『iPod』との連携も可能な新メディアプレーヤー『Songbird』
Apple (NASDAQ:AAPL) が音楽業界における圧倒的な地位を着々と固める中、かつて MP3 プレーヤーの開発に携わったベテラン技術者が、オープンソースのメディアプレーヤーの開発に取り組んでいる。Apple は、『iPod』とコンテンツ管理ソフトウェア『iTunes』を組み合わせて、ハードウェア販売とコンテンツ販売事業を結びつけているが、このメディアプレーヤーは、こうしたベンダーによる囲い込みに一石を投じる可能性を秘めた技術だ。
この新しい音楽プレーヤーは『Songbird』と呼ばれ、Pioneers of the Inevitable という変わった名前を持つサンフランシスコの新興企業が開発している。
同社の創業者兼最高経営責任者 (CEO) の Rob Lord 氏は、1990年代後半にインターネットに登場した、最初期の MP3 再生アプリケーション『WinAMP』の開発者の1人だった。AOL は1999年に WinAMP の開発元である Nullsoft を買収し、AOL Music の中核に据えた。
今回、Lord 氏は14人のスタッフと共に、Apple、そして他のすべての既存音楽ベンダーに戦いを挑もうとしている。その際の切り札になるのが、オープンソース技術だ。Songbird はまだ開発のごく初期段階にあるが、便利なツールだ。
Songbird はレンダリングエンジンに『Mozilla Gecko』を採用しているため、『Mozilla Firefox』向けのスキンやプラグインの多くをサポートしている。こうしたプラグインの1つとして、iPod 向けのものが用意されている。説明によれば、この機能拡張を用いると、iPod を Songbird にマウントし、iPod のライブラリとプレイリストに収められた楽曲を再生できるという。また、Songbird のライブラリから楽曲を iPod にコピーしたり、同期させたりすることも可能だ。
Lord 氏は Songbird を「Web ブラウザとメディアプレーヤーをマッシュアップした Web プレーヤーとでも呼ぶべき新しいアプリケーション」と説明する。Songbird は将来的には全てのオープンなファイルフォーマットをサポートするだけでなく、『Windows Media』『VLC』『Quicktime』のコーデックおよびデジタル著作権管理 (DRM) もサポートする予定だ。これにより、iTunes が採用している AAC フォーマット、さらには Xvid、Ogg Vorbis、WMV のファイルも再生可能になる。
言うまでもないことだが、Lord 氏は、今日のデジタル音楽業界に見られる、ベンダーによる囲い込みを快く思っていない。Lord 氏は取材に答え「今日の Web ブラウザが、仮に今のメディアプレーヤーのような仕組みで作られていたら、『Internet Explorer』は『Xbox』でしか動作せず、閲覧できるページも microsoft.com 内に限られていたはずだ。だからわれわれは、メディアプレーヤーを現在の Web ブラウザのようなものにしてきたいと考えている」と述べた。