シャラート先生のクラスが終わって、大勢のアシュタンギーがマイソールを去りつつある。
隣室にいたノルウェー人のアシュタンギーは昨日、ハグをしてくれた。
宿は僕だけになって、人の気配がなくなった。
残るのは、サラスワティ先生の生徒だけだから、街の雰囲気もずいぶんと変わるだろう。
マイソールに来て、もうすぐ2週間になる。マイソールは、
(1)特別である、と同時に、
(2)特別でない
場所だった。
どこに行っても、自分のプラクティスを続けるしかない。すべては自分次第だ。
ベストを尽くすのも、尽くさないのも自分次第だし、無理するのも、しないのも自分で判断することだ。
サラスワティ先生は、何も言わない。
必要に応じて指導してくれるけど、手取り足取り、教えてくれるわけではない。
マイソールはアシュタンガヨガの聖地であり、みんなの憧れの場所だけど、一発逆転の、特別な魔法があるわけではない。
近道は存在しない。
自分の練習を、ひたすら自分で続けていく。
その事実は、どこに行っても変わらない。
マントラを唱え終わったら、孤独な時間が始まる。
先生のまなざしの中で、生徒はそれぞれ、一人で自分と向き合っている。
みんな、いろんな思いを持ってマイソールに来ているんだろうな。
どんな思いがあるのかは、外側からは分からないけど、みんな毎朝、孤独な2時間を過ごしている。
辛くて、楽しい、最高の時間。
そして、孤独の時間があるから、みんなと交流するのが楽しい。
その時間の「中身」については、あんまり話さないけど、でも、みんな分かっている。
その人なりの大切な「何か」があって、それを追求するために、毎朝2時間、アシュタンガをやっている。
ひとりひとり、違っているけど、みんな同じなんだな。
ご一緒させていただき、ありがとうございます。
また、マイソールで会いましょう。