小学生のころ、髪の毛が茶色いことは私にとって大切な個性であり自慢できることでした。

得意なことなど特になく勉強ができたわけでもなかったので、茶髪は当時の私には私自身を表すものというか、アイデンティティのようなものでした。

 

 

そうして自分の個性を自覚して数年で、小学校を卒業し中学校に入学しました。とはいえ田舎だったので中学校に入学してもクラスメイトは知っている友人が多く、少し上の姉がいたので先生方も知っている人が何人かいました。

 

 

特に小学生のころと変わらないだろうと思っていました。

入学して間もないころ、学年にやんちゃな女子がいると噂になりました。

三つの小さな小学校と一つの大きな小学校が中学から一つの学校に通うため、お互いに名前や性格を知らずその女子がどの子なのかという噂で学年が盛り上がりました。私は大きな小学校出身で知り合いも多くいたので、そんな子が本当にいるのかと友人と話したりしたこともありました。

 

 

 

しばらくして噂も落ち着いたころに、仲良くなった私とは別の小学校出身の友人に「やんちゃしてるのってカワウソだと思ってた。」と言われました。私は目立つことが苦手で真面目にしているつもりだったので、友人になんで!?と聞きました。

 

すると友人は「カワウソは茶髪で目立ってたから、ほかの子もカワウソが噂になってる女子だって話してたんだよね。初めて教室でカワウソ見たときにクラスにヤンキーがいるって思ったもん。」と、ずっと真面目に目立たずに過ごしてきたのでそういう風に見られていたことに驚きました。その友人に聞いてみるとほかにもそう思っている人がいたようで、さらに驚きました。

 

その時にそれまで個性だった私の茶髪は、”みんなと違うこと”なのかなと初めて感じました。

 

 

 

 

 

その後中学校に入学して二か月ほどで初めての「頭髪検査」がありました。

この頭髪検査で私は自分の茶髪に関係することで初めて怒りを感じました。