生姜は漢方としても製剤化されており、胃腸を活発にする、下痢に効く、食欲増進、吐き気しゃっくり止め、神経痛、関節痛、のぼせ止め、感冒改善、血清脂質の改善・・・といった効能があります。効果を及ぼす物質については、生姜に含有するジンゲロールやショウガオールといった化学物質が働くという。
今回の健康塾は、「生姜の健康効果・効能」の謎解きです。
人間には本来、昼間動いて夜休むという習慣があります。これは単なる習慣ではなく体内リズムと一体になっています。このリズムが、実は健康、とくに胃腸のためにはとても大切。規則正しい生活が理想とはいえ、なかなか難しいもの。体内リズムを整えるための第一歩は、朝日浴にはじまり、一日三食、決まった時間に食事を食べること。また、朝食をおいしく食べるために寝る三時間前からは何も食べない、そして間食はやめることを守ります。こうすることで体内リズムが整い、リズムが整えば快便にもつながります。
ところが高齢になって「加齢による胃の働きの低下」が衰えると、食べ物の消化に時間がかかり長く胃に留まることになり、胃もたれが起こりやすくなります。 加齢にともない胃の粘膜を守る血流が弱くなることも、胃の不調を招く原因になります。
胃には、ぜん動運動によって、一定の時間をかけて食べ物を消化しやすい状態に変え、小腸に送り出す働きがあります。加齢によって胃の働きが低下すると、食べ物の消化に時間がかかるようになり、胃に長くとどまることになるため、胃もたれが起こりやすくなります。また、高齢になると胃の粘膜を守る血流が低下し、そのせいで胃に不調が起こることもあります。胃の働きは、自律神経によってコントロールされています。ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、「食べ物を消化する準備をして小腸に送り出す」という胃の働きが低下し、胃もたれが起こりやすくなります。
加齢やストレス、食べ過ぎ、飲み過ぎなど、胃や自律神経の働きを妨げるような要因があると、ぜん動運動が弱くなったり、空腹時に胃の粘膜が荒れたりして、胃もたれが起こりやすくなるのです。
胃腸は免疫力と深い関係があり、身体全体の調子を司る大事な器官なのです。そこで今回の元気通信では、東洋医学の先生に、胃腸に関するお話を伺いました。気をつけたい胃腸トラブルは?
胃の生理からいえば、問題となるのは食事の回数よりその間隔です。空腹が長時間続くと胃液が胃の粘膜を刺激してびらんや潰瘍ができやすくなるのです。ですから朝食抜きで会社に行く、また、朝食を抜いたままたばこやコーヒーに手を出すことは、胃への拷問のようなものといえます。
朝食はきちんととり、その後は5~6時間あけて食事を取るのが体にはやさしいようです。
「腹八分目に病なし」といわれます。では、食べすぎはなぜいけないかというと、たくさんの食物で胃壁が極端に拡張し、胃の筋力が低下してしまいます。すると胃のぜん動運動がうまく行われず、食物が胃液とよく混ざらないで十二指腸に送られてしまいます。そのためより多くの胆汁や膵液(すいえき)が動員され、消化器全体に負担をかけることになってしまうのです。つまり、胃の中に空間を持たせたほうが食物と胃液がよく混ざり、胃の運動もリズミカルになるということです。
空腹の状態を気持ちいいと思えることも、胃腸の健康のバロメーターといえるでしょう。
「よく噛んでゆっくり休む」忙しいとつい早食いになりますが、噛むことで唾液と食物が混じり合い、消化吸収されやすくなるので、噛まないと胃は余分に働くことになります。噛むことが消化の第一歩というわけです。
噛むことの効能には胃腸の保護のほか、肥満の防止、脳の発達、ガンの予防などがあります。その裏づけとして、よく噛むとパロチンという老化防止ホルモンが分泌されることがあげられます。ひと口三十回噛むことが目安。
また、消化活動には十分な血液が必要なため、食後すぐ動いたり入浴してしまうと、胃に十分な血液が回らなくなって、消化がスムーズにできなくなります。食後30~60分はゆっくり休むように心がけたいものです。
「食べて整える」食べて胃を整えるには、胃酸の分泌量を適量に調整し、胃や腸の消化吸収をスムーズにしてくれるものを食べるのが最適。たとえば大根には、デンプンを分解するジアスターゼという酵素が豊富です。また、荒れた胃の粘膜の修復にはほうれん草が活躍します。粘膜の免疫を高めるカロチンやビタミンCが豊富だからです。
その他にも次のような効果的な食物をバランスよくとるように心がけたいものです。
●消化不良⇒消化を促進する
消化酵素にはデンプンを分解するもの、タンパク質を分解するもの、脂肪を分解するものがありますが、この3つを兼ね備えているのが納豆。納豆は栄養豊富な滋養強壮食であるばかりか、類を見ない優れた消化剤です。
また、消化によいといわれる大根の2倍のジアスターゼを含むのがヤマイモ。消化の悪い麦飯にとろろ汁をかけて食べるのもその理由からです。
タンパク質をよく消化するのはパパイヤ、イチジク、パイナップルなど。酢豚にパイナップルは理にかなっているわけです。
●胸やけ、空腹時の胃痛⇒胃酸を抑える
胃酸はpH2の強酸で金属も溶かしてしまいます。これを中和するにはアルカリ性のカルシウムを多く取るのがよいでしょう。牡蠣やワカメ、コンブなどに多く含まれます。また、胃酸過多はストレスやたばこの吸い過ぎなどでも憎悪するので、胃酸過多の煙草のみの人は気をつけてください。精神安定作用のある蓮の実、ユリ根、ナツメがおすすめです。
●お年寄り、胃弱者⇒胃酸の分泌を促進
胃痛は胃酸過多のせいだと思っている人の50%以上は、逆に胃酸が足りないというデータもあります。特に胃弱の人やシルバー世代はほとんどの場合胃酸が少ないようです。胃酸の分泌を促し、食欲を亢進させるのがアロエやニンニク、ペパーミント、生姜、シソ、梅干、ラッキョウ、ビール酵母など。香辛料にはおおむね胃酸を分泌させる作用があります。
●炎症、潰瘍を抑える
ロヘイヤ、オオバコなど、粘質多糖類を含む食品はただれを抑える働きがあります。モロヘイヤは栄養の宝庫ともいうべき野菜で、ビタミンやミネラルの含有量は野菜の中でも群を抜いています。炎症を抑えるだけでなく、免疫力を高めて炎症を予防するはたらきもあります。
ビタミンUというキャベツ特有の成分は、消化作用と胃粘液の分泌を高め、潰瘍を予防します。また、プロポリスには胃炎や潰瘍の症状を和らげる作用があります。
●胃粘膜を保護する
胃粘膜に皮膜を張り、保護してくれるのがアロエの皮を取ったゼリー質やハトムギ。また、モズクやワカメ、コンブなどに含まれるヌルヌル成分フコイダンは、胃粘液の代わりをしたり胃壁を補修する作用があります。
さて、胃腸に効く健康法を紹介してきましたが、大事なのはやはり、自分で自分の体を可愛がってあげることです。胃腸は「喋る臓器」と言われるほど色々なサイン(胸やけや胃痛)でSOSを知らせてくれます。その声に耳を傾けて、デリケートに接してあげることがたいせつです。おいしい食事を楽しみ、また元気に活動できるのも、健康な体があってこそ。かけがえのない自分の体、大切に扱ってあげましょう。
■しょうがの驚くべき8つの効能とは?
