2年5ヶ月振りに、父が帰宅しました。
千葉大学医学部に献体したところ、立派な慰霊祭を開催してくださり、感激しました。
医学部3年生による謝辞は「生の声」という感じで大変心に響きました。
これまでも多くの方々の献体によって勉強した医大生が医者となり、私も恩恵を受けて生きているのだ、ということを再認識しました。
慰霊祭では皆さまが次々にお礼を述べてくださいますが、礼を申し上げたいのはこちらの方で、献体を申し込んでからの父は、目標を持ってあの世に突き進んで行き、張り合いのある終末期を過ごしました。
何せ、私との病院での最後のちゃんとした会話が「着ていく服あるか?」で、私が「え?お父さんどこ行くの?」とまじで聞き返したら(笑)
「献体に行くんだよ」と。
その時が近いと思って、実は内緒で用意してあったのですが「ちゃんと準備してあるから心配しないで!」と言ったら、腹水を抜く処置をしていたお医者様と看護師が「娘さんの方がしっかりしていますね!」と言って苦笑いしていたことを思い出します。
6年前に先にあの世に行ったせっかちな母は、待ちくたびれていると思います。
お墓に寄って、ご挨拶。
あと少し、待っててね。
父は晩年、海外勤務でしたから私としては「まだ海外か〜」という感じで実感がありませんでしたが、これでようやく事実と向き合うことになります。
火葬を経ていないので実感がありませんね。
これから寂しくなるかな。