロッコリーはビタミンCも豊富なので、電子レンジなどで蒸して食べれば、ビタミンCも効率よくいっしょに摂取することができるでしょう。

 ・えだまめ
大豆の未成熟豆であるえだまめは、野菜類の中でもとくにタンパク質の多い食品です。100gほどのえだまめに、約11gのタンパク質が含まれています。
えだまめは、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンなども豊富でとても栄養価が高いので、夏のおつまみやおやつにもおすすめです。

***


 ・アボカド
農林水産省では、果実類に分類されているアボカドも植物性タンパク質が豊富な食品です。生で食べられるのでとても手軽にタンパク質を摂ることができますが、脂質も多く含むので、ダイエット中の人や食事制限をしている人は食べ過ぎないよう注意しましょう。

 ・豆類
いんげんまめ、さやえんどう、大豆など、農林水産省では野菜ではなく豆類に分類される食品も、植物性タンパク質を豊富に含むことで有名です。とくに、大豆や大豆の加工品であるきなこのタンパク質の量は群を抜いています。

タンパク質だけでなく、食物繊維などを摂ることもできる大豆製品は、植物性タンパク質を効率的に摂取したいときにおすすめの食品です。

栄養士おすすめの「高タンパク」な朝食アイデア集
オーバーナイトオーツ
オーバーナイトオーツは、調理がいらない、一晩置くだけの簡単メニュー。管理栄養士のサスさんのおすすめは、そこにプロテインパウダーを追加すること。
オート麦にプレーンまたはバニラ風味のプロテインパウダーを加えて、水または甘味が添加されていないナッツミルクと一緒によくかき混ぜたら、冷蔵庫で一晩寝かせます。翌朝、ベリーやカボチャのタネをトッピングすればパーフェクトな朝食に!

アボカドオムレツ
1個あたり、約6.5gの良質なタンパク質が含まれる卵。もし、朝食にオムレツを作るなら、野菜やハーブと一緒にアボカドを添えてみては。
サスさんいわく、アボカドはヘルシーファットという健康に良い不飽和脂肪酸などの脂肪を含む上、満腹感を得やすくなる食べ物なのだとか。チーズや豆類、肉類を追加すれば、さらにタンパク質を増やすことも可能。

チアシードプディング
チアシードには食物繊維、オメガ3脂肪酸が含まれており、ベジタリアンたちのタンパク源としても重宝されています。時間がない朝にチアシードを手軽においしく食べるのなら、プディングにするのがおすすめ。
豆乳と砕いたアーモンドを加えて、さらにお好みでプロテインパウダーを混ぜ合わせればタンパク質がさらにアップ。

ピーナツバターバナナパンケーキ
実は、意外と多くのタンパク質を含むパンケーキ。さらに、タンパク質が豊富なピーナツバターと食物繊維を含むバナナをトッピングすれば、ランチまで空腹を感じることはないはず。
ヨーグルトと刻んだナッツ、シロップの代わりにはちみつをかけると、さらに高タンパク質な食事に!

カッテージチーズボウル
タンパク質が豊富なカッテージチーズは、軽やかな酸味と口当たりで、朝食にぴったりの食品。
「カッテージチーズのサラダボウルは、前の晩に作って冷やしておけば、翌朝手早く食べられます。ほうれん草、ピーマン、トマト、ズッキーニ、赤玉ねぎなどのカット野菜を混ぜ合わせ、ソースにエクストラバージンオリーブオイルベースで、チーズなどの乳製品を含まないジェノベーゼソースを絡めてできあがり。甘い朝食がお好みという人には、カッテージチーズに食物繊維が豊富なベリーをトッピングするのがおすすめです」

ダイナーブレックファースト
アメリカ伝統のダイナーブレックファースト。色鮮やかで、ボリュームたっぷりの本場スタイルも捨てがたいけれど、毎日の朝食はできるだけヘルシーに済ませたいもの。
そこで管理栄養士のジョージア・ラウンダーさんのおすすめするのが、油を使わずに卵2個をスクランブルし、オーガニックのチキンソーセージを添えるヘルシーな“ダイナー風の朝食”。全粒粉パン1枚をトーストしてジャムを塗り、コーヒーやジュースを添えて召し上がれ!

なぜブロッコリーは筋トレ民に人気?
筋トレに励むトレーニーの間でブロッコリーが話題だ。筋トレ効果をあげる野菜として鶏胸肉同様、トレーニーの食事にはかかせない食材になっているらしい。なぜなら、ブロッコリーには筋肉をパワーアップするために必要な栄養素が豊富に、しかもバランスよく含まれているからだ。

ブロッコリーが筋トレに人気なのはなぜ?
「それはやはり、ブロッコリーがほかの野菜に比較して、筋トレに必要な栄養素が多く含まれているから。しかも筋肉を育てるにも有効な成分を含んでいます」と赤石さん。なかでも筋トレに効果的な栄養素は以下の3つで、これが人気の理由とのこと。

[1] ビタミンB1とビタミンB6、ビタミンCが豊富
[2] 野菜の中ではタンパク質が多い
[3] 男性ホルモンのテストステロンが含まれている

 含まれる栄養素の多さから「野菜の王様」と呼ばれるブロッコリー。食物繊維やビタミン類、葉酸、鉄分やカリウム、マグネシウムなどのほか、筋肉に不可欠なタンパク質は野菜の中でみてもかなりの含有量を誇り、100gあたり4.3gも含む。さらにビタミンCでは、レモンが100gあたり100mgなのに対し、ブロッコリーは100gあたり120mgでレモンよりも多い。

 そして筋トレをするトレーニーたちがブロッコリーを食べ続ける最大の理由は、赤石さんも3つめにあげているが、ジインドリルメタンとI3C(インドール-3-カルビノール)という成分が含まれていること。これはアブラナ科の野菜に含まれる成分で、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテストステロンを増強する働きを持つ。

筋トレをするとこのテストステロンが増え、男らしさが強調されるといわれている。つまり、筋力の発達を抑えたり脂肪をためやすくして女性らしさを高めるエストロゲンが減り、逆に男らしさを高めるテストステロンが増えることでカラダが筋肉の発達しやすい状態になるというワケ。これは筋トレ女子にも同様で、女性ホルモン優位で筋肉のつきにくい女性は、筋トレ前にブロッコリーを食べることで筋肉がつきやすい状態に整える効果が期待できる。ブロッコリーはまさに、筋トレするトレーニーのための野菜です。

アスリートがおすすめ!タンパク質の多い食品
タンパク質は、筋肉・骨・血液の材料となる重要な栄養素です。スポーツや筋トレなどで全身を動かすために必要で、体作りにおいて大きな役割を担っています。
筋肉は強い運動によって分解され、材料となるタンパク質を吸収して合成するというプロセスを経ながら強く大きくなっていきます。適切な量とタイミングで補給すると筋肉を作るサイクルがスムーズに働きますが、不足してしまうと筋肉量が増えないばかりか、骨や血液にも影響が及び故障しやすくなったり、スポーツ貧血の原因になったりすることもあります。

アスリートと私たちでは、日々のエネルギー消費量が違います。アスリートは、その分の補給やコンディショニングのために意識して栄養摂取しています。

トレーニング終了30分以内にあなたは何を補給していますか?
アスリートは「回復のゴールデンタイム」とされるこの時間帯を有効に使い、トレーニングで酷使した体の材料となるタンパク質を積極的に補給しています。

同じ100キロカロリーを補給するときにも、ただ何も考えずに食べるのと、どの栄養素が体内で何に変わるのか意識して食べるのとでは差が生まれます。

植物性タンパク質、そしてカルシウム・鉄分などミネラルも含むため、タンパク質強化、貧血予防など種目に関わらず重宝される食材です。納豆に含まれるビタミンKは骨の中のタンパク質を活性化し、新しい骨の形成を促す効果があります。パッケージに密封性があることから持ち歩きもでき、保存にも優れているため補食や外食時のプラス食材として活用するアスリートも多くいます。
余分な脂肪摂取を抑えたいアスリートには乳製品のなかでも無脂肪牛乳がよく好まれます。牛乳にはタンパク質を吸収するのに役立つミネラルも多く含まれているため、骨を作るのに欠かせない成分も摂取できます。そのまま飲むことはもちろん、プロテインを溶かしたりするのにも使えます。
牛乳が苦手な方は、豆乳にもタンパク質が豊富に含まれているのでおすすめです。
くの食材を組み合わせてみよう
体を作るタンパク質はさまざまなアミノ酸の組み合わせによって構成されています。単一の食材ばかりだと、決まったアミノ酸しか体に取り入れられないので、さまざまな食材を食べるようにしましょう。また植物性・動物性タンパク質を組み合わせて摂ることで補足効果が生まれ、バランスが良くなります。

動物性タンパク質の割合が低いと貧血や血漿タンパク質の不足が起こるため、さまざまな食材からバランスよくタンパク質を摂ることが重要です。
またタンパク質を食事から摂るとき、食材に含まれる脂肪量も気になるところです。
高タンパク低脂肪を意識するために可食部100gあたりの含有量を比較してみましょう。

ビタミンB6を含む食品を合わせて取るとさらに効果アップ
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に必要な、タンパク質の摂取量と比例して必要量が増加する栄養素です。
肉や魚などの動物性食品、サツマイモ、アボカドなどの植物性食品に含まれますが、動物性食品のほうが体内での利用効率が良いとされています。代表的な食材として、牛・豚レバー、鶏ささみ、マグロ(赤身)・カツオ・サバ・鮭などがあります。

ビタミンB6を含む食材を取り入れた食事にプロテインをプラスすることで、タンパク質の摂取量が増加しても、代謝をよりスムーズに促してくれます。
補食としての摂取はバナナがお勧めです。バナナにもビタミンB6は多く含まれるので、バナナ&プロテインはたんぱく質の利用効率を上げる組み合わせといえるでしょう。

枝豆に含まれる栄養素がすごい!タンパク質やイソフラボンの効能とは?
枝豆といえば、暑い夏、キンキンに冷えたビールのお供に欠かせないおつまみ。
口の中で広がるほのかな甘味と豆の旨味、枝豆ならではの楽しい食感は、一度食べ出したら止まらない美味しさです。
そのまま食べるだけでなく、ご飯・炒めもの・サラダなど、鮮やかな緑色を活かした料理メニューも満載。
枝豆をすりつぶして作られる「ずんだ」は、東北地方などの郷土料理としても有名です。
そんな枝豆に、身体にいい栄養素がふんだんに含まれていることをご存知ですか?

枝豆=熟す前に収穫された大豆
枝豆とは、未成熟の状態で収穫された大豆のこと。

つまり、枝豆と大豆はもともと同じもので、まだ色が青いうちに収穫されたものを枝豆、完熟して茶色くなってから収穫されたものを大豆と呼んでいるのです。

実際には、枝豆として食べるのに適した枝豆専用の品種と、大豆としての利用に適した大豆専用の品種に分かれていることがほとんどで、目的に応じて使い分けられています。

枝豆の分類は「豆類」ではなく「野菜類」
植物分類上は同じ「マメ科ダイズ属」に属する枝豆と大豆ですが、栄養学の観点からは異なるカテゴリーの食品として扱われます。

大豆が豆類とされるのに対し、枝豆が分類されるのは野菜類。
体内での働きに基づいて食品を色分けする「三色食品群」の考え方でも、大豆は「赤(体をつくるもとになる)」のグループに、枝豆は「緑(体の調子を整えるもとになる)」のグループに分類されています。

茶豆や黒豆も!枝豆の種類とブランド
現在国内で栽培されている主な枝豆は、もっとも流通量が多い白毛豆(青豆)、豆の薄皮が茶色い茶豆、黒大豆を未熟なうちに収穫した黒豆の3種類。
特定の地域だけで栽培されている在来品種が多く、希少価値の高いブランド枝豆も数多く存在しています。
山形県庄内地方の「だだちゃ豆」や、兵庫県丹波篠山市などの「丹波黒(黒豆枝豆)」は、ブランド枝豆の代表格です。

枝豆の主な栄養素の特徴と効果・効能
タンパク質:筋トレにもおすすめ
「畑の肉」と呼ばれる大豆と同様、枝豆も良質なタンパク質をたっぷりと含んでいます。

筋肉・骨などの体づくりや、体内のホルモン・酵素などの生成を担うタンパク質は、人体に欠かすことのできない重要な栄養素です。
枝豆に含まれる植物性タンパク質の特徴は、肉や魚などの動物性タンパク質に比べて脂肪が少ないこと。
高タンパクなのにヘルシーなので、筋トレの効果を引き出す食材としても注目されています。

イソフラボン:美肌・美容に役立つ女性の味方
イソフラボンは、枝豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種です。
体内で女性ホルモンに似た働きをして肌のハリ・ツヤを保ったり、しわやたるみを改善したりする美肌効果を発揮してくれます。
ホルモンバランスの乱れによる女性の心身の不調や、更年期障害の症状を和らげる効果も有名です。
メチオニン:アルコールを分解!二日酔いにも効果あり
肝臓の機能を司るアミノ酸・メチオニンも、枝豆の特徴的な栄養素。
枝豆は、野菜類の中でダントツのメチオニン含有量を誇ります。
肝臓でアルコールが分解されるときに欠かせない成分で、二日酔い対策の薬に含まれていることも。
ビールと枝豆の定番コンビは、アルコール分解の観点からも理にかなった組み合わせです。

ビタミンB1などのビタミン類:疲労回復・夏バテ防止
枝豆に含まれるビタミン類で代表的なのは、ビタミンB1・B2。
体内で糖質や脂質を分解してエネルギーをつくり出すので、疲労回復や夏バテ防止に役立つことで知られています。
枝豆はビタミンCも豊富に含んでいて、免疫力アップにも効果的。
これらのビタミン類は、メチオニンとともにアルコールの分解を助ける役割も果たしています。

カリウム:高血圧防止・むくみ解消
枝豆に含まれているカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節するミネラル。
余計なナトリウム(塩分)を体外に排出するので、血圧を下げて高血圧を予防する効果があります。
むくみの解消や、筋肉の収縮を正常に保つのにも有効な成分です。

枝豆と大豆に含まれる栄養素の違い
野菜類に分類される枝豆と、豆類に分類される大豆の栄養素を比較してみると、両者の間にははっきりとした違いがあります。それは、枝豆が野菜類に特徴的なビタミンCやβカロテン、葉酸などの栄養素を含んでいること。
これらは、大豆にはほとんど含まれていない成分です。
一方、豆類に特徴的なタンパク質やイソフラボン、メチオニンなどを豊富に含んでいることは、枝豆と大豆の共通点。
枝豆は、豆類と野菜類両方の栄養的特徴をあわせ持った、いいとこどりの食材です。

普段は捨ててしまうことの多い枝豆の「さや」。
実は、食物繊維やβカロテンが豊富に含まれていて、捨ててしまうのはもったいない部分です。
イチオシの食べ方は、さやのかたい筋を取ってから素揚げや唐揚げにする枝豆のさやチップス。
さやを30分ほど煮込んで作る栄養たっぷりの野菜だし(ベジブロス)は、スープや煮込み料理など、さまざまなメニューに活用することができます。
また、枝豆を1粒ずつ覆っている薄皮も、実は食物繊維の宝庫。
便秘予防に抜群の効果を発揮するので、薄皮はむいたり取り除いたりせず、そのまま食べるのがおすすめです。

<可食部(ゆで)100gあたりのカロリー>
   枝豆 118kcal
   大豆 163kcal   
   そら豆 103kcal
   グリンピース 99kcal
   さやえんどう 36kcal
   さやいんげん 25kcal            

枝豆のカロリーは100gあたり118kcalで、大豆に比べるとやや低めの水準です。
ほかの野菜と比べると決して低カロリーとは言えませんが、間食を枝豆に置き換えたり、食事の前に枝豆を食べたりして満腹感を得やすくすることで、一日の摂取カロリーを大幅に抑えることができます。
運動と組み合わせると、枝豆に含まれるタンパク質が筋肉量を増加させ、代謝アップにつながることも。
枝豆は、優秀なダイエット食材としても注目されています。

人生を変えるかも!? キュウリの「栄養価」と驚きの12の健康効果
歯触りのいいこの食材は、ビタミン類、ミネラル類、抗酸化物質、植物栄養素、そして電解質の宝庫

サラダに加えるパリパリとしたキュウリが注目を浴びることは稀だけれど、だからと言って、地味なキュウリを侮ってはいけない。

特徴のない野菜に見えるかもしれないけれど、実は水分以上のものを補給してくれるすばらしい野菜なのだ。スナックにもなるキュウリは、秘かにビタミン類、ミネラル類、抗酸化物質、植物栄養素、電解質の宝庫で、そのほとんどは皮やタネの部分に凝縮されている。

キュウリは料理に使われる食品だけれど、厳密には果物だ。スイカやズッキーニ、カボチャなどと同じく、ウリ科に属している。他のスーパーフードほど広く宣伝されてはいないかもしれないけれど、古代からインドの伝統医学では定番として使われている。

地味なキュウリが健康にどんな効果をもたらすのかについて、興味がある? キュウリのメリットを深く知るために、栄養コーチの資格を持つフィットネス教育企業OriGymの理学療法士、クロエ・ツイストに話を聞いてみた。

キュウリのメリット:栄養価にまつわる12の事実
生でもピクルスでも、キュウリはもともとカロリーや炭水化物、ナトリウム、脂肪、コレステロール値が低く、どんな料理に加えてもいい。しかし、栄養的には非常に優れている。

「キュウリに含まれている栄養素を合わせると、水分補給、体重減、消化、胃腸の健康にメリットがあります」とツイスト。

「また、血圧の調節に役立ち、抗炎症作用や骨を強化する特性もあります」。

以下、キュウリが単にサラダのボリュームをアップさせる以上の食べ物であることを決定的に証明する、12の以下のメリットを読んでみて。

1:栄養価が高い
低カロリーだけれど、栄養素は豊富。特に、皮やタネに栄養が凝縮されている。300gのキュウリには次の栄養素が含まれている。

45カロリー
炭水化物11g
タンパク質2g
繊維質2g
1日あたりのビタミンK推奨摂取量の62%
1日あたりのビタミンC推奨摂取量の14%
1日あたりのカリウム推奨摂取量の13%
1日あたりのマグネシウム推奨摂取量の10%
1日あたりのマンガン推奨摂取量の12%
以上のすばらしい栄養素に加え、ビタミンC、マグネシウム、βカロチン、フラボノイド、リグナン、タンニン、トリテルペンなどの“抗酸化物質”と、リンや銅などのミネラルも含まれていると、ツイストは言う。

2:潤いを補給
夏の暑い日に食べる冷たいキュウリのスライスほど、リフレッシュさせてくれるものはない。
「キュウリには水分がたっぷり、正確には95%ほど含まれています。ですから、1回分約120gを食べるだけで、水をグラス1杯飲むのと同じくらい体に水分を補給してくれます」とツイスト。
また、カリウムやマグネシウム、リンなど保湿特性を高める重要な電解質も含まれている。

3:ククルビタシンが豊富
キュウリには、植物化合物の一種、ククルビタシンが豊富に含まれている。
「ククルビタシンはキュウリの苦味成分でキュウリの中ではもっともよく研究されている成分のひとつでもあります」とツイスト。
「もともとは草食動物に対抗する防衛装置ですが、炎症や微生物、人間の体内のガン性腫瘍とも闘う植物栄養素です」とも。

4:おやつに最適
水分量が多く、脂肪分はゼロのキュウリは「余分な体重を落とそうと思っている人に理想的なスナックです」とツイスト。
「体に水分を補給し、結果的に空腹感を満足させます」
適当なサイズにカットすれば携帯に便利な究極のヘルシースナックになる。特にフムスと合わせたら最高だ。

5:消化を助ける
ほとんどの野菜と同様、キュウリは消化のプロセスを助ける。「キュウリに含まれる水溶性繊維のおかげでゆっくりと消化されます」とツイスト。

「十分に水分が補給されていると、腸の動きが規則正しくなり便秘を防ぐので、キュウリに含まれるたっぷりの水分が奏功するわけです」

「また、水溶性繊維は満腹感を持続させる役に立ち、コレステロール値や血糖値を下げることもわかっています」。

どこをとってもいいことだらけだ。

6:胃腸の健康にいい
キュウリは胃腸の健康にいい。他の炭水化物と異なり、消化しやすいのだ。
低FODMAP(発酵性、オリゴ糖、二糖類、単糖類とポリオールの頭文字をとった言い方で、速く発酵しやすい炭水化物)であるキュウリは、他の栄養たっぷりの食品と一緒に食べると、胃腸の健康を促進します」とツイスト。
「キュウリに含まれるミネラル、特にマグネシウムは抗炎症特性があります」。
さらに胃腸を健康にする特性を高めたければ、自宅でピクルスにして発酵させよう。キュウリのピクルスには腸内細菌を増やす、プロバイオティクスが多く含まれている(※市販のピクルスはたいてい煮沸されているので、残念ながらその効果はない)。

7:血圧を下げる
驚くことに、キュウリには血圧を下げる可能性もある。実際、いくつかの研究では、キュウリは高血圧を下げると結論づけている。これは、カリウム分が多く含まれていることによるものだ。
「カリウムは、豊富なナトリウム分によってもたらされる水貯留を減らすので、血圧を調整することで知られる栄養素のひとつです。キュウリ1本分には、1日当たりの推奨摂取量の約13%のカリウムが含まれていますから、カリウムの優れた供給源です」とツイスト。

8:抗炎症作用がある
体の自然な免疫反応である炎症は、少しであればオマケになる。だが、慢性化すると、健康な細胞にダメージを与え、心臓病や特定のガンなど深刻な問題につながる。キュウリは、こうした危険なタイプの炎症を緩和する。

「キュウリの抗炎症作用は、ほとんどがキュウリに含まれる植物性栄養素のおかげです。フラボノイドやトリテルペンは炎症の原因となる酸化ストレスに効果的であることが知られています」

9:骨を強化する
骨の健康はキュウリに頼ろう。
「カルシウムと一緒に摂ると骨を強くする特性のあるビタミンK が、1日の推奨摂取量の約19%含まれています」とツイスト。「また、体内で、健康的な骨の成長に重要な役割を果たすコラーゲンの生成を助けるビタミンCの1日の推奨摂取量の約4%も含まれています」

10:視力を向上させる
視力を保つには、ニンジンの代わりにキュウリをかじろう。「βカロチンが肝臓でビタミンAに変換され、それが、目が光にさらされた時に起こる酸化ストレスを低減して周辺視野と夜の視力の両方を改善する可能性があります。フラボノイドやトリテルペンとともに、炎症を引き起こす酸化ストレスと闘います」とツイスト。


11:脳の健康を向上させる
あまり研究されていないキュウリのメリットのひとつが、脳の健康だ。
キュウリにはフィセチンと呼ばれるフラボノイドが豊富で、神経細胞を保護し、記憶力を向上させ、アルツハイマーのリスクを低減する効果があることが研究でわかっている。
これが極めつけかも? ウィスコンシン大学によるネズミを使った実験の考察では、有望だと結論づけている。

12:血糖値を調節する
初期の動物実験や試験管内の研究では、キュウリは糖尿病に関連した問題を緩和するかもしれないことが示唆されている。メトロポリタナ自治大学のネズミを使った研究では、キュウリには血糖値を下げ、調節する効果があることがわかっている。
試験管内研究では、酸化ストレスを低減し、糖尿病に関連した合併症を防ぐのに効果がある可能性があることもわかっている。フラボノイドやトリテルペンなど、フェノール成分による効果だと考えられる。
さあ、これ以上の理由が必要? 早速買い物に出かけてキュウリを買ってこよう。

 

タンパク質が不足するとどうなる?
ヒトの体は水分の割合が7割を占めますが、次いで多いのがタンパク質です。 炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素のひとつであり、筋肉や骨、血液の材料となる重要な栄養素です。
一般的に筋肉に必要な栄養素のイメージが強いですが、肌や髪、爪、臓器といった体の重要な部分を形成するうえで基となる栄養素です。たとえば基礎代謝量や免疫力を上げたり、体の調子を整えたりするなど、その働きは多岐にわたります。
そんなタンパク質ですが、不足すると体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。まず筋力低下のリスクです。
筋肉は強い運動によって分解され、材料になるタンパク質を吸収して合成するというメカニズムで強く大きくなっていきます。
しかし、体内にタンパク質が補給されないと、筋肉の分解だけが進み、合成がされないという状態に陥ります。そんな状態では、どんなに筋トレに励んでも筋肉量は増えず、維持することもできません。
また女性の場合はダイエット中に、肌の潤い不足や髪のパサつきが気になることがあると思います。実はこれ、タンパク質不足が原因で起きている可能性が高いです。
というのも、 肌にハリやツヤ、弾力をもたらすコラーゲンや髪の主成分であるケラチンもタンパク質でできているからです。よってタンパク質不足は、美容にとっても大敵なのです。

太陽の光から栄養素を造れるのは野菜だけです。
大地には優良菌・微生物等が生息し体を助けてくれる。ノーベル賞受賞の大村先生は土から世界の人々を助ける菌を発見。
それが薬となる。大地の恵みです。大きな生物(象、キリン、牛、馬など)は草食です。ゆったりと育み生命力を得ている。
人は野菜の恩恵を受けております。
発ガン性物質を無毒化する働きを持つ成分とか、血液の流れを良くする成分、内臓の機能を高めてくれる成分とか、
認知症予防とか、それらが総合的に働いて野菜の薬効を作り出しています。

野菜が支える長寿
野菜に含まれている豊富なビタミン類や食物繊維は、体調を整えるだけではなく、
がんや動脈硬化など様々な病気を予防する効果があります。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維など体にとって不可欠な栄養素が豊富だが、実はそれだけではなく、香りや、色素、辛みなど
数多くの成分が抗酸化作用を持ち、様々な病気を予防することが国内外の研究でわかってきています。

健康は自分でつくるものです。
アメリカ国立がん研究所(NCI)の取り組みで、がん抑制効果のある成分を持った 
野菜や果物の組み合わせえお考える「デザイナーフーズ・プログラム」が開発されました。
有効成分を持つ食品に約40種類を取り上げました 。
中でもニンニク、ショウガ、人参、セロリ、キャベツなどの野菜が最も効果が高いとされています。
抗酸化作用により、肺、胃、食道、大腸、膵臓がんなどを防ぐ可能性があるとされています。
動脈硬化を予防し心臓病の発病や死亡を防ぎ、糖尿病を予防する効果や抗老化作用もあると言われている。
 ガン予防野菜     ニンニク キャベツ ブロッコリー 人参 パセリ トマト ピーマン 生姜 セロリ 等

活性化酸素が老化に大きく関与する
アルツハイマー病でも、活性化酸素が関係していると考えられている。
優れた抗酸化力を持つといわれる野菜、アスパラ・トマト。
アスパラは「グルタチオン」と呼ぶ抗酸化成分が豊富、
トマトは「リコピン」を含む、リコピンは抗酸化力がビタミンEの百倍、ベーターカロチンの50倍と天然物質では一番強い。
太陽の光をあびた真っ赤なトマトほどリコピンが多い。リコピンはがん予防にも効果が期待できる。
体にとって優しい成分が豊富な野菜だが、同じものばかり食べるのはできるだけ避けたい。
野菜には複数の成分が入っていて、それらが組み合わさって初めて体に効くこともある。

 認知症予防の野菜 
若い脳を保つ食事・・抗酸化・減塩 等認知症を予防できる旬の野菜や果物たっぷり摂ることはとてもたいせつです。
 酸化は脳細胞や血管にダメージを与えるため、アルツハイマー病と脳血管性認知症どちらの原因ともなります。
そこで必要なのが抗酸化物質が多く含まれる野菜、「緑黄野菜」「大豆」等です。

 

 


 
健康志向が高まっている傾向の影響を受けてか、日光浴による健康効果に期待がもたれています。日光浴は、自然の力である太陽の光を利用した健康法です。  日光浴には病気の予防やストレスを軽減する様々な効果が報告されています。カラダは日々ダメージを受けており、修復には睡眠が欠かせません。しかし、寝つきが悪く、朝起きられないという方は少なくないでしょう。快眠の鍵は「朝日」にあります。
   今回の健康塾は「日光浴の健康効果」の謎解きです。

日光を浴びるとさまざまなメリットに期待がもてますが、反対に、十分な量の日光を浴びないとどのようになるのでしょうか。ここでは、日光に当たらない生活を送ることによる、人の身体への影響について学びましょう。
日光浴を行うのに適した時間は夏と冬で異なります。 夏の場合は日差しが強く、直接日光を浴びると体への負担が大きくなるため、木陰で30分程度行う方法が有効です。 一方、冬であれば、穏やかになった日の光を直接、手や顔に1時間ほど当てるだけで十分な効果を得られます。

  

最近、少し気分が晴れない、ちょっとしたことでイライラしてしまう、何となくストレスが溜まっている、と感じる原因は、太陽の光を浴びてないからかもしれません。
人は、ストレスを軽減させるために脳内に神経伝達物質のセロトニンを分泌しています。セロトニンとは脳を活発に働かせる神経伝達物質のひとつで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンを増やすためには、日光浴をはじめ、適度な運動、バランスの良い食事を摂ることが必要になってきます。セロトニンが増えることで、ストレス解消や集中力アップ、気持ちが明るくなるなどの効果が期待できるといわれています。
逆にセロトニンが不足すると、慢性的なストレスや疲労、不眠、仕事への意欲低下、協調性の欠如、うつなどの症状がみられる人もいます。
日光浴をすることで、体内でビタミンDも作られます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を強くし、骨粗しょう症の治療に使われることで知られています。免疫の機能を調整・維持するなど、体の中でホルモンのように働いて、体中の細胞にさまざまな指令を出す、重要な働きを担っています。
ビタミンDは、このように多彩な働きをすること、そして紫外線を浴びて皮膚で作られることから、別名「日光ホルモン」ともいわれています。
個人によって異なりますが、ビタミンDの欠乏が関連していると考えられている疾患には、がんや認知症、アレルギー疾患、感染症、精神障害(うつ病、季節性うつ、自閉症、統合失調症)などが挙げられています。ビタミンDのサプリメントを摂取することで花粉症の症状が緩和される人が少なくないことも知られています。
日光浴以外でセロトニンを補給する場合、乳製品、大豆製品、バナナなど、セロトニンの原料であるトリプトファンを多く含む食品を摂ることをおすすめします。

ビタミンDを含んでいる食品には、魚類、キノコ類などがあります。また、ビタミンDは、サプリメントから摂ることもできます。ただし、ビタミンDを高単位で摂取することにより、ビタミンAが欠乏してしまうケースがあります。ビタミンAが欠乏するとドライアイ、ニキビの原因になることもありますので、ビタミンAも一緒に摂取することを心がけましょう。食事では、レバーやうなぎなどに豊富に含まれています。
ただし、心身の健康にはバランスの良い食事が基本となります。偏り過ぎず、補うようにしましょう。

日光浴には、もうひとつ大切な効能があると満尾先生は語ります。それは人間の生命活動をつかさどる「体内時計」を整える働きです。

「体内時計とは、生物が生まれながらに持っている、概ね24時間周期で刻まれる生理現象のことで、睡眠や覚醒のリズム、血圧、体温などと密接に関わっています。この体内時計をコントロールするのは視覚領域から生まれる刺激信号とされ、朝に日光を浴びることで約16時間後にメラトニンという睡眠ホルモンを分泌するスイッチが入るといわれています。

体内時計は厳密に24時間ぴったりで動いているわけではありませんから、そのままでは夜型にズレていってしまうのですが、日光浴にはこのズレをリセットして、規則的な生活を送れるようにする働きもあるんですね。そういった意味でも、毎日陽の光を浴びることは大切だといえるでしょう」
では、こうした免疫機能や体内時計の調整に欠かせないビタミンDを体内で十分に維持するためには、どのような日光浴を行えばいいのでしょうか。
ちなみにビタミンD10μgという数値は、成人が1日に必要とするビタミンDの摂取量を15 μgとし、そのうち約5μgを食物から摂取し、残りの10μgを紫外線から体内に取り込むという想定で設定されています。
それによると、今の時期に首都圏で日光浴をするなら