粉末になったものを料理に加えたり、刻んだりスライスしたりして漬けたり、沸騰したお湯にいれてハーブティーにしたり、効能が広範囲にわたるショウガは何世紀も世界中のキッチンで定番の食材になっている。インドの伝統的なアーユルヴェーダ医療では中心的役割を果たしていて、吐き気や喉の痛み、胃痛の効果のある家庭薬として人気です。
そこで、アーユルヴェーダの医師に、腸の健康を高めることから変形性関節症の症状を緩和することまで、ショウガの効能をシェアを紹介します。
ショウガは健康的な成分の宝庫で、実際に400種の天然の化学成分が確認されているが、主要な天然活性成分はジンゲロールです。「これらの配合成分は産地や養生方法、乾燥法、貯蔵法などによって異なります。従って、信頼できるオーガニックな生産元から購入することがとても重要です」また、化学組成も、乾燥させたものか、粉末状か生かによって異なる。「生のものはジンゲロールを多く含んでいるので常にベストです。サプリを探しているなら、天然のものを選ぶことが重要です」
1:ビタミン類とミネラル類が豊富
ショウガは、ビタミンCやビタミンBのチアミン、リボフラビン、ナイアシンなどさまざまなビタミンだけでなく鉄分やカルシウム、リンなどのミネラル類も含み、栄養素の宝庫だとホープは言う。
また、フェノールという植物成分も含み、中でもっとも優れているのはジンゲロールとショウガオール、ジンジャジオールだ。3つのうち、もっとも豊富に含まれているのがジンゲロールで、この油性の液体がショウガの辛味の元になっている。
2:抗炎症性がある
ジンゲロールは抗炎症化合物であることが、「変形性関節症や関節リウマチの人が規則的にショウガを摂取すると、痛みが緩和されたり動きが改善したりする」という理由ではないかと考えられるとウィーナーは言う。ジンゲロールが免疫機能の化学伝達物質に作用するからだ。
「ジンゲロールは、慢性的な炎症に関わる生化学的経路を調整することから、強力な抗炎症と抗酸化作用があることがわかっています」と、ホープ。また、体から放出される炎症性化学物質ロイコトリエンの形成を抑える効果もある。
3:吐き気を緩和する
ショウガには多様な消化促進効果があり、特に吐き気や胃のもたれ、嘔吐を引き起こす消化管に作用すると、ウィーナーは言う。マーシー医師も「ショウガは吐き気を著しく低減します。強力な制吐剤であり、乗り物酔いを防ぎます」と、同意する。
ショウガは昔から船酔いの薬として用いられており、特に妊娠による吐き気の対処に効果的だ。しかし、妊娠している場合はショウガを多量に摂取する前にまずは医師に相談しよう。特に大量に摂取すると流産のリスクを高めるのを心配する専門家もいる。
4:消化を促進する
胃を落ち着かせるためにショウガを食べる人がいるのには理由がある。ショウガは消化液の働きを刺激することで食べ物が胃から小腸に動くよう促し、膨満感や腸内にガスがたまるのを緩和することがわかっている。特に消化不良に効果的かもしれない。
「ショウガの活性成分が消化吸収を刺激し、消化管の筋肉活動を高め、便秘やガスが溜まるのを緩和します」と、マーシー医師。「ショウガの根に含まれるジンゲロールとジンジャースルホン酸(gingersulfonic)が胃内容排出を速め、ガスの膨張を和らげるのです」。
5:抗酸化物質が豊富
ショウガは広範な抗酸化物質で、細胞のダメージを減らすのを助けるとマーシー医師は言う。ショウガには、ザクロと特定の種類のベリーに次ぐ高レベルの抗酸化物質が含まれている。「抗酸化物質であるジンゲロールについては広範な研究がなされています。フリーラジカルの活動を低下させるのに役立つので、細胞のダメージを減らし、健康的なエイジングを促進します」と、マーシー医師。
6:抗菌性がある
ショウガのエッセンスは、大腸菌やプロテウス、ブドウ球菌、サルモネラ菌など多くの異なるタイプの細菌の成長を抑制すると、マーシー医師は言う。そのため健康的な腸内フローラを促進する。
抗菌性があることで、ショウガは、歯肉炎や歯周炎など歯茎の炎症の原因となる口内細菌に対処する効果があることも、研究室での実験からわかっている。しかし、人体に対する研究が必要だ。
7:腸の健康にいい
ショウガには腸の健康に役立つ繊維質が豊富なため、プレバイオティクスとして機能すると、マーシー医師は言う。「腸内細菌は繊維質を利用するのです。悪玉菌の数を減らし、善玉菌を増やします」。
8:心臓病のリスクを低減
ショウガに含まれる抗炎症物質は、心臓病などの慢性疾患のリスクを減らすことができるとウィーナーは言う。「ショウガは血圧低下を助け、血中脂質の値を減らすことができるからで、どちらも心臓病を防ぐことに役立ちます」。
また、ショウガはコレステロール値を下げることにも役立つ。イランのバボル医科大学が高血圧の人85人を対象に行った小さな研究で、1日3gのショウガの粉末を摂取したところ、ほとんどの人のコレステロール値が著しく低下したことがわかっている。
9:ガン予防に役立つかも
ショウガに含まれる細胞を保護する成分は、特定のタイプのガンの長期的に見たリスクを減らすことができるとウィーナーは言う。「DNAの変化や細胞の死、がん細胞の増殖を引き起こす細胞の活動を減らすかもしれないからです。化学療法や放射線治療に対し腫瘍を敏感にするのを助けるとも考えられています」
人体に対するさらなる対照研究が必要だが、こうした潜在的効果があるため、ショウガは「リンパ腫やヘパトーマ、大腸ガン、乳ガン、皮膚ガン、肝臓ガン、膀胱ガンなどのガンの成長を防いだり抑制したりする強力な物質なのです」と、マーシー医師。
10:生理痛を緩和する
ショウガには抗けいれん作用と抗炎症作用があるため、生理痛の緩和にも役立つとマーシー医師は言う。イランのシャヒドベヘシュティ医科大学による研究で、150人の女性が1日1gのショウガの粉を生理が始まってから3日間摂取したところ、イブプロフェン(解熱、鎮痛、抗炎症薬)と同じくらい痛みの緩和に効果があった。
11:偏頭痛を緩和する
ショウガは偏頭痛による吐き気や痛み、あるいはその両方を緩和に役立つこともわかっていると、マーシー医師は言う。500〜600mgのショウガの粉を偏頭痛が始まってから4時間おきに3〜4日間にわたって投与したところ、偏頭痛の発作が緩和されたと報告されているという。
12:インスリン耐性を向上させ、代謝を促進する
「ショウガはインスリンと代謝の改善にも関係しています」と、ウィーナーは言い、定期的に摂取すると血糖値が下がるとも付け加える。これは、イランのテヘラン医科大学が行った小規模研究で確認されている。2型糖尿病を持つ41人の研究参加者に毎日2gのショウガの粉末を処方したところ、空腹時血糖値が12%低下したのだ。期待できる結果だが、さらなる人体への研究が必要だ。
健康効果が高く、スパイシーな風味を与えてくれる食材として、古くから親しまれているしょうが。体にいいのは間違いないけれど、どんな病気も治せる万能薬かといったら、しょうがに荷を負わせすぎ!? そこで、トレンドスパイスとなりつつあるシしょうがにまつわる神話と事実を探ってみよう。
1.糖尿病のリスクを下げることができる
科学者たちは研究の結果、しょうがに含まれるいくつかの活性化合物が、インシュリン値と代謝の改善につながると結論つけている。でも糖尿病のリスクを抱えている人が、砂糖がたっぷり入ったジンジャーブレッドクッキーを食べるのはNG! 乾燥させたしょうがと新鮮なしょうがを両方常備しておき、スムージーにプラスしたり、野菜中心の炒め物に加えたりすると良いそう。しょうがに含まれる化合物は、時間が経つと減少する可能性があるけれど、乾燥させることで健康的なメリットのある化合物を強化させることができるとか。
2.生理痛を和らげる
しょうがの鎮痛効果について調べた研究によると、もっとも効果が高かったのが生理痛の緩和だったそう。また、生理中にしょうが茶を飲むと、吐き気を軽減させることもできることがわかった。ただし、普段から鎮痛剤としてアセトアミノフェンやイブプロフェンを服用している場合、その効果が得られないという残念な話も。逆に、しょうがが薬の効果に影響を与える可能性もあるため、病気などで投薬治療中の人は、しょうがエキスや錠剤を摂取し始める前に、必ず医師に相談しよう。
3.抗炎症作用がある
ナッツ、シード類、豆類、全粒粉などの農産物と同様、しょうがには植物栄養素(フィトケミカル)と呼ばれる抗酸化物質に似た化合物が含まれている。植物栄養素は、細胞の損傷を減少させるとされる物質なのだ。また、しょうがは細胞のシグナル伝達活動を押さえるので、炎症自体が発生するのを抑制することもできるとか。つまり、栄養たっぷりの食事にしょうがを加えれば、炎症を抑えるメリットが期待できそう。
