「どうぞお体ご自愛ください」はどこが間違い? | 伝わる・喜ばれる文章講座

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どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

季節の変わり目など、体調を崩しがちな時期があります。

 

メールや手紙のやりとりで、相手の健康状態を気遣って「ご自愛ください」と言いますよね?

 

次のような表現を使ったことがある人はいませんか?

 

 

「どうかお体ご自愛ください」

 

 

この表現、どこが間違っているのか分かりますか?

 

 

「自愛」は、自分を大切にする、健康状態に気を配るという意味です。

 

つまり、「ご自愛ください」で「お体を大切にしてください」という意味になるのです。

 

これに「お体」を付けてしまうと、「お体お体をご自愛ください」と重複してしまうことになります。

 

「お体」は付けず、「どうかご自愛ください」で十分なのですね。

 

 

こうした二重表現は、つい使ってしまいがちなので気をつけたいところ。

 

 

他にも、

 

「満天の星空」

 

「訃報のお知らせ」

 

「従来から」

 

などは、いずれも二重表現です。

 

 

「満天」は「空いっぱい」という意味なので、「満天の星」が正しい。

 

「訃報」は「亡くなった知らせ」という意味ですので、「訃報」だけでOK。

 

「従来」には「以前から今まで」「これまで」という意味があるので、「から」は不要

 

 

会話ではつい口をついて出てしまうことがあっても、メールなどの文章は文字として残るため、とくに気をつけましょう。