  ●半袖・半ズボン(肌を1200cm²露出)の場合 7分
  ●長袖・長ズボン(肌を600cm²露出)の場合 15分
  ●それ以上浴びると皮膚にとって有害 40分

「もちろん、紫外線に強い肌の人もいれば、弱い肌の人もいますので、これはあくまで日本人の平均的な肌タイプを基準とした目安とお考えください。また、太陽のエネルギーがもっとも高くなる夏至(6月21日)の前後2カ月は、直射日光が非常に強く、特に太陽が一番高いところにある10~14時の時間帯に直射日光を浴びるのは体によくありません。紫外線は反射光でも十分に取り入れることができるので、この時期は柔らかな日差しのもとで日光浴を行うのが安全でしょう」
「地球上のすべてのエネルギー源はさかのぼると太陽に行き着きます。石炭や石油といった化石燃料も大元は古代の植物やプランクトンですし、生命の維持に欠かせないATP(アデノシン三リン酸)をはじめ、酵素も植物の葉緑素もすべて太陽のエネルギーからはじまっているのです」。太陽の恵みによって生かされている生命、その代表的な恩恵がビタミンDだといえるのかもしれませんね。
ビタミンDは加齢により生成が減少していきますので、年齢と共にビタミンD不足になるリスクが高くなります。
結果的に日光浴が不足するとビタミンDが減るため、カルシウムの吸収が低下、免疫力が低下するといったデメリットにつながる可能性も。血中濃度のビタミンDが少ない人ほど、生活習慣病になる可能性が高くなると言われています。

免疫力アップに欠かせないビタミンDは、食べ物を通して口から摂取することはもちろん、太陽光、特に紫外線を浴びることによって体内で生成させることも大切です。ところが、コロナ禍での外出自粛によって陽に当たる機会が減ってしまったことから、ビタミンD不足に陥っている人も増えていると指摘されています。
実は、私たちの皮膚は紫外線を浴びることで免疫力の維持に欠かせないビタミンDを生成しています。紫外線は波長の長さによって、UVA(320~400nm)、UVB(280~320nm)、UVC(280nm未満)という3つの光線に分けられていますが、この内のUVBとコレステロールから作られた「プロビタミンD3」という物質が皮膚で反応し、ビタミンDの前駆体である「プレビタミンD3」を作り、ビタミンDを生成しているのです。

日光浴で病気の予防
 □骨粗しょう症予防 ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の強化に役立ちます。
 □認知症予防 ビタミンDは認知症になるリスクを半減するといわれています。
 □糖尿病予防 ...
 □うつ病の改善 ...
 □生活習慣病の予防や改善 ...
 □免疫力の向上 ...
 □筋肉が付きやすくなる ...
 □時間帯は朝日がオススメ

日光不足のデメリット
日光不足が人に与える一番のデメリットはビタミンDの生成量が減ることです。ビタミンDが不足すると、カルシウムが十分に吸収されず骨が弱くなります。また、ビタミンDによって防げるさまざまな病気のリスクが高まることもデメリットです。日光に含まれている紫外線にはUV-A波、UV-B波、UV-C波の3種類があり、UV-C波は地球に届かない紫外線で、UV-A波とUV-B波は人の生活に影響を与える紫外線です。そして、UV-B波は、ビタミンDの必要量のうち80~90%を皮膚で生成するとされています。ビタミンDは加齢により生成量が減少していく栄養素です。そのため、年齢を重ねるとともに、日光浴などによるビタミンDの摂取を意識的に行う必要があります。

また、ビタミンDの不足とともにカルシウムの吸収も衰えるため、健康へのリスクが高まる点もデメリットです。カルシウムが十分に吸収されないと、健康な骨の発育に支障をきたすほか、ウイルスなどから身体を守る免疫力が低下し、生活習慣病のリスクも高まります。生活習慣病とは人の生活習慣を原因として発症する疾患を指し、たとえば、日本人の死因として多いがんや脳血管疾患、心疾患なども生活習慣病のひとつです。

さらに、精神への影響も心配されます。日光によって分泌されるセロトニンが不足することで、必要以上にストレスを感じるようになったり、気分が落ち込みやすくなってしまったりする場合があるからです。加えて、眠気を感じにくくなったり、睡眠の質が落ちたりして健康に悪影響を及ぼす可能性も生じます。セロトニンの分泌が減ると、睡眠作用のあるメラトニンも減少してしまうからです。
ビタミンDについてもっと知っておこう
ビタミンDは、さまざまな役割をもった栄養素です。主な働きとして、カルシウムの代謝や健康な骨の発育に関わるサポートなどがあります。さらに、これらの作用に付随して、風邪やガン、花粉症といったアレルギー疾患などに対する予防、免疫力の向上、筋力強化などへの期待ももてる大事な栄養素です。しかし、人の体に欠かせない栄養素でありながら、日本人のうち8割は十分な量のビタミンDを摂取できていないといわれています。

健康維持に必要とされる多くの重要な栄養素は食事から摂取することが可能です。ただし、ビタミンDは食事だけからでは十分な摂取が難しいとされています。そのため、ビタミンD不足を防ぐためには食事以外の方法によって摂取することが必要です。

なぜ日光を浴びると眠くなるのか? 太陽と睡眠は真逆のものと思われがちですが、快眠を得たいときは日光を浴びましょう。
日光を浴びると、眠くなるホルモン「メラトニン」の分泌が抑制され、代わりに脳を覚醒させるホルモン「セロトニン」が分泌されます。メラトニンは、目覚めの日光を浴びてから14時間後に再分泌されて眠気を誘います。つまり、朝日を浴びたらその日の夜は快眠できるということです。
なぜ日光なのか疑問に思う方もいるでしょう。
メラトニンの分泌を止めるには1,500~2,500ルクスの明るさの光が必要ですが、部屋の明るさは500ルクスほど。朝おきて日光を浴びていない場合、自分は目覚めたつもりでもメラトニンは分泌され続け、体内時計がズレてしまいます。

日光を浴びると、心身にはどのような影響があるのでしょうか。
  日光を浴びると、ビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を良くするため、間接的ですが骨や歯を強くする効果が期待できます。また、ビタミンDは皮膚の免疫組織を高めたり、女性の乳がん予防に役立ったりするため、日光を浴びることは健康維持に大きく役立つといわれています。
日光を浴びてビタミンDを体内で生成すれば、脳や心の健康維持にも役立ちます。
脳は記憶力や思考力などを司る重要な器官ですが、年齢とともにビタミンDの摂取レベルが低下すると認知を司る脳の機能が低下することが研究で分かっています。逆に、ビタミンDの摂取レベルが正常な方は、低い人と比べて、認知機能の低下リスクが半減したそうです。
また、ビタミンDは「うつ」にも良い効果があると研究によって明らかになりました。
現代人の多くは、日々心をすり減らして生きています。頑張りすぎてしまうことが原因の一つですが、心の手当を後回しにしてしまうとうつになってしまうリスクが高いのです。
食事などからビタミンDを補給しつつ、生活の中で日光を浴びてビタミンDを効果的に体内に取り入れましょう。
その一方で、日光に含まれる紫外線は、日焼けやしみ・しわの発生原因になることでも知られています。美容や健康を害さないためにも、屋外に出るときは紫外線対策を充分に行い、安心安全に過ごすことを心掛けてください。

体内時計をリセットする
日光(朝日)には体内時計をリセットする効果があります。
1日は24時間ですが、体内時計は約25時間と言われています。仮に光を浴びないで生活すると、地球の自転周期と体内時計がズレてしまい、1日24時間という周期に身体が適応できなくなってしまうのです。
しかし、日光を浴びると体内時計がリセットするため、朝すっきり目覚めたり、夜ぐっすり眠れたりと規則正しい生活を送ることができます。
「同じ時間に起きて、同じ時間に寝ているから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。確かに日光を浴びていれば問題はありませんが、週末は暗い部屋の中で昼まで寝ている方、日中薄暗い部屋の中で過ごしているという方は、体内時計がズレてしまいます。とくに前者は注意が必要で、週末に体内時計が乱れて身体が25時間周期になっているため、毎週月曜日の朝は時差ボケのような状態で活動しなくてはなりません。
週末お休みの日もいつもと同じ時間に起床し、日光を浴びる習慣をつけましょう。一度朝日を浴びてしまえば、二度寝やお昼寝をしても体内時計が乱れる心配はありません。

体内時計をリセットする
日光(朝日)には体内時計をリセットする効果があります。
1日は24時間ですが、体内時計は約25時間と言われています。仮に光を浴びないで生活すると、地球の自転周期と体内時計がズレてしまい、1日24時間という周期に身体が適応できなくなってしまうのです。
しかし、日光を浴びると体内時計がリセットするため、朝すっきり目覚めたり、夜ぐっすり眠れたりと規則正しい生活を送ることができます。
「同じ時間に起きて、同じ時間に寝ているから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。確かに日光を浴びていれば問題はありませんが、週末は暗い部屋の中で昼まで寝ている方、日中薄暗い部屋の中で過ごしているという方は、体内時計がズレてしまいます。とくに前者は注意が必要で、週末に体内時計が乱れて身体が25時間周期になっているため、毎週月曜日の朝は時差ボケのような状態で活動しなくてはなりません。
週末お休みの日もいつもと同じ時間に起床し、日光を浴びる習慣をつけましょう。一度朝日を浴びてしまえば、二度寝やお昼寝をしても体内時計が乱れる心配はありません。

  

日光を全く浴びない人はいないでしょうが、リモートワークの増加によって日中は家にこもっているという人は増えています。仕事のタイミングなどによっては、太陽が明るいときに外に出ないことも多いという人もいるかもしれません。
そこで以下では、日光を浴びないことによる心身の影響についての解説です。

ビタミンDの生成量が減る
日光を浴びない生活を続けると、ビタミンDの生成量が減ってしまいます。
先でもお話ししたように、ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする役目を担っているため、生成量が減ってしまうと必然的にカルシウムの吸収率も低下してしまいます。骨や歯がもろくなったり、免疫力が低下したりと、健康リスクが高まることが予想されます。
また、ビタミンDそのものの働きによって抑止されていた病の発生リスクが高まることにも目を向ける必要があるでしょう。
ビタミンDは加齢とともに生成量が減少していくため、日光を浴びたり、サプリメントなどで補給したりしながら維持することが大切です。

必要以上にストレスを感じてしまう
日光を浴びなくなると、ストレスを感じやすくなります。これは、日光を浴びることで分泌されるセロトニンが不足するため。普段は気にならないことが必要以上に気になったり、気分が落ち込みやすくなったりするため、心が疲れてしまいます。

また、セロトニンが不足するとメラトニンも減少するため、眠気を感じにくくなってしまうでしょう。睡眠の質が落ちるとイライラしたり、無気力になったりするため、日常生活に支障が出てしまうかもしれません。
ストレスと睡眠不足から健康を守るためにも、日光を浴びる習慣をつけてください。

生体リズムの乱れは様々な不調の原因に…。それには、朝と夜のスイッチのON・OFFで、「メリハリ」をつけることが大事です。朝は体温を上げて、活動モードへのスイッチをONにし、夜は休息モードにスイッチOFFして、ぐっすり心地よい眠りへつく。この2つから生まれるリズムこそ、年齢を超えて健やかに美しく生きるための新習慣。生体リズムに着目したドモホルンリンクルの年齢美習慣で、いきいき美しく幸せな毎日へ。

体温調節機能が若者とは違います
  加齢にともなって暑さや寒さに対しての反応も変化していきます。注意すべき点を知っておきましょう。ヒトには、暑ければ体から熱を放出し、寒ければ体から熱が逃げないようにし、さらに熱をつくる体温調節機能が備わっています。暑さに対しては、発汗や皮膚血管の拡張が重要な役割をになっています。
しかし、高齢者は一般に、体温の調節に関わる生理機能が低下しています。さらに、暑さ、寒さを感じて適切な衣服を選んだり、空調をつけたりする機能も低下していることが示唆されています。
具体的には、暑くなった時に汗腺が汗を分泌するタイミングが遅くなり、出せる汗の量も減少します。また、皮膚に分布している、汗をかく能力のある汗腺(能動汗腺と呼ばれます)の数も、加齢とともに低下していきます。皮膚への血液の流れは暑さとともに増加するものですが、この力も発汗と同様に、高齢者では低下します。
また、高齢者で多くみられる、一部の高血圧の治療薬の服用や、心臓の機能の低下も皮膚血流の反応を弱めてしまいます。
さらに、寒い環境では、体で熱をつくる能力の低下や筋肉量の減少による断熱効果が低下するため、高齢者は低体温になりやすくなります。
熱中症にかかりやすくなります。
高齢者のなかには、トイレに行くのが面倒だという理由や、口の渇きを感じにくくなっているせいで、水分を十分に摂取できていない人が多くみられます。また、心臓や腎臓の機能の低下から、一度に多くの水分を摂取することが望ましくない人もいます。
高齢者にはこのような特徴があるため、周囲の人が、いつでも水分を補給できるように環境を整え、水分をとるようこまめに勧めることが大事です。それが適切な水分補給につながります。多くの高齢者が炎天下で作業や運動をする場面は少ないと考えられますので、しっかり食事をとることで必要な塩分摂取を行うことができます。しかし、暑い場所での農作業など、多くの汗をかくような場合には、若い人と同じようにスポーツドリンクによる水分と塩分の補給をするほうがよいでしょう。
また、食事に含まれる水分は1日の水分摂取量の40%程度を占めています。1日3食を適切にとるよう心がけることも重要です。

「老人性低体温症」を知っていますか?
高齢者は、太って大きく見える人でも、一般に筋肉量が低下しています。このような加齢に伴う筋肉量の低下はサルコペニアと呼ばれ、フレイルと総称される身体機能や認知機能の低下の一因になります。筋肉には代謝による熱の産生や、寒さに対する体の断熱材としての役割があります。また、体の代謝をあげる甲状腺ホルモンの分泌機能も高齢者は低下しています。これらのことは、高齢者が寒さに対して弱いことを示しています。さらに、皮膚の血管の収縮機能の低下も、寒さに弱くなる原因の一つと言われています。
寒い時に体の中心部の体温が35℃以下に下がった状態を「偶発性低体温症」といいますが、高齢者の体温が低くなった時の状況をとくに「老人性低体温症」と呼びます。
低体温症は、高齢者に限らず、行動が緩慢になったり、眠りについたり、意識障害•低下がみられたりします。とくに甲状腺低下症や糖尿病などの基礎疾患のある人は注意が必要です。低体温症は家庭で様子を見ながら回復を望むのは困難で、毛布をかけて体温が低下していくのを防ぎ、ただちに救急車で医療機関に運び治療を受けることが必要です。

加齢に伴って、筋肉や心臓、肺、脳などの機能が衰えていくのはよく知られています。これらの機能低下の予防のため、脳トレ、筋トレや散歩の推奨、様々な健康イベントの開催などが行政レベルでもなされています。しかし、体温やその調節機能も加齢とともに変化していくことは意外に知られていません。この体温の変化は高齢者によく見られる、“眠れない”、“寝てもすぐ起きてしまう”などの睡眠障害や、熱中症の被害者になりやすいことにも密接に関係しています。高齢者ご自身や家族、高齢者にかかわる仕事につかれている方々に一読いただき、高齢者の体温の特徴を知っていただき、より健康的な生活を送るための方法の一つとして参考にしましょう。

発熱について
  発熱とは、感染症法では37.5度以上を発熱、38.0度以上を高熱と定めていますが、大切なのは普段と比べて高いかどうかです。1日の中で体温は変化をしていて、最大で1度の違いがあります。
 熱はほかの人と比較することは意味がなく、その人の同じ条件で比較するのが理想です。たとえば食事の前と食事の後だけでも体温は変わっています。測る場所が違えば、体温も異なります。
体がだるい、体が熱いと自分で感じて表現できる人もいますが、うまく症状が表現できない人では、なんとなく元気がなかったり、寝ている時間が多くなる、食事の量が減る、立ち上がるときにいつも以上に手助けがいる、といったことで気づかれる場合もあります。

 体を触ると熱い時もありますが、高齢者は熱の発散がうまくできないこともあるので、服を着せすぎていないか、布団をかけすぎていないか、部屋の温度はどうか、暖房の風が直接当たっていないか、直射日光に当たっていないかなど見直しましょう。これらの環境を改善しても体温が上がっていれば発熱と考えましょう。

高齢者の発熱で多いのは感染症です。感染症とは細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入して起きる病気です。病原体が侵入すると体は熱を出して病原体を弱らせます。熱は細菌やウイルスが発しているのではなく、体が出しているのです。
 そのほかに膠原病でも熱が出ます。膠原病は自己免疫性疾患ともよばれ、代表的な膠原病は慢性関節リウマチです。体は自分の体の細胞と病原体を区別して、排除すべきものかを判断しています。しかしその判断に誤りが生じて、自分の体の細胞なのに病原体と判断して攻撃してしまうのが膠原病です。慢性関節リウマチでは関節を攻撃してしまい、関節の痛みや変形があらわれます。
 がんでも熱が出ます。がんの場合は感染症と同様にがん細胞を攻撃するために熱が出る場合と、がんそのものが熱を出している場合もありますが、それらの区別はできません。
 原因不明の発熱を詳しく調べたところ、感染症、膠原病、悪性腫瘍が主な原因でしたが、原因がわからないことも少なくありません。

熱が出るときには寒気があらわれる場合もあります。この時には布団をかけたり温めてもかまいません。逆に熱が出きって熱い時には気持ちいい程度に冷やしましょう。頭を冷やすのは気持ちいいですが、体を冷やす効果はあまりありません。体温を下げるためには太い血管が体の表面の近くにある鼠径(そけい:足の付け根の部分)や脇の下を冷やすとよいでしょう。
 最も気をつけるのは脱水です。水分が足りないと汗もかけず、尿に熱を捨てることもできなくなりさらに熱がこもりやすくなります。一度にたくさん飲ませるのではなくこまめにちょこちょこと飲ませるのポイントです。水やお茶でもいいのですが、汗をかいているときには経口補水液など少し塩分が含まれているものを摂らせましょう。500mlで1.5g程度の塩分が含まれていますので、塩分制限を指示されている人は摂りすぎに注意が必要です。

「サーカディアンリズムを整えて,良質の睡眠を手に入れる
睡眠は非常に「神経質」な活動です。良い睡眠は,心や身体を健やかにしてくれます。一方,悪い睡眠は,心や身体の健康を損ないます。また,心や身体が不健康だと,良い睡眠が実現されません。
それでは,良質の睡眠を如何に手に入れるか,その方法を解説していきます。皆さんは,朝何時に起きますか? また,朝起きた時の寝不足感や身体の倦怠感は如何ですか? ヒトは,サーカディアンリズムといわれる約24時間の周期で活動と睡眠を繰り返します。この約24時間の周期には,睡眠−活動のみならず,体温の変化や,ホルモン分泌などもあります。例えば,多くの人で早朝4時位で深部体温が最低になります。また,睡眠と関連の深いメラトニンというホルモンの分泌は,習慣的入眠時刻の1〜2時間前から上昇し最低体温の1時間くらい前に最大となります。さて,このサーカディアンリズムが正しく刻まれていると,ヒトは朝の習慣的起床時刻に,強い寝不足感や倦怠感を感じずに,起きることができます。もちろん,前日に極度に疲労したり,睡眠時間が非常に短い場合などは,別です。このような場合を除いて,朝,特定の時間に起床できなかったり,朝起きた時の寝不足感や倦怠感を強く感じる場合,まず,正しいサーカディアンリズムを手に入れなければなりません。

 サーカディアンリズムの基本は,自由継続と同調です。自由継続とは,外界からの朝・昼・晩に関わる情報が入力されない状態での1日の時間で,各生物で固有です。つまり,1日中明るさが変化しなく静かで時計などの時間に関わる手掛かりがない部屋で生活を続けていると,ヒト,ハムスター,そしてラットでは1日が24時間より数十分〜1時間ほど長くなります。また,マウスでは24時間より少し短くなります。自由継続は植物にもあります。インゲン豆の1日は24.4時間です。そして,この自由継続が,明暗サイクル(昼夜の明るさのサイクル),食事サイクル(朝食・昼食・夕食のサイクル),温度サイクル(一日内の寒暖のサイクル)や社会的行動のサイクルなどの影響を受け,地球上の生活サイクル(24時間周期)に同調(各生物固有の自由継続が24時間周期に矯正)されます。これら同調を生むサイクルを同調因子と言い,明暗サイクルが最も強く働きます。

 ヒトにおいて,自由継続が同調されないと(先程の明るさ変化が無く時計も無い部屋にいると),サーカディアンリズムの位相が後退していきます。すなわち,ヒトにとっての朝だと思っている時間が,昼の方にシフトしていきます。つまり,起きる時間や寝る時間が,実際の時間(地球上の時間)に対してどんどん遅くなっていくのです。本人は,朝に起床しているつもりでも昼に起床し,夜に就床しているつもりでも夜中に就床しています。更にずれると,朝に起床しているつもりでも夜に起床し,夜に就床しているつもりでも翌日の昼に就床しています。そこで,正常なサーカディアンリズム(24時間周期)を手に入れるには,自由継続を同調因子により同調させサーカディアンリズムの位相を前進させなければなりません。

 我々が正常なサーカディアンリズム(24時間周期)を手に入れる最も基本的なことは,朝,屋外に出て日光に当たることです。また,夜に強い光に当たらないようにすることです。午前中に強い光に当たると,サーカディアンリズムの位相が前進します。一方,夕方以降に強い光に当たるとサーカディアンリズムの位相は後退します。もう少し詳しく説明しますと,深部体温の最低時刻を午前4時,日の出を午前6時頃とすると,7時くらいの日光浴は位相を4時間近く前進させます。午前10時頃では1〜2時間前進させます。その後,正午までの日光浴は位相を前進させます。また,5時以降では,位相を数十分〜1時間後退させ,夜の7〜8時の高強度光で3時間ほど後退します。そして深夜3時では位相を7〜8時間も後退させます。夜間の強い光は厳禁です。上記記載の,午前中の光刺激と午後の光刺激を上手く組み合わせると,清々しく起床することが出来る時間を身に付けることが出来ます。

 また,起床後2時間以内に摂食することも同調を助けます。これらの同調により自由継続を短くし,正常なサーカディアンリズム(24時間周期)を手に入れることができます。 理想的な明暗サイクルによる同調のコツは,朝起き(6〜7時位)をし,1〜2時間以内に朝食をとり,朝食後1時間後に排便をし(朝食後1時間程度で,腸の蠕動運動が誘発されます),8〜9時頃に外光を充分浴び,夜は,7〜8時以降強い光を浴びないことです。注意しなければならないことは,起床時間と,最初に外光を浴びる時間を固定することです。

ビタミンDとは?
 天然由来のビタミンDは、キノコなど植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、魚類の肝臓や魚肉、卵黄由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)に分類されます。ビタミンD2とビタミンD3は構造の一部が異なる同族体ですが、通常まとめてビタミンDとして扱います。またビタミンD3は、体内においてコレステロール生合成の最終中間体である7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)から生成されます。皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールが紫外線(Ultra-Violet : UV)を受けるとステロイド骨格B環が開いて、プレビタミンD3となります。プレビタミンD3は体温で構造が変化し、ビタミンD3となります。ビタミンDは、肝臓で水酸化され、25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D ; カルシジオール)へと変化し、ビタミンD結合タンパク質(DBP, GC-グロブリン)と結合し、血液中を長期間安定的に循環します。25(OH)Dはさらに腎臓で水酸化されることで1,25-ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)2D)となり、全身に運ばれ様々な生体効果を発現します。1,25(OH)2Dは、腸、骨、腎臓、副甲状腺の細胞でビタミンD受容体に結合し、特定の遺伝子の働きを介して、血中のカルシウムとリン酸濃度を調整し、骨密度の維持を司っています。図1に、ビタミンDの体内での代謝の様子を示します。 

図:ビタミンDの食物からの摂取、皮膚での生成と体内での代謝  

  

最近の日本人のビタミンD欠乏
 図1に示した通り、血中のビタミン25(OH)D濃度は、皮膚で生成されたビタミンDと、食物から摂取されたビタミンDの合計量を反映して変動します。一方、1,25(OH)2Dはカルシウム代謝を調節するホルモンで、通常その血中濃度はほぼ一定に調節されていることが知られています。よって、血中25(OH)D濃度を測ることで、ビタミンDの充足状況を知ることができます。現在は、血中25(OH)D濃度が30 ng/mL以上を「ビタミン充足」、30 ng/mL未満を「ビタミンD非充足」状態と判定し、そのうち20 ng/mL以上30 ng/mL未満を「ビタミンD不足」、20 ng/mL未満を「ビタミンD欠乏」と判断する基準が採用されています。 

 図2に、2003~2004年にかけて東京の12~18歳の中高生1360人を対象にした調査の結果を示します。この調査では、ビタミンD欠乏は男子で30.2%、女子で47.7%、ビタミンD非充足は男子で79.9%、女子で89.8%にみられ、特に女子では中学1年生から高校3年生へと成長するにつれ、ビタミンDの栄養状態は顕著に低下することが示されました。この研究では、思春期の踵骨(かかとの骨)骨量に対するビタミンD栄養状態とカルシウム摂取量の相互効果が、特に女子に現れやすいことも確認されました。
 

 

1980年代半ばに南極でオゾンホールが発見されると、オゾン層の破壊にともない増加した有害な紫外線による健康影響が懸念されるようになりました。以来、紫外線は有害なものという考えが広まり、いまでは紫外線や日光浴を避ける人が増えています。ところが、紫外線は体内でビタミンDを合成するためにも必要です。近年、日本人のビタミンD不足が増え、特に若い女性で深刻化しています。そこで、地球環境研究センターの中島英彰さんたちはビタミンD不足にならない、適切な日光浴の方法を検討しています。



日光紫外線によるビタミンDの生成
 ビタミンDを効果的に生成するUV-Bは、皮膚のDNAを損傷させ、日焼け(sunburn:紅斑)を生じさせます。皮膚に紅斑を生じさせる最少の紫外線量を、最少紅斑紫外線量(Minimal Erythema Dose: MED; 単位は[mJ/cm2])と呼び、スキンタイプや性別、年齢などによって人ごとに異なった値となります。スキンタイプType Iの人がMEDに達するまでの時間を1としたとき、スキンタイプType IIの人は1.25倍、Type IIIの人は1.5倍、Type IVの人は2倍のUV-B照射量でMEDに達する関係があります。
 
 紫外線の人体への影響度は、波長によって異なります。波長ごとの人体への相対影響度については、国際照明委員会(Commission internationale de l’ éclairage: CIE)が定義した紅斑作用スペクトルが一般的に用いられています。図4に、紅斑紫外線と、肌でビタミンDを生成する紫外線の作用スペクトル曲線を示します。CIE紅斑作用スペクトルは、人の皮膚に紅斑(赤い日焼け:sunburn)を引き起こす作用曲線です。両者はそれぞれ波長290~300 nm付近で作用が最大となりますが、長波長側で効率が異なります。UV-B領域内の波長280~300 nmでは双方ともに相対影響度が高く、同領域内の波長300 nmからUV-A領域に入った320 nmにかけて急激に低くなります。330 nm以上の波長ではビタミンDの生成量はほとんど0になりますが、紅斑生成の効果は330 nm以上の長波長側でも少し残っています。

図:紅斑紫外線とビタミンD生成紫外線の作用スペクトル
 

わたしたちの体温は常に一定ではなく、朝起きてから夕方まで上昇し、その後は下降に転じます。
しかし、不規則な生活や間違った習慣などの影響でこのリズムが崩れると、布団に入ってもなかなか寝付けなくなるのです。
また、寝具内の温度や湿度が高すぎると深い睡眠を妨げられて、夜中に何度も目が覚める要因になることも。
体温のリズムに合わせた生活を続け、寝室や寝具の環境も見直せば、睡眠の質がアップすることが期待できますから、改善のポイントを覚えて実践していきましょう。

睡眠中に体温が下がるのはなぜ?
  起床時は頭がボーっとしていて、カラダの動きも鈍いのに、時間が経つにつれて思考力や行動力がアップしていきますよね。
これは、生命活動をコントロールする自律神経のスイッチがONになるからで、体温や血圧、臓器の活動力も上がって、仕事や家事のパフォーマンスが向上します。
しかし、1日中活動を続けていると、心身に疲労やストレスが蓄積していきますから、就寝時間が近づくにつれて体温を下げ、睡眠中に全身をクールダウンする準備に入るのです。
このような体温の変化が毎日きちんと発生していれば、寝つきが良くなって深い眠りを得やすくなります。
しかし、夜型の生活が当たり前となった社会で生活し、カラダを冷やす習慣が多くなった現代人は、体温変動のリズムが乱れがちに・・・。
朝起きた時から「疲れが抜けていなくて、寝た気がしない」と感じたり、ストレスが解消されていなかったりする方は、自分の体温変動に目を向けてみてください。
朝から晩まで体温が低いままであるとか、夜になっても体温が下がらない状態にあったら、その原因を探って本来のリズムを取り戻す必要があります。

起床から就寝までの体温変化
  一般的に、体温がピークに達するのは午後4時前後、そして、一番低くなるのは午前4時ごろで、個人差はありますがこの変動は1度ぐらいあります。
ただし、年齢を重ねるにつれて体温変動は小さくなるのです。

このような規則性は、「概日リズム(サーガーディアンリズム)と呼ばれていて、地球の自転周期より少し長い約25時間となっているため、毎日ズレが生じます。
そこで必要になるのが、光の刺激による“概日リズムのリセット”。
朝起きて太陽光を浴びるとこのズレが修正されるので、体温の変動も正常になるほか、夜になって眠りに誘う睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌リズムも整い、質の高い睡眠が得られるというわけです。
そして、快眠のためにもう1つ覚えておきたいのが、体温には2種類あるということです。
1つは、カラダの表面温度である「皮膚温」で、ワキや口の中の温度を測るとその状態が分かります。
もう1つは、脳を含めた内臓の「深部体温」で、生命維持のために皮膚温より1度ぐらい高くなっているのが特徴です。
睡眠に入るときは、この深部体温を低下させるために皮膚の表面から熱を放出し、カラダがリラックスモードに入り、疲労回復とストレス解消が進みます。
眠くなってくると、手足の先がポカポカしてくるのを感じますが、これがまさに深部体温を下げるための皮膚温の上昇なのです。

健康を保つ体温リズムのつくり方
健康を保つ体温リズムを作るには秘訣があります。朝・昼・夜のポイントをご紹介があります。
生活リズムを整えることで健康に暮らせます
質のよい睡眠が柱になります
睡眠は健康な暮らしを支える大きな柱の一つです。しかし、高齢になると夜間の体温が下がりにくく、睡眠も浅くなりやすいことがわかっています。若いころより睡眠の質が低下することは否めませんが、朝、日中、夜の生活習慣を見直し、暮らし方を工夫することで、深く眠れ、健やかに暮らすことができます。

朝の健康習慣で体内時計をリセット
決まった時間に起きて朝の光にあたる
体温の1日の変動とも深くかかわっている体内時計は、24時間より長めにできているため、そのままでは実際の時間より少しずつ遅れてしまいます。それを正常な時間にリセットするのが朝の光です。
体内時計は加齢とともに変化していき、高齢者では朝の体温の立ち上がりが若者より早くなります。年をとると早起きになるのは自然なことなのです。毎朝決まった時間に起きて朝の光にあたることは健康な生活リズムをつくる第一歩であり、夜の眠りをスムーズに導く後押しもします。

朝食をとって脳にエネルギーを補給
脳は眠っている間も活動し、起きている時と変わらないくらいエネルギーを消費しています。しかし、睡眠中はなにも食べないので、朝起きたときの脳はガス欠状態です。起床後はすみやかに朝食をとり、脳にエネルギーを補給して脳がスムーズに働くようにしましょう。
近年、規則正しく食事をとると体内時計が調節され、生活リズムを整えることが明らかになりました。なかでも朝食は、体内時計のリセットに最も重要であることがわかっています。

