私の職場には、“掃除のおばさん(敬意を表してあえてこう書かせてください)”が週5日働いてくれています。


掃除のスタイルは必ずしも丁寧というわけではないですが、いつも一生懸命で汗を多量に流しながら、タオルを首から提げ、半日かけて施設全般をひとりで掃除してくれています。


私はそのおばさんと割と仲がいいのです(と自分だけ思っているだけかもしれません)が、先日、私が朝出勤して、職場にかかってきた電話に対応すると、掃除のおばさんからでした。


風邪をひいてしまい、当日で申し訳ないが休ませてほしいとの連絡でした。

私は上席ではないのですが、そのとき責任者はまだ出勤していなかったので、もちろん「どうぞお休みしてください」とお伝えし、後に上席に伝えました。


「お休み」を伝えたおばさんは、自分が休むと代わりに掃除する人がいないため、(その場合、職員が掃除を分担するから)皆に申し訳ないと話していました。風邪をひいてしまい、ただでさえ苦しいと思うのに気遣いされることに、“いい人だなあ”と感じながら、「そんなこと心配しなくていいから」と言って、受話器を置きました。




2日明け、おばさんは元気に出勤してくださっています。


復帰一番に、風邪をひいてしまった経緯を説明してくれました。


私の職場は多少交通の便が悪いところにあり、職場から最寄のバス停で駅方面に行くバスに乗るのに1時間2本を待たなければなりません。


掃除のおばさんも退勤した後は、30分に1度のバスに乗れるよう、バス停に急いでいたところ、その日は運悪く、掃除がぎりぎりまで続いたのか退勤が遅れ、バス停にはすでにバスが停まっていたそうです。

バス停までは少し距離があったので、乗り遅れるかと思っていたら、バスが、おばさんを待っていてくれていたらしく、おばさんもそのバスに一刻も早く乗り込もうと、走ったらしいのです。


そして、無事バスに乗り込んで座った途端、多量の汗が吹き出て、バスのエアコンもあってか、風邪をひいてしまった...というのが原因だったそうです。


一生懸命バスに乗り込もうとした結果、風邪をひいてしまったおばさんのお話でした。

可愛らしいでしょ?