例年、新学年になると学校から「日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度への加入について」のプリントが配られます。

その、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「センター」とします)からの通知内容のことです。

どう書いたらよいのか、4月からずっと悩んでいました。
こんなご時世だし、この記事を上げることであらぬ誤解を生むかもしれない。
でも、今現在、頑張ってる人たちに少しでも参考になればいいと思っています。




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ご存知の方も多いと思いますが、
センターは、登校から下校までの学校管理下で生じたケガや病気に対して医療費や見舞金を給付します。
障害が残ったり、死亡した際も見舞金を給付する制度になっています。


息子のことがあるまでは、
「ケガした時の保険みたいなものね。手続きがめんどくさそう」
くらいの認識でした。後遺症や死亡見舞金なんて、滅多に起こるものではないと…。





うちの場合

弁護士さんが間に入った頃、市教委から
「センターへの申請を保留します」という話がありました。市教委とは別に弁護士さんからもセンターへ働きかけてくれました。
申請期間があり(正確な期間年数がうろ覚えなのですが、たしか2年?)それを過ぎると申請できなくなるので、保留という形を取り申請期間を伸ばし、その間に調査が行われました。
うちは、私たちの手元に調査報告が出るまで1年、そこから公表まで1年半、計2年半かかりました。

報告書が市教委のHPに公表された後、市教委から申請手続きをすると連絡がありました。
なぜ公表された後なのかというと、私たちの了解が得られた報告書を資料として一緒に提出しなければならないからです。



今年の4月後半、
市教委から、センターからの書類が郵送されました。その内容欄を読んだとき

「私たちが言ってきたことをきちんと汲んでくれてる。学校に問題があった」
「見る人が見ればわかるんだ。報告書というものは本当に大切なんだな」


という感想を持ちました。
そう思った文章を一部抜粋、要約しておきます。


本件は、「1 事件の原因別」で、自死の主たる理由について、学校の見解は⑴学校問題の「その他(複数の要因)」を選択していますが、災害の発生場所、場合及び日時は校外学習のものとなっており※、報告書ではいじめその他の複数の要因によって被災生徒の自尊心が大きく低下し、それが自死の背景になっていると考えます。

また、「児童生徒等の安全な学校生活を妨げる特別な事実」があったものと認められるため、「学校の管理下において発生した事件に起因する死亡」と認める。




※センターへ提出された学校側の書類には、原因は「その他(複数の要因)」とされていました。
また、書類の便宜上、いじめ行為があったと確認が取れる日が書き込まれました。

私たちも物が壊された正確な日は、1週間単位でならわかりますが正確な日はわからなかったのです。


〜話し合いにも報告書にも出てこなかったけど、校外学習でも、やはりいじめがあったんだな。あの日、ドロドロになったジャージで帰ってきたのは、そういうことなんだな〜〜〜(心の声)


ま、それは置いといて…




公の機関が、こうして「学校に問題あるよ」って認めてくれたことがどれだけ嬉しかったか。これまでの苦労が報われた瞬間でした。


世間に出たり、ニュースには取り上げられないけど、私たち夫婦ができるのはここまで。もうこれ以上は精神的にも厳しい。学校の体制や担任のひどさに対して裁判を起こすまでの気力は残っていません。
裁判はさらに長い年月と労力が必要になりますし。
なので、逆にそこまでできる方のことは本当に尊敬します。頑張ってほしい。

また、多くの方が調査もされずにいることも知っています。したくない方もいると思います。
憔悴仕切った遺族に追い討ちをかけるような学校側のひどい対応もあります。
でも、学生の自死は調査をしないといけないと定められているはずです。もうこれは調査を求めることができる権利ですね。
できる人は調査をした方がいい。









本音を言うと

こんな悲しいお金はいらない!うれしくない。
息子が戻ってきてくれた方がどれだけ報われることか。

この気持ちは、同じ経験をした親ならわかってもらえるでしょうか。



最後に、
「報告書」と私たちの「所見」が公表されている市教委のHPアドレスを貼っておきます。
「所見」が公表されたことは非常に珍しいと言われましたが、公表できた事例です。

今年の12月末で見れなくなります。