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■年内に気になる事柄を一つ。にわかに日本遺産と歴史文化基本構想が注目を集めています。日本遺産は、地域の歴史、文化、伝統などをストーリーとして仕立て、地域が主体となって整備し活用し発信することを目的とし、地域に点在する遺産を「面」としてとらえ、地域住民のアイデンティティの再確認や地域のブランド化などにも貢献し、地域活性化を図る、地方創生にも資するという壮大な構想です。

■歴史文化基本構想は、地域に存在する文化財などを的確に把握し、文化財保護の基本的方針を定めるとともに、文化財をその周辺環境まで含めて、総合的に保存・活用し、文化財を生かした地域づくりに資するための構想であり、地方公共団体が文化財保護行政を進めるため、文化財保護に関するマスタープランとしての役割を果たす基本的な構想となるものです。

■日本遺産には、浜田市外ノ浦の北前船寄港地が追加認定されましたが、日本遺産としては既に「津和野今昔」、雲南市、安来市、奥出雲町の「出雲の國たたら風土記」、出雲市の「日が沈む聖地出雲」なども認定されています。歴史文化基本構想は、くしくも先行する出雲市、津和野町、海士町がすでに策定済みで、益田市は30年度末に策定されます。が益田市は歴史遺産で日本遺産も目指すとしています。

■日本遺産は67か所が既に認定され、100か所くらいまで認定するとされており、あと30数か所です。浜田市は、県西部9市町と相はかって石見神楽の日本遺産を目指していますが、どうストーリーをつくるのか、地域が一体となれるのか、テンポの異なる六調子と八調子、伝統神楽と創作神楽など相いれない面もあります。県西部市町の個々ではなく、石世界遺産の石見銀山から日本遺産の津和野、石見神楽、益田市の歴史までを俯瞰した構想力、連携力が必要です。