4.胃の調子を整えることができる
しょうがが軽度のおなかの不調を和らげるということは、ご存じの方もいるかもしれない。過去の研究でも、しょうがが消化器官に複数のメリットをもたらすことが明らかになっている。とりわけ、吐き気、胃の不調、嘔吐などの原因となる胃腸管の一部に作用しているらしい。また、胃の中の食べ物が消化・吸収されるように、小腸に送り出す働きをすることも指摘されている。ただし、しょうがが食中毒を予防したり、有毒物質の摂取を相殺したりするわけではないので、強い腹痛など緊急の治療が必要な場合は、直ちに医師に相談すること。
5.つわりを和らげる
胃腸の不快感に関連して、妊娠中の女性が抱える悩みにも役立ってくれるようだ。ある研究によると、しょうががつわりの症状を緩和する可能性があることが判明。なお、しょうがは妊娠中に食べても安全で、偽薬と比較したときに多少ではあるもののつわりの症状に改善が見られたとか。
6.心臓病予防に効果的な可能性がある
しょうがに含まれる抗炎症化合物は、慢性疾患のリスクを軽減できるのだとか。2016年に実施された再調査の結果、しょうがを定期的に摂取することにより、偽薬と比較してコレステロール値と血糖値が下がったことがわかった。ただし、糖尿病と同様、しょうがを食べたからといって、飽和脂肪と糖分たっぷりの不健康な食生活を帳消しにできるわけではないので要注意。病気のリスクを下げるためには、多くの野菜、100%の全粒粉、タンパク質たっぷりの赤身肉、魚、豆類を消費しなければならないことを覚えておいて。
7.がんのリスクを下げる可能性がある
しょうがが持つ細胞保護作用は、特定のがんに対する長期的なリスクを軽減できるかもしれないそう。なぜなら、しょうがやその他のスパイス類が、DNAの変化、細胞死、がん細胞の増殖などを引き起こす細胞活動を低下させるから。また、腫瘍を化学療法や放射線療法などで治療する際には、感受性を高める助けとなるかもしれないとも。しょうがは慢性疾患の万能薬ではないけれど、その他のスパイスや野菜などの食材と一緒に定期的に摂取することにより、健康全般にメリットをもたらしてくれる可能性があるとのこと。
8.減量の助けになる
小規模で行われた複数の研究によると、ほかの植物エキスと一緒にしょうがを摂取することによって、ある程度の減量効果がみられたそう。また、動物による実験では、しょうがと体重管理の確実な因果関係が確認されたとか。とはいえ、ダイエット効果についても、しょうがはやっぱり魔法の薬とはいえない。減量や体重維持を考えるならば、バランスの取れた健康的な食事が極めて重要なのだ。
生姜を食べ過ぎると副作用がある?!適量と効果的な食べ方を解説!
生姜は、和食の薬味として欠かせません。そのほかにも、ジンジャークッキー、しょうがせんべいなど、おやつでも人気ですね。さわやかでピリッとした辛みが料理の味を引き立ててくれますし、昔から薬にも取り入れられてきたぐらい健康効果もある食材です。でも、健康効果を求めるがために、食べ過ぎてしまっても大丈夫なのでしょうか。おいしく健康に生姜を取り入れる食べ方を見ていきましょう。
・生姜の栄養と効能
生姜の健康効果として期待できるのは、生姜3大成分と言われる、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンに加え、食物繊維、ミネラルからによるものが多いと言えます。
●ジンゲロール
生の生姜の辛さのもと、口に入れるとすぐにピリッと感じる辛み成分です。ジンゲロールには抗酸化作用がありアンチエイジング効果が期待できますし、免疫力を高める作用や殺菌作用から胃腸の調子の改善や風邪予防にも期待がもてます。
また、血管を拡張させる作用がみられることもあるので、血流が良くなり手足を温め、肩こりや頭痛の改善につながると考えられています。この作用がはたらけば、吐き気の改善にも効果的になりますよ。
●ショウガオール
ショウガオールは、ジンゲロールと同様に生姜の辛み成分です。乾燥や加熱によってジンゲロールの一部が変化したもので、「熱」から作り出される成分です。ジンゲロールがピリッとした辛み成分だとしたら、ショウガオールはじわっと辛みがくる成分といえますね。
ショウガオールが効果を出してくれると、血行を良くし、身体の芯からあたたまるような実感が持てます。この内側からのあたためによって、冷え性予防や生理痛などへの鎮痛効果が期待できますよ。
そして、ジンゲロールよりも強力な殺菌、抗酸化作用を持つ可能性があり、ダイエットや美肌効果なども期待できると言われるゆえんとなっています。
●ジンゲロン
ショウガオールと同様に、ジンゲロンも加熱や乾燥によりジンゲロールの一部が変化したものです。胃液の分泌を高めて消化促進したり、血行を良くしたりと、冷え性改善に期待ができる成分。からだがあたたまることで代謝も高まり、脂肪燃焼しやすいからだづくりが望めそうですね。
また、腸のぜん動運動の活性化が見込めれば、便秘解消への期待も高まります。
●食物繊維
食物繊維が水分を吸収することで、便を柔らかくしたり、不要なものを便として排出してくれる整腸作用が期待されているのはみなさんご存知でしょう。具体的には、便秘の解消、デトックス効果につながる作用ということですね。
また、食物繊維は、急激な血糖値の上昇や、コレステロールの吸収を抑えたりするはたらきを持つこともあるそうです。食べ過ぎの予防や肥満防止が望めるかもしれません。
●ミネラル
生姜には、人が必要な栄養素の一つミネラルである<マンガン>と<モリブデン>が含まれています。
<マンガン>は、さまざまな酵素の構成成分になったり、酵素のはたらきを助けたりなど、体内活動の助役をになってくれる存在であると期待されています。そして、老化防止やガン予防にも一役買ってくれる可能性を秘めているのです。
<モリブデン>は、体内に不必要なものを尿酸に変えて老廃物を体外に出すように促してくれると期待されています。また、貧血を予防する効果が見込める成分。生姜には貧血予防のイメージがない方も多いのではないでしょうか。ただ、生姜のモリブデン含有量は少ないので、多くを含む大豆製品を一緒にとるとさらに良いそうです。冷や奴や湯豆腐に生姜を添えるのは、ベストな組み合わせだったのですね。
・皮にも効能がある
生姜の皮は栄養豊富です!ポリフェノールとジンゲロールが特に多く含まれています。
ポリフェノールは抗酸化作用に優れ、生活習慣病の予防に定評がある成分ですし、ジンゲロールは上述のとおり抗酸化作用を発揮することがあります。また、皮を加熱するとショウガオールのはたらきがいっそう高まる可能性を持っていますよ。
このように、生姜の皮には栄養があるので、皮をむかずに調理することをおすすめします。ただ、生姜は機械洗浄してパック詰めされていますが、すきまなどに土が残っていたりするので、さっと水洗いしてくださいね。
■生姜の食べ過ぎによる副作用
美容や健康にうれしい生姜ですが、過剰摂取はかえってからだによくありません。食べ過ぎには要注意です。
・腹痛・下痢
生姜を食べ過ぎると消化器官に影響がでることがあります。特に、胃腸が弱い人は腹痛や下痢、ガスがたまるといった症状がでる可能性があります。
・胸やけ
消化器官に負担をかけるほど食べすぎると、胸やけや胃もたれの心配もあります。これはどんな食材にも共通して言えることですね。
・動悸・アレルギー
可能性はそれほど多くはありませんし軽度ですが、生姜が体質に合わず動悸などの不調を感じる方もいます。生姜のアレルギーは、食後数時間~数日後に症状があらわれるようです。しかし、からだ全体にあらわれるだるさだったり、肩こりや動悸だったりで、生姜と結びつかなく自覚しないことがほとんど。生姜に限りませんが、毎日摂取していて不調がある場合はそれをやめてみる、医師に相談するようにしてくださいね。
・加熱した生姜が効果的
消化を促進してくれて、食べ過ぎの予防を望めるジンゲロン。また、抗酸化作用など美容効果の期待ができるショウガオール。どちらも、熱を加えることで増加し、摂取しやすくなります。
・生姜を加熱するときの注意点
ショウガオールは加熱によって作られますが、一気に高温になると風味がとびますし、できもよくありません。80~100度くらいでじっくりゆっくり火をとおすことで成分が壊れないのでおすすめです。
・乾燥生姜で冷え対策
加熱・乾燥した生姜は、ジンゲロールが変化したショウガオールが豊富です。そのショウガオールは胃腸を刺激して血流を良くし、からだを芯から温めてくれることがあるでしょう。つまり、根本的な冷え対策には、乾燥生姜・加熱生姜がおすすめなのです。
知っておいて損はない科学的に証明された12のショウガの効能は以下の通り。
1:ビタミン類とミネラル類が豊富 ...
