最近の(我が家限定)の仲間由紀恵ブームに則って、インターネットで里見八犬伝を観た。
Gの日本語の勉強にもなるから日本のドラマや映画はよく見るのだけれど、あんまり良くわからないのは観たくないみたいで。。
今の所仲間由紀恵はハズレ無し、更に「サムライ」「チャンバラ」物って事で、とりあえずGはかなり感銘を受けた模様。
テレビでやってたのは2006年のお正月なんだね。。。観なかったな。。
とりあえず古いドラマだからある程度話の内容を書いても大丈夫でしょう..と言う事で感想を。

冒頭からいきなり逃げる仲間由紀恵(伏姫)。
水たまりに映った顔が犬に見える、そしてやたらと恐ろしげなどう見ても悪役顔の菅野美穂登場。。
実は私的には既に相当意外な展開で、これは本当に里見八犬伝??と思った。
里見八犬伝がなんで犬なのかと言うと、伏姫のお父さんが飼い犬に「景連の首を取ってきたら娘の伏姫を与える」と冗談で行ってしまって、それを真に受けた犬が本当に首を取って来てしまう。お父さんはどうしようもなくて八房を殺そうとするけれども伏姫は犬相手でも約束を違えては行けないと言って、一緒に山へ入って行く。
そういう話ですよね。。。?
昔やってた辻村ジュサブローさんの人形劇ではきちんと色々説明してくれていた気がして、このドラマ盤は全くの別の話のような始まりにちょっと度肝を抜いたりして。巨大な犬の八房が伏姫を背負って山を登って行くシーンがこの話の見せ場のような気がしていたから、ちょっとしょっぱなから残念だった。そもそも八房自体一切存在していない。この解釈じゃ何故「犬」なのかが分かり難いんじゃ?確かにテレビの本音としてはゴールデンタイムに犬と仲間由紀恵が夫婦になるわけにはいかないんだろうけど。。

まあドラマに戻って、とりあえずいきなり逃げる伏姫。
滝に辿り着いた所で悪の親玉、玉梓登場。まじめに結構怖い。。
まるで世の女の恨みを全てしょいこんだような台詞まわしにぞっとする。
しかし、伏姫の婚約者の大輔。。。誤って伏姫を矢で射ってしまうのだけれど、あのシーンはどう考えても玉梓のトリック。
騙される大輔はちょっと単純すぎない??
自分で騙しておいて愛する者を自らの手で殺めるのが人の常という玉梓もちょっと違わない?
聞いちゃおれんと傷つきながら立ち上がる伏姫。
「そんなことはない!」と呪いを打ち切る様に自分の腹に懐刀を突き立てて、玉梓が言った呪いの子等孕んでいない事を証明しながら果てて行く。すると!伏姫の腹からは呪われた八匹の子犬ではなくて八つの玉が飛び出して関東一帯に散り、八犬士を選ぶ。
長くなったけどここまでがはじまりなわけです。

玉はそれぞれ八犬士を選び出し、数年後に場面は飛んで今度は滝沢秀明君。
許嫁の浜路と仲睦まじい感じなのだけれど、生活環境はかなり不幸そう。
意地悪なおばさん、ピン子とその夫が村長で、彼らは実はタッキーの家の秘刀「村雨丸」を狙っている訳です。
更に娘の浜路を信乃(タッキー)にやる気は毛頭ない。
彼のお父さんが亡くなって、村雨丸を古河に届けて士官させてもらおう。。と決めた所で物語は一気に動き出す。
強欲なピン子夫婦(役名忘れてしまったので。。。)は村雨丸も浜路も信乃には渡したくない。
だからこっそり村雨丸をすり替え、更に地方代官と浜路の縁談も進めてしまう。
だけど世の中そうは上手くいかない物で、一人目の刺客は信乃と同様八犬士の一人と分かり玉兄弟となって信乃の味方になってしまうし、もう一人雇った浜路を嫁にしたがっていた踊りの先生は騙されたと知って刀ごと彼女をさらってしまう。
結果ピン子夫妻は代官を怒らせ、殺されてしまう。
ピン子は今際の際に「お代官様。。浜路の代わりに私を。。」なんて言ってたけど、それはまず無理でしょう。。と緊迫したシーンにも関わらず二人で笑ってしまった。

