今日もバスに乗る
隣のサラリーマンは静かに眼を閉じていて
前のきらきらした若い女の人は携帯を手に
メールでも見ているだろうか
あたしは少しくらくらする頭で
あまり長くはない駅と家の最寄りのバス停との間
深く深く沈むような眠りに引き込まれないよう
今日最後から2番目の仕事を
ちなみに最後の仕事は無事に家に着くことだ
昼に食べたシフォンケーキを思い出しながら
今日の晩ご飯を想像していたら
少しお腹が寂しそうに鳴き声をあげた
今日は受験の妹を会場に連れて行くため
自分がいつも使うバスで
地下鉄で
自分がいつも見るその風景へ向かう
やっぱり見慣れてはしまったけど
3年前、同じ日の自分にとっては特別なものだった
その門をくぐる妹を見るのは何だかとても不思議な心地がした
そのさらに3年前を行く子どもたちも
来るべき日に向けてペンを走らせる
それを見つめる日々が続くここ最近は
だんだんと職場が家のように感じられて
毎日のように顔を合わせる同僚や後輩たちとは
日に日に会話が弾むようになった
口を開けば母親や父親のような
大事な子どもたちのことばかりで
何だか残業する時間すら楽しみになっている
燃料が不足した頭で
まだバスの揺れに合わせてかくかくと上下している隣の人を横目に
待っていた見慣れた街明かりを手がかりに
停車ボタンを押した