2:抗炎症性がある ...
3:吐き気を緩和する ...
4:消化を促進する ...
5:抗酸化物質が豊富 ...
6:抗菌性がある ...
7:腸の健康にいい ...
8:心臓病のリスクを低減
しょうがの健康効果
◎冷え症を改善する効果
◎殺菌効果
◎吐き気を抑える効果
◎胃を健康に保つ効果
◎炎症を抑える効果
◎せき、のどの痛みを緩和する効果
◎コレステロール値、血圧を低下させる効果
◎アンチエイジング効果
しょうがの効果
しょうがには、香り成分ガラノラクトン、辛味成分ジンゲロール・ショウガオール・ジンゲロンなど優れた薬効をもつ成分が豊富に含まれており、以下のような働きが期待できます。
●冷え症を改善する効果
しょうがに含まれる香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは血管に届き、冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きがあります。その結果、血液の流れが良くなり、血行不良による冷え性や体のこわばり、肩こりなども改善できます。
血流が良くなると血液がきれいになり、発汗や排尿、排便が促され余分なものが排出されやすくなる効果もあります。
また、しょうがを加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールという熱をつくり出す働きをもつ成分に変化します。
そのため、ジンゲロールとショウガオールの2つの成分をもつひねしょうがには、新しょうがよりも全身を温める働きがあるといえます。
特に金時しょうがには、ジンゲロールがひねしょうがの4倍と多く含まれているため、最も体を温める働きがあります。
また、体を温めることで関節の痛みを和らげることができます。膝や腰などの関節の痛みは、体の冷えが原因で起こる場合が多いため、しょうがの体を温める働きがつらい関節の痛みの緩和が期待できます。
しょうがを食べることで3~4時間の保温効果が継続するといわれています。
体温を1℃上げることにより、免疫力が30%上昇するといわれており、風邪などの病気の予防にも適した食材ともいわれています。
●殺菌効果
しょうがに含まれるジンゲロン・ショウガオールには、殺菌効果があることが明らかになっています。
食中毒の予防のみならず、風邪や気管支炎、肺炎などの原因である細菌類や水虫などの真菌、フィラリアや回虫などの寄生虫も駆逐するといわれています。
寿司や刺身に添えられているガリ[※2]は、一緒に食べることで魚の臭みを消すだけでなく、食中毒を予防できます。
●吐き気を抑える効果
しょうがに含まれるジンキベレンという成分には、胃腸の運動が活発になりすぎることによって起こる二日酔いやつわり、胃の不調による吐き気を抑える効果があります。
●胃を健康に保つ効果
しょうがは胃腸の内壁の血行を良くし、胃腸の働きを活発にして食べ物の消化吸収を高めます。
また、しょうがにはジンジベインというたんぱく質を分解する酵素も含まれており胃腸の負担を軽減してくれる働きもあります。
しょうがの辛味成分ジンゲロン・ショウガオールには、胃酸の分泌を促進して消化吸収をととのえ、内臓の働きを活発にし、食欲を増進させる効果があります。
さらに、しょうがには潰瘍を抑え、胃潰瘍の原因であるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する効果があります。【6】
●炎症を抑える効果
プロスタグランジン[※3]という物質が血中でつくられることにより、炎症や痛みといった症状が現れます。しょうがにはそれらの合成を抑える働きがあるため、抗炎症作用や鎮痛作用があるといえます。関節痛やリウマチに効果があったという研究結果も出ています。
また、摂取するだけでなくしょうが湿布やしょうが風呂などとして外用薬としても用いられます。【3】
●せきやのどの痛みを緩和する効果
香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールはせきやのどの痛みを暖和する効果があります。
●コレステロール値、血圧を低下させる効果
しょうがに含まれる辛み成分ジンゲロンには、脂肪の燃焼を促進する効果があります。
しょうがを摂取した後に30分程度のウォーキングなどの有酸素運動をすると、血行が促進される効果とジンゲロンによる脂肪の燃焼を促進する効果が合わさり、脂肪の燃焼が加速されます。
冷えの改善やメタボリックシンドロームの予防や改善にも役立ちます。
また、しょうがには血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが増えすぎたり、善玉(HDL)コレステロールが少なくなりすぎることを予防、改善する効果もあります。【2】【7】
●アンチエイジング効果
ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用[※4]があり、活性酸素[※5]を除去する効果があるといわれています。
体内で必要以上に活性酸素がつくられると、細胞が正常に再生できなくなり、老化や病気の原因になってしまいます。
しょうがの抗酸化作用によって、老化防止効果が期待できます。
[ガリとは、しょうがの甘酢漬けのことです。食感がガリガリする、あるいはしょうがを刃物で薄く削る際にガリガリと音がすることからこの名前が付けられました。]
[プロスタグランジンとは、体内に細菌が侵入した時に、体内でつくられるホルモン様物質のことです。炎症、発熱を引き起こす原因と言われています。]
[抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]
[活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。]
生姜で免疫力アップ ―― 免疫に関連する生姜の栄養素と4つの嬉しい効能
①生姜に含まれる免疫力を上げる主な栄養素
生姜には免疫力をアップさせる効果が期待できる栄養素が多く含まれています。その中でも、生姜に代表される栄養素2つとビタミンについて紹介していきます。
ジンゲロール
ジンゲロールとは、生の生姜に多く含まれている辛味成分のひとつです。
ジンゲロールは免疫細胞の一つである白血球を増やし、免疫機能を活性化させることが出来ます。
ジンゲロールは免疫機能を活性化させる以外に殺菌作用や頭痛を抑える作用などさまざまなはたらきを持っています。
しかし、ジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているので、酸素に触れた状態で熱が加わると酸化し、本来のはたらきをすることができなくなります。
ですので、ジンゲロールを摂取したい場合は、食べる直前にすりおろすなど空気に触れる時間を少なくすることと、加熱処理を避けることがおすすめです。
ショウガオール
ショウガオールは、ジンゲロールが加熱や乾燥によって変化して出来る成分です。
ショウガオールは血行を良くしたり、痛みの原因となる成分を抑制するはたらきがあります。
そのため、ショウガオールを摂取すると痛みや冷えの改善につながります。
ジンゲロール、ショウガオールともに免疫力を上げる効果が期待できます。
そのうえで、殺菌などを目的とする場合は生姜をすりおろして、冷えを改善したい場合は加熱して食べることがおすすめです。
ビタミン
ビタミンは、身体の機能を正常に保つはたらきを持ち、それによって免疫力を上げると言われています。
そんなビタミンですが、体内でほとんど合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
そして、生姜には少量ではありますが、免疫力に関連するビタミンが2つ含まれています。
それがビタミンB1とビタミンB2です。
ビタミンB1
免疫力を上げる以外にも糖質の代謝にはたらきかけ、スタミナや集中力の向上などの効果が期待できます。
ビタミンB2
皮膚や粘膜を正常に保つはたらきがあり、それらが正常に保たれると外敵の侵入を防ぐので、免疫力が上がります。
免疫力を上げる他の食べ物に関しては以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。
吐き気、二日酔い防止
生姜の辛味成分であるジンゲロールやショウガオールは胃腸の消化不良を改善したり、嘔吐中枢を刺激して吐き気を抑えるはたらきがあります。
二日酔いは、過剰に分泌された胃液が排出されずにいることが原因とされています。
つまり、生姜を摂取することで吐き気や二日酔い防止の効果が見込めるのです。
胃を健康に保つ
生姜は胃腸の血行を良くすることではたらきを活発にして、食べ物の消化吸収を高めます。
