2週に1回、医師会事務局からいろいろな資料が届きます。

先週送られてきた中にこんなプリントが入っていました。

先日何かの会議に出た時に配られた資料の中に、西宮市の救急依頼、つまり119番通報の件数が記されたものがありました。

それを見ると最近119番通報がどんどん増えていて、過去最高を記録したと書いてありました。

そしてその中の1/4以上がが緊急性のない内容だったとのことです。

緊急性のない内容とは、例えば「今診てもらえる医療機関はどこですか？」などの病院案内とか「こんな症状があるんだけど受診した方がいいでしょうか？」などの医療相談です。

これは他市の事例ですが、「こどもの具合が悪くて苦しそうにしているので今すぐ来てください」との通報を受けて救急隊が現場に駆け付けたら、具合悪そうにしていたのがそこの飼い犬だったみたいなこともあります。

確かにペットは飼い主にとってこどもみたいなものかもしれませんが、でも救急車で運べるのは人間だけに決まっています。

このような緊急性のない119番通報が増えることによって、本当に具合が悪くて一刻を争う人への救助が遅れることに繋がります。

実際西宮市に限らず、全国的に救急通報から現場へ到着するまでの時間が少しずつ伸びてきています。

これも無駄な救急依頼が一因になっていると思われます。

最近薬が足りなくなっていることをこの日記で良く取り上げています。

そして、医師の働き方改革によって救急現場に従事できる医師の数が4月以降減ることが予想されています。

今までは医師の過剰勤務によって維持されていたのが救急医療の実際です。

それを是正しなくてはならないのは当然のことです。

でもそれによって業務が回らなくなる救急医療機関も出てくるはずです。

このように今まで無尽蔵にあると思われていた医療資源が実はそうでないことが徐々にわかってきました。

じゃあその限りある医療資源を有効に使うにはどうしたらいいのかをみんなで考えていかなくてはなりません。

今回の119番の適正使用もその一歩として考えていただければと思います。

119番 2024-03-19