ロビーで安達瞳子さんの作品を眺めながら、コーヒーをゆったりと飲み終え、私は車に戻りました。

 

 エンジンキーを回すと、ナビが現在地を示しました。

 

 椿自然園は、阿南市の海岸線から紀伊水道に突き出た二つの半島の短いほうの付け根付近、標高約150mの稜線部に位置するようです。

 

 

 駐車場のガードレールに、「徳島つばきまつり」の赤い幟が掲げられていました。

 

 玄関前の看板に、今日の3月1日から20日まで、つばきまつり開催期間と記されますが、今まで見てきた梅やナノハナ同様、この地のツバキも開花が遅れている気がします。

 

 例年であれば、更に多くのツバキの花を見れたのかもしれません。

 

 

 帰り道の坂を下る途中「第三花つばき園」の看板を見かけたので、車を停めてそれらしき場所を窺うと、散策路か作業路のような道を、ツバキのトンネルが覆っていました。

 

 花の最盛期にもう一度来るべきだと思いました。

 

 

 坂道を下ると、尾根の下の方までツバキが植栽され、赤い花弁の白覆輪模様の品種が別れを惜しんでくれました。

 

 

 

 坂を下りきって振り返ると、椿自然園をなす尾根が海霧に霞んでいました。

 

 

 波静かな、名も知らぬ入り江に小さな漁船が繋がれます。

 

 彼らが運ぶのはアワビかサザエ、もしかするとイセエビかもしれません。

 

 

 椿自然園の駐車場で入力した次の目的地は「明谷梅林(あかだにばいりん)」です。

 

 20㎞程走り、同じ阿南市長生町の丘陵地に挟まれた梅林に到着しました。

 

 

 そして予想通り、この梅林も、花の季節が遅れていました。

 

 

 約5万㎡の梅林で、4戸の梅農家が育てる2,000本の梅が花を咲かせ実を付けるそうです。

 

 谷に面した急斜面で、石積みの段々畑が過酷な農作業を語っていました。

 

 

 

 かっては22戸の農家が4,000本の梅を管理していたそうですが、人口減少や高齢化が進んで、管理放棄による梅林の荒廃が進んでいるそうです。

 

 そして、何時ものように、花を咲かせた梅を見つけてパチリ。 

 

 

 11時頃に明谷梅林を出発し、次に「江田の棚田のナノハナ」を目指しました。

 

 北へ進んで那賀川を渡り、

 

 

 そして多分、徳島市多家良町の県道33号で勝浦川を渡りました。

 

 

 道なりに進んで佐那河内村(さなごうちそん)に入り、

 

 

 園瀬川を渡って、国道438号をはしり始めました。

 

 そのまま国道438号を西進し、神山町の道の駅で昼食を済ませました。

 

 

 昼食を終えて国道に戻ると、フロントガラスの先に、名も知らぬ峰が早春の陽光を浴びて横たわっていました。

 

 

 この辺りの国道438号は、以前の記事で触れた、全国三大酷道の一つとされる国道439と重複しながら、四国第二の高峰である剣山(1955m)リフト乗り場付近まで、一緒に西へ向かいます。

 

2008年5月 リフトから見る国道438、439号

 

 そして私はいつか、そんな439号を走破したい思いを胸に抱いています。 

 

 

 

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 夜の国道55号を走り、四国最東端に近い、徳島県阿南市椿町の海岸で朝を迎えました。

 

 室戸岬から徳島県の阿南市に至る、美しいビーチが続く海岸線は、夜に通り過ぎるのは勿体ないのですが、花を訪ねる旅のセオリーとして、その時々の花に巡り会うことが最優先なのです。

 

 朝の7時頃に車中で目を覚まし、エンジンキーを回してナビを確認すると、目的地の椿自然園までは5分程の距離でした。

 

 車の窓を少し開けて、さざなみの音を車内に招き入れ、四国を巡る旅の最終日となるであろう一日を想い描き、潮風の中で朝食を済ませました。

 

 ナビが示す道へ車を進めると、松と竹に挟まれた、車がすれ違えないほどの狭い坂を上り始めました。

 

 

 そして、ヘアピンカーブに差し掛かると、 「運転、すごい~!」の看板が現れました。

 

 

 そんな坂を上り詰めて、椿自然園に到着すると、

 

「徳島つばきまつり 期間:3/1~3/20

 

 ①   椿園見学(無料) 700種を超える椿が展示されています

 ②   切り花展示(無料) 色とりどりの花をお楽しみ下さい。

 ③   苗木販売と栽培指導(無料)

 

 山道、はるばるありがとうございます。

 

 と記された看板が出迎えてくれました。

 

 しかし、この時の時刻は朝の7時45分。

 

 管理棟らしき建物(後で宿泊施設と判明)は静まりかえり、人影は全くありません。

 

 

 椿園の見学は無料であることを確認したので、園内を散策すると、尾根筋のエリア一面に、自然園との名に嘘はない風情で、椿園芸種の森が広がっていました。

 

