ハワイの親戚は明日帰る。


今晩一緒に食事をして別れてきた。既にさびしい。




Mr. Susumu Sugiharaは実はアーティストで、水彩画をしている。


ハワイのクラブに入っていて、そこの会報とエッセイを担当しているらしい。


そこで今回日本に来て是非ほしかったのが江戸小紋の和紙。


だけどないというので、今日あちこち走って探してきた。


やっぱりない。


友禅や京小紋はあるけど、江戸小紋はないのだ。


ここは城下町の江戸なのに。




江戸小紋は正に「粋」だ。


京小紋は友禅は「雅」だけれど、江戸小紋は奥ゆかしく更にひねりのきいた「粋」なのだ。


まず味があるのは、なんといっても遠目には無地に見えたりすること。


江戸時代に町人は贅沢禁止令が出たから、いくらお金があってもお洒落をしたくても町人では友禅も着れないし華やかな格好はできない。見付かったらその場で御用だからだ。




だから、江戸の町人は遠めには無地だけどよくよくみるとあられ模様だったり、「ひょうたんから駒」の柄だったり、そんなテクニカルな事を思いついたのだ。柄にも洒落が光っている。


そして何といっても裏地。チラリズムだ。


表は華やかにできないけれど、すそをかえすと真っ赤な絹だったり刺繍だったり。裏地は大変豪華なのだ。芸者も然り。京の芸者がいたり、葦原の芸者がいたりする。葦原の芸者はイコール吉原の芸者だ。葦の原だったところに下町ができて葦原という名前になったのだけれど、葦では凶だから葦をとって吉原にしたらしい。なるほど豆知識。


ところで粋の話だけど、粋な芸者は辰巳の芸者だ。


彼女達のところにも贅沢禁止令がでていたから着る着物は黒字に紋付、裾に刺繍だったりしていたって地味。けれど襟元を観ると白と黒の着物の中に一筋真っ黒な絹の襦袢が入っていたりする。それがまた贅沢で色っぽくて。なんとも優美なのだ。




つまり。


贅沢にもおしゃれにもいろんな種類があるのだ。


そして人は禁じられれば尚更、工夫して粋を創り上げていく。


「その手は桑名の焼き蛤」なのだ。


江戸、かっこいい。