こんばんは、今日もこちらをご覧いただき

ありがとうございます!

 

誰にも言えない経験ってありますか?

 

秘密にしなければいけない…

苦い思いはどこにしまいますか?



『別の人』

著 者:カン ファギル (姜 禾吉)

訳 者:小山内 園子

発行所:エトセトラブックス

(2021年3月初版発行)

 

こちらをご紹介させていただきます。

 

【あらすじ・レビュー】

 地方出身、一人暮らしをする

32歳の主人公は、

「自分を守ってくれる何か」を求め、

職場恋愛をしていた恋人から受けた

デートDVの事実について、

インターネットに公開した。


しかし、時間を費やした裁判は

納得のいく結果ではなかった…

逆に、「社会」と「法律」という

想像を超える「壁」に

ぶつかってしまう。

 


 完全に一人ぼっちになった主人公に

さらに追い打ちをかけたものは、

ネットの中から見つけた大学時代の

「過去をいかにも知っている」と

ほのめかした書き込みだった。


 そこから大学時代に暮らした

地方の街へと、何かに取りつかれた

ように向かうところから

更なる展開が始まります。

 


 現在と過去を行ったり

来たりしながら、

個人的な事だけでなく、

大学時代に周辺で

「女性であるがゆえに」

身に起きた理不尽な出来事

(若年性妊娠、中絶、女性

としての人格を否定する社会環境)

に、当時起きた同級生の死を

ミステリー的な要素を交え、

今ならわかるその「異常」

と向き合い、関係者達と

ぶつかり合いながらひも解いて

いきます。

 

 傷を受けたまま、心にフタを

して生き続ける登場人物達の

心情が何かを訴えかけるように

綴られており、小説でありながらも、

社会に向けて強いメッセージが

発信され、韓国社会の

光と影が見え隠れします。


切望した「別の人」になれる

可能性は…

果たして訪れるのでしょうか。

 


【感想】

単なるフェミニズム文学としてだけではなく

ドキュメンタリー作品という感じで、強い

メッセージを感じました。

女性だけでなく、男性にも読んでいたければ

いいなと思える作品でした。


 


著 者:カン ファギル (姜 禾吉)

 1986年 全州市生まれ。

 2012年 短編小説「部屋(パン)」

       でデビュー

 一貫して女性を襲う理不尽

と絶望を書き続け

 韓国のヤングフェミニスト

として評されている。

 

〈受賞歴〉

 〇2017年 

  短編小説「湖-別の人」

  で第8回若い作家賞

 〇2017年 

  初の長編でもある本書『別の人』

  第22回ハンギョレ文学賞を受賞

 〇2020年 

  「飮福」で第11回若い作家大賞

 

 

訳 者:小山内 園子(おさない そのこ)

 1969年生まれ。

 東北大学教育学部卒業。

 NHK報道局ディレクターを経て、

 延世大学などで韓国語を学ぶ

 

 〇イ・ミンギョン

 「私たちには言葉が必要だ」訳者

 〇すんみとの共訳

  「失われた賃金を求めて」

   などがある

 

 



今日もここまで読んでいただき

ありがとうございましたニコニコ


タイトルからわかっていただけた

と思いますが、今日のテーマの色は

黒色です💦