新ことわざ辞典
故事やことわざの伝統的な解釈に、新しい視点を加え、さらに深い解釈を試みてみました。
●棚からぼた餅
もともと、思いがけない幸運が転がり込む事を言う。
しかし、棚から落ちてくるぼた餅を受ける為には、少なくとも、棚の下まで来ていることが必要条件で、何事も最低限の準備がないと、幸運をまねくことは絶対できない。
転じて、漫然と手を拱いて、幸運のみを当てにする怠けものを戒める例えとして使う。
●ブタもおだてりゃ木に登る
いくらおだてても、ブタが木に登れるわけはない。
本来、たいした才能もないものが、おだてられ、有頂天になって、出来もしない事をしようとして失敗する、そのような軽薄な輩を揶揄した例え。
転じて、ライバルなどを、やたらに褒め称え、慢心させることにより、その人を葬り去るといった、陰険な策略を弄する行為の例えとして使う。
●猿も木から落ちる
猿のように木登りに長けたものでさえ、木から落ちることがあるのに、不慣れな者が、木に登れば、必ず落ちる。
転じて、能力のないものが分を弁えず、無謀な企てをすることを戒める例えとして使う。
●猫に小判(同、豚に真珠、馬の耳に念仏)
従来の解釈では、値打ちが分からないものに宝物を与えても感謝されない、無駄な行為の例えとされる。
転じて、当人(猫や豚や馬など)にとって何の役にも立たないもの(又は行為)を、さも恩着せがましく与え、見返りばかりを期待する、間抜けな輩を揶揄した例えとして使う。