さらに、生姜に含まれているジンジベインという酵素がたんぱく質を分解してくれるので、胃腸の負担を軽減してくれる効果も見込めます。
それだけでなく、生姜の辛味成分のジンゲロン、ショウガオールは内臓のはたらきを活発にし、食欲を増進させるともいわれています。
免疫力アップの頼れる味方!生姜の豆知識
生姜を摂取することで、免疫力を上げる以外にもさまざまな効能があるとおわかりいただけたでしょうか。
次に、意外と知られていない生姜の選び方や保存方法を紹介します。
加熱すると効能が変化する…?生姜について
生姜の効能と言えば「体が温まる!」と答える方が多いのではないでしょうか。生姜のいいところは、それだけではありません。この記事では管理栄養士が、生姜の栄養やその効能、栄養を活かす食べ方などをご紹介いたします。ダイエット中の上手な摂り入れ方も必見です。ぜひ参考にしてくださいね。
生姜の栄養と効果効能について
コレステロール低下作用
生姜の辛み成分であるジンゲロンには、脂肪の燃焼を促す作用があります。
生姜を摂取後30分ほどの有酸素運動をすると、血行促進とジンゲロンによる脂肪燃焼作用で、脂肪がより燃焼されやすくなります。また生姜には、血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールの増加を抑制したり、善玉(HDL)コレステロールの減少を抑えたりする作用があります。(※3)
アンチエイジング作用
ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用があり、余分な活性酸素を取り除いてくれます。
活性酸素が体内で過剰に生成されると、老化の原因となるおそれがあります。抗酸化作用がある食品を上手に取り入れて、必要以上に活性酸素を増やさないようにしましょう。
生姜のカロリーや糖質量
生姜100gのカロリーと糖質量
エネルギー量(カロリー)……30kcal
糖質量……4.5g(※6)
生姜ひとかたまり(可食部44g)のカロリーと糖質量
エネルギー量(カロリー)……13kcal
糖質量……2.0g(※6,7)
生姜ひとかけ(可食部16g)のカロリーと糖質
エネルギー量(カロリー)……5kcal
糖質量……0.7g(※6,7)
生姜の効能は加熱すると変化する
生姜の効能は加熱することにより変化します。
生の生姜に多く含まれているのが、ジンゲロールです。血流を促進して手足の隅々まで温かくする作用のほか、殺菌や解熱、免疫維持や胃腸の調子を整えるはたらきがあります。
生姜を加熱すると、ジンゲロールがショウガオールに変化します。ショウガオールには熱を作り出して、体の芯から温める作用があります。またプロスタグランジンの生成を抑えて、痛みの緩和に役立つ作用も。目的に合わせて、使い分けましょう。
生姜チューブは生の生姜に比べて保存が効き、すぐに使えて便利ですよね。しかし、生の生姜とまったく同じ作用は期待できないと考えられます。
ジンゲロールは酸化しやすく、生姜チューブは加工して時間が経っているため減少しているおそれがあります。また、加熱処理をしているので酵素が作用しないことも。
「チューブは風味付けに」「冷え対策にはすりおろした生姜を」と使い分けましょう。
生姜の効能を活かす食べ方とは
刺身やたたきなどの生魚は、生の生姜と一緒に食べることが多いですね。生姜にはジンギベレン、シトラールといった爽やかな香りの成分が含まれていて、魚の生臭さを緩和してくれます。また生の生姜に含まれるジンゲロールに殺菌作用があるため、理にかなった組み合わせ。
そのほかにも、生の生姜には肉をやわらかくする酵素が含まれています。下ごしらえに利用すれば、臭み取りにもなりますよ。寒い時期には、生姜をたくさん入れた生姜鍋で温まりましょう。加熱された生姜に多く含まれるショウガオールの作用で、体の芯から温まりますよ。
「酢しょうが」が持つ驚きのパワー
“ジンゲロール”と“ショウガオール”
しょうがに含まれる辛み成分のひとつ“ジンゲロール”には、血流を促進し、体の免疫機能を活性化させる働きがあります。また、加熱・乾燥することで“ショウガオール”という成分に変化。ジンゲロールに備わっていた効果が、さらに強力になります。しょうがをレンジで加熱するのはこのためです。
しょうがにはうれしい効能がたくさん
また、しょうがには優れた抗酸化作用があります。老化の原因となる活性酸素を除去して、細胞のダメージを軽減。肌を若々しく保ちます。さらに、血小板の粘りを抑え、血栓を防いで血液サラサラ。免疫細胞を刺激して、体に本来備わっている免疫機能を活性化させ、病気になりにくい体を作ってくれます。
しょうがは、生のものを乾燥させたものは生姜(しょうきょう)、加熱して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)として、数多くの漢方の薬効成分として利用されています。しょうがの持つ効果は、それほど高いということなのです。
また、しょうがは「気剤」と呼ばれ、漢方では古くから気の薬として使われてきました。なんとなくだるい、朝起きられない、寝付けないなど、“心の不調”とされてきたさまざまな症状も、しょうがを摂ることによって改善される場合が多くあります。そして「酢」には、優れた殺菌効果があり、それは腸の中でも発揮されます。腸内の悪玉菌を倒して、腸の動きを活発にしてくれます。免疫細胞のほとんどは腸の中にあるので、腸がキレイになるということは、免疫のアップにもつながります。
すべての健康のカギは「血流」にあり
私たちの身体は、血液が巡ることですみずみまで栄養が届けられる仕組みになっています。身体が冷えていると、血液の流れが悪くなり、脳や臓器など重要な部分に必要な栄養が行き届かず、それがさまざまな不調となって現れます。
人間の理想的な体温は36.5~37.1度。これ、思ったよりも高いと思いませんか? 実は最近は、エアコンなどで温度が管理された空間にいることが長いため、自分で体温をコントロールする機能が衰え、慢性的な低体温になってしまっているといわれています。また、デスクワークによる慢性的な運動不足で筋肉が衰えているのも低体温の原因です。
体温が1度上がると、免疫力は約5倍、基礎代謝量も12%ほどアップします。体温が上がるほど、病気になりにくく、痩せやすい体になっていきます。
食後によく胸焼けがする、またはゲップがよく出たり、しばしば喉に酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる感じがする……という症状を経験したことのある人は要注意です。
食後に胸や、のどのあたりに焼けるような不快感を抱いたことはありませんか?
もし、そんな経験があるのなら、それは最近若者にも増えている「逆流性食道炎」かもしれません。逆流性食道炎とは、何らかの原因で胃酸を含んだ胃液が食道まで上がってくる病気で、気づかないうちに症状が悪化してしまうケースもあるそうです。
違和感や不快感を覚える、胸やけがする、食べ物が飲みこみにくいといった症状を伴う場合が多いのですが、なかには症状がないという人も…これは厄介です。
そこで体調管理に万全を期すためにも、ここで「逆流性食道炎」となる原因の一部を知っておきましょう。ここでは、逆流性食道炎の改善方法とおすすめの飲み物、さらに、胃酸の逆流を招くと可能性のある代表的な“避けるべき”食べ物をご紹介しましょう。
◇「逆流性食道炎」とは? ― 筋肉の衰えで胃液逆流
口から入った食べ物は、食道を通って胃に到達します。胃に入ったものが逆流しないように、食道の下側には「括約筋(かつやくきん)」という筋肉があり、入り口を締めています。
括約筋が衰えるとその入り口が開き、胃液(強い酸性)が逆流してしまいます。胃液は強い酸性であるため、胃より粘膜の薄い食道に逆流すると粘膜の薄い食道は“炎症”をおこしてしまいます。これが「逆流性食道炎」です。
《主な症状》
▶胸やけ
▶咳(せき)
▶ゲップ
▶酸っぱいものがこみ上げてくる
改善方法 その1】食前に白湯(さゆ)を飲む
逆流性食道炎の予防法と対処法として、おすすめなのが、食前に白湯をを飲むことです。60℃の白湯、コップ1杯(200cc)が良いでしょう。
白湯を飲むことで、胃が温まり血行が良くなります。その結果、胃の活動が活性化し、消化がスムーズになります。
《注意点》
一気に飲まずに、少しずつ飲みましょう。
改善方法 その2】食後に牛乳を飲む
食後に牛乳をを飲むことも改善方法としておすすめです。
牛乳は胃液の酸を中和して、さらに食道の粘膜を保護してくれる役割があります。つまり、逆流しても食道の粘膜が傷つきにくくなるため、逆流性食道炎を予防できるというわけです。
《注意点》
飲むタイミングは食後の1時間程度がおすすめです。コップ1杯(200cc)が良いでしょう。
◇「逆流性食道炎」の原因は?
