狭山事件 発生の日は雨が降っていた、起訴状には雨の記録が残っていない | 勝どき日記

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●写真は、『狭山事件 50年目の心理分析』の表紙カバーです。

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 ◆事件発生の日は雨が降っていた  
  『狭山事件 50年目の心理分析』 
   起訴状には雨の記録が残っていない◆   
□■□■□■□■□■□■□■□殿岡駿星□■
第816号          2024/03/12    
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 ◆事件発生の日は雨が降っていた  
  『狭山事件 50年目の心理分析』  
    起訴状には雨の記録が残っていない◆



狭山事件は、1963年5月1日に発生した。有罪とされた石川一雄さんは当時24歳だった。起訴状には、雨の記述がない。ところが、この日の狭山市は、午後2時半ごろから小雨となり、起訴事実によると、午後3時50分ごろに石川さんは、被害者の松田善枝さんに狭山市入間川の加佐志街道で出会うや、やにわに乗っていた自転車の荷台を押さえて雑木林に連れ込んだ、としている。



この3時50分ごろは、土砂ぶりの雨が降っていた。雨は、その日の夜遅く、深夜の12時ごろまで降っていた。ところが、検察の起訴状によると、石川さんは、雑木林で善枝さんを松の木にしばりつけ、その後に善枝さんを投げ倒し、首を絞めて殺害し、強姦した。



石川さんは、午後9時ごろ善枝さんを農道に埋没して隠した。さらに、石川さんは午後7時半ごろに、善枝さんの自宅へ行って、玄関のガラス戸の隙間から「現金20万円を用意して佐野屋の前に持ってくれば、子供は返す、もし持ってこないなら、子供の命は奪う」
という内容の脅迫状、善枝さんの身分証明書を同封して、差し入れた。

5月2日午前12時ごろ、佐野屋付近に行ったが、身の危険を感じ、その場から逃走した、としてある。

石川さんの容疑は、強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂で、一審の判決は死刑だった。石川さんは、1審では、犯行を認めていて、2審の冒頭で発言を求め、無実を主張した。



わたしは、この起訴状を読んで、最初に疑問を持ったのは、雨だった。起訴状には、1滴の雨も降っていない。雑木林に連れ込んで、善枝さんを投げ倒したなら、善枝さんの服はドロドロに汚れただろう。さらに、午後9時ごろ雑木林の近くの農道に埋めたなら、土砂降りの雨の中で、善枝さんの来ていた服はビショビショに濡れ、泥まみれになっていたはずだ。

ところが、遺体の発見当時の記録によると、善枝さんの着ていた服は濡れていなかった、という。農道に埋められていた、遺体の服が雨に濡れた様子がないのだ。午後9時ごろは、一番雨がひどかった。いわば、土砂降りだった。その中で、農道を掘り、遺体を埋めたなら、着ていた服は濡れるどころか、ドロドロに汚れていたはずだ。

それは、善枝さんが埋められた時刻が、雨の上がった、2日の午前1時ごろだった、と思われる。善枝さんは、1日の午後3時半ごろ高校を出て、4時ごろに濡れない場所で、だれかに会い、それから遺体が埋められる2日の午前1時ごろまで、濡れない場所に置かれていたのではないか。

善枝さんの自宅に脅迫状が届けられたが、その近くに善枝さんが乗っていた自転車が置いてあった。起訴状では、自転車については触れていないが、石川さんが乗って行って、そこに置いたとされている。

その自転車も濡れていなかったそうだ。土砂降りの雨の中で起きた事件なのに、何から何まで、濡れていないものだらけだ。もし、この日、雨が降らなければ、わたしは、狭山事件の謎を永遠に解けなかっただろう。

