広州で進む日本企業の苦境 | アジア新興国市場の急成長を楽しむ会

広州で進む日本企業の苦境

上海から1時間半程度で広州市へ到着。

人口1千万人が暮らす広東省の省都です。

現在は、ホンダや日産などが進出する自動車産業の中核都市ですが、

古くから英国領の香港と中国本土を結ぶ商取引の街として栄え、

100年以上前の建物が点在する、趣のある街でもあります。

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宿泊したホテルは愛郡ホテル。友人がそこに部屋を借りているため

選んだのですが、1900年ごろに建てられた、当時としては

一番高級なホテルで、エレベーターが最初に導入された高層建築物でした。



広州では、自動車、電子部品関連から飲食まで、日本から進出した企業が多く、

市内でも日本でよく見かける看板があちこちにあります。

サイゼリアです↓ かなり流行っているそうです。

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中国では現在自動車が爆発的に売れており、

納品まで半年から8カ月待ちが普通だそうで、

販売店では値引きが一切なしという、

日本では考えられない状況が続いています。


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自動車メーカーやその関連企業の景気はいいだろうと思っていたのですが、

日本の本社の収益が大幅減で、連結対象の企業はそれが足かせとなり、

日本人を対象とした飲食店(とくにカラオケバー)

などは大きな打撃を受けているそう。

つまり、中国の好景気を受けて、収益が上がっているはずの日系企業が、

日本本社の減収で予算が減らされ、不景気になっているというわけです。


さらに、現地スタッフに聞くと、日本本土でビジネスが

成り立たなくなった電子機器などの中小企業が、

日本ブランドと技術が欲しい中国企業にM&Aをされはじめているようです。


現在中国企業は、ドル安株安のメリット感と

アメリカというブランド欲しさに米国企業を狙ってM&Aを行っています。

しかしいずれその波は、米国経済が回復、金利が上昇し、

ドル高円安になったタイミングで、日本企業に向くことも十分考えられます。

ソニーやパナソニックが、日本発のグローバル企業として

進出先の企業を買収したように、

中国でも世界に展開する企業になっていく企業が次々と出てくるでしょう。

その一員としての日系企業の在り方も模索する時代になる。

生き残りをかけ、日系企業が頑張る広州から日本を俯瞰してみると、

こんな思いが頭をよぎりました。


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