がん予防に実は「日光浴」が有効なわけ―ビタミンDの驚きの効力
  「ビタミンDは大腸がんにの発症を減らすか」という米国人の論文に出合い、調査を開始した。
ビタミンDは紫外線UV―Bが皮膚にあたることで産生される。また、鮭やキノコなどの食品に多く含まれている。ビタミンDには、腸管でのカルシウムの吸収を助けて骨や筋肉を丈夫にしたり、大腸がんや乳がんなどのがんを予防したりする働きがある。そのほかにも、糖尿病や心血管病の予防ないし免疫機能を高めて病原体を駆逐したり、炎症を抑えたりする働きもある。

ビタミンDの「がん予防効果」にスポットをあて、日常生活でビタミンDをどのように摂っていったらよいかを詳しく解説している。仕事上、身体上ないし美容上の理由で日光にあたる機会がほとんどない人は、健康の維持・増進のために、適量のビタミンDを何らかの方法で摂取することが大事です。

 ビタミンDは、皮膚が太陽光、正確には紫外線B波にさらされると、体内で生産されます。このため“太陽ビタミン”とも呼ばれます。 良く知られているように、ビタミンDは骨の健康のために重要です。ビタミンDはカルシウムの小腸での吸収を促進して、尿としての排出を防ぎます。高齢者では転倒を防ぐ効果も報告されています。
 さらに、ビタミンDレベルを正常値以上に保つことは、高血圧や糖尿病、いくつかのガン、心臓発作や脳卒中の予防に、ひいては長寿に貢献するようです。最近の研究で、脳や心の健康にも役立つこともわかってきました。

記憶力や思考力などの
「脳機能」を維持
 最も新しい研究では、65歳以上の高齢者で、ビタミンDのレベルが低下すると、脳の認知機能の障害が増加することがわかりました。「認知機能」とは記憶や推理、学習、言語など知的な働き全般をさします。ビタミンDレベルが最適な高齢者は、低い人と比べて、認知機能障害のリスクが半減しました。認知機能障害は認知症の発症リスクを高めます。
 他に脳神経疾患関連では、ビタミンD欠乏と、多発性硬化症やパーキンソン病との強い関連も示唆されています。
 また、ビタミンDは、「情緒」に関連する脳領域にも影響するようです。昨年、3つの研究がビタミンD欠乏とうつ病との関連を報告しています。サプリメントを使用してビタミンDレベルを高めると、うつ症状が改善することもわかりました。

ビタミンDがもたらす
長生き効果
 特筆すべきは、ビタミンDには長寿効果があることでしょう。血液中のビタミンD濃度が高い人ほど、すべての原因による総死亡リスクが低くなることを複数の研究が示しています。
 ある研究では、65歳以上の人々を約8年間の追跡して、ビタミンDレベルの最も高い人々は、最も低い人々と比べて、総死亡リスクがなんと半減することがわかりました。別の研究でもほぼ同様の結果が出ています。
 この恩恵は、ビタミンDがもつ多くの働きの相乗的な効果によるといえるでしょう。ビタミンDには、免疫システムの働きを助けて呼吸器感染症を予防する、炎症を抑える、血管や心臓病の機能を改善する、細胞レベルの老化を防ぐ、ガンの発症や進行に関連するメカニズムを妨害する多くの抗ガン作用など、たくさんの有益な働きがあります。


ビタミンDはがんの栄養療法に欠かせない栄養素
さて、最初に少し触れましたが、日本ではまだあまりビタミンDの重要性は言われていないように感じますが、海外ではビタミンDはかなり話題になっている栄養素の1つで、がんの栄養療法にも欠かせない栄養素です。ビタミンDはステロイドホルモンの一種で、細胞内のあるいは核内の受容体と結合し、特定の遺伝子を活性化することによってその作用を発現させます。
最近では、ビタミンDが細胞分化や免疫機能にも関与することがわかってきました。ビタミンDは皮膚でつくられ、生合成には紫外線が不可欠です。この生合成には、すべての紫外線が必要ではなく、UVB(紫外線B)だけが必要です。
ビタミンDを活生化するために肝臓と腎臓が関与しています。ビタミンDは、動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)と植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)があります。動物の皮膚で生合成されるビタミンDは、紫外線を浴びてプレビタミンD3に変わります。
これは体温によって徐々に変化し、ビタミンD3になり血中に放出されます。植物にはプロビタミンD2が含まれ、やはり紫外線を浴びることでビタミンD2に変化します。
皮膚で合成されたビタミンD3と食品から接種されたビタミンD3は、十二指腸で吸収されリンパ管から静脈血に入り肝臓に運ばれます。肝臓で酵素により25-OH-D3(25水酸化コレカルシフェロール)になり血中に分泌されます。25-OH-D3は、腎尿細管細胞でさらに最も活性の強い1α、25(OH)2-D3に変換されます。

ビタミンDの機能はいろいろありますが、最近注目されている機能、そして特にがんとの関わりのある細胞分化誘導の機能は注目されます。活性型1α-25(OH)2-D3は、他のホルモンと同様に全身の細胞にある、細胞の核内のビタミンDのレセプターに働き、全身の細胞がそれぞれビタミンDの活性化を行いながら、正常な細胞の分化や異常細胞の細胞死などを誘導します。
それゆえ、ビタミンDが不足すると、適切に細胞の分化誘導が行われないためにがんの発症やがん細胞の増殖が起こってきます。ビタミンDは食事からも摂取されますが、体内のビタミンDの大部分はコレステロールを原料に日光浴をして紫外線を浴びることで合成されているのです。

巷では、日に当たることは悪いことのように言われており、そのため体内でのビタミンD不足に陥っている人は多いと考えられます。不足しているが故にいろいろながんも含め病気を発症している人もたくさんいるのではないでしょうか。
日本では、皮膚がんの発症頻度はオーストラリアなどに比べますと、かなり低い状況です。ですから、皮膚がんを恐れるあまり紫外線を極端に避けることをせず、適度な日光浴はがん予防にもなり、他のビタミンD不足による病気の発症の助けにもなることも知って欲しいと思います。

海外では、液体のビタミンDも普通に手に入ります。そのドクターによりますと、最近はビタミンDを注射で摂ることがよいという話もあり、6年間やってみたけれど液体を上回る効果はなかったとのことでした。液体で摂ることと差はなかったので、液体で摂るほうがいいとおっしゃっていました。
ビタミンDを個々人において摂取する量については先ほど触れましたが、まず最初に、血液で濃度を調べます。ビタミンDの体内での濃度は、体内で活性化される前の25(OH)D3を測定します。活性型1α-25(OH)2D3(日本の医療機関では、こちらで測定されていることがほとんどです)の値を測っても体内でのビタミンDの状態をまったく反映できませんので気をつけてください。

ビタミンDは、1カ月ぐらいかけてゆっくりと血中濃度を維持していきます。そして、3カ月ぐらいで肝臓や脂肪に貯蔵される分ができます。その後、体内での血中濃度が安定してきます。そのドクターの外来では、6カ月に1回ぐらいビタミンDの血中濃度を測定し、患者さんの量の過不足を調節しているとのことでした。

最後に、ビタミンDも治療レベルになりますとサプリメントでの高用量の補給が必要になってきますが、普段の食生活で過不足を補うには食材からの摂取も大切です。参考までに、ビタミンDの摂れる食材をお伝えします。

  ・たら肝油、1テーブルスプーン:ビ タミンD1360IU(国際単位)
  ・イワシの缶詰のオイルを除いたもの: 500IU
  ・調理したサーモン(100g):  360IU
  ・調理したサバ(100g):345IU
  ・ツナ缶:200IU
  ・ビタミンD強化ミルク(1カップ): 98IU
  ・卵1個:20IU
  ・調理した牛レバー(100g):  154IU
  ・スイスチーズ(約28g):12IU

最初は、オリーブオイルです。オリーブは人類によって最初に栽培された植物の1つであり、人間が初めて手にしたオイルがオリーブオイルとされています。起源は7000~8000年前のトルコ南部とされ、6000年前にはすでにキプロス、シリア、クレタで盛んに生産されていたそうです。トルコ南部、地中海に面した地域が原産地とされており、今でも野生のオリーブが自生しています。
地中海東部で始まったオリーブ栽培文化は、ギリシャ本土、南フランスのゴール地方、イタリア半島からシチリア、南スペインへと伝わりました。地中海全域で栽培されるようになったのは、紀元前3世紀にローマ帝国のローマ人によって広められていきました。
ローマ人にとって、オリーブオイルは生活に欠かせないもので使用範囲は広く、料理、医薬品、化粧品、灯火、祭儀、宗教上のセレモニー、スポーツなどあらゆる場面で使われていました。古代より世界各地で普及してきたオリーブオイルの文化には、いろいろな言い伝えがあります。「オリーブオイルを大切にする人は幸せになれる」「毎朝スプーン1杯のオリーブオイルが健康をつくる」などは、とても興味深い言い伝えだと思いました。

バージンオリーブオイルについて、もう少し詳しく説明します。バージンオリーブオイルは、機械的な加工(粉砕や圧搾など)以外は一切の化学的なよりを行わずに抽出されたオイルです。最高峰にエクストラバージンオリーブオイル、高品質の順にエクストラ、ファイン、オーディナリー、ランパンテと4等級に分けられます。
もう1つ別の研究報告で、フレッシュなエクストラバージンオリーブオイルにはオレオカンタールという抗炎症物質が発見されました。スーパーで売られているような中級クラスのオリーブオイルではこれは検出されていません。このことからも、オリーブオイルは限られたものだけが体に良いわけですね。

赤ワインのレスベラトロールには、がん発症の予防と抑制効果がある
次は、ワインのお話です。

赤ワインには非常に多くのファイトケミカルが含まれています。ファイトケミカルとは植物食品に含まれる体に有効な化学物質で、厳密に言えば栄養素ではありません。人間の体において必要不可欠とまでは言えませんが、生化学的に重要な役割を果たしています。

抗酸化物質と密接な関係があり、ときには抗酸化物質と結合していることもあります。野菜、果物、穀類の一部などに含まれ多くはホルモンや免疫系を調節する上で重要な作用を及ぼし病気予防に役立っています。

そのいくつかの分子の中でレスベラトロールというのがあり、これはポリフェノールの一種で赤ワインの中で唯一量などが評価できる物質です。これは、循環器系やがんの予防にいくつものよい効果を示すことがわかっています。

ある研究の報告では、レスベラトロールは進行したがんの成長に対しても効果があったとのことです。そしてまた、レスベラトロールは、新しくできたがん細胞とすでに成長したがん細胞を抑制することができるとのことです。

これらの研究室で得た結果だけでなく、人間の体に抗がん作用があるという報告も興味があります。

では、どのようにして人間の体に良い作用を示してくれるかと言いますと、そのカギは適切な量であるとのことです。高用量のアルコールは細胞においては大変有毒なものであり、多量の飲酒は口腔がん、肝がん、乳がんなどの発現リスクをかなりの割合で上昇させるとのことです。

これに対し、レスベラトロールは、心疾患やがんの発現の予防効果、脳の機能低下を助け、老化を遅らせる可能性があるとのことです。もちろん、赤ワインは不老の飲み物ではないと思いますが、こういったいろいろなデータからの情報は興味がありますね。

毎日どのような食事や食材を口にすることによるかで、日々の健康を保つことはもちろんですが、もう少し長い目で見ると、この日々の食事が老化を遅らせたり、老化による病気の予防をしたり、すなわちアンチエイジングに結びつくということです。

そして、健康で生きられれば生活の質を向上させることになります。毎日グラス1~2杯の赤ワインを栄養素の充実した果物や野菜と摂ることが、健康な人生を送るのに一番の組み合わせということです。皆様も、今宵は新鮮なお野菜にエクストラバージンオリーブオイルをかけて赤ワインを少しいかがでしょうか。

ココナッツオイルは万能!?
心臓病、脳卒中、糖尿病、肝臓病、肺炎、乳がん、大腸がん、骨粗鬆病、皮膚炎、アルツハイマー病、年齢によるシミ、歯周病や虫歯などなどの予防や症状の緩和に役立ちます。

「ココナッツオイルには整腸作用がある!?」、「ココナッツオイルで認知症の予防・改善」、「ココナッツオイルでガン予防」、「ココナッツオイルでウイルス感染を防ぐ」、「ココナッツオイルが心臓病を予防する理由」、「ココナッツオイルがアルツハイマー病に効果がある理由」等と記載し、更に、これら記載された文字列にリンクさせたウェブページにおいて、例えば、「ココナッツオイルには整腸作用がある!?」と題するウェブページでは、「ココナッツオイルが便秘解消に効果的な秘密」、「ココナッツオイルが便秘解消に効果的なのは、優れた整腸作用があるからです。
体内に溜まってしまった便を除去し、弱っている腸の働きを活発にしてくれます。オイルを摂取すると太るのではないかと不安になりますが、ココナッツオイルに含まれるのは中鎖脂肪酸ですから、すぐにエネルギーとなってくれるため体内に溜まることはありません。むしろ体内に溜まっている脂肪をエネルギーに換えてくれるので、便秘だけでなく、ダイエットにも効果を期待することができます。」等と、別表「表示内容(ウェブページ)」欄記載のとおり記載することにより、あたかも、本件商品を摂取することにより、各種疾病を予防する効果等が期待できるかのように示す表示をしていたこと。イ 前記アの表示は、本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること。
など、行政指導があります。つまり過剰広告ということでしょうか?

 

ココナッツミルクって身体に良いの? ココナッツミルクに含まれる栄養素と期待できる効果について
ココナッツミルクに含まれる栄養素
ココナッツミルクは、成熟したココナッツの固形胚乳から生成される飲み物で、インドネシアやフィリピンなど東南アジアが主要な産地です。
そんなココナッツミルクにはさまざまな栄養素が含まれています。

ココナッツミルクにはカリウムが含まれています。
カリウムは余分な塩分を排出するはたらきがあり、塩分の摂りすぎなどを調整してくれることにより、高血圧の予防や改善の効果が期待できます。
カリウムは多くの食べ物に含まれているため、日常生活を送っている中で健康に悪影響が出るほど不足することはありません。
しかし、厚生労働省が発表した日本人のカリウムの1日当たりの食事摂取基準に、同じく厚生労働省が発表した日本人のカリウムの1日当たりの平均摂取量は届いていません。
ですので、高血圧が気になる方は、少し意識してカリウムを摂取するよう心がけましょう。

マグネシウム
一般的なココナッツミルクには200ml(コップ1杯)あたりおよそ60mgのマグネシウムが含まれています。
マグネシウムは体内のさまざまな代謝を助け、筋肉の収縮や体温・血圧の調整にも役立っています。
体温は免疫力と関係していて、低体温の場合には免疫力に関わる細胞の活動が低下してしまいます。
なので、マグネシウムをしっかり摂取して、体温を正常な状態に保ちましょう。

ナトリウム
一般的なココナッツミルクには200ml(コップ1杯)あたりおよそ25mgのナトリウムが含まれています。
ナトリウムはカリウムとともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持するはたらきがあります。
また、他のミネラルが血液中に溶けるのを促進させるはたらきもあり、身体の成長には不可欠なミネラルになっています。

中鎖脂肪酸
ココナッツミルクには、中鎖脂肪酸が含まれています。
中鎖脂肪酸は体内での消化スピードが早いため、短い時間でエネルギーとして消費できるでしょう。
このため、中鎖脂肪酸は脂肪として身体に蓄積されにくいという特徴があります。
中鎖脂肪酸が含まれているココナッツミルクを飲むことで、肥満の予防につながるでしょう。

ココナッツミルクに期待できる嬉しい効果3選
高血圧予防
高血圧の原因の一つとして塩分の摂り過ぎがあります。
そして、ココナッツミルクに含まれているカリウムには身体から余分な塩分を排出するはたらきがあるとされています。
カリウムは多くの食べ物に含まれているため、日常生活の中で不足することはありませんが、高血圧が気になる方は少し意識してカリウムを摂取するようにしましょう。
また、そもそも高血圧の原因として肥満やストレス、喫煙などの、普段の生活習慣に関わるものもありますので、日頃の生活の中で気をつけるようにしましょう。

肥満予防
ココナッツミルクには中鎖脂肪酸が含まれています。
中鎖脂肪酸は消化吸収が早く、エネルギーとして消費されやすいため、体脂肪として蓄積されにくいという性質があります。
また中鎖脂肪酸を摂取することで、体脂肪の消費量が増えるという指摘もあります。
中鎖脂肪酸が含まれているココナッツミルクを飲んで、肥満予防を目指しましょう。

アルツハイマー病改善
ココナッツミルクに含まれている中鎖脂肪酸はアルツハイマー病を改善する効果があると示唆されています。
アルツハイマー病になってしまうと、脳のエネルギーとしてブドウ糖を使うことがむずかしくなるとされています。
中鎖脂肪酸を摂取することで生成されるケトン体は、ブドウ糖に代わって、脳のエネルギーとして活用できる可能性があるということです。
アルツハイマー病の原因や治療法については研究が続いていますが、ココナッツミルクを飲むことで、アルツハイマー病を改善できるかもしれません。

ココナッツウォーターがもつ健康メリット10
熟す前の若いココナッツの実からとれるココナッツウォーター。昔は南国で過ごす旅行中に楽しむものだったけど、最近ではコンビニやスーパーで気軽に買うことができる。同じ果物からとれるにもかかわらず、ココナッツウォーターは味や栄養の面でココナッツミルクやココナッツオイルとは大きく異なるとか。

ココナッツは成長するにつれて、中の果汁であるココナッツウォーターが果実に栄養を与えるのに役立つ。そのためココナッツウォーターには、プラントベースの健康的な成分が豊富に含まれるそう。
 
さらに熟す過程で、果汁は “ココナッツミート” と呼ばれる白い固体にゆっくりと変化。果実が完全に熟すと、果汁はほとんど残らないという。

 
 
「ココナッツミルクと間違えやすいですが、ココナッツウォーターはココナッツの内側から直接抽出された、甘くてさわやかな飲み物です。
自然に水分補給ができて、豊富な食物繊維を含み、アンチエイジング効果、抗菌性、エネルギー強化なども期待できることから、その高い健康効果が長年知られてきました」とウェイクマンさんは語る。

1. 栄養価が高い
ココナッツウォーターはハワイの人々に “天国からのしずく” を意味するノエラニと呼ばれきたそう。その理由はシンプルで、「電解質やビタミン、ミネラル(マグネシウム、カリウム、カルシウム、セレン、メチオニン、亜鉛、ヨウ素、マンガン、ホウ素、モリブデンなど)、そしてサイトカインやたんぱく質も豊富に含みます」と彼は説明する。
 さまざまなミネラルを含むココナッツウォーターだけど、とくにマンガンとカリウムが多く、250mlで1日の推奨摂取量(RDA)の約5分の1を摂取できるそう。

2. 抗酸化物質が豊富
ココナッツウォーターには、フリーラジカルが引き起こすダメージから細胞を守る、抗酸化物質が含まれている。これは酸化ストレスとして知られ、老化のプロセスに寄与するだけでなく、脳卒中、心臓病、がんなどの病気にも関連があるという。
 「研究者たちは、ココナッツウォーターが酸化ストレスを軽減し、抗酸化状態を改善、さらに体内の天然抗酸化酵素の数値を高めることを確認しました」とウェイクマンさんは説明する。
 また抗酸化物質は新鮮なココナッツウォーターほど多く、加熱したり過度に加工すると含有量は低下するそう。
「ココナッツウォーターはミトコンドリアの活動に良い影響を与えるうえ、フリーラジカルによるダメージから細胞を保護する効果も示されています。またL-アルギニンとアスコルビン酸も豊富で、これらにはフリーラジカルの生成減少と抗酸化作用があります」

3. 運動後の水分補給になる
ココナッツウォーターは、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムが豊富。これらのミネラルは電解質として知られ、体内の体液のバランスを制御するという。
 「特定のミネラル成分と適度な糖の含有量から、ココナッツウォーターが天然のアイソトニック飲料で、運動後の水分補給とリフレッシュにぴったりの飲み物となっています」とウェイクマンさんは語る。
 事実、ココナッツウォーターは運動後の水分補給に関して、水やスポーツドリンクよりも優れているとか。
ウェイクマンさんいわく、研究者がココナッツウォーター、スポーツドリンク、普通の水を比較した際、彼らはココナッツウォーターを「とても甘く、吐き気や膨満感が少なく、胃の不調を起こさない」と結論づけたそう。
「さらにスポーツドリンクや普通の水よりも、たくさんの量を飲むのに苦労しなかった」

4. コレステロール値を調整する
動物実験では、ココナッツウォーターはその強力なコレステロール低下作用によって、心臓病のリスクを減らすのにメリットがあることが分かっている。
 「研究によると、ココナッツウォーターは総コレステロール、低比重リポたんぱく質(LDL)、トリグリセリドの濃度を下げ、高比重リポたんぱく質(HDL)を減らすことができます。これは心臓の健康にとって、とてもうれしいニュースといえます」

5. 心臓の健康促進
コレステロール値の低下以外にも、心臓の健康にいい働きをもつというココナッツウォーター。
「ココナッツウォーターには、遊離型アミノ酸であるL-アルギニンと、心臓病や脂質過酸化反応を防ぐのに役立つビタミンCが豊富に含まれています」と語る。
脂質過酸化反応とは、フリーラジカルによる多価不飽和脂肪酸の酸化のことで、心臓病リスクの目印となる。

6. 腎臓結石を防ぐ
不要になった血液中の化学物質が腎臓の内部で集まり結晶を形成すると、腎臓結石となる場合がある。しかし研究によると、ココナッツウォーターを飲むと結石の形成防止につながるという。
 「研究者たちは、ココナッツウォーターの摂取が腎臓組織への結晶沈着を抑制し、尿中の結晶数を減少させることを実証しました」とウェイクマンさんは説明する。
 腎臓結石には異なる4つのタイプがあるけれど、シュウ酸カルシウムがもっとも一般的なもの。
「ココナッツウォーターに含まれるクエン酸塩は、カルシウムとの複合体形成、シュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムの結合防止、結晶の凝集・成長の遮断など、複数のメカニズムをもつことから、カルシウム結石形成の抑止剤としてよく知られています」

7. 健康的な肌に貢献する
「水分補給は、私たちの肌の健康に不可欠です」と語るウェイクマンさん。彼いわく、ココナッツウォーターは栄養素、アルギニンを含むアミノ酸、成長因子を豊富に含むうえ、水分補給をサポートし重要な皮膚の弾力性の維持に役立つそう。
 またココナッツウォーターは口からの摂取だけでなく、スキンクリームに使用されるアンチエイジング成分にもぴったりだという。「臨床研究の結果によると、特許取得済みのココナッツウォーターの固形組成物を含むクリームを使用した治療で、肌荒れの減少と肌色の改善がみられたことから、肌の弾力性を大幅に改善することが分かりました」

8. 消化を助ける
健全な消化機能に不可欠なマグネシウムを多く含む、ココナッツウォーター。
マグネシウムがないと体は食べ物を適切に消化できないようで、体内のエネルギー生成のために、脂肪やたんぱく質、炭水化物の吸収と使用を可能にする酵素を活性化してくれるという。
 250mlのココナッツウォーターには、RDAの約15%のマグネシウムにくわえ、消化しやすい食物繊維が約3g含まれている。

9. 強力な抗炎症作用をもつ
慢性炎症はそのままにしておくと、細胞や組織、臓器に損傷を与え、関節リウマチ、動脈の狭窄(アテローム性動脈硬化症)、歯周病などの病気のリスクを高めてしまう。
 ココナッツウォーターは強力な抗炎症作用をもつと考えられていて、ある研究結果では炎症を防ぐ可能性も示されている。
 「ココナッツウォーターの抗炎症作用は、プロスタグランジンの生成の阻止による可能性があります」と言うウェイクマンさん。
 「プロスタグランジンとは、怪我や病気の治療に関与する組織の損傷や感染の部位で作られる脂質のグループです。炎症、血流、血栓の形成などのプロセスを制御し、それによって炎症や痛みを軽減します」

10. 糖尿病に役立つ可能性も
糖尿病の場合、血糖値(または血液中のグルコース)が常に高い、なんてことも。ある研究では、ココナッツウォーターが抗糖尿病薬と同じくらい効果的に血糖値を下げる可能性が示されたという。
 「前臨床試験でココナッツウォーター、または抗糖尿病薬のグリベンクラミドを使用したところ、無治療の人に比べ血糖値が下がったそうです。さらにココナッツウォーターは、糖尿病患者のインスリンレベルと肝臓グリコーゲン濃度を増加させ、糖化ヘモグロビンレベルを低下させました」と説明しています。
 肝臓グリコーゲンとは、体が肝臓に蓄えるブドウ糖のこと。また糖尿病患者は、肝酵素レベルが高い場合が多い。ウェイクマンさんいわく、ココナッツウォーターは上昇した肝機能酵素マーカーの数値を “大幅に” 減少させることが分かっており、これがココナッツウォーターの抗糖尿病要素の1つだそう。
 「これらの観察結果は別の前臨床試験でも確認されており、ココナッツウォーターが血糖値を下げ、酸化ストレスを減らしました」

 

 

 


睡眠は生活習慣のひとつであり、睡眠と健康は相互に関係しています。睡眠が健康に及ぼす影響、睡眠と死亡率との関係について確認していきましょう。良い睡眠は心身の疲労を回復し、規則的な睡眠リズムをつくる働きがあります。規則正しい睡眠習慣を送ると体内時計が整い、睡眠に備えてホルモンの分泌や体内の生理的な活動の調節が前もって行われます。
今回の健康塾は、睡眠効果と健康余生の関係についての謎解きです。

「ぐっすり眠れない」「スッキリ目覚めない」とお悩みの方はいませんか? 睡眠の質がよくないと、心身共にダメージを受ける可能性もあると言われるので、できる限り改善したいですよね。睡眠についての情報はたくさんあるものの何がウソで何がホントか、わからない。そんな方のために正しい睡眠を学びましょう。

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」など多くの重要な役割があります。うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールして、生き生きとした毎日を過ごしましょう。

「睡眠」と聞いて、思い浮かぶイメージはどのようなものでしょうか?
・身体を休める
・脳を休める
・食事、仕事と並び、生きていく上でなくてはならないもの 
など、基本的に「休める」といったイメージが並ぶと思います。

「睡眠」の仕組みー「睡眠」で疲労回復・細胞の修復が行われている!
睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。

ノンレム睡眠は「レム睡眠ではない眠り」という意味で、深さに応じて4つのステージがあります。このうち、脳を休めるのは、主にステージⅢとⅣの深いノンレム睡眠です。このステージⅢとⅣは、デルタ波という緩やかな波長の脳波が増えてくるため、「徐派睡眠」とも呼ばれていて、脳の疲労を回復させます。

眠りは浅いステージⅠのノンレム睡眠から始まり、1時間ほどでステージⅢとⅣのノンレム睡眠に至ります。この徐派睡眠のときに脳の疲労回復が進められると同時に、体の器官の新陳代謝を促なす「成長ホルモン」が分泌されます。

徐派睡眠から次第に眠りが浅くなり、2時間ほどでレム睡眠にスイッチします。レム睡眠では、脳が活発に働いているので、日中にインプットした記憶を整理し、学習を強化するなどをしています。

以後、ノンレム睡眠とレム睡眠は、4-5回ほど繰り返します。つまり、寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。
また、睡眠中は日中に仕事や運動で大量に発生した「活性酸素」と「疲労因子FF(fighting factor)」をリカバーするために、「疲労回復因子(fighting recover factor)が増え、酸化・損傷された細胞の修復を始めます。
日中に激しく活動しても、寝付きの良い良質な睡眠がとれていれば、疲労因子FFによる酸化・損傷を回復させるに十分な疲労回復因子FRが分泌されるため、脳の疲労は回復します。
逆に、睡眠時間を削ったり、良質な睡眠がとれていないと、疲労因子FFによる酸化・損傷を完全にリカバーするだけの疲労回復因子FRが分泌されず、脳疲労が回復しにくくなるといえます。
「6時間寝てすっきりした」人もいれば、「10時間も寝たのに、疲れが取れない」という人は、「最初の寝付き」による差で、十分な疲労回復が追い付いていない、ということかもしれません。

睡眠が全身の細胞の修復を行い、疲労を回復させてくれます。日中の仕事や運動による負荷で「疲れた」と感知するのは、「脳の自律神経の中枢である視床下部や前帯状回」です。この脳の自律神経が十分に休めていないと、「脳疲労」が蓄積し、脳の回復がされずに「疲労感」として自覚します。
健康な人における疲労とは、日本疲労学会で「一般に運動や労力などの身体作業(運動)負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えられたときにみられる、身体的あるいは精神的パフォーマンス(作業効率)の低下減少」と定義されています。

成人の脳を構成する神経細胞は細胞分裂を終えた細胞です。そのため、他の皮膚のような体の器官のように、細胞分裂で新陳代謝をして新たに生まれ変わることはないのです。

一部の神経細胞は大人になってからも新生することがわかってきましたが、大部分の神経細胞は生まれ変わることはありません。そのため、慢性的な脳疲労は自然と脳の老化を招くことになります。
脳の急な老化を防ぎ、高齢になっても認知機能を保っておくには、毎日の生活=睡眠で脳疲労を溜めない工夫が必要だといえます。
また、脳を構成する神経細胞のエネルギー源は糖質です。脳の神経細胞がどれだけ糖質を取り込んでいるかは、脳のパフォーマンスのバロメーターといえます。
マウスを使った実験では、丸1日眠らせないでいると、脳で代謝される糖質は約60%まで低下し、5日間眠らせないでいると約40%にまで低下します。そして5日間眠らせないでおいても、1日の睡眠で糖代謝のレベルが元通りになることがわかっています。
健康でいれば、日頃あまり意識していませんが、睡眠は驚くような疲労回復効果、パフォーマンス向上の力を秘めています。

厚生労働省が行った調査では、睡眠があまりとれていない人とまったくとれていない人の合計は、男性 19.7%、女性 19.6%という結果が出ています。つまり、日本国民のほぼ5人に1人は、睡眠の質が悪いということ。ただし、睡眠の質が悪いことに気付いていない人もかなり多いと考えられるので、実際の数はさらに大きくなっているのではないでしょうか。

規則正しい食生活をとること、日中を活動的に過ごすこと、適度な運動習慣を持つことは、決まった時間に入眠・起床することを促します。また、良い睡眠につながります。良い睡眠が得られると、日中を活動的に過ごすことができ、良い睡眠につながるメリハリのある生活を送れるようになります。
 良い睡眠が健康な身体をつくり、健康的な生活を送ることで良い睡眠がとれるのです。
 入眠・起床時間のずれが起こると睡眠不足になるばかりでなく、日中の活動や食事の時間にも影響し、良い睡眠も健康的な生活も得られにくくなります。

体は「神経系」「内分泌系」「免疫系」のメカニズムの相互の働きによって、体内環境を一定のコンディションに保とうとするホメオシタシスという仕組みがあります。ストレスなどホメオスタシスを乱すような出来事があると、まずは神経系の自律神経が素早く反応します。

神経系は素早く反応できるのが良いところですが、何日間も続けることができないため、負荷が数日続くと自律神経失調症のような症状を起こします。そうなると次に対応をするのは内分泌系です。
疲れやストレスが長期化すると、脳からの指令で腎臓の隣にある副腎皮質という器官から「ステロイドホルモン」が分泌されます。このステロイドホルモンが、ホメオスタシスを守るために、外的刺激が多いと働いてくれます。
しかし、このステロイドホルモンは大量に分泌されると血管を老化させて動脈硬化のリスクを高めるなど、生活習慣病の引き金となってしまいます。また、このステロイドホルモンは、血糖値を下げるインスリンの効き目を悪くする「インスリン抵抗性」を引き起こし、高血糖や肥満をもたらします。
高血糖、肥満を放置していると、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすくなるのは、明白です。

