abacus日記

abacus日記

〜ピンク髪のそろばん講師のブログ〜

ラジオから流れてきた、スガシカオの「Progress」の冒頭の歌詞を聞いて、ふと思いました。

 

ー 僕らは位置について 横一列でスタート切った ー

 

あれ?
これって、新卒一括採用のことなのかも。


4月、日本中で「新入社員」が誕生します。
横並びで学校を卒業し、横並びで入社し、横並びで新入研修を受け、社会人生活が始まるのですが…

 

ーつまづいてるアイツのことを見て 本当はしめしめと思っていたー


いつしか個人差が生まれ始め、自分より先に大きな仕事を任された同僚を妬んだり、ミスして評価が下がる誰かを憐れみながらほくそ笑んだり。

 


3年前までは、大学生の就職支援の最前線で仕事をしていました。
「新卒一括採用」は、日本では当たり前のことですが、世界的に見ると非常に珍しいことです。

新卒一括採用には、社会人経験のない若者の可能性に対して企業が大きく門戸を開いているという良い側面もあるのですが、横並びがゆえに本人にも周囲にも「比較」が生まれやすくなっているんだろうなぁ、と思います。

劣等感の元は「他者との比較」です。

比較って、とんでもなくレベルが違う人とはやらないというか、強烈な劣等感に繋がる比較って、どこかで「同等」と思っていた人との間に、何らかの差ができたと認識した時だと思うんですよね。

日本には飛び級もなくて、新卒一括採用がスタンダードで…ってなると、人生は横並びではないというか、それぞれにそれぞれの人生があるのだと気付くのが、諸外国より遅いのかもしれません。

それは決して「優劣」ではなくて「違い」なだけのはずなのに、幼少期から「違い」を認識する機会が少ないから、大人になっても自分の中に芽生える「劣等感」との付き合い方が下手くそなんあろうなぁ、と。
そして先輩も上司も、同期や同僚と比べられながら生きてきてるから、そこに違和感を感じないんでしょうね。
 
人にはそれぞれいいところがあって、その中には通り一辺倒の評価基準には引っかかってこないものもあって、でもそれがチームや組織に貢献している側面もあるはずなんですよね。
そして、AIが台頭してくるであろう近未来には、むしろ今までの評価基準に乗っかってこないものの方が大事だったりするんですよね。
今、人にとって、組織にとって、何が大切なのか。
その基準というか焦点というか、なんかそういうところを もう一歩前に進める時期に来ているのかなぁ、と思います。


てな感じで、たった2行の歌詞で ここまで妄想する私が、今よりもっと活躍できるステージもあるんだろうな、なんてことを思うのでした(笑)