鈴木亮平さんが精神を削って演じる最凶最悪な悪役 上林成浩「孤狼の血 LEVEL2」 | 怪獣玩具とカタナとキングコングのブログ

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1990年からソフビのコレクションを続けています。たまにSUZUKIカタナ400やアメカジについても書いてます。

「チンタ、わりゃなんで極道しとるんな。」

「残飯恵んでもろうて生きとっても、どがいもならんけえじゃなぁんか!?」

鈴木亮平さん演じる上林が村上虹郎さん演じるチンタに叫ぶセリフです。



「孤狼の血 LEVEL2」での上林成浩は貧しいバラック小屋で両親から虐待を受けて育ちました。

鈴木亮平さんが「上林を自分の中に入れる為には、かなり精神的に削られた。」とおっしゃる程の役作りをされた、日本映画史上、最凶最悪な悪役 上林成浩。

「孤狼の血 LEVEL2」の一回目の鑑賞では、前作で、がみさんを失って孤軍奮闘する日岡の目線で観ていましたから、上林の極悪非道な行為には恐怖と嫌悪感しか感じませんでした。


しかし、回を重ねて鑑賞する内に、上林の生まれ育った環境から犯した過去の犯罪、その後に上林を拾ってくれた五十子会・会長への想いから、「何もかも、ぶっ壊れりゃええんじゃ!」と破壊し続ける行動の意味や、人からの目線に対し、不安感や恐怖感、コンプレックスを感じるように育った上林への憐れみも感じるようになりました。


上林だけで無く、チンタや日岡など、登場人物のそれぞれが抱えた哀しみに気づくと、何度でも劇場に向かいたくなる「孤狼の血 LEVEL2」。

親に食べ物を与えてもらえなかった子どもの頃、食べ物を与えてくれた焼肉屋の婆ちゃんに「ソンホ!やめんさい!」と叱られ、バツ悪そうに金を払って「おばちゃん、またくるけん。」と店を出る上林の寂しげな後ろ姿を、是非劇場でご覧ください。


「チンタ、わりゃなんで極道しとるんな。」

「残飯恵んでもろうて生きとっても、どがいもならんけえじゃなぁんか!?」