とりあえずこの全4時間のドラマの大半は信乃が旅の途中で八犬士と出会い、伏姫と大輔の話をきいて阿波の里見を救う決意を固め最後は大団円。。という感じ。
いろいろ陰謀渦巻き、八犬士もそれぞれ仇討ちや恨みなどがあるのだけれど、結局敵も一丸となってやってくるから一石二鳥とばかりに纏まって闘う訳です。
更に浜路も実はさらわれた里見の二の姫とわかり、里見家は今後も反映を続けると言う。。
複雑な話ではあるけれど、まとめてみると結構単純。見せ場はやっぱり殺陣シーン。
刀での合戦も良いのだけれど、どっちかというとむしろ忍者もの??という雰囲気で飛ぶは跳ねるは、ワイヤーモーションでがんばってました。

Gはやっぱりチャンバラ物が好きだから、戦闘シーンはかなり楽しかった様で良かったのだけれど、私はこのドラマの一番の柱は伏姫と玉梓。この二人の女性の対照的な姿勢だと思った。
伏姫は芯は通っているけれどとにかく柔和で、世の人が愛する人と幸せに、平和に暮らせる事を願うのみ。決して彼女をこんな不幸に陥れた玉梓を憎んだりする言葉は一言も発しない。けれど玉梓は正反対。弱い女に産まれた我が身が憎い。弱かったからこそ主君に従わなければ生き残れなかったこの世が憎い。自分を処刑した里見が憎い。それから多分里見のお姫様の伏姫への嫉妬もあったのではないかと私は思う。
結局玉梓は全ての凶を生み出して、乱世を創り上げ復讐とも八つ当たりともつかないとんでもない大騒ぎをもたらしてしまう。
逆に伏姫は最初の呪いを自らの心で断ち切り、未来を救う事になる八つの玉を生み出し玉梓の心をも救おうとする。
一番印象的だったのは玉梓が水晶の力に破れ、伏姫のいる滝に戻ってくるシーン。

「そうね、花はいつもすぐそばにあったのに、私たちは戦の世に生まれそれを感じる心さえ失っていた」

この言葉を聞いて玉梓は眠る様に成仏して行く。
猛々しい表情だったのが嘘の様に柔らかくなってそっと成仏して行く。
どんなに荒ぶる心も穏やかな慈悲の心の前には溶けて行ってしまうんだなぁと思い、4時間がんばって見続けた甲斐はあったな、と実感したシーンだった。

こまごまとピックアップして無駄に説明してしまったけれど、ドラマの出来としては結構良かったと思う。
八犬士もそれぞれ適役でアクションも上手だったし、短い時間ながら一人一人のエピソードもなんとなく分かった。
ただ浜路姫はもうちょっと演技力が欲しかったなぁと思う。
Gは浜路姫も仲間由紀恵で一人二役にするべきだったと言うけれど、ちょっと年上すぎない?

まあ我が家は仲間由紀恵ブームなので、彼女の存在感と演技力には文句ないのだけれど、この人はやっぱり時代劇向きだなぁと思った。他に見た映画の感想はまた気が向いたら書こうと思うのだけれど、大奥にしろSHINOBIにしろ着物での立ち居振る舞いが綺麗で雰囲気がでるなぁと思った。
しかしこのドラマの主演女優賞はやっぱり由紀恵さんではなくて菅野美穂でしょう。。
今まで菅野美穂の演技は全然印象に残った事が無くて、なんの映画やドラマに出てたかも分からないのだけれど、これはもう忘れられない。悪女顔が怖いのなんのって。。ほんとに。
占い師妙椿に化けた姿はカオナシ?って感じで、千と千尋を思わずにはいられなかったけどそれでも笑えない、怖い。
この人が何故あんな怨霊になるほど人を憎んでしまったのか、そんな話も菅野美穂で見せてほしいと思った。

最後に、伏姫の腹から産まれた八つの水晶の字はそれぞれ「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」。
良い字だよね。
人として大事な事がきちんと八字の中に納められている。