雨のおかげで、不思議な事件の真相が少しずつ解けてきた。

わたしの本『狭山事件 50年目の心理分析』(定価3200円)『狭山事件の真犯人』(定価1800円)に興味あるかたはぜひ読んでみてください。この「コラムゆりかもめ」を読んでくれた人は特別に割引で販売します。メール syunsei777@yahoo.co.jp へ連絡ください。
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◆このコラムは写真付きで下記のブログに転載しています。
 ブログ「勝どき日記」 https://ameblo.jp/ashashio10ri10n
 「コラムゆりかもめ」は随時発信となっています。
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◆『狭山事件 50年目の心理分析』
            殿岡駿星著・定価3200円税別
1963年5月1日、埼玉県狭山市で発生した女子高校生誘拐
殺人事件(狭山事件)は、石川一雄さんが犯人とされていま
すが、石川さんは無実を訴え、再審開始を求めて闘っています。
著者はこれまでに石川さんの無実を証明するために「犯人 狭山事
件より」(晩聲社)を上梓していますが、その後、ブログに連載し
た「狭山事件・取材ノート」を土台に家族の証言などを心理的に
分析し事件を推理しました。石川さんが、犯人だとしたら、なぜ
被害者の自転車に乗って、雨の中を被害者の自宅へ脅迫状を届け
なければならなかったのか。電話でいいじゃないですか。しかも、
石川さんは、その自転車を被害者宅に返却して、雨の中をトボトボ
と4キロも自宅まで歩いたというのです。これは真犯人がしかけた
罠としかいいようがありません。刻々と真犯人に迫ります。
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◆「自由俳句の会」季語や、575のリズムにこだわらない自由な
俳句作りを楽しむ会です。自由律俳句とは違って、季語、575で
もOKです。年に6回、偶数月の第2土曜日までにメールで1人
5句以内投句。その後、投句者全員に無記名・ランダムで俳句一
覧を送信します。会員はその中から好きな4句と自選の1句を選
句します。選句結果から、金銀銅賞、特別賞として自由俳人賞
(5句合計最多得点)、サイクルヒット賞(5句すべて入選)など
を選び、メールと、ブログ「自由俳句の会」で報告します。
 https://blog.goo.ne.jp/jiyuuhaiku
その後、受賞者のことばと、会員の鑑賞文を含めて、句会のまと
めをブログで全国の俳句ファンに報告します。また、橋本夢道の
句を研究課題として鑑賞をし、ブログで発表します。第31回は
2024年6月1日から投句受け付け。年会費は1000円です。
参加申し込みはメールで。 syunsei777@yahoo.co.jp へ。
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◆『濱松事件』     殿岡駿星著・定価2000円・税別
戦時中の濱松で5件、9人死亡8人負傷の連続殺人。市民が恐怖の
どん底に。1983年~1942年に遠州鉄道沿線で発生、犯人は、聴覚
障害の聾唖学校生徒だった。当時の刑法40条では、「いんあ(聾唖)
者ノ行為ハ之ヲ罰セス又ハ其刑ヲ減軽ス」とあったが、裁判では、
聾唖である事実が無視され、しかも逮捕時18歳の少年だったのに、
死刑判決、処刑された。殺人の動機は、父親が「聾唖の子は勉強す
るな、学校をやめろ」といって学費を与えないため、学費を稼ごう
と強盗に入ったためだった。当時、新聞記者だった著者の父親のノ
ートをもとに、著者が生まれた当時、80年前の事件の真実を追究。
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◆『橋本夢道物語  妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね』
            殿岡駿星著・定価1900円・税別
自由律俳人の橋本夢道は<渡満部隊をぶち込んでぐっとのめり出し
た動輪><子ら問う巡査がなぜこんなに従いゆくメーデーなの>
などの反戦自由律俳句を作っていたため、1941年2月、特高に治
安維持法違反容疑で逮捕された。同時に「京大俳句」の関西在住
同人や関東の「俳句生活」などの同人44人が逮捕された。昭和俳
句弾圧事件と言われている。2年余の獄中で<うごけば寒い>
<大戦起るこの日のために獄をたまわる>など約300句を作る。故
郷の徳島、東京月島、妻静子を愛し反骨とユーモアで生き抜いた生涯。
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◆『橋本夢道の獄中句・戦中日記 
   大戦起るこの日のために獄をたまわる』
              殿岡駿星編著・定価 2000円税別
2012年から、勝どき書房で奇数月の第二土曜日に「夢道サロン」
を開催するようになり、そのメンバーから、夢道の獄中句「大戦
起るこの日のために獄をたまわる」など300句をまとめて本にし
たら、という意見が出た。最近見つかった夢道の戦中日記も加え、
メンバー8人のエッセイも掲載し、「橋本夢道物語」に次ぐ夢道
を紹介する2冊目の本となった。このメンバーが中心となって
「自由俳句の会」が結成され、偶数月にメールによる句会が続け
られ、句会に集まる必要がないので会員は全国にいる。
