前回、CMVが悪さしなくなって良かったなーのお話をしました。
その後、健康にすくすくと育つ娘。
そして在宅介護の始まりでした。
ALSの宣告を受け1年10か月。母の自宅(徒歩5分ほど)のところから我が家へ母を迎えました。
61歳の母と35歳の私と2歳の娘の女3人の暮らしはきつくもあり、そんな中にも笑いもありました。
娘の中にある「祖母」はいつも紐をぶら下げて歩いている姿です。
何故かというと…
母は、ALSと診断された翌年、「胃瘻」造設をしようとしたところ、
なんとがんがみつかり胃を摘出することになってしまったのです。
そのため、胃瘻の造設ではなく…「腸瘻」の造設に変更になりました。
胃瘻ではなく、腸瘻となると管理方法が大変で、私と当時介護を手伝ってくれた従姉と病院に勉強に通いました。
おへその横のところからチューブが伸びていてそこにつなげる。
接続はそれだけなのですが、滴下時間がかかる。
胃瘻は胃袋が袋なので一気に落とせるのですが、腸はそうはいかないのです。
一気に落とすと下痢をしたり、ダンピングといって低血糖を起こしたりするのです。
そのため、ゆっくりと3回分の食事のカロリー分を1日かけなくてはならない…
そんな状況だったのです。
退院してきた当初は24時間で落とさなければいけないと、と寝ている間も接続しないといけなかったのですが、その後、近くの病院に転院した際に「こんなもの寝てるときもしてたらつらいわ!寝る間は外せるように調整しよう!」とその先生はきちんと調整してくださったのです。
とは言うものの、起きている時間は点滴棒に栄養の袋をぶら下げている母を見て育った娘は、
祖母は何かとつながっていると、思っていたようです。
母の腹部から出ているチューブには、
朝起きたら、ぬるま湯に酢を入れたものを一旦シリンジで通し、それから栄養をつなげる。
途中、痛み止めや整腸剤等…薬を生食に溶かしたものを通す。
夜寝る前には、薬等を流したあと、ぬるま湯に酢を入れたものを通し、つまらないようにして1日が終わる。
吸入器の横に吸入用の薬剤と生食とシリンジを2本用意し、痰を吸引するための機械も常に清潔を保ち、
トイレは付き添えば自力で行けました。
お風呂は訪問看護師さんが入れてくれていました。
そんな介護の間も娘は我儘一つ言わずまだたった2歳にも関わらず、お手伝いをしようとしてくれたり
本当に育てやすい子になっていったのです。