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爆笑問題、太田光さんの小説『文明の子』を読んだ。
Amazonの評価が低くて驚いたのだが、この小説は素晴らしいと僕は思う。
構成は村上春樹さんの小説のよう。(『海辺のカフカ』しか読んだことないが)
いろんな場面がちょこちょこ描かれ、それがつながってゆく。
その内容に関してだが、『海辺のカフカ』のような抽象的なものよりずっと良い、と感じた。
僕は自分の子供に読み聞かせたいな、って思った。
タイトルが『文明の子』ってだけに、文明を主軸に置いて描かれている。
ピーターパンの話(原作。かなり深い。)が出てきて、文明(社会)に飲み込まれずに子供のままでいることの大切さが訴えられている。
”子供と大人”を対比するのに”鳥と人間”を出してくるところ、巧いなあと思った。
この小説で僕が最も印象深いなと思ったのが「空はきっと」という章。
特に次のセリフにハッと考えさせられた。
「星や太陽がなぜ光ってるか、それがわかれば命が生まれた秘密もわかるだろう、っておじいちゃんは言ってた。で、その理由はきっと、宇宙がなぜ突然始まったのかっていう理由と同じだろうって」
(宇宙の誕生と人の誕生の理由を同列に考えたことがなかったからハッとした)
「もし神様がこの世界をつくったんだとしたら、神様が凄いのは、この世界がたった一つのオリジナルだから」「神様の凄いところは、今まで誰も一回も考えたことすらない世界を、初めて、何もないところからつくったことだって。正真正銘のオリジナルはこの世界でこのことしかないんだって。人間じゃなかなかそうはいかないって」
(我々のいるこの地球も含まれている”宇宙”ってのは何も無いところから生まれたんだよなって、ハッとした)
最後まで物語がうまく連鎖していって、読み終わるとまた最初から読みたくなる小説。
絵本のように子供に読み聞かせたいなって思える小説。
ぜひとも一読をすすめたい。
これは宇宙の隅から隅までを詰め込んだ最大スケールの小説だ。
ではでは。