記事一覧 > 健康経営 > 【健康経営と睡眠】睡眠の質は心身の健康や生産性に直結する
【健康経営と睡眠】睡眠の質は心身の健康や生産性に直結する

 
日本人は「睡眠するのが下手!?」―睡眠障害は国民病
「睡眠」の仕組みー「睡眠」で疲労回復・細胞の修復が行われている!
脳の疲労回復は睡眠がカギー仕事のパフォーマンスにも影響!
脳疲労は日々の睡眠でしか取り戻せない!
良質な睡眠をとらずに細胞の疲労を放置すると生活習慣病のリスクが高まる!
睡眠不足で脳が疲れ、メンタルヘルス不調につながる!
睡眠と健康経営―生産性指標「プレゼンティーズム」について
健康経営で従業員の「睡眠支援」が生産性ロスを防ぐことが可能!
「睡眠」と聞いて、思い浮かぶイメージはどのようなものでしょうか?
・身体を休める
・脳を休める
・食事、仕事と並び、生きていく上でなくてはならないもの 
など、基本的に「休める」といったイメージが並ぶと思います。

健康経営、働き方改革が叫ばれている現在、「睡眠の質を高める」ことが起床後の活動や心身の健康、生産性の向上につながると言われています。

日本人は「睡眠するのが下手!?」―睡眠障害は国民病
2002年にフランスの大手製薬会社が行った国際的な疫学調査によると、全体で不眠に悩んでいる人は約25%で日本では成人の5名に1名、約21%が不眠に悩み、うち約15%が日中に眠気を自覚しているという結果でした。

これを受けて、厚労省からも睡眠指針を策定しており、2014年に内容が改訂された「健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~」が発表されています。その8条には、「勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を」とあり、疲労回復には良質な睡眠が重要であることが訴えられています。

「睡眠」の仕組みー「睡眠」で疲労回復・細胞の修復が行われている!
睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。

ノンレム睡眠は「レム睡眠ではない眠り」という意味で、深さに応じて4つのステージがあります。このうち、脳を休めるのは、主にステージⅢとⅣの深いノンレム睡眠です。このステージⅢとⅣは、デルタ波という緩やかな波長の脳波が増えてくるため、「徐派睡眠」とも呼ばれていて、脳の疲労を回復させます。

眠りは浅いステージⅠのノンレム睡眠から始まり、1時間ほどでステージⅢとⅣのノンレム睡眠に至ります。この徐派睡眠のときに脳の疲労回復が進められると同時に、体の器官の新陳代謝を促なす「成長ホルモン」が分泌されます。

徐派睡眠から次第に眠りが浅くなり、2時間ほどでレム睡眠にスイッチします。レム睡眠では、脳が活発に働いているので、日中にインプットした記憶を整理し、学習を強化するなどをしています。

以後、ノンレム睡眠とレム睡眠は、4-5回ほど繰り返します。つまり、寝入ってから約3時間の間に深い眠り=ノンレム睡眠に達すれば、脳もカラダも休ませることができるため、朝起きた時に「ぐっすり寝た」という満足感を得ることができるのです。

また、睡眠中は日中に仕事や運動で大量に発生した「活性酸素」と「疲労因子FF(fighting factor)」をリカバーするために、「疲労回復因子(fighting recover factor)が増え、酸化・損傷された細胞の修復を始めます。

日中に激しく活動しても、寝付きの良い良質な睡眠がとれていれば、疲労因子FFによる酸化・損傷を回復させるに十分な疲労回復因子FRが分泌されるため、脳の疲労は回復します。

逆に、睡眠時間を削ったり、良質な睡眠がとれていないと、疲労因子FFによる酸化・損傷を完全にリカバーするだけの疲労回復因子FRが分泌されず、脳疲労が回復しにくくなるといえます。

「6時間寝てすっきりした」人もいれば、「10時間も寝たのに、疲れが取れない」という人は、「最初の寝付き」による差で、十分な疲労回復が追い付いていない、ということかもしれません。

脳の疲労回復は睡眠がカギー仕事のパフォーマンスにも影響!
前述したように、睡眠が全身の細胞の修復を行い、疲労を回復させてくれます。日中の仕事や運動による負荷で「疲れた」と感知するのは、「脳の自律神経の中枢である視床下部や前帯状回」です。

この脳の自律神経が十分に休めていないと、「脳疲労」が蓄積し、脳の回復がされずに「疲労感」として自覚します。

健康な人における疲労とは、日本疲労学会で「一般に運動や労力などの身体作業(運動)負荷あるいはデスクワークなどの精神作業負荷を連続して与えられたときにみられる、身体的あるいは精神的パフォーマンス(作業効率)の低下減少」と定義されています。

脳疲労は日々の睡眠でしか取り戻せない!
成人の脳を構成する神経細胞は細胞分裂を終えた細胞です。そのため、他の皮膚のような体の器官のように、細胞分裂で新陳代謝をして新たに生まれ変わることはないのです。

一部の神経細胞は大人になってからも新生することがわかってきましたが、大部分の神経細胞は生まれ変わることはありません。そのため、慢性的な脳疲労は自然と脳の老化を招くことになります。

脳の急な老化を防ぎ、高齢になっても認知機能を保っておくには、毎日の生活=睡眠で脳疲労を溜めない工夫が必要だといえます。

また、脳を構成する神経細胞のエネルギー源は糖質です。脳の神経細胞がどれだけ糖質を取り込んでいるかは、脳のパフォーマンスのバロメーターといえます。

マウスを使った実験では、丸1日眠らせないでいると、脳で代謝される糖質は約60%まで低下し、5日間眠らせないでいると約40%にまで低下します。そして5日間眠らせないでおいても、1日の睡眠で糖代謝のレベルが元通りになることがわかっています。

健康でいれば、日頃あまり意識していませんが、睡眠は驚くような疲労回復効果、パフォーマンス向上の力を秘めています。

良質な睡眠をとらずに細胞の疲労を放置すると生活習慣病のリスクが高まる!
体は「神経系」「内分泌系」「免疫系」のメカニズムの相互の働きによって、体内環境を一定のコンディションに保とうとするホメオシタシスという仕組みがあります。ストレスなどホメオスタシスを乱すような出来事があると、まずは神経系の自律神経が素早く反応します。

神経系は素早く反応できるのが良いところですが、何日間も続けることができないため、負荷が数日続くと自律神経失調症のような症状を起こします。そうなると次に対応をするのは内分泌系です。

疲れやストレスが長期化すると、脳からの指令で腎臓の隣にある副腎皮質という器官から「ステロイドホルモン」が分泌されます。このステロイドホルモンが、ホメオスタシスを守るために、外的刺激が多いと働いてくれます。

しかし、このステロイドホルモンは大量に分泌されると血管を老化させて動脈硬化のリスクを高めるなど、生活習慣病の引き金となってしまいます。また、このステロイドホルモンは、血糖値を下げるインスリンの効き目を悪くする「インスリン抵抗性」を引き起こし、高血糖や肥満をもたらします。

高血糖、肥満を放置していると、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすくなるのは、明白です。

睡眠不足で脳が疲れ、メンタルヘルス不調につながる!
国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループが、2013年2月に睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明しました。

研究結果として、睡眠不足時に、不快なネガティブな情動刺激(感情ストレス)を受けると、熟眠時よりも左扁桃体の活動が優位に亢進し、一方ポジティブな情動刺激(幸せ感情)に対する扁桃体の活動性は変化しなかったことから、睡眠不足時には、ネガティブな情動刺激に対してだけ反応しやすくなることが分かりました。

睡眠不足時にネガティブな情動刺激に対して扁桃体が過剰反応するのは、その活動を抑える働きをする前帯状皮質と扁桃体との機能的結合が減弱することに由来するとのこと。機能的結合が減弱するほど左扁桃体の活動が亢進し、不安と混乱が有意に強まり、抑うつが強まる傾向が観察されたとのことです。
要するに、睡眠が不足すると、脳の疲れが回復されず、蓄積していくので、メンタルヘルスの不調までも引き起こす、ということがより明白となった研究です。


睡眠不足は生活習慣病のリスクを高めます。毎日の睡眠時間が短く、慢性的な睡眠不足状態であると、意欲の低下や日中の眠気、抑うつ、注意力の低下、倦怠感などが起こり、作業効率の低下やミスにつながるばかりでなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも影響することが言われています3)。

 睡眠が不足すると食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減少し、食欲を高めるホルモン(グレリン)が強くなり食欲が増大します。睡眠時間が不規則になることで食事の時間が不規則となることや、日中の活動が低下し、運動不足となることで肥満のリスクが高くなります。

睡眠中は副交感神経が優位で、血圧や心拍数、呼吸数、体温が低下し代謝も低下します。 同時に、疲労回復を進め明日の活動のために心身を整えていくのです。 睡眠の時間や質が低下すると、交感神経優位の状態が長くなり、基本的な身体活動に不調を来します。
近年注目されている「睡眠」ですが、健康の要としてよく言われている「睡眠、食事、運動」の中でもストレスとの関係が深いものです。 食事や運動は自分の意志である程度コントロールができますが、「眠る」という行動はなかなか自分の思うようにならないものです。

ストレスと聞くと職場の人間関係、仕事の忙しさなどを思い浮かべることが多いと思いますが、「満足に眠れない」ことも大きなストレスとなります。 世界的にみても日本は睡眠不足な国です。厚生労働省の調査によると21.7%の人が「睡眠が十分にとれていない」と答えていて増加傾向にあります。では、十分な睡眠時間とは何時間なのかというと、これは年齢によっても違うし 個人差がありますが、だいたい6~8時間と言われています。そんな中、日本では1日の平均睡眠時間が6時間以下という人が約40%もいます。ある女性雑誌のアンケートではストレス解消法のトップ2が「食べる」「寝る」で、 それぞれ半数以上となっています。睡眠がストレスの原因にもなり解消法でもあるのです。では、ストレスが睡眠に与える影響とはどのようなものがあるでしょうか。

1、ストレスと自律神経
自律神経失調症という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは自律神経のバランスが乱れてしまい心身に様々な症状が出る状態をいいます。 自律神経には交感神経と副交感神経があり、意識しなくても勝手に24時間からだのあちこちで働き続けてくれています。交感神経が優位になるとある種の興奮状態となり眠気も覚め活動モードになります。副交感神経が優位になるとリラックス状態となり眠気が生じ休息モードになります。 つまり日中は交感神経が優位になり夕方から夜にかけて副交感神経が徐々に優位になってきます。このリズムがストレスによって乱されてしまうと、夜になっても交感神経が刺激されて優位になってしまいます。脳は興奮状態になり活動モードのままなので休息できなくなるのです。 たとえ眠れたとしても深い眠り(ノンレム睡眠)が十分でなく浅い眠り(レム睡眠)が多くなり、夜中に何度も目が覚める、睡眠時間は確保しているのに寝た気がしないという状態になります。

2、睡眠中に脳で行われていること
なぜ人は人生の3分の1も眠るのか?まだ謎は多い睡眠ですが、心身の健康に大きな影響を及ぼすことは知られています。睡眠は脳と体に休息を与えると言われていますが、脳は省エネモードにはなっていますが休んではいません。 外部情報が入ってこないように視覚も聴覚も遮断した中で、起きている間に入ってきた情報を整理し、分類しているのです。そして、自分に必要な情報だけ選択して記憶として保存し、不要なものや嫌なものは消去します。この整理・分類、保存・消去が行われるからこそ、 知識が固定したりストレスが取り除かれたりするのです。十分に眠れないということはこの作業がうまくいかないので知識の定着がうまくいかずミスを繰り返したり、嫌なことがいつまでも頭から離れず辛くなったりしてしまいます。不眠がうつ病の人に多く見られる症状であり、 不眠はうつ病を悪化させてしまうのはこういった背景があるからです。また、ノンレム睡眠中には、アルツハイマー型認知症の発生要因の1つであるアミロイドベータの除去も活発に行われています。脳の老廃物は起きている間の神経細胞が活発な時にたまります。起きている間も老廃物の除去は行われていますが、 ノンレム睡眠中には起きている間の倍量の除去が行われていると言われています。ほかにも入眠直後のノンレム睡眠中は代謝を促す成長ホルモンの分泌が際立って多くなることが知られています。成長ホルモンは女性ホルモンの分泌が減ってきた女性にとってはそれに代わる働きもするのでアンチエイジング効果もあり、ありがたいものです。 免疫も睡眠と深い関係にあり、インフルエンザのワクチン接種でも睡眠が乱れていると免疫の確立がうまくできないという報告もあるようなので睡眠を整えてワクチンの効果を十分に発揮できるようにしたいものです。

余談ですが「金縛り」も睡眠を妨げストレスとなります。霊の仕業だ等、怖い思いをする方もいるようですが、実は睡眠障害の1つで、入眠時にノンレム睡眠ではなくいきなりレム睡眠から入ると起こりやすくなる現象です。体は眠っているのに脳は起きている状態です。自分では起きているつもりですが現実感のある夢を見ているので現実と夢が混在して、 何かが見えたとか、触られたとか、聞こえた等感じてしまうようです。原因としては睡眠不足、不規則な生活や過労によるリズムの乱れ、ストレスが考えられます。解消するには「じっと待つ」のが基本ですが呼吸を整えて力を抜く、指や足先を少しでも動かして脳に体は起きていると認識させて覚醒するなどがあります。金縛りにあわなくするためにも生活リズムを整えて、 良い睡眠をとるように心がけましょう。

睡眠不足の蓄積が、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など、さまざまな疾病の発症リスクを高めることが、各方面の研究結果から明らかになってきております。しかし、単に睡眠時間が長ければ良いというわけでもないようです。
米国の大規模調査では睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿でした。短い睡眠が健康にとってリスクというのは理解できるかもしれませんが、8時間を超える睡眠時間の人は死亡リスクが上昇するという結果がでています。
これまで理想的な睡眠時間は8時間と言われましたが、学問的根拠はなかったのです。

実際に睡眠時間を調べた数々の論文をまとめたデータによると、夜間の睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。よく加齢によって昔ほど長時間眠れなくなったという悩みを聞きますが、実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安です。
また、高齢者では若い頃にくらべて早寝早起きになるようです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。
さらに、加齢とともに睡眠も浅くなるようです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。よく若いころの睡眠に比べてよく眠れなくなったということを経験するかもしれませんが、実は加齢に伴い体に必要な睡眠が変化してきているのです。


 不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害があると、交感神経の緊張による血管の収縮、酸化ストレスや炎症、血糖を上昇させるホルモンの過剰分泌、代謝異常、活動性の低下による運動不足などの生活習慣病を発症する要因が整います。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の発症につながり、心筋梗塞、脳血管疾患などの非常に重い疾患を引き起こす危険性が高まります(図1)。

   

不眠は認知機能の低下をきたし、抑うつなどのこころの不健康につながる事が示されています2)。不眠はこころの健康を損なうことにつながります。こころが不健康な状態であると、不眠や睡眠をとっても休養感が得られないこともあり、こころの健康と睡眠は深く関係しています。
睡眠時間と心血管疾患および他の原因による死亡率との間の男女別の関連性を調査したコホート研究によると、4時間以下の短時間および10時間以上の長時間の睡眠時間は、心血管疾患、非心血管疾患・非がん、および男女のすべての原因による死亡率の増加と関連しており、7時間の睡眠時間がもっとも死亡率が低いということがわかりました4)。

 睡眠時間が短い場合には睡眠不足となり、生活習慣病のリスクが高くなります。一方、不眠ではこころの健康が損なわれやすくなります。このように睡眠と健康は密接に関係しているので、高齢者でも自分自身の睡眠をもう一度見直すことが必要でしょう。

強力な抗酸化力を持つ「メラトニン」とは?
私たちが眠っている間には、睡眠ホルモンの「メラトニン」が働いています。
このメラトニンは、朝起きて光が目に入ってから14〜16時間後に脳深部の松果体から分泌され、心身をリラックスモードにすることで、自然な眠りを促す働きをしています。
このメラトニン、実は強い抗酸化力も持っているのです!
その効果はなんと、抗酸化ビタミンとされるビタミンCやビタミンEを上回るとも言われています。
実際に寝不足の状態が続くと、肌にハリがなく、疲れた印象をもたれた経験はありませんか? こうなるのはメラトニンの減少により、体の抗酸化力が弱まったためなのです。
抗酸化力が弱まったことにより、体内の細胞組織が活性酸素からのダメージを受けやすくなってしまい、老化を進めてしまうのです。

睡眠中に分泌されているもう1つの大事なホルモンが、「成長ホルモン」です。
子どもの成長に必要なものと思われがちですが、大人になっても分泌されており、疲労回復には欠かせないホルモン。
ですから、睡眠時間が短いと、疲れをためやすいといえるのです。
ダメージを受けた細胞の修復・再生・肌のターンオーバーの正常化を促し、アンチエイジングに一役買ってくれているのです。
この成長ホルモンは、これまで22時〜深夜2時に多く分泌されると言われてきました。
ところが、近年では、様々な研究によって22時〜深夜2時がゴールデンタイムという考え方は科学的に否定されているようです。
では、成長ホルモンはいつ分泌されるのでしょう。
それは、“その夜最初に訪れた深い眠りの時”です。
成長ホルモンはメラトニンによっても分泌が促されるので、メラトニンの分泌量が多くなる深夜1〜3時に深い眠りに入っている状態をつくりましょう。
そのためには、日付が変わる0時までには就寝し、7時間程度眠るのが理想的です。
睡眠が最強のアンチエイジングといえるのは、ダイエット効果も得られるため。
熟睡感が得られるような睡眠をとっていると食欲中枢が整い、正しい食生活ができるようになります。
さらに、体の代謝も良くなるため、痩せやすいのです。
痩せやすいカラダを手にいれるためには、しっかり眠ること。これがダイエットの鉄則です。

睡眠の質が悪くなる要因と、それが及ぼす影響は?
眠れていない人が多い中、睡眠の質が下がる理由はさまざま。大きく関係するのは生活習慣と寝室環境、ストレスの3つが原因と言われています。

生活習慣
生活習慣では光のコントロールが問題となります。たとえば、就寝前にスマートフォンを使用すること。画面から発せられるブルーライトは質のよい睡眠に不可欠なホルモンの“メラトニン”を減らし、見ているうちに眠気が弱まってきます。

寝室環境
温度と湿度、広さ、明るさ、音などが関わります。例えば暑すぎたり、寒すぎたりする部屋では快眠を得られにくくなります。また図書館なみの静けさである40デシベル以上の音があるのも、睡眠によくない影響を与えます。

ストレス
各種のハラスメントや長時間労働などのストレスも睡眠に影響します。通常、日中は交感神経が、眠るときは副交感神経が優位に働くようになっていますが、ストレスなどが原因で自律神経のバランスを崩してしまうと眠ろうと思っても交感神経が働き、不眠や睡眠の質を下げる原因となるのです。
睡眠の質が悪くなると、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や各種がんなどにかかりやすくなる上に、病気が進行しやすくもなると言われています。精神的にも記憶力や判断力、集中力などが低下し、気分が落ち込んでうつ病になるリスクも高まりやすく、早急に改善する必要があります。

質のよい睡眠を実現するために、今日からできること
起床するのは毎日、同じ時刻
目覚める時刻を一定にすることで、体内時計のリズムが整います。休日はゆっくり眠っていたくなりますが、平日の起床時間より2時間以上遅くなると、翌日の朝に起きるのが辛くなるので注意しましょう。

食事は1日3回、規則正しく食べるのが基本
朝食を摂ることで胃腸が働き、体内時計のリズムが整います。反対に、夜遅い時刻の食事は胃腸が休まらず、深部体温が高いままとなって睡眠の質が低下するので避けてください。
食事の量は3食ほぼ均等か、夕食を少なめにすることが推奨されています。夕食では刺激物やカフェイン、消化の悪いものは避けた方がよいでしょう。

グリシンを含む食品をとる
グリシンとは、エビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロといった魚介類に多く含まれます。体内に広く存在するアミノ酸で、脳の体内時計に作用して睡眠のリズムを調整すると言われる成分。睡眠に問題を抱えた人が就寝30分前に3gのグリシンを摂取したところ、朝はスッキリと目が覚め、日中の作業効率も向上したという研究結果も報告されています。

睡眠の環境を整える室温
理想的な寝室の温度は、16〜26℃を保つとよいでしょう。
夏、寝具を使う場合は室温26度が望ましく、室温28℃を超えると睡眠の質は低下します。一方、冬は16〜19℃が安定した睡眠を得られます。なお、湿度は50〜60%が理想的です。

明るさ
眠る1〜2時間前からは、やや暗めの白熱灯の下で過ごすと寝付きがよくなります。睡眠中は暗いほどよく、4ルクス以下が理想的。フットライトなら同程度の明るさのものがあるので、真っ暗な状態が不安な人におすすめです。なお、朝は2500ルクス以上の強い光を浴びると、スムーズに目覚められます。起床時刻の30分前から徐々に明るくしていくと、さらに効果的。寝室の照明がタイマー付きなら、ぜひお試しください。
環境を整え、規則正しい生活を送ることが質のよい睡眠には不可欠です。ボーッとして過ごすより、睡眠の質を高めることで、健康な身体や効率的にやるべきことを進められるようにしましょう。

実は日本人の睡眠時間は非常に短い傾向にあり、特に子どもや就労者の睡眠時間は「世界で最も短い」といわれているのをご存じでしょうか。
「寝不足でなんだかパフォーマンスが落ちている」と感じた経験は皆さんおありなのではないでしょうか。
睡眠不足が続くと眠気に悩まされるだけでなく、心身にさまざまな悪影響が及ぶ可能性があります。
ここでは、睡眠不足が心身に及ぼす悪影響についてご説明しましょう。



悪影響1 集中力・判断力・記憶力の低下
「寝不足のせいで、頭がぼーっとしている」と感じたことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
慢性的な睡眠不足は精神機能の低下を引き起こします。
脳が十分にはたらくことができず、集中力や判断力、記憶力の低下につながってしまうのです。
集中力や判断力の低下は思わぬミスや事故を招いてしまう可能性もあるため注意が必要です。
またそのほかにも意欲の低下が見られることもあります。
十分なパフォーマンスを発揮できるよう、しっかり眠っておきたいですね。

悪影響2 ストレスの増大
睡眠不足はストレスを増大させる可能性もあります。
ストレスをためることは心にも体にも大きな負担になってしまうため、十分な睡眠をとり、ストレスを増大させないことが重要です。
ストレスというと精神的な影響が思い浮かぶかもしれませんが、ストレスを受けると「コルチゾール」というホルモンが分泌され、免疫系、中枢神経系、代謝系など体のさまざまなところに影響を及ぼします。
またコルチゾールは長期にわたって分泌され過ぎると脳の一部を萎縮させることや、うつ病の方はコルチゾールの分泌量が多いことなどが分かっています。
心身のバランスを持ち崩してしまわないためにしっかりと睡眠をとり、日中受けたストレスを軽減するようにしましょう。

悪影響3 免疫力の低下
は免疫力を低下させるともいわれています。

一口メモ
免疫とは身体の外部から侵入した「抗原(細菌やウイルスなど)」に対し、免疫細胞などが「自分ではないもの」と認識して攻撃し、身体を守るシステムのことです。抗原の侵入があると、免疫システムはそれに対抗する「抗体」を作り、身体を守ろうとします。

睡眠中には免疫細胞が活発に活動するほか、傷付いた細胞を修復する成長ホルモンの分泌も行われます。
また睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、免疫機能を担う白血球のはたらきを低下させる要因になってしまいます。
実際、21〜55歳の健康な男女153人を対象とした調査では、睡眠時間が7時間未満の方は8時間以上の方に比べ2.94倍風邪をひきやすい傾向にあるという結果が出ています*1。
十分な睡眠をとっておくことが自分の体を守ることにもつながると考えられるのですね。

悪影響4 太りやすくなる
実は睡眠不足は、体重にも影響すると考えられています。

「寝不足だと、いつもよりおなかが空くような気がする……」
このように感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その現象も、睡眠不足に身体が影響を受けているために起こるものと考えられます。

睡眠不足の状態では食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、反対に食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が増えることが報告されているのです。

たった数日の寝不足で、自分でも気付かないうちに食行動に影響を受けている可能性があるのですね。

最近食欲が止まらなくて困っている、という方もぐっすり眠ることで悩みから解放されるかもしれませんよ。

悪影響5 生活習慣病にかかりやすくなる
慢性的な寝不足の状態にある方は、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などのさまざまな生活習慣病を発症しやすい傾向にあるといわれています。
十分な睡眠をとれていないと、さまざまなホルモン分泌や神経の機能の調節に支障を来し、血圧や血糖値などに影響を及ぼすと考えられているのです。
高血圧や高血糖が生活習慣病の原因となることは皆さんご存じですよね。
1980年にアメリカ・カリフォルニア大学のブレスロー教授が提唱した7つの健康習慣のなかにも、適度な睡眠をとることが含まれています。

  ブレスローの7つの健康習慣
    ① 喫煙をしない。
    ② 定期的に運動をする。
    ③ 飲酒は適量を守る
    ④ 1日7~8時間の睡眠をとる
    ⑤ 適正体重を維持する
    ⑥ 朝食を食べる
    ⑦ 過剰な間食を避ける

これは生活習慣と身体的な健康度の関係を調査した結果に基づいて提唱されたもので、これら7つの健康習慣を実践しているかが、その後の寿命に影響することが分かっているのです。
提唱されてから40年以上たちますが、今もこの「7つの健康習慣」は健康を保ち生活習慣病を予防するために重要だと考えられています。
十分な睡眠をとるとともに、他の健康習慣も身に付けていきたいですね。

十分な睡眠時間とは?
ご自分の睡眠時間が足りているかどうかは、日中の活動中に支障を来すような眠気を感じていないかどうかで判断できます。普段の生活を問題なく送れているようであれば、睡眠不足ではないと考えられます。
反対に昼間に強い眠気に襲われているという場合は睡眠が足りていないと考えられるため、睡眠時間を増やすように心掛けましょう。

質の高い睡眠とるためのポイント
①規則正しい生活を送る
快適な睡眠のためには、規則正しい生活を心掛けましょう。
体内時計は前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠のタイミングを決めたり睡眠に備えたりするはたらきをしています。
規則正しい生活を送ることは体内時計を整え、ぐっすり眠るためのコツだといえるのです。
日によってまちまちの時間に布団に入っているという方は、まずは決まった時間に布団に入ることから始めてみてくださいね。

②朝の光を浴びる
朝目が覚めたときには日光を浴びるようにしましょう。
地球の自転周期は24時間ですが、ヒトの体内時計はおよそ25時間*3であるとされています。
通常、地球の周期と体内時計の周期のずれはきちんと同調するようさまざまな要素によって日々修正されています。しかしこのずれを直せずにいると、理想的な時間に眠ったり、目を覚ましたりする良いでしょうか。ってしまうのです。
また時間に合わせて無理に起きても、眠気や頭痛、倦怠感、食欲不振などの症状が表れてしまいます。
体内時計の調節にはいくつかの要素が関わっていますが、最も強く影響するのは光だといわれています。
健康な成人を対象とした研究では、起床後太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、15〜16時間後に眠気がくることが示されています*4。
なお、日光だけでなく人工の光でも体内時計に影響を与えますが、通常室内の明るさは太陽光の10分の1以下で、曇りの日であっても屋外の5分の1以下*4です。
体内時計のずれを直すには太陽光が効果的だと考えられているので、あまり日の光を浴びる習慣がない、という方は朝目が覚めたとき、少しでも外に出て日光を浴びるようにしてくださいね。

③適度な運動をする
安眠のためには適度に体を動かすのも効果的です。
適度な運動を習慣的に行うことは入眠を促し、中途覚醒を減らすことにもつながるといわれています。
眠気は脳の温度が下がるときにやってくるため、運動で一度脳を温めてあげることで脳の温度の低下量が大きくなり、ぐっすり眠れると考えられるのです。
ただし一度運動すれば良いというものではなく、習慣的に続けることが重要です。
快眠に特に良いといわれているのは夕方から夜(就寝の3時間ほど前)の運動*5です。
激しい運動はかえって睡眠の妨げになってしまうため、負担が少なく長く続けられるような早足での散歩や軽いランニングなどを行いましょう。
また日中の適度な運動は眠りと覚醒のリズムにメリハリを付ける効果があり、熟睡につながると考えられています。
運動不足が続いている、という方は特に、体を動かす習慣を身に付けることを心掛けてくださいね。

④お風呂に浸かる
お風呂につかり、体を温めてあげることも快眠のコツの一つです。
運動と同様、一時的に体温を上げることでその後の下がり幅が大きくなり、ぐっすりと眠れる効果が期待できるのです。
就寝直前のお風呂は寝付きを悪くしてしまう可能性があるため、お風呂に入るのは就寝の2〜3時間前が適切*6だと考えられます。
また体温を大きく上げることは体に負担をかけてしまうため、あまり熱いお湯に長くつからないこともポイントです。
42度の熱めのお湯ならば5分程度、38度のぬるめのお湯ならば30分程度*6の入浴が良いでしょう。
また腹部までしかつからない半身浴も寝付きを良くする効果があると考えられますよ。
半身浴の場合、約40度のお湯で30分ほど、汗をかく程度につかる*6のがおすすめです。
ご自分の好みやその日の体調に合わせて入浴方法を選ぶようにしてくださいね。

⑤就寝前はカフェインを控える
睡眠不足のために日中眠気に襲われてしまい、カフェインに頼って過ごしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コーヒーやエナジードリンクに含まれているカフェインに覚醒作用があることは皆さんご存じですよね。
仕事や勉強、作業の合間にはぴったりかもしれませんが、夜眠る前にカフェインを摂るのは避けた方が良いと考えられます。敏感な方は就寝の5〜6時間前からカフェインを含むものを飲んだり食べたりしない*7ようにしましょう。
カフェインは緑茶や紅茶、チョコレートなどにも含まれているため注意してくださいね。

⑥就寝前はブルーライトを避ける
ついつい寝る直前までスマホを触ってしまっているという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

夜眠る前はブルーライトを避けるのも快眠のためには重要だと考えられます。

ブルーライトとは
スマートフォンやパソコン、テレビ、ゲーム機などのデジタル機器の画面から発せられる青色光のことです。人間の目で見える光を可視光線と呼び、可視光線より波長が短くなると紫外線、長くなると赤外線と呼びます。

ブルーライトは紫外線に近く、人間の目で見える光のなかでは最も波長が短く強いエネルギーを発しています。
夜間や寝る直前にブルーライトを浴びると、体内時計を調節したり眠気を催したりするはたらきを持つ「メラトニン」というホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
メラトニンの分泌が抑制されると脳が昼間だと勘違いしてしまい、体内時計が後ろにずれてなかなか眠れず、朝起きるのがつらくなってしまいます。
布団に入る直前はデジタル機器の画面を見ないよう注意しましょう。
またスマホの機種によってはブルーライトを調節する機能がついているものもあるのでお持ちの方は活用してくださいね。

⑦就寝直前の食事を避ける
夜眠る直前の食事を避けることも快適な眠りのためには重要だと考えられます。
就寝直前に物を食べると、消化活動によって睡眠を妨げられてしまいます。
またマウスを使った実験では、普段眠っている時間に食事を与えることを1週間続けると、食事の時間に合わせて大脳皮質や肝臓にある体内時計の機能がずれてしまうことが分かっています*8。
食事の時間も体内時計を調節する要素の一つだと考えられるため、できるだけ規則正しく食事を摂ることも心掛けておきましょう。

⑧就寝直前のお酒やタバコを控える
眠れないからと夜遅い時間にお酒を飲んでしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アルコールには寝付きを良くする反面、明け方の睡眠を妨げる作用があります。
お酒に頼って眠りに就いても明け方に目が覚めてしまう可能性があるため、避けるのが良いでしょう。
またたばこを吸っている方は、就寝前の喫煙は避けるようにしましょう。
たばこに含まれているニコチンが体への刺激となり、快眠の妨げになってしまうと考えられます。

睡眠と生活習慣病の関係
睡眠の質が良くないと、生活習慣病にかかるリスクが高まり、なおかつ健康状態を悪化させていくことはご存知ですか?

