亡くなった父は大の松本清張ファンでした。
出張の時は必ず松本清張の本を買っていました。
当時高校生だった私は、お前にはまだこの世界は
理解出来ないだろうと、父に言われながらも
清張の本を読んだりしていました。
確かに社会派推理小説という事で私には難しかったです。
転勤を拒否した父にとっては、サラリーマン人生は
必ずしも居心地の良いものではなかったと思います。
そんな父が夢中になって読んでいた清張の世界は
父の心を捉える何かがあったようです。
私も大人になって清張の本を読んでみて
権力に対して鋭いメスを入れている小気味の良さに
妥協しなかった父の生き方を重ね合わせてみました。