《いくつかの原因》
▶肥満
▶喫煙
▶薬の服用
食べものを飲みこむと食道、下部食道括約筋“lower oesophageal(esophageal) sphincter =LOS(LESとも言われます)”を通り、胃の中へと入っていきます。食道と胃のつなぎ目にあるLOSは、胃から胃酸やそのほかの内容物が食道に逆流しないように調整する働きを担っているのですが、LOSも筋肉。一時的にゆるんでしまうこともあるそうなのです。
そこで、「LOSのゆるみを起こす主たる原因とは何か?」を研究はこれまでさまざま行われ、現在では、それが肥満・喫煙・または薬の服用もその原因のひとつであるとされています。
また、「吐き気や胸やけを引き起こす特定の食べものや飲みものもある」と言われています。ですが、これも個人差があるため、医学界ではまだまだ研究と議論の余地があるとされている段階です。
ですが、その可能性があるのであれば、事前に知っておくことも良策でしょう。
高脂肪食 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
脂肪は胃の消化を遅らせるため、胃に対して膨張感を招く機会が増えるいったカタチで大きな負担をもたらします。よって脂肪は、「逆流性食道炎」へのリスクが高める可能性を秘めた栄養素と言えるのです。
とくにフィッシュ&チップスなどの揚げ物や肉の脂身(特にポークとラム)は、脂肪分が多いので気をつけてください。
スパイシーフード ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
「香辛料など、刺激の強いもの(塩っ辛いものも含む)を摂りすぎると胸やけする」、という人も少なくないようです。ですが当然、これも個人差があるものです。
また、この件に関する研究からも、未だ統一された結果は出ていないようです。つまり、まだまだ科学的には不毛の領域。ですが、心当たりがある人はスパイスの過度な摂取は避けるべきですね。
柑橘類 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
「オレンジジュースや、料理の仕上げに搾るレモン汁が『逆流性食道炎』の原因となる」、ということは考えにくいことかもしれません。
ですが実際に、一部の人が診断の際に「柑橘類によって胸やけを感じる」「柑橘類を摂ったため、他の症状が悪化した」と訴えた人もいるのは事実のようです。
オレンジジュースのグラスや、レモン汁がたくさん食べ物に押しつぶされたようなものなど。 柑橘類のジュースはおそらく酸逆流を起こさないが、一部の人は胸やけなどの症状を一時的に悪化させることがあることを知っている。
玉ねぎとにんにく ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
胃酸の逆流で苦しむ人にとって、玉ねぎはまさに大敵です。「それはなぜか?」って、知りたい人も多いでしょう。でも、ちょっと想像できますね。
玉ねぎを切ったことのある人ならご存じかと思いますが…涙、出ますよね!? その原因となっている成分は「アリシン」と言われるもので、これはネギ類(ニンニクも含む)特有のにおいのもとにもなっている成分。「硫化アリル」とも呼ばれています。「『アリシン』は、『アリイン』という細胞が傷つけられ、そこに『アリイナーゼ』という酵素が働いて生成される」ということになります。
そして「アリシン」は強力な殺菌作用とともに、疲労回復に欠かせないと言われているビタミンB1の吸収を助ける作用が知られていることから、たんぱく質の消化を促したり胃液の分泌を促す…といった代謝作用を高めるといった、健康を促進する働きも期待できるのです。ですが、涙が出るぐらいのもの。刺激物であることは否定できないことは確かではないでしょうか。
なので、この刺激によって胃痛を引き起こし、胃酸の逆流を促進する可能性もあるわけです。これまでの記事を読んでいくと、脂肪の多い牛肉と玉ねぎを組み合わせた料理は、胃にとって難しい存在であることが予想できますね。また、これにニンニク、そして辛み成分の含まれたタレで調理したら(したくなる人も多いかと思います)…さらなる追い打ちが待っているかもしれません。
ですが、これも個人差があるものです。また、玉ねぎは水に長時間さらしたり、塩で揉んでもんだり、水で何度も洗ったりした上で、さらに加熱したとしても、その刺激は抜けきれないとも言われています。なので、結局言えることは、胃が弱っている人は、玉ねぎやニンニクは避けたほうがいいという結論になります。※この機会に、「アリシン」が多く含まれる野菜を挙げますと…玉ねぎ、ニンニク、エシャロット、あさつき、ニラ、らっきょう、長ネギなどになります。
ペパーミント ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
食後のペパーミントティーは、消化促進に効果的です。
しかしその一方で、逆流性食道炎を悪化させる可能性もあるのです。それはなぜなら、ペパーミントには胃の筋肉およびLO(下部食道括約筋)をゆるめる働きが期待できるからなのです。消化促進を行うことと表裏一体であるとも言えるのですが…ペパーミントには鎮静効果があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせてくれる働きが期待できる…つまりは、胃の神経の末端を麻痺させる効果もあるわけです。
ですので、胃とLOSがゆるめばフタが開いたも同然なわけで、胃酸を食道へと逆流することは容易に想像できるかと思います。
チョコレート ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ食べ物
実は、チョコレートが胃酸の逆流を促すという証拠はいくつかあります。そのひとつに、National Center for Biotechnology Information(NCBI=アメリカ国立生物工学情報センター)が発表した研究結果があります。そこでは、「チョコレートはLOB(下部食道括約筋)の圧力を低下させる」(REFERENCES01、REFERENCES02)という結果が出たということなのです。
とはいえ、これは一度の摂取する量にもよるとのことです。また、その量も個人差があるものです。なので、ご自身の判断にはなりますが、食べ過ぎには注意してください。
アルコール類 ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
アルコール類には利尿作用がありますので、おしっことして水分を外に出してしまいます。そして胃酸の分泌が促進され、LOSがゆるむことによって症状は悪化するとのこと。
「逆流性食道炎」の可能性を感じている人ならなおさら、できるだけ避けたほうが望ましいでしょう。単なる胸やけとして感じている人も少なくないので、ぜひご注意を。心配なときは、すぐ医師に相談するといいでしょう。
コーヒー ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
コーヒーは一時的にLOS(下部食道括約筋)をゆるめ、胸やけと胃酸の逆流を悪化させると示唆する研究が発表されているそう。これはコーヒーに含まれているカフェインが胃を刺激して、胃酸の分泌を促進するためだということ。食後に、コーヒーを1杯飲むのがルーティンになっている人も多いでしょう。実際、落ち着く人も…これは消化する胃の機能を、コーヒーが助けるのでとても効果的と言えます。ですが、もし空腹時にコーヒーを飲んでしまうと逆効果になることも…。
