多くの人が、健康に関する情報に関心があると思います。

この2年の間に、そんな人は一層増えたのではないでしょうか。

 

しかし、健康に関する情報は、よくよく追ってみると、

相反する情報が飛び交っていたりします。

そんなことはない、と思う人は、

反対の情報を無意識に避けているか、

間違っている、と決め付けているだけでしょう。

 

先日、健康情報についてYouTube配信している、

自然療法士ルイさんの「自然療法大学」

というYouTubeチャンネルで、

 

「ミネラルが多い塩には、実は危険性がある」

 

というお話が紹介されていました。

 

 

 

 

これは、「ミネラルが多い」と言われる塩には、

「硫酸塩」と言われるものが多く含まれている。

そして、

・硫酸塩を排出するために

 腎臓に負担をかけることになる

・硫酸塩還元菌によって腸内で硫酸塩から

 硫化水素が生成され、粘膜を損傷させる

大きく、この二つの理由から有害である、

という説明でした。

代表的なものとして「ぬちまーす」という塩を

取り上げたため、ショックを受けた方も

多かったようです。

かくいう自分もその1人。

実は最近、ちょっとした味付けに使う塩を

こちらにしていたからでした。


さて、ここで、言葉について確認して

おきたいと思います。

ミネラルが多い塩の方が体にいい、

というイメージがありますが、

そもそもミネラルとはなんでしょうか。

 

デジタル大辞泉によれば、

[1]鉱物。無機物。
[2]栄養素としての無機質。

 カルシウム・ナトリウム・カリウム・

 マグネシウム・燐(りん)・硫黄・鉄などの

 無機塩類。ごく少量で生理機能に重要な作用をする。

とのこと。

これを見て、

「え、ミネラルが豊富な塩って結局なに?」

と思えるかどうか。

ナトリウムもミネラルの一つ。
つまり塩、食塩は精製塩も含めて、

ミネラルの塊、と言えなくも無いわけです。

なので、正確に考えてみるならば、

「ミネラルが豊富」と謳っている塩は、

ナトリウム以外のミネラル分が多い、

ということを言いたいのだ、というわけですね。

つづいて、硫酸塩とは何か。

同じくデジタル大辞泉によると、

──硫酸の水素原子が金属によって置換された化合物。

とのこと。

つまりは、硫酸マグネシウムや

硫酸カルシウムなどのことです。

こうしたものは海水に含まれているもので、

冒頭で取り上げたぬちまーすは、

海水をそのまま粉末結晶にするので、

そうした硫酸塩が多いままになる、ということ。

 

これらは体内に取り込まれた際に、

マグネシウムやカルシウムが外れ、

硫化水素が作られる。

その硫化水素が、粘膜を傷つける、

ということのようです。

健康のために、と摂ったもので

健康を害してしまうなんて、と思いますが、

改めて、イメージ先行でいくのはまずいな、

と反省したところです。

これは、「ミネラル豊富」な塩はやめようと思った、

ということではありません。

 

この塩を取ることによる悪影響は、

実際に数値的にどの程度になるのかが、

よくわからないからです。

 

しかし、ちょっとでも悪い可能性があるなら

摂らない、という選択もありですし、

メリットの方が大きい、と考えてそのまま

取り続ける、という選択もありでしょう。

いずれにしても自分の「体の声」を聞き、

調子がいいか悪いかをちゃんと

見極める必要があるな、ということです。

リンゴや玉ねぎが、健康にいい、

という話はしばしば聞きます。

しかし自分の場合、これらを多く食べると

ほぼ必ずお腹を壊します。

悪いものが外に出ていく過程? 

と思わなくもないのですが、

やはり全般的なパフォーマンスは落ちるので、

積極的に取ることは避けようと思っています。

と言っても一切食べない、

なんていうことはなくて、

普通に食事の中に入っている程度は

気にしていません。

さて、そもそもミネラルの多い塩

(正確にいうならナトリウムの割合が少ない塩)

が健康にいい、と言われるのは、

ナトリウムが血圧上昇の原因になるから、

という前提があります。

また、ナトリウム以外のミネラルが

不足している場合は、それを補うことになる、

とも言えます。

 

しかし、ナトリウムが血圧上昇の原因では無い、

という説も言われているのですが、

なぜかあまり知られていません。
 

こうしたことも含めて、

何がいいか悪いかのみならず、

自分に合っているもの、合わないものを

見極めることも大切なわけです。

これは昨年講義を聞く機会のあった、

ゼンコー先生こと石川善光先生のお話でも

あったことでした。

改めて、その時の内容を振り返って、

自分の健康について考えていかなきゃな、

と思った次第です。