学習障害特殊学級行きを宣告されていた小学生がいた。

ADHDといわれていたそうだ。

数年間キレーションを専門とするクリニックに通っていた。

そこでは毛髪検査で重金属の値を検査する。

キレーションとは重金属の解毒のことだ。

しかし学習障害が改善される兆しはなかった。


なぜか?

たしかに重金属の問題は大きかった。

しかしほとんど解毒できていなかった。

毒素蓄積の24段階の指標で24という最悪の結果が出た。

キレーションが成功していなかったということだ。


また重金属以外の問題も沢山あった。

しかしキレーション専門クリニックでは重金属以外の問題は知る由もなかったようだ。


彼が抱えていた問題は沢山あったが、その中の一つとして必須脂肪酸不足があった。

食生活を質問したら蛋白質は肉からとるのがほとんどだということだった。

また調理方法も揚げ物や炒め物が多いという。

パンにはマーガリンを塗っているとのこと。


彼の手は小学生にもかかわらずガサガサだった。

脂肪酸(油)の摂り方がよくないと全身の皮膚が乾燥し、粘膜のトラブルを抱える


そこでフラックスシードオイルえごま油を加熱せずに摂ること

油での加熱調理はなるべく減らし、加熱する場合はエキストラバージンオリーブオイルを使用すること

マーガリンでなくバターを使用すること

出来ればパンでなく米を多く和食中心にすること

生の野菜を多くとること

魚を食べるようにと指導した。


ところが以前そのキレーション専門クリニックのドクターに

魚は食べてはいけないといわれて以来ほとんど食べていないそうだ。

なぜかというと魚は重金属で汚染されているという理由だった。

その結果、彼の食生活の中心は肉になり炒め物や揚げ物になってしまった。


彼の体の中で何が起きているのか?


オメガ3系の脂肪酸がほとんど摂取出来ておらず、不飽和脂肪酸はオメガ6が中心になっていた。

また不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸(肉類に豊富に含まれる)が圧倒的に多かった。

そうなると粘膜や細胞の表面の膜を造る不飽和脂肪酸(オメガ3,6,9)が不足するため柔軟な細胞膜が造られにくくなる。

全身の全ての粘膜、皮膚、組織がもろくなってしまうのだ。


またオメガ6優勢で不飽和脂肪酸優勢だと炎症を増悪させ、

痛みを引起し、血液をどろどろにし、血栓が出来やすくなるエイコサノイドというホルモンの一種

(ある種のプロスタグランジン)が沢山できるようになる。

だから全身のあちこちで炎症が起きやすくなるのだ。


それではオメガ6や飽和脂肪酸はとってはいけないのか?というとそうではない。

けっしてそれらは悪玉ではないのだ。

要はバランスの問題で


オメガ3オメガ6

不飽和脂肪酸飽和脂肪酸

というバランスが取れていればぜんぜんOKなのだ。

上記のバランスが崩れると

脂肪の代謝からエイコサノイド(ホルモンの一種)の生成の流れがおかしくなる。


さて魚を食べるなと指導されて肉食中心で揚げ物炒め物が多くなったその小学生君の体の中では


オメガ6オメガ3

飽和脂肪酸不飽和脂肪酸


という状態になり

細胞膜がもろくなり、全身に炎症傾向がみられ、血液がどろどろになり血行が悪くなる

ということが起こっていた。

だから手の皮膚がガサガサで鼻炎が一年中あった。

また、まだ小学生だというのに手足が冷たく冷えがあった。

重金属の問題だけでいうならば魚を食べるなという指導は正解だったかもしれない。

しかし食事指導を考えるときに重要なポイントは重金属だけではない。

様々な重要ポイントが沢山あるのだ。


だから魚を食べるなというなら、大型の魚でなくイワシなどの小型の魚にしましょうねとか、

ノルウエー産のサーモンは安全ですよとか

魚のかわりに肉ということでなく、大豆など植物性のタンパク質にしましょうねとか、

肉を食べるなら豚や牛よりも鶏にしましょうねとか、

鶏もできたら飼育の仕方や餌にこだわったものにしましょうねとか、

必須脂肪酸が不足するのでフラックスシードオイルやエゴマ油を摂りましょうねとか

指導すべきだったのではないかな。


ADHDで学習障害だった彼はどうなったかって?

もちろんキレーションも成功して、その他の様々な要素もクリアしたので特殊学級入りも免れ

今では普通の男の子として何の問題も無くなりました。

周りがびっくりするほど劇的に良くなった。

手の皮膚もしっとりすべすべです。


by 大橋康之 ホリスティック歯科医、セラピスト、ホメオパシー認定医(dent)、PAJ会長

http://smile72.com/

http://ecobodynature.com/school/physioenergetic/index.html


P.S. 加熱しても酸化しずらい珍しいオメガ3系のオイルとして「グリーンナッツオイル」が推奨されます。

南米ペルーの現地でエコロジカルなサイクルで森林を利用する手法でグリーンナッツを生産するプロジェクトをアルコイリスというNPO法人(代表:大橋則久)が展開しています。

http://www.amazon-herb.com/index.html

http://www.arcoiris.jp/



油のとり方の過去の記事も参照してください。

http://ameblo.jp/ashkirijo/entry-10260165268.html

http://ameblo.jp/ashkirijo/entry-10257597547.html

http://ameblo.jp/ashkirijo/entry-10264611472.html