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◆『三億円事件の真犯人』
        殿岡駿星著・定価1700円・税別
1968年12月10日に発生した、府中三億円事件から40年、
真相を追求していた週刊誌記者上月町子さんは、ついに東武
東上線新宿駅から準急で30分の駅から歩いて40分、埼玉県
西部の農家にたどり着きました。農家の主人は70歳を過ぎた
老人でした。上月記者さんが「三億円事件について話が聴き
たい」というと、老人は「死ぬまで、だれも来ないかと思っ
ていたが、ついに来たか。ここへ来たのは、君が初めてだ」と
いって、住所と氏名を隠すという条件で事件の真相を語った。
老人は「三億円事件は発生の1年前、スカイラインを盗むと
ころからスタートしたんだよ」と話し始めた。
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◆『小さき村なれど -成田の寒村でキリスト教伝道に
        生涯を捧げた元幕臣飯田栄次郎の物語-』
        小松栄三郎著・定価1800円税別
それは、あたかも江戸の中心で起きた幕府の瓦解という激震が
もたらした津波のようなものであったかもしれない。その津波
が、成田の下福田に押し寄せてきて、村を呑み込んでしまった
とも言える。それは徳川幕府が禁じたキリスト教が、幕臣を伝
道者にしてしまうほどのエネルギーを持っていたのである。
(「第一章 幕府の兵卒・農村の教会」から)
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◆『火 みちのく一関忠臣蔵』
         小野寺苓著・定価2000円税別
火は常に胸中に在り、灯りにもなれば、火事にもなる。徳川
幕政下の大事件に遭遇。改易、刃傷、浅野内匠頭の切腹、討
ち入り、苦悩する元禄の一関藩士・牟岐平右衛門、赤穂浪士
・冨森助右衛門、妻るんとの出会い。「本書は忠臣蔵を舞台
に”イエ(家とは、親と子とは何かという根本的命題の提起
にはかならない」(ワシオ・トシヒコの解説から)
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◆『南瓜大玉の日の本國憲法私案』
           南瓜大玉著・定価2000円税別・
南瓜大玉と書いて「かぼちゃだいおう」と読む。東京の玩具会社に
勤めていた著者が定年後、憲法研究に目覚めた。南瓜大玉は、「憲
法試案」を上梓し、日の本に提案する。主な内容は「天皇制廃止・
大統領制・国防軍・地方自衛隊・武器の輸出入を禁止・非正規雇
用の禁止」など。好評となったが、理解できないので説明してほしい
という読者の声が出版社に寄せられる。出版社の依頼で、内容を
説明する講演を頼まれる。南瓜大玉は信州・別所温泉で講演した。
この本は、その温泉旅館で開催された、架空の講演会の記録をま
とめたもの。まじめで楽しい憲法論が展開される。
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◆『響野湾子俳句集 千年の鯨の泪櫻貝』
     響野湾子著・殿岡駿星編・定価2000円・税別
2019年、死刑囚表現展で、死刑囚響野湾子の句<千年の鯨
の泪櫻貝>に感動した殿岡駿星が、響野湾子が逮捕から処刑
までの18年間に獄中で詠んだ俳句、1597句のうち、813句を
選んで句集を編纂した。響野湾子の句は季語や575のリズム
にこだわらない。たとえば11音の<戦争は石の礫>という
句がある。響野湾子は2001年に殺人事件で逮捕され、2006
年から死刑囚展に俳句を発表し、2018年に処刑されるまでの
18年間に多くの本を読み、俳句の勉強をした。他に<枝先
の無きを確かめ蟻もどる><ゆくあての無き鬼もゐて鬼は
外><甚平で彼は消えたり処刑の夜><虹一本飲んで果て
たしああ暗い><一椀に命の果ての湯気の立つ><呼ぶ人
のない道を振り返る><おはようと言える人ゐて暖かし>
<朝顔の藍よりとけて朝が来る>などの句がある。
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◆『こんばんは、毛利小平太です。-霊談忠臣蔵-』
         殿岡駿星著・定価2000円税別
赤穂浪士のひとり、毛利小平太は、最後の脱盟者で、討ち入
り4日前の元禄15年(1702年)12月10日に太夫の大石内
蔵助に参加辞退を表明した。小平太が参加していれば、四七
士でなく、四八士となっていた。長年、忠臣蔵を研究してき
た著者の枕元に、ある夏の夜「こんばんは毛利小平太です」
といって現れた小平太の幽霊がその真相を語った。その後
医師になった小平太は、街医師から仁術の医学を学ぶ。  
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◆『新聞記者はなぜ殺されたのか』
         殿岡駿星著 ・定価2300円税別
朝日新聞阪神支局事件を調べた著者が、犯人の「日本人である」
という脅迫状の嘘を見抜き、舞台をさいたまに移して綴ったパ
ロディー推理小説。事件は、毎朝新聞さいたま支局記者が殺され、
「さいたま困民党」と名乗る組織から「武甲山の自然破壊を許し
た毎朝新聞の記者を断罪した」という内容の犯行声明が届いた。
その脅迫状は嘘と見抜き、深まる謎を追求していく。親友だった
同期の記者が取材し、意外な犯人を見つけ事件の真相に迫る。
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