空腹時にコーヒーを飲むと、消化するものは何も胃に入っていないのに胃酸の分泌だけが促進されます。いわゆる胃酸過多になってしまうのです。胃酸過多とLOSのゆるみとの併せ技で、胃酸の逆流という結果に導かれる可能性が高くなるのです。
コーヒー ― 逆流性食道炎の危険性をはらむ飲み物
コーヒーは一時的にLOS(下部食道括約筋)をゆるめ、胸やけと胃酸の逆流を悪化させると示唆する研究が発表されているそう。これはコーヒーに含まれているカフェインが胃を刺激して、胃酸の分泌を促進するためだということ。食後に、コーヒーを1杯飲むのがルーティンになっている人も多いでしょう。実際、落ち着く人も…これは消化する胃の機能を、コーヒーが助けるのでとても効果的と言えます。ですが、もし空腹時にコーヒーを飲んでしまうと逆効果になることも…。
空腹時にコーヒーを飲むと、消化するものは何も胃に入っていないのに胃酸の分泌だけが促進されます。いわゆる胃酸過多になってしまうのです。胃酸過多とLOSのゆるみとの併せ技で、胃酸の逆流という結果に導かれる可能性が高くなるのです。
◇食べ物だけでなく、食べ方にもご注意を
▶早食いはNG
…しっかり噛まずに食べると、消化に時間がかかります。そして、早食いは空気を一緒に飲み込んでしまうので、その結果ゲップが多く出てしまいます。ゲップが原因で食道の炎症が起こりやすくなるのです。
*****
オーストラリア・シドニーで栄養士&食事療法士として活躍するキャロライン・トリッキーさん曰く、「彼女のクリニックを訪れる逆流性食道炎の患者たちからある共通点を発見した」とのこと。
「リラックスした方が消化活動も活発になるのですが、ほとんどの患者に“早食い”の癖がありました。よく噛まずに食べたり、ながら食いをしたりするため、リラックスした状態で食べていなかったのです。また、食べすぎも逆流性食道炎の原因だと言われています。とくに外食は要注意です。外食をすると1食分の量が多いので、つい食べすぎてしまう傾向に。私たちの胃は、拳ひとつ分くらいの大きさしかないのに、そのキャパシティ以上の食べものを詰めこもうとしてしまうことが、体に負担となってしまうのです」
それゆえ、彼女は食べものを制限する前に、“食べ方の見直し”をすすめています。
「『食事をするときは席に座り、深呼吸してから、リラックスした状態で食べるように』とアドバイスしています。とにかくゆっくり食べて、しっかり噛むことが大事です。そうすることで満腹感を感じることができるし、食べすぎを防止することもできます。まずは、そこからスタートすることが大切。逆流性食道炎の原因と言われる食べものをカットする際にも、これが役立つと思います」とのことです。
◇食べ物だけでなく、食べ方にもご注意を
▶早食いはNG
…しっかり噛まずに食べると、消化に時間がかかります。そして、早食いは空気を一緒に飲み込んでしまうので、その結果ゲップが多く出てしまいます。ゲップが原因で食道の炎症が起こりやすくなるのです。
*****
オーストラリア・シドニーで栄養士&食事療法士として活躍するキャロライン・トリッキーさん曰く、「彼女のクリニックを訪れる逆流性食道炎の患者たちからある共通点を発見した」とのこと。
「リラックスした方が消化活動も活発になるのですが、ほとんどの患者に“早食い”の癖がありました。よく噛まずに食べたり、ながら食いをしたりするため、リラックスした状態で食べていなかったのです。また、食べすぎも逆流性食道炎の原因だと言われています。とくに外食は要注意です。外食をすると1食分の量が多いので、つい食べすぎてしまう傾向に。私たちの胃は、拳ひとつ分くらいの大きさしかないのに、そのキャパシティ以上の食べものを詰めこもうとしてしまうことが、体に負担となってしまうのです」
それゆえ、彼女は食べものを制限する前に、“食べ方の見直し”をすすめています。
「『食事をするときは席に座り、深呼吸してから、リラックスした状態で食べるように』とアドバイスしています。とにかくゆっくり食べて、しっかり噛むことが大事です。そうすることで満腹感を感じることができるし、食べすぎを防止することもできます。まずは、そこからスタートすることが大切。逆流性食道炎の原因と言われる食べものをカットする際にも、これが役立つと思います」とのことです。
◇寝ているとき・睡眠時に要注意!
寝ているとき、睡眠時は逆流しやすいので特に注意が必要です。寝る前の3時間の飲食は控えましょう。消化しきれなかった食べ物などが残っているため、逆流を起こしやすくなってしまいます。
睡眠時に逆流してしまうと、異物を取り除こうと咳込み、目が覚めてしまいます。その結果、睡眠の質が低下してしまうのです。
◇【改善方法】就寝時は「左を下」にして眠りましょう!
左側を下にして眠った場合は、胃と食道の高さに差ができ、平行になりにくい状態をつくれます。結果、「逆流しにくい」ということになるのです。
◇「仰向け」で寝たいという方へ
頭を高くして、10°程度の傾斜をつけると、胃と食道の高さに差ができるので「逆流しにくい」状態になります。
◇食事療法としての「低FODMAPダイエット」
“低FODMAPダイエット”とは、おなかが弱い人たちにある特定の食べ物を一時的に制限するようすすめる食事療法になります。避けるもの、減らすべきものの中には、乳製品、果物(りんごや洋梨)、野菜(ねぎ、玉ねぎ、にんにく)、豆類など、さまざまな食べ物が含まれています。これらの食べ物は腸内で異常発酵し、ガスを産出するため、胃酸の逆流を引き起こす可能性があるのだそうです。
「患者にすすめた食事療法のなかで、これが一番効果的でした。とくに重度の逆流性食道炎に苦しむ人には、効果絶大です」とトリッキーさん、さらに、ある事例の紹介がありま。
「ある23歳の男性患者は赤ちゃんのときに、ガスだまりが原因と言われる黄昏泣き(コリック)を経験し、大人になってからも逆流性食道炎に悩まされていました。その結果、1日の食事量が少なく、体重も平均以下で仕事も長続きしませんでした。そんな彼が低FODMAPダイエットをはじめると、ほとんどの症状は改善されたのです。症状を引き起こす高FODMAP食を調べたところ、もっとも体調を悪化させた食べ物は玉ねぎで、他にも軽度の症状を引き起こす食べ物もいくつか発見されました。高FODMAP食を避けることにより、彼の人生は劇的に変わりました」とのことです。
【改善方法】普段の生活スタイルも改善しましょう!
胃酸の逆流を防ぐ方法はこちらになります。
・良く噛んで食事をする
・姿勢を良くする
・寝る前の食事はNG。食後すぐ横にならない
・薬やサプリメントを服用して、体調に異変を感じたら医者に相談を
・おなかを圧迫するようなタイトな服よりも、ゆったりしたシルエットを選ぼう
・太り気味もしくは肥満であれば、減量にトライ
・毎日ほどほどに運動する
・禁煙
低FODMAPダイエットは、そのダイエット法に精通している栄養士や食事療法士、そのほかの専門家の指導によって正しく行うのがベストです。そして、定期的に胃酸の逆流に苦しんでいるのであれば、胸やけを引き起こす可能性のある食べものを、手帳や日記に書き留めておくのも役立つかもしれません。
気になる人は、まずは医師へ相談を。そしてその相談のもと、食べ方の見直しや生活スタイルの改善からトライしてみてはいかがでしょうか。
【食事中の水分補給】水を飲まないほうがいいは嘘だった?
