「あのねぇ、俺考えたんやけど、整体どうかなあ?」
「へ?」
整体って、もちろん全身のツボや血管、筋肉や骨の名所を事細かく覚えるんだよね?
「昨日解剖に興味あるって言ってたからねぇ」
「整体なあ……」
「辞めるなら、それなりの姿勢見せろ。インターネットで調べて」
「ネットの情報量は莫大やから、梅田の旭屋行って見て来るよ」
「うん。じゃあ、辞める方向でいくねんな?」
「うん」
あたしは、この話し合いが後にママを傷付ける事なんて想像すらしてなかった。
ママはそれから間も無くして帰って来た。
晩ご飯をママと2人で作って、いつも通りに後片付けを済ませて、しばらくTV見てました。
話し合いはタイタニックの後編が終わった頃になりました。
この日パパは翌日当直だったので、早く休ませました。
というわけで、この日はママと2人。
妹は塾のテストがあると言って和室で勉強。
再び退学する意思を伝えたあたしでした。
「一生に関わって来ることよぉ? 仕事にも結婚にも……」
「それはわかってるよ」
「わかってない」
「わかってる」
言っても聞かないのは、一家揃ってそっくり。
譲りません。
(てか、履歴と結婚て関係あるっけ? よっぽどでない限りないんじゃ? やっぱり、ママは古典的やなあ)
「一生履歴に残るよ。後で自分が惨めやで?」
そして、あたしはつい言ってしまいました。
ママが自分を責めてしまう事は予想済みで、あたし達姉妹や従姉弟達との間でしか話してない事。
「あんな、あたしにとって何が1番惨めかっていうと、比較されることやねん」
「えっ?」
ママは眉を寄せて、もう1度聞き直したいと言うような顔をしていました。