現代人は睡眠時間が減り、慢性的な睡眠不足に陥っています。
また寝不足になると食欲が増えることが明らかになっており、長年この傾向が続くと糖尿病や脂質異常症などにつながります。

このように睡眠の質は食事の仕方にも影響を及ぼし、睡眠不足の方は知らず知らずのうちに悪循環に入ってしまいがち。
生活習慣病から脱却したい方は、ぜひ睡眠についての正しい知識を得ることで、効果的に生活改善をしましょう。

睡眠不足のリスク要因
睡眠が足りないと、以下の病気につながることもあります。

肥満
糖尿病
高血圧
肥満
睡眠が不足すると、食欲を増幅するホルモンである「グレリン」が増加します。
グレリンとは胃から分泌される食欲ホルモンで、必要以上に高まると、食べ過ぎを招くことになりがちです。
肥満が進むと、運動を面倒だと思うことも増え、悪循環に入っていきます。

糖尿病
体は糖の代謝を調節することで、血糖値を一定に保っています。この時働いているのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモン。
睡眠不足が続くと、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなります。
この結果、糖尿病が進行します。

高血圧
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。交感神経は日中(主に緊張状態の時)に優位になり、副交感神経は夜(主にリラックス状態の時)に優位になります。
血圧は交感神経の働きに伴って高くなるため、睡眠不足だと一日を通して血圧が高い状態になりがち。
結果として、睡眠不足が高血圧の状態を作ってしまいます。

人は、人生の約3分の1の時間を睡眠に費やしています。
睡眠は身体および脳の疲労回復を助けてくれるだけでなく、免疫力を高めたり、健やかな心身を維持したりするために必要不可欠な活動です。

しかし、現代の日本では仕事の忙しさやストレスなどが原因で、多くの人が睡眠不足や不眠に陥っています。日本人の5人に1人は睡眠に問題を抱えているという調査報告もあるほどです。

睡眠で悩んでいる方におすすめの習慣として「毎日ヨーグルトを食べること」をあげているのが、睡眠・呼吸メディカルケアクリニック「RESM(リズム)新横浜」の院長である白濱龍太郎先生。
ここでは質の高い睡眠をとる力を「睡眠力」と定義し、睡眠の重要性と、なぜヨーグルトを食べることが「睡眠力」を高めることにつながるのかを伺いました。

睡眠不足は生活習慣病のリスクを招く
睡眠不足は高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクがあります。
睡眠と血圧には深い関係があり、そこには自律神経が大きく関わっています。自律神経とは、以下の2種類です。

 交感神経…日中や活動している最中に活発になる神経
 副交感神経…リラックスしているときや睡眠中などに優位になる神経
健康な人の場合、交感神経が活発になる日中に血圧が高くなり、副交感神経が優位になる夕方以降は血圧が低くなります。
しかし、なんからの理由で睡眠不足が続くと、夜になっても交感神経が働いたままになります。その結果、睡眠中に休息するはずの血管が休みなく働き続けることになり、深夜になっても血圧が下がらず、慢性的な高血圧を引き起こす可能性があるのです。
血圧が高い状態が続くと、動脈が硬くなったりもろくなったりする「動脈硬化」が起こりやすくなります。さらに、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞、脳出血といった心臓や脳の病気を発症させるリスクもあります。
また、近年の研究では、睡眠不足によってインスリンの分泌量が減り、糖尿病が引き起こされるという結果が数多く報告されています。
このように、睡眠不足は私たちの健康を脅かし、大きな病気にかかりやすくなるリスクを招くのです。
睡眠は免疫力を高める
体の修復や再生機能、免疫力を高めてくれる成長ホルモンの分泌は、夜、寝ている間にもっとも盛んに行われます。
そのため、睡眠不足になると免疫力が下がり、ウイルスや細菌への抵抗力が落ちてしまいます。「睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上寝ている人に比べて約3倍(2.94倍)も風邪をひきやすい」というアメリカの研究もあるほどです。

また、よい睡眠はがんの予防にもつながります。実は健康な人であっても、毎日多くのがん細胞が生まれています。しかし、免疫力が高ければ、血液の成分のなかにある多くの免疫細胞ががん細胞を撃退してくれます。また、休息時に働く「副交感神経」が優位になっているときに免疫細胞はもっとも活性化するため、副交感神経が優位になる睡眠中は免疫細胞が活性化する時間ともいえます。
感染症や病気を予防するためにも、毎日しっかりと質のよい睡眠をとり、免疫力を高めることが大切です。

  

本来人間の体は自然にこの生体リズムを保っています。しかし、睡眠に問題がある人は体温のリズムが崩れている可能性が高く、深部体温の高低差が自然とつかない場合が多いです。だからこそ、意識的に深部体温を上げる必要があります。

深部体温を上げる方法としておすすめなのが、夕方に肩甲骨まわりをストレッチすることです。肩甲骨周りには深部体温を上げてくれる褐色脂肪細胞が多く存在するため、この部分をストレッチして刺激することで、効率的に深部体温を上げることができます。肩甲骨のストレッチはオフィスで座りながらでもできますので、5分程度のストレッチをぜひ習慣化してみてください。

 夕食に辛いものを食べる
体温のコントロールには、食事も大切です。
体温を下げて眠気を誘いたいなら、夕食にあえて唐辛子やキムチといったカプサイシンを含む食べ物を摂るのがおすすめです。カプサイシンを含む食材を摂取すると、体温が上がり、その後体温が一気に下がるので心地よい眠気を誘います。

ヨーグルトが「睡眠力」を高める理由
上記でご紹介した方法のほか、「毎日ヨーグルトを食べること」も睡眠力を高める方法のひとつです。ここでは、ヨーグルトがなぜ睡眠力を高めるのか、その理由をご説明します。

睡眠ホルモンの分泌を促す
質のよい睡眠には、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」が必要不可欠です。しかし、メラトニンは年齢とともに分泌量が減っていくうえ、ブルーライトの影響でメラトニンがますます分泌されにくくなっている人が増えています。メラトニンの分泌を促すには、腸内環境を整えることが重要です。メラトニンの材料となる「セロトニン」というホルモンの95%は腸でつくられています。腸内環境を整えることでメラトニンの生成量が増えると、睡眠力が上がる効果も期待できます。

腸内環境を整える手軽な方法としておすすめしたいのが、ヨーグルトの摂取です。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌といった「善玉菌」が多く含まれており、ヨーグルトを食べるだけで腸内の善玉菌を増やすことができるからです。また、ヨーグルトに含まれる「トリプトファン」という成分は、摂取してから15〜16時間、メラトニンに変化します。そのため、夜の22〜23時に寝たいなら、朝の7時頃にヨーグルトを食べるのがおすすめです。

ヨーグルトと一緒に食べると睡眠力のアップが期待できる食べ物
ヨーグルトと一緒に食べると睡眠力のアップが期待できる食べ物として、リラックスをもたらす成分として知られる「GABA」を含む食品があげられます。
GABAとはアミノ酸の一種で、チョコレートやトマト、納豆、じゃがいもなどに多く含まれます。ヨーグルトとの相性を考えるなら、果物のなかでGABAの含有量が最も多いメロンがおすすめです。
また、ヨーグルトに含まれるトリプトファンは、バナナやキウイ、チェリーといった果物にも含まれるため、朝ヨーグルトと一緒に食べることをおすすめします。

睡眠は体内時計が密接に関係し、睡眠、覚醒のリズムがつくられています。睡眠のメカニズムについて解説していきます。

睡眠の仕組み、メカニズムについて
 睡眠はどのような仕組みによって起こっているのでしょうか。睡眠のシステム、睡眠に密接に関係する体内時計、睡眠を構成するノンレム睡眠とレム睡眠についてみていきましょう。

睡眠欲求と覚醒力
 睡眠は睡眠欲求と覚醒力との二つのシステムによって行われています。ヒトは覚醒中、活動を続けていると脳に疲労(熱)が溜まっていきます。脳に溜まった熱を冷やすためには睡眠が必要で、覚醒時間が長くなるほど、睡眠欲求は強くなります。眠ると睡眠欲求は減少していき、必要な時間眠ると睡眠欲求はなくなります。

 覚醒時間が長くなるにつれて睡眠欲求は増していくので、睡眠欲求だけでは昼過ぎには起きていられなくなります。そうならないように、睡眠欲求に打ち勝って、日中起きて活動できるようにしているのは覚醒力です。覚醒力は体内時計から起こっており、起床後からだんだんと強くなって、普段就寝する時刻の数時間前に最も強くなります。就寝時刻の1~2時間前になると睡眠と覚醒のリズムの調整に深く関わるメラトニンが分泌され、就寝時刻付近に急に眠気を感じるようになります(図1)。

  

体内時計と睡眠
 脳の視交叉上核に存在する体内時計によって、体温やホルモン分泌などの生体機能が24時間の周期のリズムで動き、睡眠と覚醒の調節をしています(図2)。

  

 脳の温度は、日中活動中は高くなっていますが、夜になると身体から熱が放散されて脳の温度は低下します。夜、寝る前の時間帯には急激に脳が冷えて眠気が強くなります。同じころに睡眠を促すメラトニンが分泌され、入眠を促します。他にもいろいろな生体機能が深い睡眠のために作用します。

 朝方になると、脳の温度が上昇し、覚醒作用のある副腎皮質ホルモンが分泌されて自然な目覚めのための準備がされます。概日リズムによって睡眠と覚醒のリズムはもたらされており、体内時計のズレを起こさないことが質の高い睡眠を得ることにつながります。

 メラトニンは明るい光を浴びると分泌されないので、夜は部屋を暗くして休み、メラトニンの分泌を妨げないようにしましょう。そして、1日24時間の外界の周期よりも少し長い時間である体内時計の周期を、朝の光を浴びてリセットすることが睡眠、覚醒のリズムを保つために大切です。

ノンレム睡眠とレム睡眠
 夜寝ている間、脳はずっと休んでいるわけではなく、脳活動は変化し続けています。睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠の二つの睡眠で構成されています。

ノンレム睡眠
 ノンレム睡眠とは普通の眠りで、ほとんど眼球運動がみられません。ノンレム睡眠は睡眠の深さでN1、N2、N3の3段階に分かれており、一般的にはN1とN2は浅い眠り、N3は深い眠りに分類されています。睡眠の前半に、ノンレム睡眠の深い眠りであるN3の多くが出現します。睡眠欲求が低下する朝方には浅い眠りであるノンレム睡眠のN1とN2が多くなります2)。

 ノンレム睡眠では脳活動が休まり、交感神経の活動も休息して心拍数や呼吸数、血圧が低下します。

レム睡眠
 レム睡眠は浅い眠りで眼球が良く動き、脳も活動している状態です。脳波を見ると覚醒しているときに近い状態となっています。レム睡眠はノンレム睡眠の間に約90分の周期で繰り返し現れ1)、朝方に近づくにつれて一回ごとのレム睡眠の時間が長くなっていきます。

 レム睡眠では脳はある程度活動していますが、筋肉の活動が低下します。脳は比較的起きているのに身体が動かないと感じる金縛りはレム睡眠時に起こります。夢を見るのもレム睡眠時が多く、記憶回路が成長、活発化しています。交感神経の活動は休まるどころか亢進しており、目が覚めて夢で見た内容にドキドキすることがあるのは、レム睡眠時の交感神経の活動が活発になっているからです。

ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクル
 ノンレム睡眠は、睡眠のサイクルの前半で集中して脳を休養させる睡眠です。一方、レム睡眠は、筋肉が弛緩し、身体を休める睡眠です。起床の時間に近づくにつれてレム睡眠の一回の時間が長く出現し、脳が働いて夢をみることや、血圧や脈拍の変動などの身体の働きもみられ、覚醒するための準備をしている睡眠とも言われています。ノンレム睡眠とレム睡眠で構成されたサイクルは一晩の睡眠で3~5周期繰り返されます。

体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

朝、光を浴びると、脳にある体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、体内時計からの信号で、メラトニンの分泌が止まります。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

このメラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれるために、病気の予防や老化防止にさまざまな効果を持つと考えられており、注目されているホルモンのひとつです。

夜間に多く分泌されるメラトニン
メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。夜中に強い照明の中にいると体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が抑えられます。これが睡眠覚醒リズムが乱れる原因となります。

加齢と共に現象するメラトニン
メラトニンは、年齢を重ねるとともに分泌量が減ることが明らかになっています。年をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減ってくるのは、加齢により体内時計の調節機能が弱まっているためと考えられています。

体内時計のい乱れが起こると、人は脳にある体内時計の指令におって、昼間は覚醒し、夜は眠りにつくというリズムを繰り返しており、これを睡眠覚醒リズムと呼びます。

  

24時間型と言われる現代社会においては、夜更かしや暴飲暴食、運動不足、シフトワークなどで生活習慣を乱しやすく、体内時計を乱しやすい環境にあるといえます。体内時計の乱れが続くと、睡眠覚醒リズムが乱れて不眠が引き起こされます。

  

体内時計を整える12ヵ状

  

人のカラダには体内時計があり、
夜になるとカラダと心を昼の活動の状態から夜の休息の状態に切り替えて、
自然な眠りへ導くようリズムを刻んでいます。
しかし、乱れた生活習慣により、このリズムも乱れてしまいます。
よりよい眠りのためには生活習慣を整え、カラダが正常なリズムを刻むようにすることが大切です。

 

 

 



2022年元旦 みなさま明けましおめでとうございます。
   みなさまの初詣のお天気はいかがでしたか。新年のご来光観れましたか。

2021年度は健康管理進みましたか?
定年後の健康管理の大切な行事の一つです。健康余生を望むなら是非に生活習慣にチャレンジして少しでも健康で長寿を全うしてください。

2022年の干支は壬寅(みずのえとら) 「寅」は動くの意味で、春が来て草木が生ずる状態を表しています。 また、2022年は五黄の寅年とも言われます。
干支というとすぐに思い浮かぶのが、「子、丑、寅…」で始まる動物のことではないでしょうか。すべて並べるとこのような順番になります。
子(ね・ねずみ)丑(うし)寅(とら)卯(う・うさぎ)辰(たつ・りゅう)巳(み・へび)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い・いのしし)

全部で12種類あり、十二支(じゅうにし)と呼ばれています。この順番を決めるために神さまが動物たちに競争をさせたという物語も残っていますが、もともとは動物ではなく、紀元前の中国で日付を表すために使われていた語で、後に年月や時刻、方角を示すためにも用いられるようになりました。
2021年は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行があり、当たり前だと思っていたことが当たり前ではないということに気づかされ、日常のありがたさというものを痛感した一年だったと感じています。皆さんはいかがでしょうか。 
私たちは、一年の計を重んじる傾向にあります。
新しい年がはじまりました。あわただしく年末には過ぎ去って行った時間も、年が明けると、何となくゆったりとした流れに変わった様に感じます。新年を迎えて、この一年、自分が過ごす時間が待ち受けていることを意識できる機会を、お正月は私たちに与えてくれます。

  
  
我が家も花火で新年を迎えます。対岸の浜辺では一斉に花火で新年始まりです。

元日は一年の基準となるため、昔の人はこの日に縁起の悪いことをしないよう気を配ってきました。
さらに、お正月ぐらいは「かまどの神様」に休んでいただこうと、平安時代の貴族は火を使う料理も一切しなかったという。大晦日におせちを作るのは、お正月に料理ができないからです。時代が過ぎても、縁起を大切にする商人たちを中心に、このルールは守りつづけられてきました。
しかしそれなら、雑煮はどうするのかと疑問に思う方も・・・。雑煮はそもそも、一年の初めに訪問した歳神様をおもてなしするために供えられた餅や里芋、大根などを、おさがりとして料理したのが始まりだと言われています。神様がゆっくり召しあがる時間がなくなってしまうから、こればかりは大晦日中に調理するわけにはいかない。そこで、雑煮を作るときだけは、刃物も火も使っても良いと考える地域が多いようです。

また、おせち料理は「腰が曲がるまで長生きするように」と海老を入れたり、「まめまめしく働けるように」と豆を入れたりする、いわば縁起物料理の詰まったものだが、入れてはいけないものはないのだろうか?
結論から言えば、豚や牛などの肉はお正月には食べてはいけないとするのが、奈良時代以降のならわしだとか。現代では、肉の入っていない料理を見つける方が難しいし、肉食に対する考え方も変わっているので考えすぎる必要はありません。また、「四本足で歩く動物」をタブーにしていたので、鶏肉は問題ないようです。


お正月に料理を食べるときは、両端が細くなった「祝い箸」を使いますが、これは一方で人が食べ、他方で神様が食べるため。お正月中は祝い箸を洗ってはいけないとする地域もあるようです。大晦日に箸袋に名前を書いて神棚に供えておき、食べ終わった箸は箸袋に入れるようにすれば他人の箸を間違って使う心配はないから、洗わなくても大丈夫というのです。

しかし、自分の箸でも洗わないのはためらわれる人もあるでしょう。昔は暖房が発達していなかったのでお正月は寒いものと決まっており、細菌も繁殖しづらかったことでしょうが、現代では暖房器具もあり、昔とは状況が違います。そこで箸を綺麗に洗ったあと箸袋にしまい、お正月中はそれを使うようにルール変更をしている家庭も多いようです。

お正月は喧嘩をしてはいけないとされています。和を尊ぶ日本では、争いごとは禍を呼び込むと考えられてきました。そのため、正月から喧嘩をすると、一年を通して災難にみまわれてしまうと考えがあるようです。お正月ぐらいはニコニコと過ごしたいものです。 また、お正月に買い物をすると、その後一年間はお金が出ていくばかりになるとも言われてきました。神様へのお賽銭はかまわないが、お店で何かを買ってはいけないのだという。ほんの30年ほど前までは、お正月に開いているお店はほとんどなかったから、このタブーを犯す可能性は低かったのでしょうが、現代では「初売り」として元旦からセールをしている店も少なくないから、家を出ればこれを守るのはなかなか難しそうです。古くからの言い伝えを尊重しようとしたら、お正月ぐらいは家でのんびりしておいた方が良いのかもしれません。


今でこそ一年の福徳を司る吉神さまがいる方角の神社をお参りする恵方参りや、遠方への初詣が盛んに行われるようになりましたが、かつてお正月は年神(祖霊)と歳徳神を迎えるため、みな家にこもり、静かに過ごすものだったそうです。 お盆同様、お正月にもご先祖様が帰ってくると信じられていたのですね。 現在のにぎやかな初詣の様子からは想像もつきませんが、2022年は昔に立ち返ってお籠りをしながら新年をお祝いしませんか? 
各神社でも三が日にこだわらず1月いっぱい、また神社によっては2月の節分までの「分散参拝」を呼び掛け、境内での滞在時間を短くするため、破魔矢などの縁起物は前倒しして販売しています。 また、年内に「幸先よく新年を迎えられますように」という願いを込めて参拝を前倒しする「幸先詣(さいさきもうで)」の試みも始まっています。 2022年はこれまでにない特別なお正月といえるかもしれません。 
神さまによきに計らっていただけるよう、三が日にこだわらず、密を避け初詣へ……。


私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様…。

今回、紹介するキビツヒコは、桃太郎のモデルとなったといわれ、天皇直系の神様です。再起を図るのにいい神様で、延命長寿のご利益があるのです。
日本人なら誰もが知る桃太郎。鬼退治をした桃太郎のモデルとなったのがキビツヒコ(吉備津彦)です。281歳まで生きたとされる延命長寿の神様で、第7代・孝霊(こうれい)天皇の皇子でした。四道将軍と呼ばれる4人の将軍のひとりとして、兵庫県南部から山口県までを征服したとされます。その際、部下3人と悪党を退治した逸話があるのだとか。

 キビツヒコを祭る神社は、岡山市の吉備津神社と吉備津彦神社が代表です。こちらに参拝した知人の経営者は事業の調子が回復しました。再起を図るのに良い神社ですね。
 キビツヒコを祖神とする吉備氏は、古代日本で葛城氏の次に強力な氏族。4世紀から5世紀初め、ヤマト王権に対抗するほど強大な勢力があり、吉備政権とも吉備王国とも呼ばれるほどでした。キビツヒコは「山陽地方最強の神様」なのです。

 日本最大の前方後円墳で有名な第16代・仁徳(にんとく)天皇は岡山を訪れたとき、キビツヒコの業績を称えて吉備津神社を創建しました。将軍から神に昇格(?)したわけですね。この吉備津神社の拝殿・本殿は、国宝指定される独自の建築様式で、室町幕府の第3代将軍・足利義満により、約25年かけて建設されました。

 個人的に印象に残っているのは、鳴釜神事(なるかましんじ)で、米を炊く御釜の鳴り具合によって吉凶・禍福を占う謎の神事ですが、その神事を執り行う建物から、霊気ともいうべき独特の雰囲気が漂っていました。ただの謎行事ではなく、災いを減らし、福を増やす、「何かいいことがある」ご神事でしょう。今、その人に必要なことが起きます。気づくこともあれば気づかないこともある。何かが変化した印象を受けるでしょう。

 岡山の伝承では、鬼とは異国から到来した温羅(うら、おんら)なる鬼王で、温羅の首は吉備津神社に、体は吉備津神社の丑寅の方角=東北=鬼門に位置する艮御崎(うしとらおんざき)神社にあるとか。鬼は災い全般のこと。鬼封じをしたい方は、ぜひご参拝ください。

  
  

京都のお雑煮の特徴は何と言っても白みそです。
かつおだしと白みそのマイルドで品のある甘みと繊細で優雅な味わいがたまらないです。
京都のお雑煮って、歴史深き京都らしく、お雑煮にも数々のしきたりや伝統があるんです。お餅や野菜の切り方にも理由があったように、お雑煮を作るためや食べるためのしきたりもあるんです。
まずは、お雑煮を作る時。
八坂神社で焚かれた神火の『をけら火』持ち帰って、その火でかまどを焚き一年の無病息災を祈願するそうとおふくろさんが教えてくれました。

我が家では、
フィリピン移住してから20年、お正月のお雑煮は「京都風」の白味噌に赤いニンジンと大根に丸い御餅で頂いています。マリンドゥケにあるのは、ニンジンと大根だけです。出汁の素や白味噌、御餅はマニラの日本食材店で買い求めます。買うといっても片道マリンドゥケ島から約10時間以上は掛かる行程です。確かにもっとマニラの近くに終の棲家を構えればよいのですが、自然を考慮した環境、南国のコバルトの海に浜辺になびくヤシの木の印象が大好きな私です。窓から海が眺められる終の棲家と寒さ嫌いの私には年中常夏の環境が望みでした。
温暖な南国の気候は、最高にうれしい環境下にあります。
20年間軽装の衣装で過ごせます。
半そでや襟なしのポロシャツ、半パン、下着の三点セットです。足物は年中サンダル、靴下も20年間履いたことありません。
つまり、衣装代は最低の価額で済まされる利点があります。高齢期は本来薄着が一番です。防寒具は一切不要な生活は快適でです。室内から戸外に戸外から室内に、部屋の移動の気温差も体にはうれしい環境です。
健康習慣に欠かせないのが、朝日の日光浴です。日々の天候転移に左右せずに毎日海辺で日光浴を楽しんでいます。

そして、
確かに老いて欠かせないのが日本食です。そしてその中でも欠かせないのが鍋物料理です。一度に多くのファイトケミカル成分が取れる食べ物は健康上重宝しています。常夏の国で鍋物、熱くて食べられないイメージがあるでしょうが、以外に鍋を家族で囲んで食べられるのです。汗ダクで食べられないイメージは全くありません。きっと気化熱の作用でしょうか、比較的快適に美味しくいただけ、その上一度に多くの杭酸化作用のある成分が接種でき、81歳になる私の健康を支えています。

 さらに、お雑煮を食べる時。
4日鏡開きでは、白みそ仕立てではなく、すまし仕立てのお雑煮に壬生菜(水菜の仲間)を入れて食べるときに、「名を上げる」といって壬生菜をお箸で持ち上げ、「名を残す」といってわざとそれを残したりするそうです。
お雑煮さえもしきたりや伝統を色濃く残しているところも京都らしいですね。
京都府で正月に食べられる雑煮は、丸餅と頭芋(かしらいも:里芋の親芋のこと)、大根、そしてブランド京野菜の「金時人参」を入れることもある「白味噌仕立ての雑煮」です。
 丸餅は円満と長寿を願い、頭芋は子孫繁栄・立身出世、大根は、丸く切れば円満を意味し、亀甲型に切れば長寿を意味すそうです。

白味噌とは、見た目の色が淡いクリーム色をしたお味噌のことを言います。大豆に対する塩分量を少なく麹歩合を多くすることで作られる、甘い味わいのお味噌です。また、製造時に大豆の浸水時間を短くして蒸さずに煮ることで、褐色に変化するメイラード反応を抑えるような製法をとっているため、見た目の色が白くなっています。
白味噌は米麹を使って作られる米味噌の種類の一つです。
米味噌は味の違いによって甘味噌・甘口味噌・辛口味噌に分けられ、甘味噌の中でも色の違いによって白味噌・赤味噌に分けられます。
白味噌の原材料はほかのお味噌と一緒で大豆と米麹・塩となっています。他の種類のお味噌と違うのは、白味噌の場合大豆に対する塩分量は5から7%程度と少なく、麹歩合は15~30と多めになっています。塩分を抑えて麹を多くすることで甘口のお味噌に仕上がっています。
白味噌のカロリーは、100g当たり217Kcalといわれています。
また、味噌には脂質・炭水化物・たんぱく質・ビタミンB6・B12・C・D・鉄・カルシウム・マグネシウムが豊富に含まれています。このほか、白味噌にはGABAや乳酸菌が豊富に含まれています。

味噌には「脂質・炭水化物・たんぱく質・ビタミンB6・B12・C・D」
          「鉄・カルシウム・マグネシウム」が含まれています。
さらに、白味噌にはGABAや乳酸菌が特に豊富に含まれています。
赤味噌に比べて、白味噌には麹量が2倍含まれているので「GABA」の量もグンと高くなります。
この天然のアミノ酸GABAには、脳の興奮を抑える神経伝達物質です。
「イライラ・ストレス」の軽減やリラックス効果や、良質な安眠作用が期待できます。
さらに、脳の興奮状態によって起こる過食を抑えることもできます。


白味噌の強みは整腸作用、アレルギー症状の改善にも。
白味噌は製造する過程で乳酸菌が増殖します。乳酸菌は私たちの体内にはすでに存在している「善玉菌」がいてお腹の調子を整える働きをしています。日本人は昔から雑穀などの食物繊維を多くとっていたので欧米人より腸が長くなっています。だから整腸作用のある食品は日本人にとってはなくてはならない食品なのです。
またヨーグルトやチーズなどの乳酸菌は動物性、味噌や納豆などは植物性乳酸菌です。
植物性乳酸菌は動物性のものより整腸作用が高くアレルギー反応を抑える働きをもっています。
またスプーン一杯の白味噌にはヨーグルト100gと同じ分量の乳酸菌が含まれ、同じ発酵食品の中でも植物性乳酸菌を多く含んでいるのが白味噌です。
白味噌は安眠、ストレス軽減、空腹を抑える効果があります。(GABAの効力)
白味噌の有効成分で最も特徴的なのは赤味噌にはない豊富なGABAです。
ギャバは脳の興奮を抑える神経伝達物質で脳や体を落ち着かせる夜にはぴったりの栄養です。
ギャバの働きで「快眠」がもたらせれ「空腹」という脳の興奮が抑えられ夕食の量を減らしたい方にはぴったりのものといえるでしょう。
脳の伝達物質は興奮系と抑制系で成り立ちます。ですからギャバが枯渇すると脳が興奮し、空腹、不眠、イライラが増してきます。

大晦日、9時に年越し…ニシンそばで今年最後の食事です。
みゆきさんと今年もお世話になりましたと日本のしきたりを祝うのは二人です。家族たちは、11時に全員が集まり新年のカウントを全員で待ちます。誰かがカウント音頭をとります。全員が参加です。
 

  「happy New Year」
 

あちらこちらで爆竹や花火で騒々しい新年の幕開けです。
リッチョンが食卓に運ばれ、新年の食事会がはじまります。

新年の朝は静か…、現在全員睡眠です。
ベニスさんは朝からみゆきさんと私の恒例、新年の祝い膳の用意です。白味噌の香りが漂ってきます。
お神酒で二人で新年を祝います。
フィリピン移住でこそ日本の伝統を守ろうと楽しんでいます。

 




81歳になり、今年は昨年より一層省エネルギーで生活をしようと考えています。
昨年の12月は散々…、歯の治療で一口噛み噛み30回のリズムが壊れ、噛むことの健康効果を再認識しています。
噛み噛みの効果不全は5ヶ日で十分でした。
胃腸が不調になり、胃酸過多に…、食欲不振、体調不振へと81年使ってきた臓器が悲鳴を上げました。
結局はマリンドゥケで治療が出来ず、医師はルセナの病院行きを勧めます。・・・と言っても年末、、年始はフェリーは大混雑、取り合えず予約を入れます。1日のpm6時30分発のフェリー乗船の予約が取れました。
4時に我が家を経ちます。病院到着は11時ごろになるでしょう。

 

 

 



「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」という考え方、ジャネーの法則があります。19世紀フランスの哲学者、ポール・ジャネが発案した法則です。 つまり年を取るにつれて自分の人生における「1年」の比率が小さくなるため、体感として1年が短く、時間が早く過ぎると感じられるようになるというのです。
ジャネーの法則によると、「時間の経過の早さ」は、「年齢に比例して加速する」と言われています。
同じ一年間でも、幼少期は長く感じ、歳を取るごとに早く感じます。

  ・1歳のときの一年は、全人生の1/1
  ・2歳のときの一年は、全人生の1/2
  ・5歳のときの一年は、全人生の1/5
  ・50歳のときの一年は、全人生の1/50

このように年を取るごとに人間が体感する一年は相対的に短くなります。
人は初めてのことや、経験したことがないことをやっている時は、それが強く印象に残り、時間が長く感じます。
反対に、慣れてしまうと時間の長さが気にならなくなり、あっという間に時が過ぎたように感じます。
また、1年の比率が小さくなった他にも、時間が過ぎるのが早く感じる理由はあります。その一つとしては、生活に新鮮味がなくなるということです。そして、大人になると新鮮味がなくなるだけではなく同じことを繰り返す頻度も多くなります。大人になると新鮮味が少なくなるだけではなく、同じことを繰り返す頻度も多くなり、それによってさらに時間の経過が早くなるのでしょう。

いわゆるマンネリ化というやつです。以上のような理由で大人になると時間が過ぎるのを早く感じるようになります。基本的には体感時間が短くなるということが主な理由でしょう。それに新鮮味が少なくなることや、マンネリ化によってもさらに時間が経過するのを早く感じるようになります。何もしていないと時間はあっという間に過ぎ去ってしまうので、充実するように生活することが進められています。

毎年訪れる師走、師走の意味と由来ってなんだろう? クリスマス・年賀状・大掃除に買い出しと、人々が慌ただしく動き回る師走。師走(しはす)とも読みます。元々は旧暦(太陰暦)の12月の事を意味していましたが、現在の新暦(太陽暦)でも12月の事を表す言葉として使われています。つまり師走とは、12月の別称だったんです。
師走の期間は『12月』です。
旧暦で言うと12月下旬~1月上旬で年によって少し違いがあります。ですので、分かりやすく12月1日~12月31日までの事です。
そして2021年12月31日、新年を気持ちよく迎えるために大切にされてきた「除夜の鐘」などの代表的な行事があります。一年の最後の日である「大晦日」。旧暦では毎月の最終日を「晦日(みそか)」と言い、一年で最後の晦日であり、最も大事な日である12月末日を「大晦日」と呼ぶようになりました。大晦日の風物詩といえば「除夜の鐘」。深夜0時を挟んで撞(つ)かれる108回の鐘の音を聞いていると、一年の終わりと、新しい年の幕開けを感じるという方も多いのではないでしょうか。この鐘は正式には仏教の仏具である「梵鐘(ぼんしょう)」といい、その澄んだ音色には苦しみや迷いを断ち切る力があると言われています。

