働く人がひどい怪我をすると、労働安全衛生局(OSHA)と呼ばれる政府機関が、原因を調べて報告書を書く。

そうした0SHAの報告書のうち、肉食処理場でのけがについて書かれたものをみれば、作業員が毎日むきあっている危険がどんなものかわかるだろう。

次ぎのような内容だ。

のこぎり機械に引火し、従業員がひどいやけどをおう。

空中ブレードで首を切って従業員が入院。

ソーセージ押し出し機で従業員が指を切断。

肉かくはん機で従業員が指を切断。

腸詰め機で従業員が指を切断。

断裁機の刃で従業員が指を切断。

吊り下がったフックに突かれて従業員が失明。

ひき肉機の螺旋状の刃で従業員が腕を切断。

肉叩き機にはさまれて従業員が腕を切断。

牛脂に火がつき従業員がやけどをおう。

アンモニアもれで従業員ひとり死亡、8人重症。

ひき肉機にはさまれ従業員死亡。

コンベヤに頭を砕かれ、従業員が死亡。

皮そぎ取り機に頭を砕かれ従業員死亡。

スタンガンで従業員死亡。

内臓調理機にはさまれて従業員死亡。




こうした大きな事故は、毎日起きるわけてはない。


だが牛の処理場を訪れてみれば、いかに危険な仕事かすぐにわかるだろう。



数百人もの従業員~約半数は女性で、ほぼ全員が若いラテンアメリカ系の人たち~が細長いナイフで肉を切っている。


21世紀の幕があき、高速コンピューターとコンパクトな携帯電話の時代になったというのに、牛の処理場で1番活躍するのは、なんと、鋭いナイフだ。

8時間に1万回ナイフをふるう。


彼女たちは細長いナイフで肉を切っている。


胸元まで届く台の前に立って、肉をベルトコンベヤからつかみ取り、脂肪を削り取ったあとでコンベヤにもどし、クズを別のコンベヤに投げ入れ、次ぎの肉を手にとる。


すべてがほんの数秒で終わる。


部屋は冷房がきいていて室内5度前後とかなり涼しいが、作業員の多くが汗をかいている。


数百人がひじをつきあわせて並び、いっときも休まず肉を切りつづける。


処理場の別の場所では、牛の肉が半分に切られて頭上のレールからぶら下がり、男たちの一団に向かって振られる


男たちは片手に大型のナイフを、片手に鋼製のフックを握っている。

そして、フックで肉の塊をとらえ、刃をしゃむにに打ち込む。
うなり声を漏らし、全力で切っ先を突き立てる様子を眺めていると、もはやここが近代的な工場とは思えない。


作業員にはこんな名前がつけられる。

撃ち屋、刺し屋、縛り屋、尻落とし、膝落とし、脱骨屋、頭割り、尻割、鉤吊り


名前をながめるだけでも、牛肉処理場の作業の殺伐さが伝わってくる。


なにしろ500キロあまりの牛が、大部分は手作業で切り分けられているのだ。


作業員の怪我で1番多くが、刺し傷だ。

自分自身を刺す事が多く、誤って近くの人を刺すこともある。

2、3秒に1回のペースで肉にナイフを入れている

8時間で1万回。

どんなことでも、一つの作業をこれほど繰り返すと怪我をする確率が高くなる。

OSHAは不注意や無責任から作業員を危険にさらした精肉会社の経営者にたいして刑事罰をくだす権限を持っているが、めったにその力を使わない。



安全規制を承知のうえで破っている経営者が作業員に怪我に負わせた事で刑事罰をくだされる確率は、宝くじを当てるよりも低い。


~引用終わり~
では、また。


ありがとうございました


今日も良い日をお過ごしください