 

 温室の中に入ると、多種多様な椿の苗が鉢に並んでいました。

 

 

 そして誰もが育てたいと思う、名椿品種「玉之浦」が花を咲かせていました。

 

 

 8時を過ぎた頃、車の音が聞こえたので、建物に近づき、その場に居た男性に頭を下げ、「園内を拝見させて頂きました」と挨拶すると、「どうぞ中へお入り下さい」と建物の中へ導かれました。

 

 中に入るとロビーの壁に、「椿」の文字をアレンジした作品が飾られていました。

 

 男性は私の視線に気づいて、「これは日本椿協会会長だった安達瞳子さんの作品で、阿南市で全国椿サミットが開催された時に頂いたものです」との説明がありました。

 

 

 

 ロビーの隣がダイニングで、宿泊客は既に朝食を終えたようです。

 

 

 各テーブルの上に、ツバキの生花が飾られていました。

 

 ツバキを見たくて訪ね来た愛好家にとっては、何よりものご馳走です。

 

 

 ロビーの窓から下を覗くと、徐々に朝霧が晴れて、尾根の下に海が見えてきました。

 

 

 窓のすぐ下で、赤い花に染まるツバキが、緑の森に溶け込んでいました。

 

 

 

 

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 大豊町南大王から香美市香北町有瀬のナノハナを目指しました。

 

 しかし途中で、燃料の警告ランプが点灯しました。

 

 白木谷の梅林を出て、南国市で国道32号を走り始めた辺りで、ガソリンスタンドを見た記憶があるので、そのGSを目指しました。

 

 高知市内の頃からガソリンの残量が気になったのですが、高知県はガソリンが高いので、GSの価格を見比べているうちに警告ランプが点灯したのです。

 

 無事GSに到着しましたが、淡路島のGSより20円/リットル程も高いので、半分程度給油して満タンにはしませんでした。

 

 ナビのガイドで香北町有瀬に入り、誰かのブログで紹介されていた、見覚えある三叉路を左折しました。

 

 

 舗装された道を上ってゆくと、

 

 

 物部川の畔に軒を連ねる香北町市街が見えてきました。

 

 

 周囲に段々畑があるので、この場所が目的地の「天空の菜の花畑」に違いありませんが、この場所でもナノハナの景色を見ることは叶いませんでした。

 

 

 香北町有瀬の「天空の菜の花畑」を16時頃に出ました。

 

 今回の旅のルート上、高知県の訪問予定地はあと一つ、田野町 長法寺の臥竜梅です。

 

 時間に余裕があれば高知県立牧野植物園にも寄りたかったのですが、この場所で、この時間であれば諦めるしかありません。

 

 香美市街へ戻り、市役所前で左折し物部川を渡り香南市に入ります。

 

 

 香南のいちICで自動車専用道に入り、安芸西ICで一般道に戻りました。

 

 

 土佐湾を右に見ながら、国道55号 通称佐浜街道を東へ向かいます。

 

 

 国道と第三セクターの土佐くろしお鉄道㈱が運営する「ごめん・なはり線」が並走します。

 

 

 その後も国道をたんたんと走り、目的地まで2~3㎞を残す辺りに来ると、土佐湾の水面に、西へと延びる光の筋が映し出されていました。

 

 

 田野町の長法寺へは日没前に着くことが出来ました。

 

 

 寺の庭に、地を這って伸びる臥竜梅が枝を広げ、その先に赤い蕾を認めます。

 

 

 

  掲示板に「この紅梅の木は、樹齢推定300年以上」と記されます。

 

 

 寺の庭を枯れ草が覆い、山門が少し傾いていました。

 

 梅の古木は、夏になると周囲を雑草に覆われるのかもしれません。

 

 

 長法寺で高知県下の目的地を全て訪ね終わり、次に目指すのは徳島県阿南市の椿自然園です。

 

 田野町から山を越えて、室戸岬半島の反対側へ抜ける国道493号が距離も短くて面白そうですが、なびは国道55号を経由するルートを示しました。

 

 今ネットで確認すると、2024年07月10日から 2025年07月16日まで道路は閉鎖されているそうです。

 

 徳島県阿南市を目指し、長法寺(高知県田野町字目後町1894)を17時36分に出発しました。

 

 

 

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 西土井で国道439(ヨサク)に入りましたが、支流に沿って2km程も走ると、ナビは右手の坂を上るルートを示しました。

 

 車は瞬く間に高度を上げて、車窓に向かい側の尾根の稜線が見えてきました。

 

 

 更に上ると台地状の地形が広がりました。

 

 記事を書きつつ地図を確認すると、正面のピークは多分鉢ヶ森山のようです。

 

 

 山裾の道を進むと、分岐から15分ほどで、福寿草の里に到着しました。

 

 

 駐車場のプレハブ小屋の窓に、「お一人500円」と記されますが、誰もいません。

 

 