大晦日の代表的な行事は「年越しそば」
  大晦日に食べるものといえば、やはり「年越しそば」。細く長いことから健康長寿などの縁起をかついで、江戸時代の頃から食べられるようになったと言われています。そばは切れやすいことから「今年一年の災厄を断ち切る」という意味もあるとか。地域ごとに特色があり、有名なところでは北海道や京都の「にしんそば」、福井の大根おろしをのせた「越前そば」、沖縄の「沖縄そば」など。いろいろな具材を載せてみるのもありかもしれません。
私のおふくろさんは、京都出身、年越しそばはにしんそばでした。
京都が発祥とされている「にしんそば」。


  


その歴史は古く、1882年(明治15年)にまでさかのぼります。にしんそばを発案したのは「松葉」2代目の松野与三吉。この松葉は、1861年(文久元年)に芝居茶屋として創業したお店です。
松野与三吉は、京都の人々の大事なタンパク源である「身欠きにしん」をなんとか蕎麦と合わせることはできないかと考え、試行錯誤を重ねた結果「にしんそば」が完成し、洛中洛外にそのおいしさを広めることとなります。
身欠きにしんは、良質なタンパク質をはじめとし、ビタミンやミネラルのバランスがとれた食材で、これを健康食材である蕎麦と合わせることで、さらに栄養バランスのとれた食事となります。にしんそばの具は、甘辛く炊いた「棒炊き」と呼ばれる身欠きにしんの甘露煮のみ。これにお好みで刻みネギをのせて食べます。
京都ならではの上品なお出汁に身欠きにしんの脂が溶け出して独特の深いコクを生み出し、甘辛いにしんの身が淡泊な味わいの蕎麦とよく合って、上品な味わいとなっています。
にしんそばにのっている身欠きにしんの棒炊きは、骨まで柔らかく煮てあるので、食べやすく、お箸で簡単にほぐれます。
にしんの身をほぐすと、お出汁ににしんの脂と旨味が溶け出し、食べ進めていくうちにコク深い味わいに変わっていきます。この味の変化を楽しみながら食べるといいでしょう。

フィリピン移住して今年で21回目に師走になります。今年はコロナ渦でにしんそばが食べられるかな、と懸念していましたが、毎年の我が家の伝統行事最後の年越しそばです。
今年もコロナ渦の中、料理人のベニスさんが日本食材をいろいろ購入してくれていました。
セルラー、スマホですが、使い方いろいろあるのですね。マニラに住むベニスさんの妹とセルラー通信で、私の好みの日本食材の写真付き資料を送り、日本食材店で店内映像を送信して、買う食材で年越しそばが違います。
コロナ渦でも文明の利器の利用で私はいつものように日本食にありつけています。
海外移住の成功の秘訣は日本食にアリです。つまり料理人が日本食の献立ができることが絶対条件です。

***そばにはたんぱく質が豊富に含まれており、その含有量は穀類の中でもトップクラス。 ... その他にも、そばには便秘解消に効果的なたっぷりの食物繊維や、ウイルスに強いカテキン、豊富なミネラルなどを含みます。 ポリフェノールの一種であるルチンは、毛細血管を強化し、血圧や血糖値を下げ、すい臓機能を活性化する働きがあります。
蕎麦に豊富に含まれてる”ルチン”や”カテキン”とは・・・、抗酸化力が強く、動脈硬化などの生活習慣病予防に効果的と言われています。カテキンの抗ウイルス・抗菌作用によりノロウイルスなどの感染性胃腸炎や、O-157予防に効果を発揮します。他にも食後の血糖値上昇を抑えるため、肥満予防に効果的です。
そしてルチンは、フィトケミカルの中の色素成分を担うフラボノイドのひとつで、以前は”ビタミンP”と呼ばれていました。ルチンには、毛細血管を強くし、血流を良くする効果があります。「蕎麦といえばルチン」と言われるほど、蕎麦に含まれる健康成分の代表的なイメージがあるでしょう。
ルチンは脳梗塞や心臓病などの血栓が原因となる病気の予防に効果的です。他にも、アルツハイマー型認知症予防や糖尿病などの生活習慣病予防、ビタミンCの吸収を良くすることから、美肌にも効果があると言われています。
蕎麦に含まれるコリンは、ビタミンの働きを助け補助的な働きをするビタミン様物質に属します。

コリンは、脂質の代謝やコレステロール値の抑制に効果を発揮するため、高血圧予防に効果的です。この効果の最たるものは、肝臓に脂肪が沈着するのを防ぐ”脂肪肝予防効果”でしょう。腎臓の働きを助ける効果もありますので、この相乗効果でお酒を飲む方にオススメです。
他にもコリンは脳の活性化に役立ち、記憶力の低下やアルツハイマー型認知症に効果的と言われています。
・ポリフェノールの一種「ルチン」が、すい臓機能を強化しインスリンの分泌をうながす。
・そばに含まれる食物繊維と脂質には、善玉コレステロール値を増加させ代謝を改善するはたらきと、小腸でのコレステロールの吸収をふせぎ、血中コレステロール値を低下させ血液をサラサラにするはたらきがある。
・ガンや老化・ボケなどの原因は、「活性酵素」による細胞の過酸化であるといわれています。
そばに含まれるポリフェノールの一種「ルチン」には、この活性酵素による細胞の過酸化をふせぐ「抗酸化作用」があります。そのため、食事におそばをとりいれることがガンや老化・ボケの予防などに効果的といえます。

 

  

キッチンでは、お正月用のお節料理が作られています。ささやかなお節料理ですが、真心の困った手料理です。
日本のお節料理と同じものは、難しいですが、お正月の雰囲気を楽しめる料理は可能です。
今年もいつものように年越しそばを食べて私は仮眠して12時のカウントダウンを待ちます。
大晦日にはさまざまなイベントは花火です。どうも中国式のお正月で、騒々しい爆竹や花火で信念を向かえる風習があります。

フィリピンの年越し準備は日本とかなり違います。
日本だとクリスマスの翌日から一気にお正月モード。大掃除をしたりお餅つきをしたりお正月っぽいイベント盛りだくさんですよね。
ですが、フィリピンではクリスマスがどんなイベントよりも大切で大好きです。クリスマスツリーはそのまま残っています。クリスマスソングがガンガン流れています。
12月31日、大晦日の日になるとちょっと変わります。みんな、カウントダウンの準備を急にし始めます。
フィリピンでは年越しの時に爆音・騒音を立てる文化があります。これは爆音を立てることによって、悪霊を追い払う風習です。
   ・花火が大量に打ち上がり
   ・爆竹を鳴らしまくり
   ・ラッパを吹きまくり
   ・バイクはふかしまくり
    車はクラクションを鳴らし続けます。

パーティー好きな人が多いフィリピンでは、クリスマスから年末年始にかけてたくさんのイベントが開かれており、どこへ行っても大きな笑い声や大音量の音楽が聞こえてきます。年明けの瞬間にそれらはピークを迎え、花火が四方八方から上がります。日本で年明けに神社へ行きお参りをするように、フィリピンでは教会に行ってお祈りをします。

普段から賑やかなフィリピン人ですが、年越しはその本領を発揮し、賑やかを通りこしてうるさいほどです。
中国からきた慣わしだそうですが、年越しには爆音をつくることで、邪気を追い払えると信じられています。
大晦日のお昼頃から子供達がトランペットを吹いて「プープー」と大音量で合唱を始めます。
夜ご飯の時間19時くらいになると、爆音で音楽をならし、ほろ酔いの大人たちが踊りまくり、23時50分ごろから各家庭から花火が打ちあげられ、爆竹がならされ、空襲が始まったのかと思うほどのけむりと爆音に包まれます。

フィリピンの年越し・カウントダウンの文化
  ・爆音で悪霊を追い払おう
  ・フィリピンのカウントダウン
  ・花火・爆竹は一部規制された過去
  ・パリピじゃなくても楽しい

フィリピンではクリスマスが終わっても1月中旬くらいまで平気でクリスマスをひっぱります。
そんなフィリピンですが、12月31日、大晦日の日になるとちょっと変わります。
みんな、カウントダウンの準備を急にし始めます。
フィリピンでは年越しの時に爆音・騒音を立てる文化があります。
これは爆音を立てることによって、悪霊を追い払う風習なんだとか。
全員がカウントダウンの大合唱……で「Happy New year! 」


  年越しの瞬間には
  ・花火が大量に打ち上がり
  ・爆竹を鳴らしまくり
  ・ラッパを吹きまくり
  ・バイクはふかしまくり
  ・車はクラクションを鳴らし続けます。

    ・0時になるとともに打ち上がる花火
    ・あちこちでラッパの音
    ・みんな花火し過ぎで煙まみれ

フィリピンの年越し。年越しの瞬間は「Happy New Year!」の挨拶です。
フィリピンでは、年越し(Bisperas ng Bagong Taon)は非労働の祝日である。フィリピン人は通常、年越しを家族や親しい友人の集まりで祝う。伝統的に、ほとんどの家庭では、メディア・ノーチェ(Media Noche、「真夜中」の意味)と呼ばれる深夜宴会を主催または参加する。定番料理には、祝日の料理であるパンシット (Pancit)  (長生きを願う)、ハム(Hamón)がある。レチョン(豚肉のロースト)は、バーベキュー用に通常準備される。「引っ掻きついばむ」がその日暮らしを示す慣用句であり不運な食べ物であるため、鶏肉を供することは控えられる。

多くの人々が、水玉模様のような丸模様、あるいは甘い12個の丸い果物が模様の、新しく明るい、またはカラフルな服を着ることを選ぶ。これは、丸が金運をもたらし、キャンディがより楽しい(sweet)1年を示すと言われているためです。いくつかの習慣は深夜0時に行う必要があるのです。硬貨を投げて金運を祈り、飛び上がって身長が伸びることを望んだり、スペインの習慣に従って12個のブドウをその年の月分食べる人たちもいます。人々はトロトット(torotot)と呼ばれる厚紙やプラスチック製のラッパを吹き、鍋やフライパンを叩き、大音量の音楽を流し、クラクションを鳴らし、爆竹に点火して騒音をまき散らす。これは、騒音が不運や悪霊を退散させると信じられているためです。

省エネで生きる、
81歳になり、食が細る中、無理して食べるより体調に沿った暮らし方を選ぶ決心をしました。今年は昨年より一層省エネルギーで生活をしようと考えています。特に夜間のトイレ息には気を付けつことにあいています。その点私の周りには優しい思いやりのある家族がいます。その中でもヨシキ君は、中学生ですが、本当に優しい子で毎日3回、マッサージをしてくれます。最近歯の治療で胃の体調不良で体重は落ちるは体調は散々です。二週間の前歯だけでは噛み噛みが損なわれていました。
体調の変化が現れたのが、5日、で胃の不調です。その結果医師の診断は「胃酸過多」胸焼けで睡眠不足です。その内、仰向けでの睡眠に支障が、息苦しくて酸欠状態を感じます。その肺に水が?マリンドゥケの病院でははっきりした病名が分からず、ルセナの病院を勧められます。ところが師走、お正月とフェリーは大混雑です。知人に頼み予約を要れます。昨夜1日のpm6時30分の予約が確保できました。病院に着くのがpm11時ごろから治療です。今年は散々な年明けになりました。
キッチンでは新年を祝う大晦日料理が作られています。それが終われば、お節料理、主不在のお正月になります。元日祝い膳は可能ですから少量を作ることにしました。

ヨシキ君が私の体調を気遣い、私のベット脇にマットレスをひき睡眠をしています。トイレ時には必ず私の身体を支えてトイレまで誘導し、ぎこちなくパンツを下ろす姿を見たのでしょう。下着まで下ろす気配りです。良い家族に恵まれることが、脳を元気にし、長寿に繋がる幸せに感動しています。ベニスさんも食欲が落ちた私のために、料理の工夫、特に日本食をアレンジしてくれます。ユキちゃんも優しく細い体で、私の体を支えて歩いてくれます。家族にどう感謝すれがよいのでしょうか。
日本での老後の生活では、この大事にされる思いやりはありませんでいた。
まず体調を回復させてもう少し長寿人生を楽しみたいと考えています。
 

 

 


日本には古くから「腹八分目」という言葉があります。何事も、ほどほどのほうがいい結果を招く、少食が健康を保つなど、短いその一言に哲学さえ感じます。最近は「腹七分目」が健康だけでなく、長寿のもとになるとの説が相次いで発表されています。満腹よりも八分目程度に抑えていた方が健康によく、医者いらず、といった意味で使われてきた「腹八分目」。
今回の健康塾は、「腹八分目、腹七分目の健康効果」の謎解きです。


「腹八分目に医者いらず」という諺が日本にあります。 ... ところが最近は、「腹七分目」が長生きのもとになるという研究が相次いでいます。少なめの食事を続けると脳を若く保てる可能性があることがマウスの実験で明らかになったとする論文が、発表されています。
空腹がもたらす「食欲」も、人間の活動の根幹をなす欠かすことのできない本能です。
空腹状態で血液中の糖分(ブドウ糖)が足りなくなると、脳の視床下部にある摂食中枢が活発に働き出して「ものを食べろ」という指令を出します。それが食欲の正体ですが、一方、満腹のメカニズムにはある特徴があります。それは、胃の満腹状態と脳が感じる満腹感の間にズレがあるという点です。満腹感というのは、じつは胃袋が満タンになったときに生じる感覚ではありません。それには脳の神経細胞が介在していて、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激されることによって得られるのです。一定量の食事を摂ると血糖値が上がって、「満腹だ」という信号が脳の満腹中枢まで届く。すると、満腹中枢が「もう十分」という指令を出して食欲がストップする。こういう仕組みになっています。
ということは、脳さえ満腹信号を察知すれば、胃袋の許容量いっぱいまで詰め込まなくても私たちは満腹感を覚えることができるのです。逆にいえば、胃袋が満腹状態になったときにはすでに食べすぎているわけです。
ただ、この脳のメカニズムが作動するまでには(血糖値が上昇して満腹中枢が食欲に抑制をかけるまでには)、食事を始めてから30分くらいの時間が必要です。したがって、30分以上かけてゆっくり食事を摂れば、それほどたくさんの量を食べなくても満腹感は得られます。腹七~八分程度の適量で十分満足できるのです。
満腹メカニズムが理解できると、食欲を人為的にコントロールする方法もおのずとわかってきます。それは、ゆっくり食べることです。ゆっくり時間をかけて食べれば、少量でも十分満腹感は得られるのです。
ゆっくり食べると、人間は自然とよく噛むようになります。よく噛むと、加工食品の濃い味つけに頼らなくても、素材のもつ自然で微妙な味で満足できるようになる。いってみれば味覚が敏感になるのです。味覚が鋭敏になれば、塩分や脂肪分の摂取量もおのずと減ることになり、脳の活性化にもつながっていきます。
極論すれば、粗雑な食事をしている人は粗雑な考え方、生き方しかできません。生活や人生の質を向上させるためにも、私たちは動物的な食欲を人間的にマネジメントする必要があるのです。

お腹をすかせた状態にすると、「長寿遺伝子」の働きが活発化して老化を防いでくれるのだという。満腹よりも八分目程度に抑えていた方が健康によく、医者いらず、といった意味で使われてきた「腹八分目」。
食べ物がいまほどゆたかでなかった時代は、食べたくても満足に食べられず、八分どころか三分、四分で我慢することもあったでしょう。しかし、最近になって、「腹八分目」どころか「一日一食」あるいは「腹七分目」の方が健康によいといった内容の本がたくさん出てきてきました。マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授は、「長寿遺伝子は摂取カロリーが腹七分目、六分目のときにもっとも活性化される」という説を唱えています。

高血圧、糖尿病、脂質異常症は、健康診断を受けていればわかります。
肥満は高血圧、糖尿病、脂質異常症の前段である、メタボリック・シンドロームのリスクを高めます。特にお腹の脂肪がつくタイプの肥満が危険といわれているので、お腹が出ないようにしたいものです。
なお、肥満や糖尿病はがんのリスクを高めることも知られています。肥満から糖尿病を発症する人も少なくありません。がんを防ぐには肥満にならないように体重をコントロールすることが大事です。
コロナ禍で日本国民の運動不足が懸念されていますが、運動不足はがんの発症リスクを高めます。逆に、運動は多ければ多いほどがんのリスクを減らすので、工夫して運動を心がけるようにしたいものです。
心筋梗塞も、予防できる病気の1つです。加齢とともに血管も老化していきます。医学的には動脈硬化といいますが、動脈が硬く脆くなる病気です。動脈硬化が進むと、血栓(血のかたまり)などによって血管が詰まりやすくなります。そして、養老先生のように心臓の冠動脈が詰まるのが心筋梗塞などの虚血性心疾患です。
また動脈硬化が進むと、脳の血管も詰まりやすくなります。脳の血管が詰まって起こるのが脳梗塞などの脳血管障害です。
心筋梗塞や脳梗塞は致死率の高い病気ですし、脳梗塞では命が助かっても、半身不随などの後遺症が残ることもあります。これらを引き起こす動脈硬化は、確かに血管の老化ではあるのですが、老化の進み方には個人差があります。また生活習慣によっても異なります。

私たちが、日々の食事で感じる「おいしさ」。あなたは体のどの場所で「おいしさ」を感じていると思いますか?「味」は舌で、「風味」は嗅覚で感じていますが、おいしいという判断の大部分は『脳』自身が担っていることが、最新研究で分かってきました。そのとき私たちの脳では何が起きているのか。最新研究で、実験からわかってきました。用意したのは、同じ苦さの2つの液体。ただし、一方は「強い苦味」、もう一方は「弱い苦味」だと被験者に伝えます。2つの液体を飲んだ時の脳の活動を調べると、興味深い結果が得られました。
注目したのは、苦味に対する嫌悪感を生み出す、「扁桃体」と呼ばれる脳の部分の反応です。「強い苦味」と伝えられた液体を飲むと、扁桃体は強い嫌悪感を示しました。ところが、同じ苦味の強さなのに「弱い苦味」だと伝えられた液体を飲んだ後は、嫌悪感が大きく弱まったのです。
このとき脳全体の活動を見ると、もう一つ、活発に働いている場所が見つかりました。それは、「眼窩前頭皮質」。眼窩前頭皮質は、味覚や嗅覚の情報だけでなく、体の五感全ての情報が集まる仕組みになっています。そのため、「苦くない」という情報を事前に伝えられると、眼窩前頭皮質はこれから口にする味を「苦くない」と予測。その後実際に苦い液体を口にしても、「苦くない」という判断を下すことが確かめられたのです。
苦手な食べ物がある人も、誰かに上手に料理してもらって、「これはおいしいよ!」と言われて口にしたら、脳が「おいしく」感じてくれるかもしれませんよ!

「食べよう、いや、やめよう」という判断は、脳が無意識のうちに操っている可能性がある。脳の活動の変化が、食事に対しする日頃から自制(我慢)に影響していることが分かったのです。
研究グループは、無意識下で食品画像を提示するだけで交感神経系が興奮し、同時に脳部位の複数で活動の変化がみられることを明らかにした。さらに、この脳の活動変化は、交感神経の興奮の程度や、食事に対して日頃から自制(我慢)をする程度とも関連することが分かった。
食べ物が目に入ったときに生じる脳活動は、本人が自覚していない間に起きている。これは、日常生活で「どれだけ食べることを我慢しているか」の程度と関連している。
 ヒトの食生活では、このような脳神経の仕組みが、食行動に関する判断や意思決定を無意識下で操っている可能性がある。無意識下の認知過程の仕組みを解明することは、特に偏った食行動など、現代人にみられる生活習慣のゆがみを改善し、肥満や過体重、高齢者の食欲不振などの健康問題を解決する上で重要です。
無意識下での認知過程の仕組みを明らかにすることが、特に食行動といった生活習慣の改善の糸口となり、肥満や過体重、高齢者の食欲不振などの健康問題を解決する上で重要と考えた。
 そこで、本人が自覚しないうちに、食品の写真を提示したときに生じる自律神経や脳神経の活動と日常の食行動との関係を検証した。
島皮質の活動の抑制程度が低い人ほど、食べたいときに我慢できない傾向がある可能性がある。つまり、島皮質の活動の抑制程度が高い人ほど、食べたいときに我慢できる傾向があるということです。
 今回の研究により、無意識下における食品画像提示により引き起こされる自律神経活動および脳神経の応答が、日常の食行動に関わっている可能性が示された。つまり、ヒトの食習慣において行われている「食べよう、いや、やめよう」という意志決定は、無意識のうちに働く脳の習性に左右されている可能性があるのです。

誰かと一緒に食事をとることも、脳にとっては重要な意味があることが分かってきています。それを教えてくれるのが、人類と共通の祖先を持つチンパンジー。地球上の多くの生物は、食べ物を分かち合うのは、血のつながった家族の間だけです。一方、チンパンジーはまれにですが、人間と同様、家族以外の仲間とも食べ物を分かち合うことが確認されています。そのとき、体の中ではある特別な物質が働いていることが突き止められました。その物質とは、脳から放出される「オキシトシン」というホルモン。「愛情ホルモン」とも呼ばれ、通常は毛づくろいなど相手と触れあった時に出て、相手への愛情や信頼感を強める働きをしています。
ところが詳しく調べると、「毛づくろいしているとき」よりも、「仲間と食べ物を分かち合っているとき」の方が、およそ2.5倍も多くオキシトシンが出ていることがわかりました。「一人で食べるとき」に比べても、5倍の量に達しています。家族であるなしを問わず、食を分かち合うことが、集団の絆を強めるというとても有益な効果を生んでいたのです。

人間の三大欲求の一つに数えられる食欲。これがなくなってしまうと、体調を崩すことは医学的な知識のない人にだってわかることです。では、どういった原因で食欲不振に陥ってしまうのか。具体的にどんな問題が起きてしまうのか。
誰でも一度は、「なんだか今日は食欲がないな」と思ったことはあるでしょう。しかし、次の日に普通に食事ができるようなら、これは食欲不振には入りません。

「食べる気がしない」「食べられない」という状態が何日も続くようなら、それは注意が必要です。
私たちが生きていく上で必ず必要な「食べる」という欲が失われているわけですから、これは何かしらの不調を示すバロメーターなのです。
食欲不振に陥る場合、多くはその陰に病気が潜んでいます。
例えば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性・急性胃炎、最悪の場合は胃がんなど、消化器系の疾患が挙げられます。 胃腸は食べることと直接関わりがある臓器ですから、一般の方でもイメージしやすいと思うのですが、それ以外に心臓や肝臓、腎臓などほかの臓器の病気が食欲不振を引き起こしていることも考えられます。

最近、メディアで話題になっている「カロリーリストリクション」という言葉をご存知ですか?
カロリーリストリクションを訳するとカロリー制限となります。
必要な標準エネルギー摂取量に対して、摂取量を7~8割に制限する食生活を継続すると、アンチエイジング効果が現れて長寿に繋がることが解明されつつあります。
日本では「腹八分目ぐらいが長生きの秘訣」などと昔から言いますが、実は科学的に根拠のあることのようです。
では、カロリーリストリクションになぜアンチエイジング効果があるのかを学びましょう。

カロリーリストリクションとは?
マサチューセッツ工科大学レオナルド・ガランテ教授により、長寿遺伝子サーチュインが発見されました。
長寿遺伝子サーチュインとは、細胞の寿命を延ばそうとする酵素。
このサーチュインは、カロリーを十分に摂取している状態よりも、リストリクションつまりカロリー制限時に活性化することが解ってきました。
アメリカの大学はマウスやサルの動物実験で通常食の総摂取カロリーを65%~70%に制限すると、寿命が伸び若々しい印象になったとアンチエイジング効果を報告しています。
サーチュインの活性化は、細胞内でエネルギー源を作り出すミトコンドリアを増やし、オートファジー(自食作用:細胞の中で行われるリサイクル・システム)により細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアの代謝サイクルを早めます。

細胞の代謝サイクルが早くなり活性化することで、壊れた細胞の修復や細胞内の活性酸素の除去も早まり、シミやシワなどの肌の衰え、動脈硬化、糖尿病などさまざまな老化症状に対してアンチエイジング効果をもたらします。
アンチエイジング効果をもたらす長寿遺伝子サーチュインを活性化するにはどうすればよいか具体的なお話をしましょう。

答えは、必要な標準エネルギー摂取量に対して摂取量を7~8割に制限するカロリーリストリクションで、お腹を一杯にせずになるべく空腹の時間を作ればよいのです。
その理由は、サーチュインの活性化にはNAD+という補酵素の活性化が必要で、このNAD+を活性化する条件が空腹状態だからです。
簡単に言えば、お腹が空いている時にアンチエイジング効果をもたらすサーチュインが活性化するということです。
サーチュインが活性化するような食生活習慣を身につければ、アンチエイジング効果を期待できます。

 朝昼晩3回の食事を規則正しく。間食を控えましょう。
   ●満腹感を得る手前でごちそうさま。
   ●カロリー計算が困難であれば、今食べている食事量の7~8分目のイメージで。
   ●食事前の空腹時にお腹が鳴っても少し我慢する。
   ●カロリーを減らしてもミネラルなどの栄養はしっかりと。
   ●食後にウォーキングなどの有酸素運動をすることでより効果的に。

高齢者のカロリーリストリクションは緩やかに
高齢者の急激で極端なカロリーリストリクションは、下肢筋力の低下や糖分不足により脳活動が低下する可能性があります。
急激で極端なカロリーリストリクションは危険です。
最初は栄養のバランスを失わないように、段階的に8割位のカロリーリストリクションで緩やかに慣れるようにしましょう。
また、“アンチエイジングのための2つの抗酸化力強化法”の抗酸化対策と“糖化を予防してアンチエイジング”の糖化予防対策とカロリーリストリクションを組み合わせることで、より高いアンチエイジング効果が期待できます。

頭が冴え、睡眠時間が減り、若返り、寿命が延びる・・・これだけあるファスティング効果
  1. 体重が減る
  2. 頭が冴える
  3. 集中力が高まる
  4. 物忘れが無くなる
  5. 疲れなくなる
  6. 皮膚が美しくなり、若返る
  7. 睡眠時間が減る
  8. 時間の余裕が生まれる
  9. 加齢臭が消える
  10. 寿命が延びる
  もともと人間は飢餓状態になると長寿遺伝子と言われる「サーチュイン遺伝子」が活性化することがわかっている。長寿遺伝子はほかの遺伝子が傷つかないように酵素を出して守る役目がある。しかし酵素だけではその役目を果たせない。酵素を助ける物質と結合して初めて役目を果たすが、カロリー過剰状態ではこの機能が発揮されない。長寿遺伝子を活性化させるうえでもファスティングが理にかなっているのです。なにより生活習慣病のリスクが断然に減る。カロリー過多、食べ過ぎで起こるのが、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧、肥満などだ。このほかアレルギー、膠原病、がんのリスクも減ってくる。それだけでも寿命が伸びることが判明している。しかも健康に、

ファスティングの種類はいろいろ、まずは手軽なところからはじめる
■プチ断食(半日断食)
・朝食を抜くだけの断食。明日からでも始められる方法で、一生続けることができる。3食お腹いっぱい食べている人は、ここからはじめる。
■1日1食
・朝を抜いて、昼か夜に一食食べる方法。1日3食の人がこれをやり続けると、一生断食をしているようなものになる。
■3日断食
・丸3日、水と梅干しだけで過ごす断食。梅干しは天然塩で漬けた食品添加物不使用のもの。できれば3年熟成など、熟成が進んだものがオススメ。自宅でもできるが、断食後の復食期にどんなものを食べるべきかなど、やり方は専門家の指導を受けるとよい。
■1週間断食
・丸1週間、食を断つ。正しいやり方を学べば自宅でもできるが、失敗すると反動もあるので、やはり専門家の指導を受けたほうがいい。
■週末断食
・仕事でなかなか断食ができない人は、週末だけで断食するだけでもずいぶん変わる。1回に食べる量を減らして腹7分目で、1日3食食べるか、1日食べない日を設けるか。どちらがいいかと言えば、後者だ。ファスティングの効果を確実にするには、まず空腹感を持つことだ。腹7分目くらいを続けると空腹感が弱くなり、慣れてしまうことがあるからだ。ふだん行うのであれば、朝を抜くようにして、週末に1日断食するというのが効果的だ。

ファスティングは食事の量が減っていくことだ。より食べることを大切にしていかなければならない。3食を2食に、3食を1食にするのであれば、その時何を食べればいいのだろう。

まず解毒作用のある食材を挙げている。現代人の周りには、化学調味料や、農薬にまみれた野菜や果物があふれている。とくに野菜や果物でまったく農薬が使われてないものを探すのは困難に近い。つまり、知らず知らずに毒が溜まっているのが現代人なのだ。毒を排出させる食物として次のようなものを挙げている。
■玄米......玄米に含まれるイノシトール、ガンマオリザノールは体内の解毒臓器である肝臓の機能を高めてくれる。放射性物質の解毒にも効果的だと言われている。
■梅干し......梅干しに含まれる天然由来のクエン酸は化学物質や放射性物質の解毒作用が認めれている。天然塩を使った、熟成ものを選ぶ。
■たくあん・ぬか漬け......腸内細菌を高める乳酸菌が豊富な食品。たくあんは天然塩を使った天日干しのもの。ぬか漬けは、無農薬の米ぬかと天然塩を使ったぬか床に、旬の野菜を漬け込んだもの。
■納豆......納豆菌も腸内細菌の働きを高めます。大豆は遺伝子組み換えでないものを選ぶ。
■根菜類・自然薯・らっきょう・ねぎ......自然の硫黄を含んでおり、放射性物質の解毒効果が期待できる。
■香草...しょうが、しそ、にんにく、みょうがなど、香りの強い野菜は総じて解毒作用が強いものが多く、とくにパクチーは脂肪燃焼力も強く、脂肪を入れ替えてくれる。
■はと麦......含まれてるヨクイニンに解毒作用があり、漢方薬としても使われている。

ごまには、老化防止、抗酸化作用、抗癌作用、二日酔い防止、高血圧改善などの効果があるとされ、また海苔は「海の野菜」と言われるほど健康によく、動脈硬化防止、心筋梗塞予防、高血圧改善、肌荒れ防止、胃腸病予防、骨粗鬆症予防、眼病への効果、貧血、イライラ予防、肩こりなどに効果があるとされている。番茶(緑茶)は、がん予防、血糖値正常化、腸内善玉菌の増加、体脂肪の減少、アルツハイマー予防、虫歯・口臭予防、過酸化脂質の抑制などに効果があるとされている。

私たちの細胞の10~20%を占めるミトコンドリア。
老化の最大の原因は、エネルギーの不足です。
エネルギーの総量が少ないとき、私たちの体は生きるために必要な基礎代謝や体温調整など、「最低限の生命維持」を優先してエネルギーを使います。
しかし、「最低限の生命維持」を行なっているエネルギーの少ないときは、怪我や病気などで修理が必要な箇所が出てきても、その修理に使う分のエネルギーは足りません。
このため、修理できない部分が未修復の状態になり、老化が進んでしまうのです。
だから老化を遅らせるためには、体がエネルギーをたくさん産生できるようにすることが大切。
ただしエネルギーは蓄積できないため、随時、適量のエネルギーを産生する必要があります。
このエネルギーの産生を担うのが、ミトコンドリアによるエネルギーの産生方法。
体中のミトコンドリアがエネルギーを豊富に産生してくれることで、修理が必要な箇所の修復を行なうことができて、老化の進行を食い止めてくれます。
このようにミトコンドリアのエネルギー産生がうまく機能することで、私たちはいつまでも若々しくいることができるのです。

