子どもの頃から、
私は他の子が興味あるものに興味が持てずに
浮いていることが多かった。
特に芸能人に関しては全く興味がなく、
人気の歌手も、「歌を歌う若い女の人や男の人」というひとくくりで考えていて、
どんな人がいてどんな歌を歌っているとか、
何も覚えていなかった。
「ジャニーズでどの人が好き?(私の頃はたのきんトリオ😁)」という
定番の問いにはいつも困らされていた。
この歌って踊る少年たちに「好き」という感情がわかないし、
まず誰が誰だか違いも分からない。
(まるでおばあちゃん^^;)
しかたないのでいつも適当に答えていた。
昨日はとしちゃん、今日はよっちゃんと、
聞かれるたびに違う人を答えていたかもしれない。
また、女の子に人気の魔法少女系のアニメや少女漫画にも、全く関心がなかった。
反して、男の子が見るウルトラマンやロボットアニメはよく見ていた。
女の子向けの作品は、
男の子が見る戦い中心の話とは異なり、
人と人との感情のやり取りが中心に描かれている事が多く、
その面白さが理解できなかったのだと思う。
ただでさえコミュニケーションが下手なのに、
みんなの話題についていけず、教室ではひとり浮いていた。
だいたい、人に興味が持てなかったのだろうと思う。
(今でもその傾向はある。)
小学校の理科や社会の教科書に、
同じ年代の子どもが実験をしたりしている写真が出ていたりするが、
「なんでこんな知らない人の写真が出ているんだろう、
ダサいしジャマだな(ヒドイ!)」と思っていた。
もちろんクラスメイトにもあまり興味がなく、
誰と誰が仲良しだとか、
そういうクラスの人間関係もあまり分かっていなかった。
「自分には関係ないこと」として、他の人の人間関係に注目するという観点が、
私にはかけてしまっていた。
「自分には関係ないこと」として、
関心の範囲が非常に狭くなっているのだ。
まさにこれが、自閉の根幹的な要素なのではないかと思う。
この度合いがどれほど強いかによって、自閉の度合いが決まってくるのだろう。
自閉症という名称に最初は強い違和感を持っていたが、
今となってはとても言い得て妙な名前なんだなと感じている。