訪問マッサージの仕事中、ある患者さんが言った。「膝や腿が痛くて思うように動かせない。自分の身体じゃないみたい。」いつもはそうですか、お辛いですね~なんて言いながら問診を続けるのだが、この日は違った。

 

ふと感じたのである。「自分の身体ってなんだ?」と。ワンネスということを真面目に追究している以上、私も貴方も全部一緒というのは揺るがない。

 

その瞬間にハッとする。ああそうか、中にある空気みたいな何か、あるいは空間的な何かこそが「それ」なんだ。「個体」として分離している端末自体が重要なのではなく、注目すべきは「それ」だったのだと。「それ」はどこにでも満ちている。身体にも草にも石にも、どこにでも。などと言うとまるでフォースとかマトリックスみたいだが、まさにその通りである。同じこと。違うのは呼称の問題であり、何と呼ぼうとも構わない。

 

大事なのは「それ」が「それ」であることなのだ。

 

師匠がかつて二年ほど前に、心に残る強烈で不思議な体験をしたと仰っていたが、その意味するところがようやく少し掴めた気がした。

 

中を通る風こそ「それ」。