ミトコンドリアのエネルギー代謝を活性化させるケトン体やピルビン酸などの有機酸の細胞レベルでの機能を解き明かすことです。ケトン体や有機酸は直接ミトコンドリアを活性化することができ、これが神経細胞を保護することにカギとなります。またこの機能は寿命を延長するためにも重要です。
 細胞というのは、細胞質とミトコンドリアという2つの場所でエネルギーを作っています。細胞質でのエネルギー代謝経路は、主にブドウ糖を分解して体内で使いやすいエネルギー源に作りかえていく「解糖系」と呼ばれるもの。
 ところがこのルートは代謝効率があまりよくありません。ブドウ糖の一部が分解の途中で乳酸に変化し、完全に酸化されないからです。それに対してミトコンドリアのエネルギー代謝はとても効率がいいのです。特にケトン体やピルビン酸という化合物はミトコンドリアに直接届き、完全に酸化されてすべてがエネルギーになります。このエネルギー効率の高いミトコンドリアを如何にして使いきるのかというのが健康長寿のカギとなります。
ですからミトコンドリアが活発に働く状態であれば、細胞も活き活きとして、アンチエイジング効果が見込まれるというわけです。

最後にものを食べて10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンがなくなって脂肪が分解されて、エネルギーとして使われるようになります。そして、16時間ほどたつと、今度は体の中でオートファジーが機能し始めます。
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる仕組み」で、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化すると言われています。
空腹は1日3食の習慣や食べ過ぎが体に与えたダメージをリセットし、体を内側から蘇らせてくれます。
まさに空腹こそが最強のクスリなのです。
オートファジーによって、ミトコンドリアも新たに生まれ変わります。するとガン細胞を発生させる原因の一つである活性酸素の働きが抑制されます。新しく元気なミトコンドリアが細胞内にたくさんあればあるほど、たくさんのエネルギーを得られ、人は若々しく、健康でいられます。
オートファジーには、ガンや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられています。

ミトコンドリアは、酸素を利用してエネルギーを作る際に「酸素フリーラジカル」という分子も同時に作ります。
この酸素フリーラジカルは、ミトコンドリアのDNAを傷付けてしまう分子。
しかし、ミトコンドリアDNAが正常に機能しているうちは、その傷は自然に修復されます。
ただし、DNAが傷を修復する過程で突然変異が起こってしまうと、DNAに変異が起こってしまい、がん細胞に移行することも・・・。
すると、がん細胞への移行を阻止するため、ミトコンドリアは自ら有害な細胞を排除して死に至らしめる「アポトーシス(細胞の自殺)」という仕組みを作動させます。
このアポトーシス(細胞の自殺)は、結果として体内のミトコンドリア数を減少させ、それに伴う機能低下をもたらすこともあるのです・・・。
つまり、「酸素フリーラジカルによるDNA変異ががん細胞へと移行するのを阻止するために、アポトーシス(細胞の自殺)が起こり、ミトコンドリアの減少を引き起こす」ということ。
この結果、エネルギー産生量が低下してしまい、老化が引き起こされるのです。

  

全身の細胞の中にあり、細胞の機能を維持するためのエネルギーを作り出すミトコンドリア。
そのミトコンドリアの機能が低下すると、全身の細胞の働きも低下し、ひいては筋力低下や中枢神経症状(けいれんなど)などを伴う「ミトコンドリア病」を引き起こしてしまいます。
ミトコンドリア病は、原因が分からず治療法もまだ確立されていない「指定難病」に認定されている病気です。
主に、エネルギー需要の多い脳や筋肉で多く発症し、年齢に関係なく様々な部位に症状が現れます。
ミトコンドリア病は遺伝子の異常によって発症することが多いのですが、薬の副作用によってミトコンドリアの働きが低下して発症する人も。
ミトコンドリア病の主な症状は、糖尿病や心機能低下、難聴、腎不全、筋力低下です。

ミトコンドリア糖尿病
ミトコンドリアの機能異常によって引き起こされるミトコンドリア病のひとつが、「ミトコンドリア糖尿病(高血糖症)」。
ミトコンドリア糖尿病は、日本人における糖尿病患者の約1%に当たると言われており、比較的若年層で発症する糖尿病です。
原因は主に、ミトコンドリアの異常。
これによって血糖値を下げるインスリンの分泌が障害されて高血糖状態が続き、糖尿病を発症させるのです。
通常の糖尿病患と同様に、インスリンによる治療が行なわれます。

ミトコンドリアがしっかり機能していなければ、私たちは健康な生活を送ることができないということをご理解頂けましたでしょうか?
ここからは、私たちの健康を支えるミトコンドリアを活性化するための方法についてご紹介していきます。
ミトコンドリアを活性化する運動
ミトコンドリアは、酸素を使ってエネルギーの産生を行ない、体を修復して老化を防ぎます。
ミトコンドリアのそうした活動を活発にするには、運動が効果的。
ここからは、ミトコンドリアを活性化させて鍛えるための運動をご紹介していきます。

有酸素運動でミトコンドリアを鍛える
「解糖系」と「ミトコンドリア」によって生活するのにじゅうぶんなエネルギーを作り出すことができている状態では、ミトコンドリアも酸素吸入量も、現状から大きく増えません。
逆に言うと、ミトコンドリアを増やすことが必要になる程度の酸素を取り込むことで、「ミトコンドリアを増やす」ことができるのです。
つまり、少しきつめの運動、特に酸素を必要とする「有酸素運動」を行なうことで体内に酸素が多く取り込まれると、ミトコンドリアがフル回転を始め、エネルギーを産生します。
また、ミトコンドリアのDNAが高まる需要に応えるためにミトコンドリアの分裂を促し、ミトコンドリアが増加することがあるのです。
これらの理由から、ミトコンドリアの増加には「酸素と有酸素運動が必要」だとお分かり頂けたでしょうか?

「サーツー(Sir2)遺伝子」が活性化すると、細胞を新しく生まれ変わらせる「オートファジー(自食作用)」という機能が働きます。
このオートファジー機能によって、細胞内の「ミトコンドリア」が増加するだけでなく、細胞の中で異常を起こしたたんぱく質や古いミトコンドリアが除去されて、細胞を若返らせることができるのです。
またオートファジー機能には、脂肪の燃焼やシミ・シワの防止、認知症や難聴の予防など、私たちの体を若々しく健康に保ってくれる様々な効果が。
「サーツー(Sir2)遺伝子」は、カロリー制限を行なって体を低栄養素状態にすることで、活性化のスイッチを入れることができます。
食事は腹7分目に制限することで長寿遺伝子が活性化され、ミトコンドリアも活性化し、健康で若々しい体になることが結論づけられました。

生活習慣病を防ぐ ”少食” のすすめ
”メタボ”がクローズアップされ、肥満が不健康のきっかけと言われています。
今回の保健指導室だよりは、生活習慣病予防月間の健康標語”一無・二少・三多”(いちむ・にしょう・さんた)の ”二少” の一つ ”少食” にフォーカスします。
二少(にしょう)って、何?
暴飲暴食を長年続けていると、肥満や生活習慣病を引き起こすリスクが高まることはご存知の通りです。
 生活習慣病を防ぐという意味では、ご自分の年齢や活動量などに応じた適量を、腹八分目程度に食べるのが健康長寿の秘訣でもあると言われています。
 そんな“少食(腹八分目)”の意識を広め、食生活を見直す機会にしていただければと思います。
日本では昔から小食『腹八分目に医者いらず』と言います。
お腹いっぱい(満腹)まで食べる習慣をやめ、腹七、八分目くらいで止める心がけが必要です。
偏食をせず、よく噛み、三食を規則正しく食べましょう。
もっとも望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜、それに果物、乳製品といわれています。よく噛んで、三食を規則正しく食べ、偏食をしないことが大切です。
特に「3つの白を控える」ことと、「食物繊維を豊富に摂る」ことが重要です。
 「3つの白」の一番目は白米・白パンの白、二番目は食塩の白、そして三番目は砂糖の白。いずれも食べすぎ、摂りすぎに注意してください。

「腹八分目」ってどれくらいか、ご存知ですか?
腹八分目が体に良い事は誰もがご存知だと思います。でも具体的にはどれくらいかわからない、というのが、本当のところなのではないでしょうか?
胃は、伸縮性があって、食べ物が入っていなければペシャンコの状態なのですが、食べ物が入ってきて大きく膨らむとなんと1.5~2ℓ(リットル)にもなります。個人差はありますが、1.5~2ℓもの量を満たしていなくても満腹感は感じます。満腹感は量ではありません。
つまり、腹八分目も量ではないのです。

まずは腹八分目より食事の量を減らす事が大切
 腹八分目を感じることなく、気がついたら満腹になっていた!ということはありませんか?腹八分目というのは、本当に感じにくい感覚だと言えるでしょう。
 満腹感を感じるために必要な食事の量が決まっているわけではありません。 
腹八分目を意識し過ぎて食事の量を極端に減らしてしまっては、ストレスになりますし、続けられません。「腹八分目」を意識しなくても、例えば、ご飯の量の盛り付けを少し減らす、おかずの量を一口分減らす、などしてみるところから始めてみてはいかがでしょう?

腹八分目にするコツ  ――→  よく噛んでゆっくり食べることが大切
よく噛むことは、満腹中枢を刺激することにつながります。先にもお話したように、満腹感を感じるには約15~20分かかってしまいます。それ以上に早く食べることは満腹感が得られにくく、食べ過ぎの原因となってしまいます。
 噛むことで食欲を抑制する働きがあるホルモンの分泌が促進されることがわかっています。そのホルモンはレプチンといいます。よく噛んで食べると多く分泌され、食べすぎを防いでくれます。
 ゆっくり食べていると、早食いでは気づかないような程よい満腹感に、気づきやすいかもしれません。一口食べるごとに箸を置くなどして一口5回多く噛む、野菜でボリュームをつける、などの工夫が必要です。

「早食いの人に肥満が多い」肥満予防は、健康生活のポイント
“メタボリックシンドローム“この基準や対応策をご存じですか?
“メタボ対策”「やる気はあるが自信がない」と考えつつ、早食いを続ける肥満者・・・
肥満者は、やせ型やふつう型の人よりも、「早食い」で、メタボ対策に食事・運動習慣の改善をするつもりはあるものの、「自信がない」という人が多いことが明らかになりました。

  

この調査の質問で、「食べる速さが速い」と回答した人は、

  BMI25以上の肥満者は男性63.9%、女性46.5%
  やせ型の人は、男性35%、女性28.5%
  ふつう型の人が男性47.2%、女性36.1%

上図を見ると、肥満者の特徴が見えてきました。
 つまり、“早食い“が、肥満者の、大きな特徴!と言えるようです。「よく噛んで食べる」この基本的なスタイルが、体重コントロールのカギを握っているようです。あなたも今日から”1口5回多く噛む“ことを実行してみましょう!
 また、メタボリックシンドロームの予防や改善のための食事や運動の実践状況に関しては、「実践するつもりはあるが自信がない」と答えた人が、肥満者で男性31%、女性44.1%と、やせ型、ふつう型の人に比べて多いのです。ダイエットの失敗経験や、肥満体型が長い間改善されないことから、食事や運動習慣を見直しても、それを維持していく自信が失われているように見受けられます。「今度こそ大丈夫!」と、気持ちを新たに、自信を持ってダイエットを始めましょう。

体内時計・時計遺伝子の考え方
 「時計遺伝子」「体内時計」「時間栄養学」これらの言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
 睡眠・目覚め、ホルモン分泌や免疫機能、自律神経など人間の生命活動を調節する様々な生理機能は約24時間周期で規則正しく変動しています。これを「サーカディアンリズム(概日リズム)」といいます。「サーカディアンリズム」というのは、約24時間周期で変動する生理現象。動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在しています。英名であるcircadianrhythmは、ラテン語の「約、概ね」を意味するcircaと、「日」を意味するdiesから名付けられました。つまり「概ね一日」の意味です。
 生物の体内時計は、細胞中の時計遺伝子で制御されているのです。
 1日は24時間ですが、実は人間の体は本来約25時間リズム。つまり、体内時計をリセットする仕組みが人間の体には備わっているのです。

体内時計・時計遺伝子
グラフ1 体の中には、色々な時計が潜んでいます。1日のリズムを作る主役は脳の中心部にある中枢時計。これは網膜に当たる朝の光でリセットされるのです。そして準主役は内臓や筋肉などにある末梢時計。これは朝食でリセットされます。例えば明るいところでの朝食は、両方の体内時計を刺激し、全身のリズムを調和させます。
 朝起きたら、まずカーテンを開けてください。もちろん晴れていなくても、曇りでも雨でも、通常の蛍光灯の明るさでも大丈夫です。
 又、何も食べずに出勤!ではなく、牛乳1杯でも必要です。体によくないのは、不規則な生活や食事。夕食は朝食ほど体内時計に影響しませんが、遅すぎる夕食はやはり問題です。“太るもと”です。
 下のグラフ1は、消化・代謝を担う「内臓」の活動リズムを示したものです。例えば、すい臓は血糖を下げるホルモン(=インスリン)を分泌する臓器です。この膵臓の働きのピークは15時前後。糖質を含むおやつを摂るならこの時間帯がベストです。また、注目すべきは脂肪蓄積の司令塔、BMAL1(ビーマルワン)が刻む体内時計。BMAL1(ビーマルワン)とは、生活リズムを調整するタンパク質の1種で、体脂肪の増加司令を担っています。このBMAL1が増加すると脂肪の蓄積量が増加するという仕組みです。急増するのが夜9時以降、逆に少ないのが午後3時ごろ。この仕組みからも、夜遅い食事は太りやすく、午後のおやつは太りにくいということになるのです。

  

グラフ1
内臓の活動時計:これは各臓器の働きにリズムがあることを示しています。
・代謝の要である肝臓→肝臓の活動ピークは12時前後だから、ランチはしっかり食べてOK。
・血糖値調整に欠かせない膵臓は夜間休業。→インスリンを分泌する膵臓は15時前後が活動のピーク。
 糖質を含むおやつを摂るならこの時間帯がおすすめ。
・腎臓は夕方以降に機能がアップ。→血液浄化に励む。野菜をたっぷり摂って、腎臓の浄化活動を応援!

睡眠時間の少ない人
 体内時計の混乱によって、病気になりやすいこともわかっています。睡眠時間の少ない人は、糖尿病になりやすいという研究結果があります。旭川大などの調査によると、1日の睡眠時間が5時間以下の人は、1日の睡眠時間が7時間超の人より、5倍も糖尿病を発症する率が高いということがわかりました。
 睡眠不足は、交感神経系の緊張をもたらし、血圧を上昇させ、食欲を抑制する物質の分泌を抑えるのです。他にも、うつ病などの精神疾患も生じやすくなります。睡眠不足は、“万病のもと“といえます。規則正しい生活リズムをこころがけましょう!

時間栄養学
 「何を」「どれだけ」に加えて「いつ食べるか」を考慮した新しい栄養学です。
そこでは、夜遅くに食事を摂ると太りやすいことなどが明らかになってきました。
実生活に取り入れるポイントは2つ
①夕食は早めにすませる
 夕食のポイント
 どうしても夜9時以降になる人は、夕方5~6時ごろに何か食べると、昼からの長い血糖低下が防げます。また、夜食を満腹になるまで食べなくてもすみ、肥満も防げます。
②朝食をとる
 朝食のポイント
 朝食は、体の活力を上げてくれます。少なくても乳製品や卵などのタンパク質と野菜、果物などを加えて栄養バランスをよくすると、時計遺伝子をリセットする効果が増します。

・この2つを意識するだけで、ダイエットなど様々な健康効果が期待できます。
・これに加えて、ウォーキングなどの運動を取り入れると、筋肉量を減らさず、
 基礎代謝も活発になり、体重は減っていく可能性があります。

 近年の肥満に関する様々な研究では、食事による血糖値の上昇が、肥満と結びつくことがわかってきました。血糖値は糖尿病の人のもの、というイメージが強いかもしれませんが、実はダイエットを心がける全ての人に、血糖値の意識は必要なのです。
「食べる順番ダイエット」「炭水化物ぬきダイエット」の効果がクローズアップされていますが、極端なやり方は心血管疾患の引き金となる危険性もありますので、注意が必要です。人間のからだに必要な、アミノ酸や食物繊維が不足する可能性もあります。
 ご存知のように、食べ物を食べると消化・吸収され、血糖値が上がります。空腹の状態に、消化の良いご飯やパン、麺類などの炭水化物や糖分などを大量にとるような食事が、急激な血糖値の上昇につながり、体脂肪の増加、蓄積につながります。

食べたいものを食べられないストレスは、結果的にダイエットの最大の敵だということが解ってきました。脳の飢餓感が筋肉や骨などの体組織を減らしてしまい、代謝が低下し、太りやすくなるのです。

  ・負担のかかるダイエットは寿命を短くすることが解ってきた。
  ・揚げ物などのカロリーの高いものは、日中に食べるほうが太りにくい。
  ・朝食をとることで、体内時計の正常化につながり、
   脂肪が燃えやすくなるため、やせ体質になれる。
  ・食事は野菜から食べ始めると体脂肪合成が緩やかになる。
  ・よく噛んで食べると内臓脂肪が燃えやすくなることが解っている。

 この中でも、食べる順番ダイエットの「野菜から先に」が推奨されているように、野菜を先に食べるだけでも血糖値の急な上昇を抑えることにつながる、ということが注目されています。野菜料理を食べるという習慣がない方も、何らかの野菜を準備しましょう。そういった行動をすることが食べることにつながり、全体的な野菜の摂取量も増え、食事バランスが良くなるのです。

「腹八分目」の健康効果と見極め方のコツ
「腹八分目」は世界でも、「Light suppers make long life.(軽めの夕食は長寿の源)」という言葉があるほど、よく知られる健康の秘訣。
満腹は体に悪い?
わたしたちが食べたものは、胃腸によって消化吸収がおこなわれます。しかし、食べ過ぎ・飲み過ぎといった食生活を送っていると、胃に疲労が溜まる一方。食後に胃もたれなどの不快感を覚えるときは、胃の働きが低下して消化がしっかりおこなわれていない証拠です。
胃がうまく働かない原因は、食べ過ぎ・飲み過ぎによる酷使だけでなく、精神的なストレスの場合もあります。日頃の食事管理だけでなく、体調に合わせて食べる量を変えるのも大切です。

腹八分目で期待できる健康効果
寿命が延びる
東海大学医学部の橋本一男教授、田爪正気講師が、マウスを用いてある実験をおこないました。それは、ひとつのグループには好きなだけ食べさせ、もうひとつのグループには食べる量を80%の一定にするというもの。
その結果、前者のマウスの平均寿命は74週、後者のマウスは122週だったと報告されています。
食事量の違いだけで、平均寿命に約1.6倍もの差が現れるというのは、かなり驚きですよね。動物実験ではありますが、無視できない結果ではないでしょうか。

細胞の健康維持
わたしたちの体内に存在している酵素のひとつに、「サーテュイン」というものがあります。サーテュインには、細胞の老化を抑制する働きが認められています。
実はこのサーテュイン、ある程度のカロリー制限をおこなうことで、活性化することが分かっているんです。細胞の老化や死滅はさまざまな体の不調につながります。サーテュインを活性化させることで、細胞の健康維持に役立つんです。

どうやって「腹八分目」を判断する?
満腹だと脳が反応するのは、食事を始めてから約20分後。そのため早食い傾向の人は、満腹中枢が反応する前にすでに食べ過ぎの状態になってしまっている場合もあります。
大事なのは咀嚼(噛む)回数を増やし、ゆっくり時間をかけて食事をすること。そして、「お腹がいっぱいになってきたかな」と感じ始めたときに食事を終わらすのがベストです。

腹七分目で若返ろう   ――→  カロリー制限が長寿遺伝子活性化 
腹七分目の食生活を続ければ健康寿命を延ばせることが分かってきました。日々の摂取カロリーを25%ほど減らすと、眠っていたサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化し、さまざまな老化要因を抑えてくれるのです。

健康寿命を延ばす夢の遺伝子   ――→  サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)
「長寿遺伝子」「若返り遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子が、活性化すると、細胞内でエネルギー源を作り出す小器官「ミトコンドリア」が増えるとともに、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー(自食作用)」という機構が働きます。工場の機械装置を更新するのと同じように細胞を若返らせるのです。

それに伴い、細胞を傷つける活性酸素の除去、細胞の修復、脂肪の燃焼、シミやシワの防止、動脈硬化や糖尿病の予防、さらには認知症、難聴などの予防といったさまざまな好影響がもたらされます。人体の健康度を測るバロメーターは70~100項目あるのですが、そのほとんどを改善するともいわれています。
まさに体を若返らせ、健康寿命を延ばす夢の遺伝子というわけです。

25%制限3週間で活性化を実証
ところが、長寿遺伝子はいつも働いてくれるわけではありません。通常は眠っていて、ある条件が満たされたときにだけスイッチがオンになるのです。
その条件とは空腹です。人類の歴史は飢餓との戦いでした。飢餓状態がしばらく続いても生命を保つ装置として長寿遺伝子が働く生体メカニズムが備わってきたのだと考えられています。
空腹、つまりカロリー摂取の制限が長寿遺伝子を活性化させることは、さまざまな研究によって実証されてきました。

この研究では、30代から60代の男性4人に1日に必要なエネルギー量からカロリーを25%制限した食生活を7週間続けてもらい、長寿遺伝子の活動状況を調べました。その結果、わずか3週間でも長寿遺伝子が作るサーチュイン酵素の量が1・4~4・6倍に増加し、7週間後では4・2~10倍も増加することが裏付けられたのです。実験の模様はNHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子」でも紹介され、大きな反響を呼びました。

間食や夜食は×。運動も効果あり
1日の中でも長寿遺伝子が活性化したり、眠ったりするサイクルがあると考えられています。食事をすると血糖の上昇を抑えるためにインスリンが分泌されますが、インスリンが働くと長寿遺伝子や自食作用の機構がシャットダウンされることも分かってきました。

つまり、小腹がすいたときのおやつは、せっかく長寿遺伝子のスイッチが入ろうとしているのを妨げる行為ということになります。特に缶コーヒー、ケーキ、アメ、果物などに含まれる単純糖質は、インスリンの急激な分泌を促しますので注意しましょう。食間が長い睡眠中は最も長寿遺伝子が働きやすい時間帯ですので、夜食は最悪のパターンと言えます。基本的に飽食は長寿遺伝子の敵だと考えるべきなのです。

運動をすると長寿遺伝子が活性化することも明らかになっています。米国の研究では、食事制限でカロリーを12・5%カットし、運動で消費カロリーを12・5%増やすと、カロリーを25%制限したのと同じ効果があることが確かめられています。

私たちの研究では少なくとも25%のカロリー制限で効果があることが裏付けられましたが、どの程度のカロリー制限がベストなのか、高齢者にも適応するのかなどは、これからの研究課題です。

 

注目されるレスベラトロール
長寿遺伝子の発見以来、この領域の研究・開発は世界的に大きな関心を集めています。欧米のベンチャー企業では長寿遺伝子を活性化させる創薬研究が活発に行われており、治験段階に入っている例もあるようです。

また、赤ブドウの皮や落花生の渋皮に含まれるレスベラトロールが、カロリー制限をしなくても長寿遺伝子を活性化するのではないかと考えられており、すでに多くのサプリメントが商品化されています。私たちの研究グループでもレスベラトロールと長寿遺伝子とのかかわりを確かめる臨床研究を進めています。最近発表された研究論文と照らし合わせると、「効果あり」と言ってよさそうです。

ただし、飽食生活を続けたままサプリメントを飲んで効果があるのか、多量摂取に副作用はないのかなど、検証が必要な面も多々あります。個人的にはサプリメントに頼りすぎるのではなく、一定の食事制限や運動と併用することが健康長寿を保つ上で大切だろうと考えています。

満腹感得たいなら野菜を増やそう
長寿遺伝子を活性化するには食生活のカロリー制限が必要です。やみくもにカロリーを減らすのではなく、必要なエネルギー量の25%程度をカットするようにしましょう。

推定エネルギー必要量は基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルで求められます。基礎代謝量は厚生労働省から基準が示されています。例えば、体重55キロの40代女性で、身体活動レベルが「ふつう」であれば、21・7×55×1・75=2089 kcalが推定エネルギー必要量であり、その75%の1567kcalが長寿遺伝子を活性化するエネルギー量になります。計算が面倒なら、働き盛りの男性なら1800 kcal、女性なら1500 kcalを目安にすればよいでしょう。

25%もカロリーを制限すると満腹感を得られにくく、続けるのはかなりつらいかもしれません。そうした場合は野菜を増やすのがコツです。満腹感を得やすいだけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維が摂取でき、栄養バランス面でも問題はありません。炭水化物を増やすのは最悪の選択です。

金沢医科大学病院の病院食は1日当たりの野菜摂取量を450~500グラムと多くしているのが特徴です。最近はデジカメなどで病院食を撮影して、退院後の食生活の参考になさっている患者さんが多くなってきています。病院食をベースにバランスの良いカロリー制限食に努めてください。

  


 サーチュイン遺伝子(Sirtuin)とは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすとされる遺伝子で、「長寿遺伝子」とも呼ばれている。細菌から哺乳類まで、多くの生き物に備わっている。サーチュインの発現量を増やすことで老化制御につながる効果を得られたとする動物実験が多数報告されており、人を対象とした臨床試験も進められている。
 どうすればサーチュイを活性化できるのか。その鍵を握るのが、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という物質だ。NADは、細胞内のミトコンドリアにおけるエネルギーの産出に欠かせない補酵素で、サーチュインを活性化させる役割を担うとされている。組織中のNAD量は加齢と共に減少するが、NADを増やすことができれば、サーチュインを活性化させ老化を遅らせる効果を期待できる。 

 NADを増やす方法として、運動やカロリー制限などの有効性が知られているが、近年ではNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド、ビタミンB3からつくられる物質)の摂取なども注目を集めている。 

「オートファジー」を最大限発揮させる方法とは
空腹でいると脳が活性化する理由
「少食」にすること。なにもダイエットとか、そういうものではありません。少食にすると、体は病気を防ぎ健康的に長生きするのための「大掃除」を始めてくれます。時代や社会がどう移ろおうと、どんな時も生き抜く底力を蓄えてくれるのです。

空腹時にお腹がグーグー鳴りますが、これは「モチリン」というホルモンが分泌されているため。このちょっと可愛らしい名前のモチリンが、胃と腸に溜まった食べかすや老廃物をきれいにお掃除してくれることで私たちの体はリセットすることができます。このリセットの時間がないと、老廃物などの毒素が溜まっていく一方。それらが「ちりつも」となって、やがて病気や不調の原因となっていきます。

このモチリンが活発になるためには、おおよそ16時間のあいだ空腹でいることが大切です。最近よく耳にするオートファジーというものは、このことです。オートファジーとは分かりやすく言えば、体に備わった素晴らしい自助システムのこと。オート(自ら)ファジー(食べる)ので自食作用とも言われます。どういうことかというと、空腹でいることで体内の古い細胞や老廃物などが分解・リサイクルされ、生きるために必要な細胞に生まれ変わり、病気や不調、老化といった現象を自動的に改善していく能力です。普段私たちの意識していないところで、このオートファジー機能が静かに私たちの体を守ってくれているのです。
また、同じく空腹ホルモンといわれる「グレリン」というものがあります。これは空腹時に胃から脳(海馬)へ働きかけるもの。グレリンが分泌することで、記憶力や学習能力が向上することがアルツハイマー病の研究から分かったのだそうです(米国テキサス大学ダラス校からの研究報告による)。空腹でいると脳も活性化するのですね。脳と腸の健康が、空腹をしっかり感じることで促進されるのです。

空腹でいる時間をしっかり作ることで、老化の原因とされる活性酸素の発生を抑制することもできます。さらに摂取カロリーを減らすことで、サーチュイン遺伝子といわれる長寿遺伝子が活性化し、細胞の老化を防ぐ働きをしてくれることも分かってきました。空腹の力というものが、あるんですね。

知らず知らずについ食べ過ぎている現代人。空腹状態をしっかり感じ取っている人は少ないのではないでしょうか。過食気味の私たちにとって空腹を味わうことは、さまざまな良い現象を私たちの体へ生み出し、健やかな状態で生きることを支えてくれる大切な要素です。

一日が24時間ですので、16時間の空腹時間というと長いなあという印象があるかもしれませんが、わかりやすく言えば1日2食にすることで実現が可能です。夜8時までに食事を終え、翌朝は水分のみにします。午前中は排毒・排出の時間といわれますから、水分をこまめに取ることでこの排出を促してあげます。お昼ごはんを12時に食べれば、自動的に16時間が確保されます。時間はご自身の一日の流れに合わせて調節してみてください。

仕事量や運動量などの個人差や季節の影響がありますので、自分の体や時期と話しあいながらトライしてみてくださいね。雲間から光射す日はきっと訪れます。

そもそも「空腹感」とは
医学的には、空腹感とは胃の中に食べ物がない状態ではありません。血糖値が下がったときに、脳の視床下部にある空腹中枢(摂食中枢)が空腹を感じ、何かを食べて血糖値が上がると、同じく視床下部にある満腹中枢が満腹を感じます。血糖値が高くなったときと低くなったときの差で、それぞれの中枢が刺激されます。
つまり、血糖値が下がったときに空腹を感じ、上がったときに満腹を感じます。

「断食」とは?
断食とは食物を摂取しないこと。10時間食べ物を口にしなければ、肝臓に蓄えられた糖がなくなり、脂肪が分解されてエネルギーとして使われます。また、当然ですが、摂取カロリーが抑えられるため、太っている人なら体重が落ちていきます。さらに、胃腸を休めることで排便や排尿が促され、むくみが取れて全身がすっきりします。

しかし、まったく何も食べない断食は、継続することが困難です。そこで、石原式では「しょうが紅茶」や「にんじん・りんごジュース」に置き換えて実施します。「調子がよければ、徐々に空腹の時間を延ばしましょう」と石原先生。

断食をすると、痩せるだけではありません。免疫力が上がったり、記憶力がよくなったり、寿命が延びたり…さまざまな健康効果が期待できます。

断食で期待できる効果
効果1・胃腸が休まる
食べ物を摂取して消化・吸収している限り、内臓は休む暇がなく、自分をメンテナンスする時間、治す時間がなくなります。空腹の時間を作るということは胃腸を休める時間、そして自分をメンテナンスする時間を作ることでもあります。

効果2・血液がきれいになる
食べすぎると、余分な栄養や老廃物が血液中に増えてきます。体内の代謝が悪く、臓器の機能が低下すると、血液がドロドロになり、血流が悪くなってしまいます。断食をすることにより、血液中の余分な栄養や老廃物をもう1度代謝して排泄するので、血液がきれいになります。

漢方には、「万病一元、血液の汚れから生ず」という言葉があり、すべての病気は血液が汚れているために起こるという考え方があります。断食をして血液がきれいになると、病気の予防にもつながります。

効果3・免疫力が上がる
免疫力の主力を担っているのは、病原菌を貪食する白血球です。貪食とは、体内の細胞が不要なものを取り込み、消化し、分解する作用のこと。血液中に栄養がたくさんあると白血球はお腹いっぱいになり、病原菌に対する貪食能力が低下します。

逆に、空腹になると血液中の栄養分が少なくなるので、白血球は有害物質や余剰物をエサにします。がん細胞、アレルゲン、ばい菌やウイルスなどを処理するため、免疫力が高まるのです。

効果4・オートファジーが働く
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典教授が解明した「オートファジー」。空腹状態が約16時間続くとオートファジー(自食作用)が働き、細胞の中の古いタンパク質や不要なものを1回壊し、また新しいものに変える、リサイクルするというものです。つまり、食べ物がないから、古くなったものから栄養を摂ろうという仕組みです。オートファジーが働くことで、細胞が新しいものに変わり、アンチエイジングの効果が得られます。

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たとえば、アルツハイマー型認知症は、アミロイドβタンパク質が脳細胞に蓄積して発症します。しかし、オートファジーが働くと、細胞についたアミロイドβタンパク質が分解され、認知症の予防になると言われています。

効果5・寿命が延びる
2000年にアメリカのマサチューセッツ工科大学の学者、レオナルド・ギャランが、空腹の時間を長く保つとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化し、長生きすることを発見しました。常に満腹状態にしたサルと腹六分にして飼育したサルを20年間観察したところ、「満腹ザル」はしわが増え、体毛が薄くなり、動脈硬化や高血圧の症状が出たそうです。一方、「腹六分ザル」は、しわもなく、体毛はふさふさ、生活習慣病もまったくなかったといいます。

また、アメリカ・ルイジアナ州ベニントン生物医学研究センターの学者、ドナルド・イングラムが、国立老化研究所(NIA)に在籍時の研究で、年老いたネズミのエサを60%減らすと、脳内のドーパミンが増えて寿命が40%延び、学習能力が向上したと発表しています。

効果6・頭がよく働き、記憶力がよくなる
空腹のときに分泌されるグレリンというホルモンにはがん予防のほか、胃腸の働きをよくしたり、自律神経の働きを調整したり、ストレスに対抗したり、炎症を抑制する働きがあります。さらに、グレリンが脳の海馬に届くと、神経と神経を結び付けるシナプスが活性化され、記憶力のアップや認知症の予防に役立つことがわかっています。

効果7・便秘が解消する
生理学では「吸収は排泄を阻害する」という理論があります。食べ物を摂取すると、消化・吸収するために消化器に血流が集中し、排泄のための器官が充分に働きません。そのため、排便、排尿、発汗、鼻汁、目やになど、排泄が不十分になります。

逆に、空腹の時間を作れば、消化・吸収のための器官が休み、排泄のための活動が活発になります。

「16時間断食」が起こす3つの奇跡
1日の中で食事をとらない時間を16時間連続で作るだけで、体重が減って、体の不調が改善する!?
空腹の時間を作ることで不調が改善される
「睡眠時間」+「その前後の時間」で16時間食べずに過ごすのが「16時間断食」
睡眠時間8時間とすると、あとは寝る前と起きた後、合わせて8時間食事をしないだけで「16時間断食」が完了。やり方はごくシンプル、すぐスタートできます。


  

  

空腹で過ごす16時間は、1日の中でどこに設定しても構いません。夕食を楽しみたい人なら、〈昼夜食べる場合〉の図のように夕食後から午前中までを“食べない時間”に。朝食を食べないと午前中動けないという人であれば、〈朝昼食べる場合〉の図のように昼食以降を“食べない時間”に。生活スタイルに合わせて続けられる時間を選んで。「食べない時間は、水やお茶などカロリーのない飲み物はOKです。食べていい時間の食事内容については気にすることはなく、好きなものを食べて大丈夫です。ほどほどであれば間食もOKですよ」

なんで16時間なんですか?

