ウクライナに捧ぐ

 

「墓碑銘」 by King Crimson, 1969

 

予言の書が刻まれた壁は

ことごとく破壊されようとしている

死を運ぶ武器の上には

太陽がぎらぎらと照り付けている

悪夢と妖夢の果てに

すべてのひとが引き裂かれるとき

弾圧によって人々の叫びがかき消されるとき

だれも彼に月桂樹の王冠を捧げるものはいないだろう

 

錯乱こそわが墓碑の銘

荒れ朽ち果てたこの路を

はい進んできたこのわたしの

なにかを成し遂げられれば

腰かけて、微笑むこともできよう

だが、明日涙する自分が気がかりだ

そうとも、明日涙を流す自分がいるようだ

きっと、明日も涙にくれるだろう

 

運命の鉄の扉のはざまに時の種は播かれた

そして、名をはせた賢人たちの行いによって育まれたのだ

もしも、戒めを定める者がいなければ

記憶こそが死出の旅に至るまでの伴侶となる

そして、わたしが知るすべての人々の運命は

たった一人の愚か者の手中にある