◆29日益田市立図書館で「発掘された山城~稲積城と七尾城」と題して、益田市教育委員会元文化財課長木原光さんのお話がありますした。七尾城は益田総領家の拠点で全山要塞化された城で、出土品などから饗応や酒宴など当時の生活ぶりがうかがえ、毛利元就を益田御膳でもてなしたことなども有名な話です。稲積城は七尾城から至近距離のところにあります。ところで石見地方は益田氏をはじめ、三隅氏、周布氏、吉見氏、小笠原氏、吉川氏などがそれぞれ治め、山城は浜田17、金城16、旭14、弥栄22、三隅38など石見全体では497もあるとのことです。

 

◆場所は変わって浜田市石央文化ホールでは、島根県中世史・近世史合同研究会が開かれ、郷土史家の岩崎健さんからは、益田藤兼時代の新領地について、益田市教育委員会の中司健一さんからは、益田家ゆかりの文化財とその伝来、島根県文化財課の倉恒康一さんからは、石見吉川氏に関する基礎的考察、と題してそれぞれ報告がありました。これら講演会や研究会は、益田氏と石見にまつわることで、お話から多くの歴史的資産があり、調査研究が進んでいない十分活用されていない、ことがうかがえここは山城への散策道を整備し見学しやすくする、石見の歴史を学ぶ機会をつくる、市民に広く伝える不断の取り組みが必要です。