食事をする30分前までに水分補給しておけば、胃酸が薄まる心配はありません。 また、同時に空腹感を抑えて食べすぎを防止する効果も期待できます。 食事中どうしても水分を摂りたいという人は、コップ1杯程度までにしておきましょう。 冷たいお水は控え、温かい白湯やお茶にするのがポイントです。
食事中に水を飲まないほうがいいのかどうか、悩んだことはありませんか?食事中の水分補給については様々な場所で議論が繰り広げられています。よく耳にする内容といえば、「食事中に水を飲むと胃液が薄まるから良くない」というものです。 食事中の水分補給には、肯定的な意見と否定的な意見の両方が見られるため、「実際どうなの?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。 そこでこの記事では、水分補給による胃酸への影響を示した実験を根拠にして、食事と水の関係を詳しく解説していきます。
「食事中に水を飲まないほうがいい」は嘘?根拠となる実験結果を紹介
「食事中に水やお茶、汁ものを飲まないほうがいい」といわれる代表的な理由に、「胃液が薄まって消化の働きが鈍る」という通説があります。
しかし、多くの飲食店では食前に水が提供されますし、食事と一緒に水を飲んだことによる健康被害などはほとんど聞いたことがありません。よって「食事中に水を飲まないほうがいい」という主張は、そこまで信憑性があるものではないかもしれません。その根拠に、水分補給後の胃液がどのように変化するかをまとめた、いくつかの実験をご紹介します。
◇ 根拠となる実験その1
2008年に行われた胃のpHに関する研究によると、健康な男性6人がコップ1杯の水(200ml)を摂取したところ、水を飲んでから1分後に胃酸のpHが4上昇した(胃酸が薄まった)という結果が出ています。
しかし、水を飲んでから胃のpHが4上昇していた継続時間は3分間でした。この実験の記録は、「水を飲んでも3分後には胃のpHがもとに戻る」ことを証明するものといえます。以下、実験結果の一部引用です。
◇ 根拠となる実験その2
手術前の水分補給による胃の変化を調べた研究(2008年)によると、手術の2時間前に300mlの水やリンゴジュース、ブラックコーヒーや炭酸飲料などを飲んでも、胃液の量やpHに影響がないことが明らかになりました。
◇ 【結論】ごく常識的な量を飲むなら問題はない
上記の2実験については、NCBI(国立生物工学情報センター)作成のデータベースに登録されている情報のため、高い信頼性があります。また、エール大学医学部の医師が執筆するブログの記事でも、食事中の水が消化を阻害するという主張に科学的根拠はないと断じています。
少なくとも、食事中のお茶やコーヒー、味噌汁などの摂取まで控える必要はないでしょう。
食事中に飲む水の量【目安はコップ1杯】
食事中に水を飲んでも消化に重大な影響がないとわかれば、安心して食卓を囲めますね。水分補給を目的として食事中に水分を摂る場合、目安となる量はコップ1杯程度です。これは、身体が一度に摂取できる水分量が250ml程度だといわれているためです。
一度にコップ1杯以上の水分を飲んでも体外に排出されて無駄になってしまうため、その日の献立に合わせ、食事から摂れる水分と飲み物の組み合わせを上手に考えてみましょう。
ちなみに、一度に大量の水やジュースを飲むなど、常識的な範囲を超えた水分補給は消化機能に影響する可能性があります。身体に負担をかけずに健康的な食生活を送るためにも、食事中の水分摂取量はコップ1杯程度という目安を意識していきましょう。
逆流性食道炎の予防法 <まとめ>
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで起こる病気で、逆流した胃酸が食道の粘膜を傷つけ、粘膜がただれ、炎症(食道炎)を起こします。
食道の粘膜は、胃の粘膜に比べてとても弱く敏感です。健康な状態でも食後などに胃酸が食道に逆流することはあるのですが、ごく短時間のため症状が気になることはほとんどありません。しかし、逆流性食道炎の場合は逆流している時間が長く、食道の粘膜が強い胃酸に長時間さらされてしまいます。そのため食道の粘膜がただれ、炎症を起こしてしまうのです。
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで起きる疾患です。そのため、予防するには胃酸を多く分泌するような食べ物を避けたり、生活習慣・食習慣に注意したりすることが有効であると考えられています。
注意したい生活習慣/食べ物・飲み物
●食べ過ぎ
●早食い
●寝る直前の食事
●不規則な食事時間
●動物性脂肪の多い食事
●アルコール
●喫煙
●チョコレート
●炭酸飲料
●柑橘類
●香辛料
これらによって、胃酸が多く分泌されるようになることに加え、通常は閉じている胃と食道の境目の括約筋がゆるんで胃酸の逆流を起こしやすくなります。また、喫煙はたくさんの病気リスクを伴い、逆流性食道炎についても喫煙で胃と食道の境目の括約筋の働きが低下するので、予防には禁煙も有効です。
加えて、胃に圧力のかかる(腹圧がかかる)ような生活習慣にも注意が必要です。
腹圧がかかる生活習慣
●ベルトや下着などによる腹部の強い締め付け
●肥満
●前かがみの姿勢
●重いものを持つ
寝るときに上半身を少し高くすると、逆流が起こりにくくなります。
逆流性食道炎時のおすすめ食事(調理)
逆流性食道炎のときは、どんなものを食べるのがよいのでしょうか。予防法に書いた要注意の食品を避けるのはもちろんですが、ここではおすすめの食べ物・料理法を紹介します。
消化がよく、おなかにやさしいものが基本です。
●主食:おかゆ、うどん、白いパン
●肉/魚:鶏のささみ、白身魚など、脂の少ない淡白なもの
●牛乳、ヨーグルト
●豆腐
理方法は、煮る・蒸す・ゆでるといった、油を使わない方法がおすすめです。
逆流性食道炎の症状チェック
まずは自覚症状がないか、逆流性食道炎の症状をチェックしてみましょう。
症状チェック
●ジリジリと熱く焼けるような胸やけ
●酸っぱい液体が上がってくる感じがする<呑酸(どんさん)>
●ゲップとともに苦い液体(胃酸)が上がってくる
●胸が詰まる、締め付けられるような感じがする
●のどの違和感・のどの痛み・口内炎
●食べ物が飲み込みにくい・つかえる
●声がれ・咳・喘息
逆流性食道炎の代表的な症状は「胸やけ」と「呑酸(どんさん)」です。
みぞおちの上の辺りがジリジリと熱く焼けるような不快感や、酸っぱい液体や苦い液体がのどまで上がってくるなどの自覚症状があります。
他にも、のどの痛みや違和感、食べ物がつかえる・飲み込みにくい、ゲップとともに胃酸が上がってくる、咳や喘息、胸のあたりが詰まったり締め付けられるような感じがするなどの症状や、ひどいときには狭心症にも似たような耐え難い強い痛みを感じることもあります。
胃酸の出やすい食後に症状が出やすく、特に食後すぐに横になる、前かがみになるなど胃酸の逆流しやすい体勢になると症状が悪化しやすいと言われています。
では、なぜ逆流性食道炎になるのでしょうか。
逆流性食道炎は、以前は日本人には少ない病気だと言われていましたが、最近は患者数が大幅に増えています。その要因のひとつが食事の欧米化だと言われています。
日本食に比べて、肉類や脂肪分が多い欧米の食事は胃酸の分泌が多くなりがち。そのため胃酸が多くなり、胃酸の逆流を起こしやすく、逆流性食道炎を誘発しやすいと言われているのです。他にも、飲酒やピロリ菌の除菌も逆流性食道炎を誘発する原因と言われています。
また、逆流性食道炎の患者さんに食道裂孔ヘルニアを併発しているケースが多いことも知られています。
食道裂孔ヘルニアとは、横隔膜にある食道が通る穴(食道裂孔)から、本来なら横隔膜の下にあるべき胃の一部が飛び出し、胃と食道のつなぎ目がせり上がってしまう病気です。
食道裂孔ヘルニアになると、胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を発症しやすいと言われています。
さらに、下部食道括約筋のゆるみも逆流性食道炎を誘発する原因になると言われています。下部食道括約筋は食道と胃のつなぎ目にある筋肉。この筋肉の働きで、食道と胃のつなぎ目は、食事が通るとき以外には適切に閉じられ、胃酸の逆流を防ぎます。しかし、この筋肉がゆるむと、つなぎ目を閉める力が弱まり、胃酸が逆流しやすくなるのです。
最後に、肥満も逆流性食道炎を誘発する原因のひとつだと言われています。
お腹に圧力がかかると胃の内圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなることが分かっているのですが、肥満の人は腹圧が上がりやすいことが知られています。そのため肥満を解消することで腹圧が下がり、逆流性食道炎の症状が効果的に改善したという例も多数報告されています。
逆流性食道炎で注意したい生活の10のポイント
1:食べすぎないよう腹八分目
2:消化のよい食事を心がける
3:就寝前の食事はさける(就寝前2~3時間)
4:食後すぐに横にならない(逆流を防ぐ)
5:逆流を起こしやすい食品を控える
アルコール、コーヒー、チョコレート、炭酸飲料、香辛料などの刺激物、高脂肪食、油もの、甘いもの、酸味の強い食べもの(柑橘類、梅干しなど)
6:腹圧がかからないように気をつける
前かがみ、腹部の締め付け(ベルト、ガードル、帯など)、重いものを持つ、咳
7:肥満に気をつける
8:喫煙を控える
9:右を下にして寝ないようにする(右側臥位)
10:上半身を少し起き上がらせた体勢で寝る(頭側挙上)
この体勢就寝は胃酸の食流を抑制し、この中でも特にとても効果が高い方法です。