舞台
先日、友人の舞台公演を見てきました。
ちっぽけな劇場で、ちんけなパイプがならべてあるだけ。一番前の席は床に座布団がひいてあるだけでした。舞台にはベニヤ板製の仕切り。客席と舞台との狭間はないに等しいものでした。
開演です。
最初こそバカにしたような気持ちでいた僕ですが、実際に劇が始まってみると、その演技・演出・脚本に惹きこまれ、物語に没頭してしまいました。僕の目にはみすぼらしく映っていた手作りの小道具たちが、まるで意思と個性を持った生き物のように見えるのです。そして、さきほどまでの自分の感情を思い出し、何か言いようがない恥ずかしさが込み上げてきました。
時間にして1時間40分が過ぎ去っていきました。
一瞬のことです。
とても心地よい時を過ごしました。
演じている方々の魂の叫びを聴いたような気がします。心に響き渡ったのです。
声の震えや、わずかな足音、動くたびに擦れる布ズレ、視線の先にあるもの、指を握るときに浮き出る腕の血管、額の皺、膝の曲がり具合。全てが僕に物語を訴えかけてきました。
腰は腐りましたが、面白かったです。
誘ってくれてありがと!!