こんばんは!ニコニコ

今日もご覧いただき

ありがとうございます。

 


時々、自分の

「今の定位置」を考えた

ことはないですか?


こちらダウン紹介させていただきますビックリマーク

 

 

 

 

『フィフティーピープル』

作 者 チョンセラン

訳 者 斎藤真理子

出版社 亜紀書房

 

 

【あらすじ・レビュー】

 韓国の首都圏のはずれにある地域の

大学病院を軸に、人と人がすれ違い、

通過しながら、お互いに影響を与え合って、

パズルのようにクロスしていく

50人と+αの登場人物による連続短編集。

 

 

 韓国社会で実際に起きたセンセーショナル

な事件や事故が、丁寧に盛り込まれており、

知らない特別な人にだけ起きた

出来事ではなく、自分自身に突然、

重石のようにのしかかった問題に

どのように対峙していくのか…

それぞれの視点から描かれています。

 

 

 さらに、韓国の厳しく、激しい競争社会、

学歴社会が、社会問題として取り上げ

られており、その背景にいる人たちの

(事情を抱えた人。孤独となって

しまった人。非正規雇用で働く人など)

様々な苦悩と葛藤などが描かれています。


対岸の火事では済ますことのできない

あらゆる問いが投げかけられています。

 


 この本の特徴に、同じ人物が

別の章でも表れて、名前もあえて

伏せて登場します。


パズルのようにピースをはめていくと、

お互いの距離感と、いくつかの見え隠れ

する共通点も見えてきます。



家族にはない隣人との

繋がりと、かかわり

という人間模様があり、

再生していく新しい

が描かれています。

 




 【感 想】

 それぞれの出来事のヒトコマは、

悲しくもあり、切ないけれども

妙におかしくて、どこか痛い

感情を伴い、遠い自分の記憶と

重なって体験を共有していました。

 

 結末のない物語ですが、

作者が言われたとおり

「自分と似ている誰か」と、「人生の同僚」

の姿を思い浮かべました。




【最後に…】

 50人と+αの登場人物が、

今後どこかで幸せを見つける

ことを願いながら本の装丁にある

かわいいイラストを眺めていました。

 


 

著者:チョン・セラン

1984年ソウル生まれ

 本好きな両親の元で育ち、大学の

歴史学科、国文科を卒業後、名だたる

文芸出版社で編集者として勤務。


『フィフティーピープル』は2016年

から出版社のウェブサイトに連載され、

連載中から話題を集めていた。

 

〇2020年発刊

 『保健室のアン・ウニョン先生』 

亜紀書房

もベストセラーである。

〈受賞歴〉

・2013年

「アンダー、サンダー、テンダー」

 チャンビ長編小説賞を受賞

・2017年

「フィフティーピープル」 

 韓国で最も権威ある文学賞である

 「韓国日報文学賞」を受賞

 


訳者:斎藤真理子

翻訳者、ライター

1991年~ソウル延世大学語学堂に留学。

韓国文学ブームを牽引した一人でもある。


〇「82年生まれ、キム・ジヨン」の翻訳者

〇「カステラ」で第1回日本翻訳大賞受賞

 




ここまで読んでいただき

今日もありがとうございましたウインク