  

A.体をケトン体代謝にするためです
人の体は、普段は糖質をエネルギー源とするブドウ糖代謝ですが、空腹の時間が続くと中性脂肪などを分解してエネルギーにするケトン体代謝に。ケトン体という物質の発生は飢餓状態にある証で、そうなると体内で下記の“奇跡”が。「グラフを見ると、最後の食事から12時間程度でケトン体が発生し始めています。多くの研究では18時間断食が推奨されていますが、実践しやすい方法として16時間をおすすめしています」(青木 厚さん)

空腹が起こす!「3つの奇跡」
おなかが空いたと感じているとき、体の中ではさまざまなよい変化が起こっています。こんなことが起きているとわかると続けるモチベーションに!

①胃腸を休ませて、働きが復活する
1日3回食事をすると、胃や小腸に食べ物が残った状態で次の食べ物が入ってくることに。自覚がなくても、胃腸がフル稼働して疲れているかも!?「空腹の時間をしっかり取ることで、胃が休められて衰えていた消化機能が戻ります。また、腸も働きすぎで動きが鈍ると、便秘や下痢を起こすだけでなく腸内細菌のバランスの乱れにもつながります」(青木 厚さん)。腸の働きが整うことによって、肌荒れやアレルギー症状の緩和も。

②脂肪が燃焼、ダイエットに、生活習慣病予防に
空腹の時間が続くと、体内で脂肪が分解されていきます。脂肪がなくなるメリットは見た目が変わるダイエット効果だけではありません! 「内臓周辺につく内臓脂肪は、糖尿病や心疾患、脳血管疾患など生活習慣病の原因にも。内臓脂肪が分解されれば、生活習慣病にかかるリスクを大きく減らすことにつながります」

③オートファジーが働いて、若々しいカラダに
2016年に東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したのが、細胞を内側から新しく作り替えるオートファジーの研究。細胞が生まれ変わると生活習慣病や感染症の予防、肌や筋肉の老化を抑えることにもつながるとか!? 「オートファジーは常にゆるやかに働いていますが、体が飢餓状態になると活発化するとされています。その目安が、最後にものを食べてから16時間ほどなんです」

「体重減少など見た目にわかる変化を実感するには、毎日継続することが必要ですが、断食を週1日でも行えば胃腸の休息にはなり、オートファジーも活発化します。週末だけの16時間断食でも体質・不調改善の効果は期待できます」

週末だけでも、逆に平日だけでも、まずは自分ができる形で始めてみてください。だんだんと空腹に慣れてくれば、また何かしらの効果が実感できれば、ほかの日にも空腹時間を作りたくなってくるはずです。

14時間くらいになってもいいですか?  14時間でもブドウ糖代謝からケトン体代謝に切り替わります。
オートファジーを活発に働かせるには、16時間以上の断食が望ましいですが、12時間くらいたつと体内の脂肪が分解されるケトン体代謝が主になってきます。
ケトン体代謝に切り替わっているということは、体が飢餓状態にあってオートファジーも活発に働き始めているということです。

オートファジーの健康効果
オートファジーは今、世界中の注目を集めています。
   ・内臓の疲れがとれて、内臓機能が高まり、免疫力もアップする。 
   ・血糖値が下がって、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。 
   ・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善される。

そもそもオートファジーとは、細胞内で古くなったり壊れてしまった悪玉タンパク質をエネルギー源として処理し、新しいタンパク質を作り出すメカニズムのこと。
これは、最後に食事を摂ってから12時間後に発動すると言われており、体内の細胞がよみがえることで免疫、血管、自律神経などに良い効果をもたらしてくれるという。
「空腹時に運動や筋トレを取り入れることで、動かした局所のオートファジーがより活性化することがわかってきたんです」。まず前提として、運動をしなくてもオートファジーの効果は十分にある。16時間の断食をすることで脂肪が燃やされるし、オートファジー効果で体内の古くなった細胞が生まれ変わることで、病気や老化も遠ざけてくれる。
したがって、細胞が飢餓状態になったときや低酸素状態になったときにこそ、働きが活発化します。 具体的には、最後にものを食べてから16時間ほど経過しなければ、オートファジーは活発化しません。 つまり、16時間の「空腹の時間」を作らないかぎり、オートファジーによって細胞を生まれ変わらせることはできないのです。

がんの予防、転移再発予防のひとつとして今回は2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典東工大栄誉教授の研究テーマ、「オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みの解明」という研究から生まれた医学的に正しい食事術についてお伝えします。
まず現在、抗がん剤や放射線治療など、闘病中のがん患者さんは気を付けなくてはなりません。というのも、がんを増殖させる可能性があるからです。
 がん治療中に、オートファジーが活性化すると、がん細胞が自分で栄養をつくり出すため生き残りやすくなってしまうのです。もし、これからお話しする食事術に関心がある闘病中のがん患者さんは、必ず主治医の先生と相談してほしいです。

ところが何かの原因でDNAが傷つけられると細胞のコピーミスが生じて突然変異を起こし、がん細胞になります。こうして体内では毎日3000から5000個ものがん細胞が生まれます。
しかし傷ついたDNAはすぐに酵素によって修復されます。
もし修復できなければその細胞を除去し、アポトーシス(細胞の自死)に導くのですが、それができなかった場合、がん細胞は血液に乗り全身を駆け巡ってしまいます。しかしここで、パトロールしている免疫細胞が発見して除去してくれる仕組みがあるのです。ところが、これだけの防御システムが働いても生き残るがん細胞がいます。

そこでオートファジーが関係するんですね? 
  空腹状態でオートファジーが働くと、古くなったミトコンドリアが新しく生まれ変わり、がん細胞の発生原因の一つである活性酸素が抑制されます。活性酸素の多くは、細胞内の古く質の悪いミトコンドリアから発生しますが、新しく質の良いミトコンドリアでは活性酸素の発生が抑えられるわけです。 また空腹時間に脂肪が分解され、発がんリスクのある糖尿病や肥満なども改善されます。
糖尿病や肥満は、がんになるリスクを高めます。またインスリン濃度が高い状態が続くと、細胞の増殖が促進されたり、細胞の自然死であるアポトーシスが起こりにくくなったりします。でも空腹でいれば血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促されるので、インスリン濃度が高くなりませんからね。糖尿病の人にも朗報ですね。
食後10時間でブドウ糖がなくなり脂肪、特に内臓脂肪の分解が進み、エネルギーとして使われるようになります。内臓脂肪を減らすことでがん細胞の増殖を促すホルモンの「TNAα」や「IL–6」の分泌も抑えることができるのです。さらに内臓を休ませることで、内臓の消化・吸収・解毒・排泄機能が高まり、腸内環境も改善して免疫力も高まります。免疫細胞の約6割が腸に集中していますから、腸内環境が悪化すれば免疫力が下がります。胃腸などの内臓機能が低下すると、がんの原因となる有毒物質が腸内にたまりやすくなります。

  

私は、夕食を4時、そして朝食は8時に頂いています。
日常は、6時には海辺のクボ(小屋)で日の出を待ちます。30分の日光浴を終えてのんびりクボで朝食の声が掛かるのを待ちます。午前8時になると「ご飯です」と声がかかります。
昨夜の夕食は6時です。少量のおかずを食べ、炭水化物系は食べません。そして8時にベットインします。夕食後のテレビやパソコンはしません。もちろん、夕食後の間食や夜食も取りません。ですから通常は、14時間の空腹タイムですが、一週間に一度は、夕食を5時に食べ、朝食を9時にします。これで16時間の空腹タイムの確保に繋がります。
つまり朝型の生活リズムでの余生です。テレビは、一週間の保存タイプですから好きな時間帯に好きな番組が観れる効果があります。つまり早起きして朝日の日光浴が私の健康習慣です。
自律神経が整い、体内時計もリレットされ、体内で働くホルモンのバランスが正常に働き健康余生、未病に繋がっています。

 

 

 

 



フィリピン人にとってクリスマスは大イベントです。家族との絆や愛を感じる大切な時間のように想います。日本では、クリスマスは友達や恋人と過ごす方が多いですが、フィリピンではクリスマスは家族と過ごすのが一般的です。
日本で、お祝い事をするときに「お寿司」を食べるのが一般的ですが、フィリピンだとクリスマスや、誕生日、正月と言ったお祝いの日には、「レチョン」を食べます。

  

クリスマスはタガログ語で「Pasko(パスコ)」といい、メリークリスマスを「Maligayang Pasko(マリガーヤン・パスコ)」といいます。
クリスマスパーティーに、パーティー好きなフィリピン人に「歌」と「踊り」は欠かせません。大人たちは、お酒で盛り上がります。

今日は我が家のクリスマスパーティーをご紹介します。
子宝の国と言われるフィリピンです。
フィリピンの国土は、298,170平方キロメートル(日本の約8割)。7,641の島々です。人口は、1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査)、そのうち約40%が18歳未満の子どもです。
フィリピンにはなぜ子供が多いの?! フィリピンには日本に比べ出生率が高く沢山の子供達がいます。その理由の1つは彼らが信仰している宗教に関係していました。近年、日本では少子高齢化が進み出生率が減少していますが、フィリピンは日本とは異なります。日本の出生率が1.42に対して、フィリピンの出生率は2.98です。これは、1家族に約3人の子供がいるという計算になります。この数字は他の国々と比べても高いほうです。ちなみにフィリピンの人口は右肩上がりで、2015年時点で1億142万人でした。今後フィリピンの人口はさらに増加すると言われています。日本とは異なり子供が多くいるフィリピンですが、その理由の1つが人々の信仰している宗教に関係していました。フィリピンでは人口の90%がキリスト教を信仰しています。キリスト教では「子供は神から授かった大切な命」と言われており、避妊・中絶を禁じています。そのためフィリピンでは、法的にも一切認められていません。ちなみに、フィリピンでは離婚をすることも宗教上禁じられています。貧困層の家庭ではお金が無く子供を育てることが厳しい環境でありながらも、フィリピン人は近所の皆でお互い助け合いながら子供達を育てます。昔の日本も出生率が高かった時代は、親族や近所の皆でお互いに協力し助け合いながら生活をしていました。それがまさに現在のフィリピンです。

フィリピンは熱帯性気候であり、年間を通じて温かいのが特徴です。
年平均気温は26~27℃、6月~11月が雨期、12月~5月が乾期となります。この温暖な気候から、ココナッツやマンゴー、バナナなどの果物が有名で、これらの果物がドライフルーツにして販売されていたりとお土産としても定着しています。

ASEAN唯一のキリスト教国で、国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%。
イスラム教は5%(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上)です。
フィリピン人の平均寿命は、男性67.4歳、女性73.6歳(2019年世界保健機関)です。

一族郎党家族の絆、愛で結ばれています。
まず、恒例の記念写真、私の周りに移住生活で得た親族が集まりました。日本では少子化が進んでいます。




総勢35人の大パーティーです。これだけ親族が集まるのは初めてのことです。コロナ渦で樹脂句生活です。コロナワクチンの摂取も終わり、久々のバカンス気分に招待です。
私のためにとパーティーは、4時からと少々早い開催です。大人から子供まで全員にクリスマスプレゼント用意したのはお年玉にしました。

本番の飲み会は10時から、私は高齢のため7時までお付き合いしました。

 


 



 

 

81回目のクリスマスイブを祝うことができました。フィリピンでは、21回目のクリスマスです。
コロナ渦で自粛ムードがありましたが、我が家では新しい親族が集まりお祝いをします。

現在、クリスマスイブは12月24日のことを指しますが、これは本来の意味ではないそうです。 イブは英語では『evening(夜)』のことなので、つまりクリスマスイブとは『クリスマスの夜』を意味します。
「クリスマス・イヴ」(Christmas Eve)は、キリスト降誕祭である12月25日の「クリスマス」(Christmas)の前夜。
「eve」は「夜・晩」を意味する古語「even」から来たもので「クリスマスの夜」という意味になるのです。キリスト教会暦では日没が一日の始まりであり、クリスマスは24日の日没から25日の日没までとなるので、その間の夜である24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼ばれています。
日本では「クリスマス(12月25日)の前夜」と認識されることが多いですが、正しくはその言葉通り「クリスマス当日の夜」となり、「クリスマス・イヴ」は既に「クリスマス」に含まれています。
キリスト降誕の前夜祭として、この日からクリスマス当日の12月25日にかけて礼拝が行われます。この礼拝はカトリック教会ではミサ(mass)と呼ばれ、欧米ではこの日から1月1日または1月6日までが「クリスマス休暇」となる場合が多いのです。

クリスマスソングが流れ、ポインセチアの赤やセイヨウヒイラギの緑が目にとまり、あちらこちらにメリークリスマスの文字が躍る・・・クリスマスカラーに染まった街並みを歩くと、誰しも胸が高鳴るものです。

クリスマスとは、イエス・キリストの降誕祭です。新約聖書では、キリストの生まれた日を特定はしていません。そのため、降誕祭とは「キリストの誕生日」ではなく、「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」となります。
キリストは今から約2000年前、ユダヤのベツレヘムの馬小屋で、聖母マリアのもとに生を受けました。この生誕をお祝いする日がクリスマス(降誕祭)です。しかしながら、クリスマスがいつ始まったのか、どういう経緯で始まったのか多くの教会で明示はしていません。キリストの誕生日同様に、聖書に記述がないことが大きな理由です。
では、なぜ世界中で、そして多くのキリスト教の諸教派で12月25日が共通してクリスマスなのでしょうか。いつ頃この慣習が始まったのでしょうか。諸説ありますが、代表的な由来をご紹介があります。

 

クリスマスがいつ頃始まったか正確な年代はわかっていません。しかしながら、2世紀~4世紀頃に始まったという説が有力視されているようです。
当時のヨーロッパはローマ帝国時代。キリスト教は国教ではありましたが、まだまだ民衆には定着していませんでした。ちょうどその頃、ペルシャから太陽信仰の性格を持つミトラス教という宗教が伝わってきました。そして、このミトラス教には「光の祭り」という信仰上の大切な行事がありました。「光の祭り」が行われるのは、一年で最も昼間が短くなる冬至。この日を境に再び昼間が長くなっていく、すなわち太陽の力が強まっていくことを祝います。この冬至が、12月25日にあたっていました。
一方で、ローマ帝国もともとの土着の祭りとして、農耕の儀式もまた12月25日前後に執り行われていました。
そこでローマ皇帝はイエス・キリストを「光」に例え、「光(太陽)の復活はキリストの復活」とし、前述の土着の祭りをすべて吸収する形で12月25日をキリストの降誕祭に制定します。ほかの宗教との対立を防ぐための、折衷案としての意味合いもあったのでしょう。
このクリスマスの誕生は功を奏し、異なる宗教同士の摩擦を減らすだけでなく、キリスト教を広める大きなきっかけにもなりました。
ちなみに、クリスマスに行われるイベントはキリスト教由来のものばかりではありません。たとえばクリスマスツリーは、古代ゲルマン民族のお祭りから伝わったとされています。こういったことからも、クリスマスは土着信仰との融合に端を発している可能性が高いのです。
では、12月25日の前夜にあたる「クリスマスイブ」はどのような由来があるのでしょう。
「イブ」とは英語の「evening(夜)」と同じ意味の古語「even」のことであり、クリスマスイブとは「クリスマスの前夜」ではなく「クリスマスの夜」のことなのです。これには、キリスト教の前身にあたるユダヤ教の暦(ユダヤ暦)が大きく関わっています。
ユダヤ暦では、日没が一日の変わり目とされています。そのため、12月24日の日没から25日の日没までが「クリスマス」となります。クリスマスイブは、すでにクリスマスに含まれている24日の日没から深夜までということになります。
現在では、教会や宗派によって解釈はさまざま。一般の暦にならい、25日に日付が変わると「クリスマス」とみなす宗派もあります。どの宗派も、それぞれの教えに則りクリスマスの伝統を大切に守り続けています。

フィリピンのクリスマスはどのような感じなのかご紹介します。
同じクリスマスでも日本とフィリピンとではこう違うのでしょうか?それはカトリック教が強いフィリピンだからこそ、独特のクリスマス文化があるのです。一体フィリピン人はどのようなクリスマスを過ごすのか、チェックしてみませんか?
元々クリスマスはキリスト教で神の子として知られているイエス・キリストの誕生日の12月25日を祝うというのが元々のルーツです。

 

11月くらいになると、クリスマスの準備が本格化し、ほとんどのロケーションでクリスマスソングが流れていたり、商業地区、レストラン、学校や職場ではクリスマスのデコレーションが飾られてきます。そして12月16日から「Simbang Gabi(シンバング・ガビ)」と言われるミサが午前3時から5時までの夜明けに行われ、24日までの9日間、キリストに祈ります。これはフィリピン独特に出来たクリスマス文化で、信仰深いフィリピン人は16日から毎日早朝のミサを行うために教会へ足を運びます。
24日のクリスマスイブには親族が一つの家に集まってクリスマスイブを祝います。レチョンやスパゲッティ、フィリピン料理などの料理が用意されて、お酒を飲みながらカラオケを楽しんだり、子供が多い場合は誕生日パーティーなどで行われるようなゲームを用意したりします。外は花火が上がることもあります


フィリピンでのクリスマスの過ごし方は  ――→  大好きな家族と過ごします。
  ★家族愛が溢れるクリスマス
キリスト教徒が大半を占めるフィリピンでは、1年の中で最も大切なイベントと言われているのがクリスマスです。
クリスマスの為に、莫大なコストをかけて長い期間準備をし、クリスマス当日は家族みんなで盛大にお祝いします。
フィリピン人にとってクリスマスは大イベントなのです。
フィリピン人にとってクリスマスは1年の中で最も大きなイベントで特別な意味を持ちます。
国民の8割がキリスト教徒なので、イエス・キリストの誕生日でもあるクリスマス12月25日は、イエス・キリストの生誕を祝う儀式の為、国を挙げて盛大にお祝いします。

 ※ちなみに、クリスマスはタガログ語で「Pasko(パスコ)」といい、メリークリスマスを「Maligayang Pasko(マリガーヤン・パスコ)」といいます。

日本では、クリスマスは友達や恋人と過ごす方が多いですが、フィリピンではクリスマスは家族と過ごすのが一般的です。
遠く離れている家族や海外にいる家族がクリスマスに近付くと実家に帰省し、家族みんなで盛大にクリスマスパーティーを開いてお祝いします。
プレゼントを交換し合ったり、カラオケしたり、ダンスしたり、ゲームしたりなど、飲み会、とにかくお祭り騒ぎが大好きなフィリピン人です。

しかし、GDPの約10割が海外出稼ぎ労働者からの仕送りで成り立っているフィリピンでは、大好きな家族の元を離れ一生懸命働いている方が多くいます。
そんな頻繁にフィリピンに帰省できない方が多く、家族みんなが集まるクリスマスに向けて一生懸命働くフィリピン人も少なくありません。
フィリピン人にとってクリスマスは、家族との絆や愛を感じる大切な時間のように想います。

今日はフィリピン料理をご紹介します。
フィリピン料理(フィリピン:lutuingピリピノ/ pagkaingピリピノ)は、百以上の異なる民族言語グループの料理で構成されているフィリピン諸島で発見。ただし、フィリピン料理を構成する主流のフィリピン料理の大部分は、イロカーノ語、パンガシナン語、パンパンガ語、タガログ語、ビコラーノ語、ビザヤン語(セブアノ語、ヒリガイノン語、ワライ語)、チャバカノ語、マラナオ民族言語グループ。食品製造のスタイルとそれに関連する食品は、オーストロネシア語族の起源(マレーシア語とインドネシア語と共有)から何世紀にもわたって進化してきました。料理)日本、インド、中国、スペイン、アメリカの影響の混合料理に、群島の文化を豊かにした影響の主要な波に沿って、そして他の先住民の食材や地元の味覚に適応しました。


  

今日は、主なフィリピン料理をご紹介します。
料理は、塩漬けの魚とご飯の炒め物のような非常にシンプルなものから、フィエスタのために作られたイベリア起源のフィッシュカレー、チキンカレー、複雑なパエリア、コジドまでさまざまです。人気の料理は:レチョン (全体ロースト豚)、longganisa(フィリピンソーセージ)、TAPA(硬化牛肉)、トルタ(オムレツ)、adobo(鶏肉又は牛肉蒸しニンニクに、酢、油と醤油、又は調理までをドライ)、カルデレータ(肉トマトソースおよび肝臓ペーストで煮込み)、メチャド(醤油に醤油とトマトlardedビーフ)、pochero(牛肉とバナナのトマトソース)、アフリタダ(鶏肉または牛肉と野菜のトマトソース煮込み)、カレカレ(オックステールと野菜のピーナッツソース煮込み)、ピナクベット(カボチャスカッシュ、ナス、豆、オクラ、トマトシチュー風味)エビのペースト付き)、 シニガン(サワーブロスの肉またはシーフード)、パンシット(麺)、およびルンピア(新鮮なまたは揚げた春のロール)。さまざまな食品学者は、フィリピン料理は多面的であり、「東と西が​​出会う」食品の料理界で最も代表的であると指摘しています。

フィリピン料理(フィリピン:lutuingピリピノ/ pagkaingピリピノ)は、百以上の異なる民族言語グループの料理で構成されているフィリピン諸島で発見。ただし、フィリピン料理を構成する主流のフィリピン料理の大部分は、イロカーノ語、パンガシナン語、パンパンガ語、タガログ語、ビコラーノ語、ビザヤン語(セブアノ語、ヒリガイノン語、ワライ語)、チャバカノ語、マラナオ民族言語グループ。食品製造のスタイルとそれに関連する食品は、オーストロネシア語族の起源(マレーシア語とインドネシア語と共有)から何世紀にもわたって進化してきました。料理)日本、インド、中国、スペイン、アメリカの影響の混合料理に、群島の文化を豊かにした影響の主要な波に沿って、そして他の先住民の食材や地元の味覚に適応しました。

料理は、塩漬けの魚とご飯の炒め物のような非常にシンプルなものから、フィエスタのために作られたイベリア起源のフィッシュカレー、チキンカレー、複雑なパエリア、コジドまでさまざまです。人気の料理は:レチョン[2] (全体ロースト豚)、longganisa(フィリピンソーセージ)、TAPA(硬化牛肉)、トルタ(オムレツ)、adobo(鶏肉又は牛肉蒸しニンニクに、酢、油と醤油、又は調理までをドライ)、カルデレータ(肉トマトソースおよび肝臓ペーストで煮込み)、メチャド(醤油に醤油とトマトlardedビーフ)、pochero(牛肉とバナナのトマトソース)、アフリタダ(鶏肉または牛肉と野菜のトマトソース煮込み)、カレカレ(オックステールと野菜のピーナッツソース煮込み)、ピナクベット(カボチャスカッシュ、ナス、豆、オクラ、トマトシチュー風味)エビのペースト付き)、 '、シニガン(サワーブロスの肉またはシーフード)、パンシット(麺)、およびルンピア(新鮮なまたは揚げた春のロール)。さまざまな食品学者は、フィリピン料理は多面的であり、「東と西が​​出会う」食品の料理界で最も代表的であると指摘しています。

  

フィリピンの先住民族が食べていたシンプルな調理法の料理から、スペインや中国の食文化を取り入れた料理など、多彩な味わいを持つフィリピン料理。フィリピン国民の主食は、日本と同じお米です。料理は島国のため、新鮮な魚介類を使ったものが多く、日本人に馴染みやすい料理が数多くあります。もちろん、肉類を使った料理も多く、とくにチキンは専門店があるほど、地元では人気が高いです。米は日本米に比べると水分が少なく、好き嫌いがあるかもしれません。
フィリピン料理で是非とも味わっていただきたいのは、新鮮なシーフード料理。ロブスターやカニ、 ラプラプ、バングス等々、フィリピンならではの味覚をお楽しみください。なお、フィリピン料理の場合、左手にフォーク、右手にスプーンを持って食事をするのが習慣になっています。フィリピンに来たら、ぜひ試してみてください。日本では味わうことのできないトロピカルフルーツです。

 
●シニガン Sinigang
日本のお味噌汁にあたる、フィリピンの伝統的なスープ。野菜とエビをベースに煮込み、タマリンドで味付けした酸味のあるもので、エビの他に、肉類や魚介も使います。食欲をそそる酸味は暑い夏の日や夏バテ気味の時にもぴったりです。

 
●パンシット Pancit
フィリピン風焼きそば。フィリピンでは、イベントや特別な日に、大皿に盛って出されます。パンシット・ビホンは焼ビーフンのこと。具材には、チキンやエビ、野菜などをたくさん使い、味付けはパティス(魚醤)、カラマンシーを使います。

 
●カレカレ Kare-kare
野菜と牛肉をピーナッツソースで煮込んだフィリピンの定番料理。カレーを連想してしまう名前と見た目ですが、ピーナッツを原料としたシチューに似た料理です。具材は、牛肉にインゲン、青梗菜、ナスを使います。地域によっては、牛肉ではなく、豚肉や鶏肉、ヤギ肉を使うこともあります。

 
●アドボ Adobo
フィリピンの代表的な家庭料理。スペイン植民地時代に、フィリピン人がお酢を使って料理しているのをスペイン人が見て、酢につけるのという意味の「アドバール(adobar)」と呼んだのが名前の由来です。豚肉や鶏肉、牛肉をニンニクや酢、醤油、胡椒と一緒に煮込んで作ります。

 
●ルンピア Lumpia
フィリピン風の春巻き。中身はエビ、鶏肉、豚肉などにココナッツの実を混ぜたものが入っています。ルンピアには3種類あり、ひき肉や魚などと野菜を包んで揚げた「プリト」、野菜のソテーなどを生春巻きで巻いた「サリワ」、また具を巻かずにご飯などといただく「フバッド」があります。

 
●レチョン Lechon
フィリピンのお祭りや結婚式などのイベント事には欠かせない豚の丸焼き。レモングラス、玉ねぎ、にんにくなど様々なハーブを詰めた豚をじっくりと焼き上げて作るフィリピン全土で食べられる郷土料理です。

 
●Bulalo ブラロ
牛すね肉を脂やコラーゲンがスープに溶け込むまでじっくり煮込んだ料理。肉がほぐれるように柔らかく、牛骨エキスのスープは程よい塩味で整えられていて美味しい。スイートコーンやさやいんげん、白菜などの野菜も入っていて、栄養満点。タガイタイの名物料理でもある。

 
●Caldereta カルデレータ
スペイン統治時代にスペイン人から伝わったと言われる料理。じゃがいもやニンジンなどの野菜とビーフまたはポークをトマトペーストで煮た料理で、元々はヤギ肉が使われていたが、今ではビーフが最も一般的。レシピによっては唐辛子で辛口に仕上げる場合もある 。

 
●Lumpia ルンピア 
春巻き。豚ひき肉入りのLumpiang Shanghaiはファーストフードやフードコートでよくみかける。もやしを使ったLumipang Togeや生春巻きのLumpiang Sariwaなどのバリエーションも。

 
●Nilaga ニラガ
美味しいポークと野菜の煮物。あっさりしたクリアスープなので食べやすい。ポーク、白菜、ジャガイモの他に、サバと呼ばれる料理用バナナも入っている。スープを白いご飯にかけて食べるのがフィリピン流。

 
●Pochero ポチェーロ
「Puchero」とも言い、チキンやポークをトマトで煮た料理。味の決め手となるのが、「サバ」と呼ばれるフィリピンの料理用バナナ。ジャガイモ、ニンジン、さやいんげんなど野菜が豊富で、ひよこ豆なども入っていて、ボリュームと栄養たっぷり。

 
●isig シシグ ★
おかずとしてご飯と食べるほか、おつまみとしても人気の高いシシグ。豚の顔や耳の肉をたまねぎや唐辛子と炒めて、好みでカラマンシーを絞って食べる。仕上げに生卵をのせることも。マグロ、イカ、牡蠣などを使ったバリエーションもある。レストランでは熱い鉄板の上でジュージュー音を立てながら運ばれてくる。

 
●Tinola ティノーラ
クリアなスープと、ほんのりニンニクとショウガの香りが美味しいチキンの煮物。野菜には大きく切ったサヨーテ(ハヤトウリ)または青パパイヤを使い、果実がスープとよく合う。仕上げに新鮮なマルンガイ(モリンガ)の葉っぱをちぎって入れるので、栄養たっぷり。

 
●Ginataan ギナタアン ★
「ギナタアン」は「ココナッツミルクで煮た」という意味。かぼちゃとさやいんげんを煮たGinataang Kalabasa at Sitaw、チキンを煮たGinataang Manokなど、多くの種類がある。甘く味付けしたものもあり、餅やタピオカ、サツマイモ、ジャックフルーツが入ったGinataang Bilo Biloは日本人の口にもあうデザート。

 
●Pinakbet ピナクベット
「Pakbet」などとも呼ばれ、野菜を炒めて、バゴーンを加え煮詰めた料理。小さく切ったポークを入れることもある。野菜は主にオクラ、カボチャ、玉ねぎ、茄子、さやいんげん、ニンニク、ゴーヤなど。野菜の中でもカボチャのホクホクした味が目立ち、そのままでもライスと食べても美味しい。

 
●Tortang Talong トータン・タロン
茄子のオムレツ。茄子、卵、塩と材料はシンプルだが、茄子を直火で炙って皮をむくため多少手間がかかる。少しスモーキーな風味が特徴。

 
●ヤシガニ

 
●カニwithスウィート&スパイシーソース

 
●ガーリックシュリンプ

 
●バターガーリックシュリンプ

 
●シジリング・ガンバス