オキシトシンは重要な神経伝達物質でありホルモンです。授乳ホルモンとも幸福ホルモンともボンディングホルモンとも呼ばれています。要するに人と人を結び付けるホルモンであるといわれています。

 

だからオキシトシンはたくさん出たほうが良いと思われがちです。もちろんオキシトシンが不足しているが為に人間関係がうまく結べないとか、不安感や孤独感があるとかそういうケースもたくさんあるでしょう。

 

しかしそういう思い込みには思わぬ落とし穴があります。

実は、私のクライアントにはどちらかというとオキシトシン過剰で問題を抱えている方のほうが圧倒的に多いです。実はオキシトシン過剰で不安になることもあれば、孤独感にさいなまれることもあるのです。

 

それはなぜか?オキシトシン過剰だと身近な人のことが気になりすぎてしまいます。さらにオキシトシン中毒になると分離不安になりボンディングしている相手に執着したり、身近に感じている相手のことが心配で心配でたまらなくなり不安感が増したりします。

 

またオキシトシン過剰だと他人の気持ちが分かりすぎてしまうためにかえって孤独感を感じてしまうこともあります。だって基本的に人間は自分のことしか考えていないということがよく分かってしまうからです。

 

また共依存を助長したり、不本意なことを強要する相手に支配されたりすることもあります。たとえ相手が自分を傷つけたり搾取する人でもオキシトシンが分泌される相手には服従してしまうのです。

 

またオキシトシン過剰とトゥレット症候群や境界性人格障害などが組み合わさると相手が最も嫌がることを上手に察知して、相手が最も嫌がることを言ったりやったりしてしまいます。そして効果的に相手を怒らせて人間関係を破壊します。

 

セラピーの過程でオキシトシンが引っかかることはよくあることですが、その際は不足なのか?過剰なのか?を慎重に判断する必要があります。