先週の一門の勉強会で、ハバキの作成についてのお話があった事は前回のブログで書いたと思います。

 

 

 

 

 

そこで、ハバキの固定はどこで行うのか質問させていただきました。

 
 
 
 
 
なぜそのような事を聞いたかと言うと、お客様がとある刀剣店に外装工作依頼をした時に
 
「刃区がないからハバキが固定できない!」
 
「刃区でハバキを固定するので、刃区を加工してからハバキを作るのでお金がかかる」
 
「当店で(2足3文の価格で)買い取る」
 
 
と言われて困っていたからなんですね。
 
 
 
 
 
 
 
刃区でハバキを固定!?
 
 
 
 
 
ハバキの機能を知っていたら、そんな事を聞いたらギョッとしてしまいますよね。
 
だってハバキは刀身固定だけではなく刀身の衝撃軽減が目的なのに、ハバキで刃区を固定したら刃区が割れちゃいます。
 
刃区が割れるならまだしも、衝撃で刀身がおかしくなる可能性もあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
結論から言うと、棟区と刃方で止めます。
 

 

 

 

 

この図を見てもらえれば分かりますが、茎の刃側って刃側に行くにしたがってテーパー形状に広がっていますよね。

 

ハバキも刃方に合うようにテーパー状にして、下側はその摩擦圧力で止めるんです。

 

上側は当然棟区で固定ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じですね。

 

 

 

 

でも、この図だとハバキが刃区が当たってしまいますね。

 

 

 

 

 

 

その場合はハバキに「呑み込み」を作り、ハバキが刃区にあたらないように逃してあげます。

 

 

 

 

 

 

 

 
もしガタツキのあるハバキを合わせるなら、刃方のテーパーでストップできるように銅板を切ってロウ付けすれば解決しますね。
 
 
この部分がガタつくと破損の元になるので刃方はしっかり固めましょう。
当店、硬くてハバキが外れないといった問い合わせがありますが、この刃方を締めているので硬くなっている場合があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、前後のガタツキはダメなのですが、左右のガタツキは台尻(ハバキの底辺)が切羽で水平に固定されていれば大きな問題ありません。
 
もし気になるようでしたら銅板や特殊素材の薄いシートを貼ってガタツキを抑えてみてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・
 
 
 
 
しかし、いまだに客の刀にケチを付けて買い叩こうとする店なんてあるんですね。
 
あるいは本気で勘違いしているのか・・・・
 
 
 
ただ、その店の動画で「ハバキは刃区で固定するので云々」と言っているので、本気で言っているのかも知れません。
 
 
 
 
 
 
 
 
ちなみに刃区の修正は程度にもよりますが、手元に修正用の道具があれば修正する事ができます。
 
当然、当店には修正工具があります。
 
 
でも、刃区修正はあまりお勧めしません。
※茎の刃方がテーパーである必要があるので、大規模な刃区修正だと茎を削る必要があります。
そのため、刃区作りを目的としない方が良いと思います。
 
 
 
 
 
 
 
「刃区の修正が必要だから、新しいのを買ったほうが良い」
 
「だから当店が(安く)買い取る」
 
 
 
みたいな事を言われたら、すぐに回答を出さずに一呼吸してから考えた方が良いと思います。
 
 

 

 

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時間が無くて、現在はこの刀しか用意できていません・・・・

 

 

 

研磨済みの藤原高田です。

 

 

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■一門の動向

 
3本同時研ぎ ! すごいですね。
 
僕は並列処理は苦手なので、同時並行で研磨するのではなく1本仕上げたら、次の刀というように進めます。
 
 
並列処理は処理能力の高い人にしか出来ないので、PMBOKやPMPという管理職養成プログラムでは1人で対応する案件は並列で業務を進める指示を出してはいけないと言われます。
 
ただ、能力のある人は並列処理で業務を進められるという注釈がある話なので、3本同時進行できるというのは才能なんでしょう。
 
 
そのうち研磨速度で夕星さんに抜かれそうですね・・・ ヤバイヤバイ