焼け残ったのは言葉だった。

 

画家はそれを黒い絵の具を使って描いた。

 

谷中の五重の塔が柱を残し、無惨な姿を空にさらした時、楽器を使えたなら楽器が壊れるほどかき鳴らしたことだろう。