棄国の旅(その二) | メコンリポのブログ

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手荷物検査の向こうには、やたらと広い空間に過疎部落の図書館受付と見間違えるような税関受付カウンターに嬢がポツンと。


そりゃマネーロンダリング用のゼニをバハマに500億運んだりするヤカラや首にぶっといゴールドの首輪を巻き込んだそのスジの衆は申告せにゃならんが、

元来の色が判断困難になってしまっとるチャットやキープ、ピアストルやタカの薄汚い小額紙幣しか持つ会わせない当方にはご縁がないはずだが---


「すまんが、アマゾンでも売っとるククリっつう、ネパールのグルカ兵が相手さばく時に使っとる鉈みたいなモン、持ち込めるんかな?」

「はあっ?」

「上司呼びますんで、暫くお待ちください」

何故かその広場の隅で立っておる空港署の制服が聞き耳を立てているような---


上司登場

「私どもは課税対象の物品を検査するのが職務ですので、銃刀法に関しては警察の管轄となりますのでお答え致しかねます」

「必要とあれば本署に連絡をして担当官を呼びますので、本空港に数日間滞在を余儀されますが」

お見事な官僚お役人様回答。


こりやアカンと諦め、出国審査場へ。

チョイ前までは、銭湯の番台のような台が並び、僅かな威厳を精一杯顔に浮かべたジジババ衆が待ち受けておった場所は、

何やら地方競馬の発走ゲートのようなモンに様変わりし、衝立で仕切られた所に駄馬のように追いたてられ、手元のガラスに旅券を臥せろと?

いつまで経ってもゲート?は開かず、ウロウロしとると、まえのカメラに顔をつき出せと?

写るんですヨとかオリンパスペンみたいなカメラが見えなきゃ、ただのガラス面がカメラだとか解らんではないかっ!

だいたい、スーパーのセルフレジとかコンビニの自動支払機たぐいの、訳のわからんモン持ち込むな!

カメラらしきモノに怒鳴っておると、しっかり後ろで見張っておったイミグレオババにどやされた。


ようやく出走とあいなり、眠そうに一人番台に待ち構えておるオッサンに、出国スタンプを押してもらう。

(アジアの陸路を徘徊しとる連中は、とんでもない僻地の国境を渡ろうとする際、印字された出国スタンプがないと、対馬や与那国島から小舟で密出国したのではと疑われるのでご注意を)


ご縁なんぞ一生ない高級ブランド品売店群を通り過ぎて搭乗待合室に辿り着くと、

同じブースから一つ前に離陸する便に乗る乗客で黒山の人集り?

なにやらボードを振りかざした職員の姉ちゃんの絶叫も。

ターキッシュ航空のイスタンブール行き?

反対側のホノルル行きの搭乗口も、チャイニーズニューイヤーの上海各駅状態?


帰国前72時間以内の現地でのPCR陰性証明不要となり、ワテもオイラもと?

拝見すると、アラサーやアラフォーの優雅なお友達同士や年金長者の皆様がほとんど。


この歳になっても、パリやミラノ-ホノルルやニューヨークに行った事の無い我輩にはご縁がないが。