 ごもっともです。道路脇に雪が積もりますし、今日は平日です。

 

 こんな日に福寿草を見に来る人なんて、ほとんど居ないのです。

 

 お~い受付さん、早く帰ってきてちょうだい。

 

 

 そして多分、3~4分程待って受付を済ませ、受付のおじさんに花の場所を確認し、フクジュソウ見学を始めました。

 

 

 ところが、この記事を書く段になって、四国のフクジュソウはシコクフクジュソウに分類されることを知ったのです。

 

 そのシコクフクジュソウの特徴は

 

 ・萼片が花弁の長さとほぼ同長

 ・葉の両面が無毛

 ・集合果は小さく球形で、そう果の毛は短い。 

 

 だそうです。

 

 萼片が写る写真を確認すると、萼片と花弁はほぼ同長に見えます。

 

 

 しかし、葉の毛が確認できる写真はありませんでした。

 

 

 梅を再度見に来る必要があるので、閻魔様が、もう一度早春の四国に来いと言ってくれてます。

 

 え“! 閻魔様が苦笑いしてるですって。

 

 いいんです人が何と言おうと。 私はいつも、唯我独尊なのです

 

 

 散策を終えて、車へ戻る道の脇で、ユズの実を目にしました。

 

 フクジュソウが咲く長閑な山村で、村人の生活の知恵が実を稔らせています。

 

 

 

 更に駐車場の手前で、見たこともない、不思議な樹形の木に気づきました。

 

 整地した場所に育ちますので、野生種ではなさそうです。

 

 冬に葉がない落葉樹ですが、桑ではないし、果樹のようにも見えません。

 

 

 頭をひねりながら車に戻り、駐車場のおじさんに、畑のようなな場所で、株立ち状に枝を伸ばす木は何ですか? と尋ねました。

 

 するとおじさんは、「あれは銀杏です」と答えました。

 

 「え! イチョウなの? あんな形のイチョウを見るのは初めて」と言うと、

 

 「実を採るために、木の高さを抑えているんです。数年前まで、県がギンナンの生育を推奨してたけど、価格が落ちて、今は放置状態」

 

 とのことでした。

 

 

 

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 次の目的地は、白木谷唐岩梅林です。

 

 ナビに導かれて小坂峠まで戻り、そこから林道のような県道269号を東へ走りました。

 

 

くねくねとカーブが続く杉林や竹林の中を走り続け、

 

 

 白木谷小学校付近の路傍に「福祉の梅林園」と記された看板を見かけたので、周囲を見回しましたが、肝心の梅林らしきものはなく、コンビニや民家さえ見当たりません。

 

 

 仕方なく、白木谷小学校を訪ね、職員室らしき部屋の窓から声を掛けて、「申し訳ありません、白木谷唐岩梅林を探していますが「、道を教えて頂けないでしょうか」と尋ねました。

 

 

 すると、中に居た20歳代と思う女性が、「梅林への道の表示が小さくてわかり難いのでご案内します。私の車に付いてきて下さい」と言って、東へ数百m程の場所へ導いて下さったのです。

 

 路肩に車を停め、再訪時に位置が分かるよう、その場所のナビ画像を撮影し、周囲の様子を記録しました。 

 

 

 白木谷唐岩梅林は、この民家の裏手辺りにありました。

 

 

 梅林の入り口に、A3サイズの大きさの「白木谷の梅林」と記された板が掲げられていました。 車で来て、この掲示物に気づく人は居ないと思います。

 

 

 梅林への坂を登ると、数年以上剪定されていない様子の梅が枝を広げていました。

 

 

 昔から 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と言います。

 

 梅は剪定しないと樹形が崩れ、花や実付きが悪くなりますが、この梅林は放置状態のようです。

 

 

 さてと、次は気分を変えて、フクジュソウを見に行くことにします。

 

 フクジュソウは主に本州以北に分布しますが、四国では剣山周辺や高知県香美市、大豊町などに見られ、中でも大豊町南大王の福寿草の里が特に有名で、毎年2月中旬頃から3月上旬にかけて「福寿草まつり」が開催されます。

 

 この季節に高知へ来たのであれば、見逃す訳にはいきません。

 

 白木谷でナビに高知県長岡郡大豊町南大王124と入力すると、47㎞ 1時間35分と示されました。信号も渋滞もない田舎道なので1時間強で着くだろうと判断しました。

 

 県道から国道32号を走り、西土井で国道439(ヨサク)に入りました。

 

 

 ところで、話は脱線しますが、昨年夏に、下北半島で国道338をドライブした際、函館から津軽海峡を渡って上北郡おいらせ町に続く、国道338の詳細を知って、国道に興味を持つようになりました。

 

 四国では国道439が全国三大酷道として全国に名を馳せています。

 

 今回の旅では、国道439の走破も考えましたが、残念なことに、3月下旬ごろまで山間部が通行止めだったのです。

 

 次のチャンスには、絶対に酷道439を走破しようと企んでいます。

 

 

 

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